(1)概括――細川氏は全投票者の3.42%の自民支持層しか引っ剥がしていない/脱原発票の半分が舛添、田母神両氏に
(2)「若者の右傾化」について
(3)宇都宮選対に集った若者と宇都宮に投票した若者
(4)2014年都知事選=最後のチャンス論を他県はどう見たか
(5)311後の政治運動の課題設定と民主主義の理念に反する「宇都宮・細川一本化」
(6)批判を忌避する脱政治文化
(7)勝たせる選挙へ向けて
(8)選挙戦術について
(1)概括――細川氏は全投票者の3.42%の自民支持層しか引っ剥がしていない/脱原発票の半分が舛添、田母神両氏に
私は松戸在住だが、東京は都民だけのものではないので、一昨年に引き続き、勝手に宇都宮健児支持で今回も動いた。2014年都知事選を振り返りたい。
結果は、宇都宮が第2位、前回と比べ、得票数も得票率も伸ばしている。
[開票結果、分析、出口調査など]
2014年都知事選開票結果
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/387926552.html
都知事選:都選管が投票率46.14%に訂正 /東京 - 毎日新聞
http://sp.senkyo.mainichi.jp/news/20140211ddlk13010083000c.html
◆都知事選の出口調査を比較してみた/舛添氏、高齢層から圧倒的な支持 - てらまち・ねっと
http://blog.goo.ne.jp/teramachi-t/e/afc7b2c91508ced645548e442da3ba90
東京新聞:都民世論調査の詳報 主な質問と回答:東京都知事選2014:特集・連載(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/2014tochiji/list/CK2014012502000196.html
今回の都知事選は、前回の宇都宮・猪瀬の構図が細分化して、舛添・細川・田母神の保守3分裂に、細川の脱原発テイストが加味された構図だと思う。
かなりの脱原発票が前回の猪瀬氏に流れているのであり、舛添・田母神票が猪瀬票より減ったからというだけで、脱原発票が増えたといえるのかどうか、検証が必要だと思う。もちろん、脱原発票が宇都宮・細川に収まったことで、実効的な脱原発票は増えた。
毎日の記事にあるように、有権者の中で脱原発の優先度が高まったのは事実だろう。続くかどうか分からないが。
都知事選:脱原発「歴史的転換」 うねり高まる余地残す - 毎日新聞
http://mainichi.jp/select/news/20140210k0000m010062000c.html
(最大の争点として「原発・エネルギー」と回答は21%、前回は8.5%)
宇都宮氏でも細川氏でも、「即時ゼロ」「将来ゼロ」で稼いだ得票率の合計は、実際の得票率(開票結果)にほぼ等しく、宇都宮氏が引き寄せた「即時ゼロ」有権者は9.45%、細川氏が引き寄せた「即時ゼロ」有権者は11.88%と計算される(下記表:時事出口調査から計算)。この2点から、細川氏が引き寄せた「即時ゼロ」有権者11.88%が、「原発・エネルギー」を最大の争点とした有権者が前回の8.5%から21%に伸びた原因かもしれない(下記東京新聞の世論調査からも、「原発・エネルギー」を最大の争点とする有権者は「即時ゼロ」に多いだろうから)。
東京新聞:都民世論調査の詳報 主な質問と回答(2014年1月25日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/2014tochiji/list/CK2014012502000196.html
(脱原発は六割。原発関連の公約を「大いに重視する」は「即時ゼロ」で六割近く、「時間をかけて」で二割未満。前回は都宮氏に投票した人では、四割が今回も宇都宮氏を支持、二割が細川氏に「投票する」)
ただ、前回の宇都宮から今回の細川に流れた票が確実にある。東京新聞は上記世論調査で、2割としている。宇都宮→細川票は「即時ゼロ」がほとんどだと思われるから、脱原発の優先度の高まりが細川氏だけの貢献なのか、疑問が残る。宇都宮が新規に「即時ゼロ」を掘り起こしたが、同時に旧来の宇都宮支持「即時ゼロ」票のかなりが細川に流れた可能性も否定できない。
