エネルギー基本計画(原発再稼働、1月6日締め切り)のパブリックコメント

☆拡散☆ 原発ありきの「エネルギー基本計画」素案にノーを!…問題点と状況を整理しました。パブコメの提出先も
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-62eb.html

官僚の皆さん、偽りを重ねて原発を推進して何のメリットがあるのですか。真に国民のための仕事をしたくはないのですか。パブコメ本文では福島原発事故を起こした者を処罰すべきだと述べていますが、皆さんが心から反省するなら、処罰を免除される余地はあると思います。

全体について(原発の再稼働と海外輸出)

東海地震などを控えた日本で福島原発事故の二の舞を起こせば、日本の信頼は完全に失墜します。エネルギー安全保障どころの話ではありません。三菱重工が米サンオノフレ原発に納入した蒸気発生器で放射能漏れ事故を起こし、同原発の閉鎖に追い込み、損害賠償を請求され、事故原因究明のための情報公開を要求されるも拒み続けています。欠陥原発技術を海外輸出することは日本の信頼をさらに損ねてしまいます。原発の再稼働と海外輸出は論外です。やめてください。

全体について(パブコメのあり方)

総合資源エネルギー調査会基本政策分科会の委員は原発推進に偏っているので、人選をやり直し、計画案の策定もやり直してください。パブコメの期間も短いので延期してください。パブコメをテレビ、新聞、ラジオなどで周知してからやり直してください。各地で説明会を開催してください。2012年の「環境・エネルギー選択肢」の国民的議論の成果を受け継いでください。

2ページ「汚染水の漏洩等、東京電力福島第一原子力発電所でのトラブルは内外に様々な懸念を生じさせている」について

懸念ではなく実害を発生させています。福島原発事故は少なくとも災害関連死という形で殺人を引き起こしました。

福島原発事故救援の「トモダチ作戦」に従事した米軍人は放射線障害で東電に莫大な損害賠償を請求中で、踏み倒すことも大問題なら、受け入れることも国民に負担を強いる大問題です。

2ページ「政府及び原子力事業者は、いわゆる「安全神話」に陥り十分なシビア・アクシデント対策を講じることができず、このような深刻な事態を防ぐことができなかったことを深く反省しなければならない。このような事態を二度と起こさないようにするため、事故原因を徹底的に究明し、安全性向上のための努力を不断に講じなくてはならない」について

反省どころではなく、福島原発事故を起こした者を処罰するべきです。事故原因が究明されていないのに、原発を再稼働・海外輸出するべきではありません。

2ページ「東京電力福島第一原子力発電所事故の発生を深く反省し、最優先課題として福島の再生・復興に全力で取り組んでいくことが、エネルギー政策を再構築することの出発点となる」について

福島の再生・復興とエネルギー政策の再構築は関係ありません。後で理由を述べます。

4ページ「人類の活動による影響が20世紀半ば以降に観測された地球温暖化の最も有力な要因であった可能性が極めて高いとされており」について

そのような科学的コンセンサスはありません。後で詳述します。

5ページ「東日本大震災とそれによる巨大津波は、被災地域に甚大な損害をもたらすとともに、全電源を喪失して原子炉冷却機能を失った東京電力福島第一原子力発電所の深刻な事故を引き起こし」について

国会事故調査委員会の報告の通り、地震の揺れそのものが原因であった可能性があります。

5ページ「いわゆる「安全神話」に陥ってしまったことや、被災者の皆様を始めとする国民の皆様に多大なご苦労をおかけしていることを、政府及び事業者は深く反省しなければならない」について

反省ではなく、処罰されなければなりません。

6ページ「電気料金の上昇は、電力を大量に消費する産業や中小企業の企業収益を圧迫し、人員削減、国内事業の採算性悪化による海外への生産移転、廃業等の悪影響が生じ始めている」について

世界一高い電気料金によって、福島原発事故の前から、例えばアルミ産業などは日本から既に脱出しています。

6ページ「原子力発電を火力発電ですべて置き換えた場合、電力業に生じる生産性が10%程度低下すると見込まれる」について

原発は社会全体でみれば最も高コストであり、社会全体でみた生産性は最も劣るはずです。

7ページ「火力発電をフル稼働させることで補っている状況にあり、発電施設の故障などによる電力供給不足に陥る懸念が依然として残っている」について

発電設備の故障は火力に限らず、原発を含め、すべての施設で起こります。しかし、原発の故障が最も復旧に時間がかかるか、まったく復旧できません。

8ページ「6.エネルギーに関わる行政、事業者に対する信頼の低下」について

わずか8行しかありません。もっと真剣に反省し、詳細に書いてください。

9ページ「家庭における節電行動の動機は、電力供給不足への協力という動機から、電気料金上昇の家計への影響を緩和するためのものへと変化し始めている」について

犯罪企業の東電に1円でも儲けさせまい、一刻も早く破綻させ、円滑で効果的な事故対策と被害者賠償のため、という動機で電気使用量の削減に努めている消費者も多くいます。

9ページ「我が国が化石燃料、特に石油を依存している中東地域では、2010年12月に発生したチュニジアのジャスミン革命が、ヨルダン、エジプト、バーレーンなどへと飛び火し、いわゆる“アラブの春”が中東・北アフリカ地域に拡がった。この結果、こうした地域全体の政治・社会構造が不安定化し、原油の供給不足発生への不安から原油市場も不安定化することとなった」について

民主主義革命の懸命の試みを自国へのエネルギー供給の観点のみから安易に「不安定化」と評することは、非常に失礼です。

9ページ「また、イランの核開発疑惑は、地域の緊張を高めた」について

中東における緊張の始原はイスラエルによるパレスチナの占領と核武装にあります。歴史を途中から眺めてはいけません。

9ページ「次に述べるシェール革命による米国のエネルギー分野における自立化が、米国による中東情勢への関与を弱めさせ、結果として中東情勢をより不安定化させる可能性についても、エネルギー安全保障の観点から考慮することが重要である」について

米国によるイスラエルに対する軍事支援が中東を不安定化させています。エネルギー安全保障の観点からも、米国の軍事外交政策を平和の方向へ持っていく努力が日本に求められています。

10ページ「急激なエネルギー需要の伸びと、中東・北アフリカ地域の不安定化は、中東の化石燃料への依存を深めているアジアを中心とした地域で、エネルギー安全保障の観点から、化石燃料を補完する有力エネルギー源として原子力の利用を拡大しようとする動きを加速させる方向に作用している」について

ドイツのように福島原発事故を受けて原子力から離れる動きが加速しているのが実態です。各国が原発を導入しようとしているのは、核兵器所有国に対抗するためです。

12ページ「安定的で社会の負担の少ないエネルギー供給体制の実現は、我が国が更なる発展を遂げていくための前提条件である」について

貧乏人に負担の大きい消費税増税を押し付け、大企業の多くが法人税を納めていない状況で、エネルギーについてだけ「社会の負担」の少ないことを求めるのは通用しません。

12ページ「(1)エネルギー政策の基本的視点(3E+S)」について

原発は安全性、安定供給、経済負担、環境負荷のすべての点で最悪であるから、日本のエネルギー選択肢から除外すること。

13ページ「海外資源への高い依存度という我が国のエネルギー供給構造や、今後、国内エネルギー需要が弱含んでいくことを踏まえれば、エネルギー産業が我が国のエネルギー供給の安定化に貢献しつつ、経営基盤を強化してさらに発展していくために、自ら積極的に国際化を進め、海外事業を強化し、海外の需要を自らの市場として積極的に取り込んでいくことが求められる」について

日本国内の需要はできるだけ国内で賄うべきことを目標とするなら、エネルギーの海外需要を日本が取り込むのは虫が良すぎるというものです。

13ページ「企業が活動しやすい国」について

「誰もが憲法25条で保障された生活を送れる国」に変えてください。

13ページ「エネルギー需給構造の改革は、エネルギー分野に新たな事業者の参入を様々な形で促すこととなり、この結果、より総合的で効率的なエネルギー供給を行う事業者の出現や、エネルギー以外の市場と融合した新市場を創出する可能性がある」について