下記の時事出口調査(2014年都知事選、支持政党別投票先)と朝日出口調査(2012年都知事選)を比べれば、猪瀬支持の自民票が舛添と田母神に分裂し、猪瀬支持の無党派票の一部が宇都宮・細川・田母神に流れ、猪瀬支持の民主票の一部が細川に流れたようにみえる。細川氏が獲得した自民票はわずか9%に過ぎず、宇都宮氏も自民票の4%は獲得している。
NHKの政党支持出口調査(上記てらまち・ねっとブログ)と時事出口調査(2014年都知事選、支持政党別投票先)を組み合わせれば、細川氏が獲得したのは全投票者の9.75%(無党派層)、3.42%(自民支持層)、3.12%(民主支持層)、0.42%(維新支持層)であり、細川氏が自民票を引っ剥がしたという評価は難しい。
要するに、細川氏は非自民、民主党的な候補者として支持されたと評価するのが妥当だろう。脱原発の優先度の高まり(上記毎日新聞)も、脱原発が自民候補より期待できる民主党的候補としての細川氏に投票した有権者の期待を反映しているのかもしれない。
時事ドットコム:無党派31%、舛添氏に=全年代でトップ−都知事選・出口調査
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201402/2014020900223
(自民支持層は64%が舛添氏に、21%が田母神氏に、9%が細川氏に、4%が宇都宮氏に投票。無党派層は31%が舛添氏に、26%が宇都宮氏に、25%が細川氏に、10%が田母神氏に投票、民主支持層は25%が舛添氏に、25%が宇都宮氏に、39%が細川氏に、8%が田母神氏に投票)
無党派層6割、猪瀬氏を支持 都知事選・朝日出口調査 - 東京都知事選2012:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/special/2012tochijisen/TKY201212170306.html
(2012年都知事選で、猪瀬氏は無党派層の62%、自民、公明、維新の支持層の8割、民主支持層の58%を獲得、宇都宮氏は無党派層の17%を獲得)
下記の時事出口調査から原発選択肢別・候補者別の得票率を計算すると、下記ブログの表のようになり、脱原発票は宇都宮・細川グループ、舛添・田母神グループでほぼ拮抗する。つまり、脱原発票は実効性という点で、半分が無駄になっている。
時事ドットコム:原発「将来ゼロ」6割=半数は舛添氏に−都知事選・出口調査
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201402/2014020900228
(57%の原発「将来ゼロ」の63%が舛添・田母神に投票、27%の「即時ゼロ」の17%が舛添・田母神に投票)
2014年都知事選開票結果
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/387926552.html
原発選択肢別得票率(時事出口調査から)
|
即時ゼロ |
将来ゼロ |
ゼロ計 |
ゼロにせず |
得票率(開票結果) |
舛添要一 |
4.05 |
28.5 |
32.55 |
8.16 |
43.40 |
宇都宮健児 |
9.45 |
10.83 |
20.28 |
1.12 |
20.18 |
細川護熙 |
11.88 |
6.84 |
18.72 |
0.64 |
19.64 |
田母神俊雄 |
0.54 |
7.41 |
7.95 |
5.28 |
12.55 |
4候補計 |
25.92 |
53.58 |
79.5 |
15.2 |
95.76 |
(2)「若者の右傾化」について
選挙結果は投票した有権者の意思で決まるものだから、選挙結果に及ぼす若者の右傾化の影響を考えるなら、選挙結果だけを見ればよい。
投票した20代のうち、宇都宮氏、細川氏のそれぞれより田母神氏に投票した有権者が多いという事実に注意しなければならない(朝日新聞2月9日出口調査、下記古谷経衡氏の記事に再掲)。死票を嫌って、本来は田母神支持だが舛添氏に回った若者がいるはずで、それを考えれば、田母神氏を支持した若者は出口調査よりはるかに多いだろう。