エネルギー需給構造の改革を行うには、まず犯罪企業の東電を破綻させる必要があります。エネルギー事業者に犯罪企業が居座って、改革ができますか。

13ページ「こうした改革は、我が国のエネルギー産業が競争力を強化し、国際市場で存在感を高めていく契機」について

世界一高い電気料金の原因である総括原価方式、地域独占を排して、完全自由化を実現しなければ、競争力強化どころではありません。

13ページ「安定性と効率性を確保」について

枯渇資源である化石燃料とウランなどの核資源に対する依存度を下げなければ、安定性は確保できません。自然エネルギーの比率を高めるしかない。

14ページ「多層的な供給構造」について

枯渇資源を供給源とする限り、いくら多層構造を用意したところで、安定性は確保できません。自然エネルギーの比率を高めるしかない。

14ページ「エネルギー供給構造の強靭化」について

災害の影響をほぼ受けない海洋を含む地域分散型の自然エネルギーであれば、災害に強い。

15ページ「資源調達における交渉力の限界等の課題」について

何が交渉力の限界ですか。東電子会社の息のかかった商社が米国向けの9倍でLNGを東電に売りつけているではないか。

東電、米国の9倍で購入/吉井議員 LNG価格を指摘
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-07-28/2012072804_03_1.html
「問題の会社は、東電の子会社「TEPCOトレーディング」と三菱商事が共同出資し、オマーン産LNGの購入・販売権を有するセルト社。同社は米国向けに百万BTU(英式熱量単位)あたり2ドルで販売する一方、東電には9倍も高い18ドルで販売しています。(今年の実績)」

15ページ「我が国が国産エネルギーとして活用していくことができる再生可能エネルギー、原子力、さらにメタンハイドレート」について

ウランを輸入しなければ成立しない原子力は国産エネルギーとはいえない。

16ページ「有事における強靭性の向上」について

なぜ天然ガスについてだけ有事の強靭性を問題にするのか。真っ先に原発について必要でしょう。

17ページ「(5)原子力 まる1 位置付け 燃料投入量に対するエネルギー出力が圧倒的に大きく、数年にわたって国内保有燃料だけで生産が維持できる準国産エネルギー源として、優れた安定供給性と効率性を有しており、運転コストが低廉で変動も少なく、運転時には温室効果ガスの排出もないことから、安全性の確保を大前提に引き続き活用していく、エネルギー需給構造の安定性を支える基盤となる重要なベース電源である」について

原発はちょっとした事故で停止させなければならず、一番不安定な電源です。現にいま、全原発が停止しています。運転コストは社会全体でみて最大で、莫大な熱を海に排出しています。安全性の確保など保障されておらず、ベース電源などになり得る代物ではありません。

17〜18ページ「まる2 政策の方向性
原発依存度については、省エネルギー・再生可能エネルギーの導入や火力発電所の効率化などにより、可能な限り低減させる。その方針の下で、我が国のエネルギー制約を考慮し、安定供給、コスト低減、温暖化対策、安全確保のために必要な技術・人材の維持の観点から、必要とされる規模を十分に見極めて、その規模を確保する。
安全性を全てに優先させ、国民の懸念の解消に全力を挙げる前提の下、独立した原子力規制委員会によって世界で最も厳しい水準の新規制基準の下で安全性が確認された原子力発電所については、再稼動を進める。
また、万が一事故が起きた場合に被害が大きくなるリスクを認識し、事故への備えを拡充しておくことが必要である。
さらに、原子力利用に伴い確実に発生する使用済核燃料は、世界共通の悩みであり、将来世代に先送りしないよう、現世代の責任として、その対策を着実に進めることが不可欠である」について

原発は安定供給、コスト、温暖化、安全の点で最悪の電源であり、原発維持の政策は必要ありません。
国民の懸念を解消するために嘘をついてはいけません。規制委員会による新基準は委員長が認めている通り、安全基準ではありません。再稼働の基準とすることはできません。
原発を停止させた上で、福島原発事故のような事故が起きないよう、一刻も早く核燃料を安全な場所に移すことが必要です。
エネルギー基本計画なのですから、使用済核燃料の処分方法について、「対策を着実に進める」と書くだけではどうにもなりません。

18ページ「(6)再生可能エネルギー まる1 位置付け 安定供給面、コスト面で様々な課題が存在するが、温室効果ガスを排出しない、国内で生産できる有望な国産エネルギー源である」について