田母神氏に投票したであろうネット保守ないしネット右翼の実態について、古谷経衡氏は「「「ネット保守」の中心は30代、40代が主力であり、比較的富裕な中小の自営業者を中心とする都市部の中産階級である」と見立てているが、「今回の都知事選挙における田母神候補の得票分析は、この私の「ネット保守」の自説を補強するものになったことは間違いない」と断言している。
若者は本当に田母神氏を支持したのか?(古谷経衡) - 個人 - Yahoo!ニュース
http://bylines.news.yahoo.co.jp/furuyatsunehira/20140211-00032569/
従来、ネット右翼などは貧困層だと想定されてきた。貧困をもたらしている国内政治的な要因に怒りと嫌悪の矛先を向ける代わりに、東アジア諸国に向けてきた、と考えやすいが、そうではないのか。
(3)宇都宮選対に集った若者と宇都宮に投票した若者
真偽はともかく若者の右傾化は懸念されるが、宇都宮を若者が支持したことは確かな事実だ。選対や勝手連(の一部)の様子は開票後のツイキャスなどによく表れているし、朝日の出口調査でも40代以下の支持は、宇都宮、細川、田母神の間では宇都宮がトップに立っている(朝日新聞2月9日出口調査、上記古谷経衡氏の記事に再掲:年代別得票率の単純和で、宇都宮が58%、田母神が55%、細川が47%)。
田母神氏は年配者ほど票を減らしているが、これは田母神氏の人柄と政策をよく示している。舛添氏は年配者ほど票を増やしているが、これは日本の有権者の特質をよく示している。宇都宮氏は各年代でまんべんなく票を獲得している。これは宇都宮をその人柄と政策で支持したことの証左だと思う。いま宇都宮を支持している若者は年を取っても宇都宮のような候補者を支持するはずで、ここに希望が持てるし、これが今回の選挙の重要な成果の1つである。
(4)2014年都知事選=最後のチャンス論を他県はどう見たか
柏崎刈羽原発の再稼働阻止で頑張っている新潟の泉田裕彦知事や、反原発運動より長きにわたって米軍基地撤去の闘争に取り組んできた沖縄の方々などは、今回の2014年都知事選=最後のチャンス論をどう思われたのか、気になるところだ。
例えば、東京の有権者・市民が沖縄の反基地以上に反原発で力を尽くしたという歴史があるなら、今回の都知事選で細川にかけるしかない、と判断する選択肢もあったかもしれない。
しかし、311以降の東京というより、おそらく日本における反原発運動は、反原発を選挙の時の最優先課題に選択する有権者を増やすという目的を掲げてきたようにはとても思えない。既存の反原発有権者層の部分集合を特定の日時、場所に結集させるもので、原発推進側からすれば、新たな脅威にならない。選挙をひっくり変えす要因を創りだすわけではないから。
最後のチャンスというわりに、有権者が運動の現場に現れず、十分な努力もせず、ネットで選挙評論に血道を上げた反草の根民主主義の実践というべきものが、一面において、今回の都知事選の実態であったと思わざるを得ない。
(5)311後の政治運動の課題設定と民主主義の理念に反する「宇都宮・細川一本化」
福島原発事故をもたらしたのは、犠牲を強いる政治、差別の政治だから、311後に設定すべき政治課題は、「表面的な脱原発」だけではなく、「根源的な差別政治の克服」であるべきだった。
この国では民主主義というととたんに空気をつかむように空疎な概念になってしまうが、その実体は差別の克服に他ならない。福島や沖縄のような地方に原発や米軍基地という犠牲を押し付ける差別、地方・少数者の民意を押し殺す差別を克服することを民主主義という。
この差別政治が象徴的に表れたのが、311直後に民主党政権が改めて打ち出した比例区定数の削減という小政党、すなわち脱原発政党に対する差別を拡大する動きだった。原発事故で犠牲を強いられている福島県民を中心とする有権者が心から脱原発を願って小政党に一票を託しても、一票の価値をさらに減じてしまうのが比例区定数の削減である。基本的人権の根源のレベルで何重にも差別を押し付けることに気づかねばならなかった。
ところが、福島原発事故と、基本的人権の中で最も重要な立候補権、選挙権がないがしろにされている問題を結び付ける視点は、運動圏の中にほとんどなかった。
治安維持法と抱き合わせで高額選挙供託金制度が導入された1925年からいえば、富裕者にしか立候補権を認めない制限選挙を優に一世紀近くもこの国の主権者は克服できていない。これがこの国の民主主義のレベルで、個別課題の政治運動が、民主主義をつかみ取る基幹的政治運動から乖離する枠組みで進められている。
「宇都宮・細川一本化」、細川陣営の政策、細川支持者の一部による選挙運動も、基本的にそうした枠組みの中に位置づけられる。細川氏が都知事選を利用して野党再編をしかけると言ったときには、またか!と思った。平等な選挙権をないがしろにする小選挙区制を小沢一郎氏らとともに導入して政権交代を促すというまやかしの私的政治構想を進めようとしたことと、まったく発想が共通している。
小選挙区制によって脱原発にとって困難な状況を生み出していることを何ら反省せず、細川氏をかつぐという政治運動のあり方が、私には理解できない。細川氏は脱原発と同時に小選挙区制廃止の国民運動を都知事選前からやっていてしかるべきである。
「宇都宮・細川一本化」というのは、宇都宮に会ったこともない反原発文化人が、有権者・市民を巻き込んでの政策のすり合わせもなく、民主主義プロセスを無視して、宇都宮に降りろというもので、話にならない。どちらが勝てる候補かの情勢認識でも、細川一本化勢力は間違っていた。選挙最終盤の東京新聞による宇都宮優位の調査も生かされなかった。
政策面でも、311後に優先すべき政治課題が犠牲を強いる政治、差別政治の克服であったとすれば、労働者や子どもに犠牲を強いる国家戦略特区=規制緩和を支持する細川氏を手放しで支持する選択肢はあり得ない。小泉純一郎氏以来の規制緩和で、保育所での子どもの死亡事故が増えている。認可外保育所は認可保育所の45倍である。
認可外保育施設の子どもの死亡事故発生率は認可保育所の45倍 - 子どもの命を守る宇宮けんじさん|すくらむ
http://ameblo.jp/kokkoippan/entry-11763888611.html
細川氏以外を泡沫候補と呼んだ広瀬隆氏はいま、どう思っているのだろうか。
広瀬隆さんからの手紙です「都知事選について」
http://nonukes.exblog.jp/20308686/
「当選の可能性がゼロの候補者に投票することは、泡沫候補に投票して、それがすべて死に票になる、ということだ。したがって、二人の候補者がいるのではない。自民党支持の舛添要一を倒せる候補者は一人しかいない。」
細川支持者の一部は、某候補者を共産党籍があるとデマを語っていた。IWJの岩上安身氏が見かねて、ネットの生中継で候補者本人にわざわざ確認しなければならない状況にまでなった。
また、細川氏が宇都宮氏を大きく引き離す「1月末 NHK世論調査」なるものがネットで出回った。一部の非公開メーリングリストで、関連情報が流れたが、信ぴょう性がない。裏を取れるなら、公開していただきたい。
【東京都知事選】「1月末 NHK世論調査」と称する情報について NHKへの取材報告 | IWJ Independent Web Journal
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/123828
細川陣営は一貫してテレビ討論を拒否してきた。宇都宮がもっとテレビで政策を語っていてれば、劇的に票を上積みできたと断言できる。細川氏は選挙権と双璧をなす知る権利という基本的人権も尊重しない姿勢を見せた。
このように民主主義的価値とはまったく無縁の選挙で脱原発を実現しようとした。こんな選挙で脱原発も、その他の政治運動も発展することはないし、民主主義をつかみ取ることなどできない。
(6)批判を忌避する脱政治文化
上述の某党籍デマを含め、某党関連では何を言っても許されると言わんばかりの風潮がある。
繰り返し繰り返し、「某党では勝てない」という言説が拡大再生産され、政治知識のない若者などは特に、そのような言葉に影響されかねない。「某党では勝てない」は、選挙戦術の評論の域を出て、単に某党と某党支持の候補には投票するな、と言っているも同然の積極的なネガティブキャンペーンになっている。某党の小選挙区制下での漸次の退潮傾向と同様の効果を持っているだろう。
このような風潮がある一方で、批判を忌避する脱政治文化というべきものがある。
ネットでは「disる」という言葉がある。一説に英語のディスリスペクトが語源らしい。
ディスリスペクト - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%AF%E3%83%88