海洋を含めれば再生可能エネルギーが最も安定性に優れています。再生可能エネルギーは地産地消だけではありません。風力や太陽光が安定供給される地域で風力発電による電気分解や安価な光分解によって生産した水素の輸出入が有望となります。

コストについても、例えばフランス会計監査院は2012年の報告書(下記記事参照)で、フラモンヴィル原発の発電コストは(陸上風力よりも高い)1MWh当たり70-90ユーロと予測しており、自然エネルギーが原発などより高いというのは悪意あるプロパガンダです。

French nuclear set to become more expensive than wind power
http://blog.ewea.org/2012/02/french-nuclear-set-to-become-more-expensive-than-wind-power/#more-2839

太陽光発電が高コストであるというのも嘘で、電力会社の売電価格24円/kWhを下回る発電コスト19円/kWh(設置コスト29万円/kW)を実現している企業もあります(下記記事参照)。

太陽光発電 19円/kWhの衝撃
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20111226/225632/?P=1
すべての家庭用太陽光発電を24円/kWhに
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120201/226768/?P=1

22ページ「本基本計画では、長期エネルギー需給見通しとともにとりまとめることはしないものの、中長期(今後20年程度)のエネルギー需給構造を視野に入れ、今後取り組むべき政策課題と、中長期的かつ総合的なエネルギー政策の基本的な方針をまとめている」について

使用済み核燃料の管理は半永久の期間を要するにもかからず、中長期の見通しを前提として原発を再稼働させるとは何事ですか。未来を見通してのエネルギー基本計画が必要であり、そのためには原発を再稼働させるべきではありません。

22ページ「北米からのLNG調達など国際的なエネルギー供給構造の変化の影響が我が国に具体的に及んでくる時期(2018年〜2020年を目途)までを、エネルギー関係インフラの強靱化・更新などを進め、安定的なエネルギー需給構造を確立するための集中改革実施期間と位置付け、当該期間におけるエネルギー政策の方向を定めることとする」について

「影響が我が国に具体的に及んでくる時期」を待つなどという非主体的な態度は改めてください。

22ページ「エネルギーミックスについては、各エネルギー源の位置付けを踏まえ、原子力発電所の再稼動、固定価格買取制度に基づく再生可能エネルギーの導入や地球温暖化問題に関する国際的な議論の状況等を見極めて、先行きがある程度見通せると判断された段階で、速やかに示すこととする」について

原発を含めようとするエネルギーミックスの考え方を先送りして原発を延命しようとする方針を放棄してください。

23ページ「(1)原子力政策の出発点−東京電力福島第一原子力発電所事故の真摯な反省」について

反省などという生ぬるいことは通用しません。事故を起こした犯罪者を処罰しなければならない。

23ページ「(2)エネルギー政策における原子力の位置付けと政策の方向性」以下について

前の節で書いたことをそのまま繰り返す必要はありません。

24ページ「(1)福島の再生・復興に向けた取組 福島の再生・復興に向けた取組は、エネルギー政策の再構築の出発点である」について

福島の再生・復興とエネルギー政策の再構築とは関係ありません。何が何でも原発を維持したいがために、その「信頼性」を嘘で取り戻すために、最大の政治課題である福島の再生・復興を掲げて懸命さを装い、原発再稼働にこぎつけたと思うから、このような表現になります。

24ページ「国の財政措置を実施すること」について

一企業である東電の尻拭いのために税金を投入するのであれば、まずは東電を破綻させなければなりません。無能な東電の体制を残したままで、事故収束はできないのです。

25ページ「原子力事業者を含む産業界は、自主的に不断に安全を追求する事業体制を確立し、国はそれを可能とする安定的な事業環境の整備等必要な役割を果たしていく」について

原子力事業者の自主性に任せていたら、国会議員も騙す情報隠しと安全無視の体質は変わりません。原子力事業者を市場から追放するしかありません。

25ページ「原子力損害賠償制度の見直しについては、現在進行中の福島の賠償の実情等を踏まえ、政府の責任の明確化や原子力事業の予見可能性向上の観点から、海外の事例も参考にしつつ、総合的に検討を進める」について