その意味するところは、批判なのか、中傷なのか、単に相手の気分を害することなのか、分からない。
選挙や政治は政策論争であり、批判を抜きには考えられない。どうも宇都宮・細川陣営の一部からは「disる」批判が聞かれる。安倍首相や舛添氏を批判してもよいが、宇都宮、細川両氏を批判してはならないというのなら、理解できない。
脱政治化して政治を語る、政策を実現しようとしているように見えてならない。日本独自の現象だと思う。福島原発事故を起こした東電、特にその経営者を鋭く追及できず、責任を取らせていない現状も、批判力の乏しい有権者が招いていると考えるしかない。
街頭演説は引いてしまう、と語る方もいる。むしろ私はそういう考え方に引いてしまう。日本の一般的な有権者はどのような政治手法を想定しているのだろう。それは実現可能なのか。もっと普通に世界標準で考え、普通の行動に努力する方が手っ取り早いと思う。
(7)勝たせる選挙へ向けて
私はこの間、勝てる選挙ではなく勝たせる選挙を訴えてきた。ある若い方は、どうも選対が本気ではないから応援したくない、という考え方をしているようだ。私は勝たせる選挙が草の根民主主義にかなっていると思う。選挙の神様と呼ばれる人がいるらしいが、若いときからその方を知る人は、単に勝つ選挙に乗っかっているだけだ、と証言している。なるほどな、と思う。
今回は前回の自宅からの電話かけに加え、マイク演説を中心とする街頭行動にかなりの力を入れた。足立区と葛飾区が主な活動地域だったが、私の訴えを聞いた都民は数万はいるだろう。
電話かけと街頭行動の両方をやった葛飾区で、宇都宮票の前回からの伸び数4312票が大田区の7828票に次いで2位となっている。足立区でも宇都宮は前回より得票数を増やしている。都内勝手連の皆さんの活動に加え、都外からの私らの活動が上乗せされ、葛飾区のこうした成績につながったのなら、うれしい。確証はできないが、勝手連が努力すれば票が増えるという確信を、自分の中で持つことができる。これが草の根民主主義をつかみ取る次の選挙に向けて大事なことだ。
2014年東京都知事選挙地域別得票
http://hayariki.net/tobu/kaihyou.htm
選挙をやる意義は、一回の選挙の勝ち負けだけではないと、宇都宮も語っている通りだ。
平和への結集ブログ » 選挙運動、候補者擁立運動、市民運動の関係:2013年12月28日「日本のピンチを希望に変える! talk talk talk !!」での宇都宮健児氏の発言(ビデオ)
http://kaze.fm/wordpress/?p=518
宇都宮氏がよく語る「一人一人の力は微力ではあるが、決して無力ではない」という言い方は、自分はあまり好きではなく、有権者総体では膨大な力を持っている面を強調した方がいい。
今回の都知事選を市民運動の勝利、と呼べるものにしたいと努力してきたつもりだ。結果は残念だが、市民運動の潜在的力量を示すことができたのではないかと思う。
(8)選挙戦術について
街宣車はマスメディアなのだとの自覚が必要だ。大きな駅なら1日で何十万人も利用する。意識的に届く言葉を用意しておけば、大きな力を発揮する。私は候補者、応援弁士以外の街宣車付随要員に、候補者の名前だけでなく政策も訴えるよう要望したが、私の思い描く選挙言説を聞くことはできなかった。候補者、応援弁士の演説を聞く有権者の数はたかが知れている。勝負は、数秒で通り過ぎていく膨大な有権者をターゲットにした短い言説を、街宣車、マイクを持つ選挙運動要員すべてができるかどうかにかかっていると、私は思っている。
勝手連も同様で、チラシは基本的に受け取ってもらえないものだと理解し、声で勝負するしかない。候補者の名前だけ、あいさつだけしてチラシを渡すだけでは、足りない。拡散したいと思ってもらえる人柄や政策も同時に訴える必要がある。そのためには事前に言葉を用意しておかなければならない。
私は電話かけの効果はあると思う。全国から少なくとも1万人の参加がほしかった。私の呼びかけに応じていただいた方には感謝したい。電話かけでは、名前だけでは不十分だと思う。私は「福祉を充実させる宇都宮…」で切り出した。
以上をやりきれば、必ず勝てると確信できる選挙だった。
太田光征
http://otasa.net/