福島の再生・復興を高く掲げておきながら、賠償については総合的に検討を進めると書くだけの基本計画がありますか。ふざけないでください。

26ページ「使用済燃料の貯蔵能力の拡大へ向けて政府の取組を強化する。あわせて、放射性廃棄物の減容化・有害度低減のための技術開発を進める」について

原発を再稼働しなければ「使用済燃料の貯蔵能力の拡大」は不要です。原発を再稼働しないでください。「放射性廃棄物の減容化・有害度低減」についてもいい加減な技術開発に手を染めないで、単純な技術で安全に管理する体制の構築に力を注ぐべきです。

26ページ「まる1 使用済燃料対策の抜本強化と総合的な推進」について

「将来世代に負担を先送りしないよう」といいながら、処分方法もない使用済み核燃料を増やすことになる原発再稼働を推し進めるエネルギー基本計画と政府を信頼することなどできるわけがありません。

「高レベル放射性廃棄物については、)将来世代の負担を最大限軽減するため、長期にわたる制度的管理(人的管理)に依らない最終処分を可能な限り目指す、)その方法としては現時点では地層処分が最も有望である、との国際認識」はありません。技術幻想に依拠しない人的管理しかないでしょう。地層処分は単なる核物質の拡散にしかなりません。地表管理が基本です。

迷惑施設は平等に負担することがそもそも不可能です。各県に平等に分散させるとしても、県内での地域格差が生じてしまうからです。「差別性」は不可避となります。

「差別性」を引き受ける主体は誰か。日本国の象徴が「万世一系?の天皇」なら、天皇家が皇居で永遠に管理することなどを考えなければ、解決できないほどの難題を抱えてしまったとの認識にまず立つべきなのです。原発の再稼働などもってのほかです。

「廃棄物の発生者としての基本的な責任を有する事業」の責任がまったく明記されていません。事業者の最低限の責任は、これ以上、廃棄物を増やさないことです。原発の再稼働は認められません。

28ページ「まる2 核燃料サイクル政策の着実な推進」について

核大国の英国も高コストから核燃料サイクル政策から足を洗っています。日本も撤退すべきです。原発再稼働などの見通しが立たない中で、原発を再稼働させるとしても原発比率も定まらない中で、核燃料サイクルを進めることはできません。

28ページ「東京電力福島第一原子力発電所事故を受けて、国民の間に原子力に対する不信・不安が高まっているとともに、エネルギーに関わる行政・事業者に対する信頼が低下している。
この状況を真摯に受け止め、その反省に立って信頼関係を構築するためにも、原子力に関する丁寧な広聴・広報を進める必要がある」について

反省ではなく事故を起こした者を処罰することが必要です。本パブリックコメントもろくに広報しないくせに、原発推進のための広報には力を入れる。100ミリシーベルト以下で健康被害が生じるという科学的知見などを広報してください。

29ページ「まる3 世界の原子力平和利用と核不拡散への貢献」について

日本の責務は核兵器の廃絶であり、核兵器原料を生産するための原発輸出を禁止することです。

36ページ「東京電力福島第一原子力発電所事故によって原子力利用が停滞して電力供給に不安を抱えるようになる」について

原発は全機停止中でも電力は供給できています。電力不足キャンペーンは行わないでください。

41ページ「世界初となる大型浮体式洋上風力発電所についても、福島沖で実施している実証研究を進め、2018年頃までの商業化を目指しつつ」について

2018年というのは遅すぎます。

42ページ「(分散型エネルギーシステムの構築は)地域において一定のエネルギー供給を確保することに貢献するものである」について

新規に建設する建築物に太陽光パネルの設置を義務付ける例が世界にはあります。このように大胆な政策が必要です。

45ページ「官民が協力して電気自動車及びプラグインハイブリッド自動車に必要な充電器の普及に努める」について

2次エネルギーとしてエネルギー効率の悪い電気自動車を普及させるべきではありません。

53ページ「緊急時対応や広範なエネルギー政策分野で豊富な蓄積を有するIEAや、IAEAなどの事務局機能も充実した安定的な多国間の枠組み、アジア太平洋経済協力(APEC)などの地域の枠組みに積極的に貢献していくことが必要である」について

世界保健機関(WHO)による放射線影響の研究を骨抜きにする協定を結び、福島県とも同様の協定を結んだIAEAとの協力を進めるべきではありません。

53ページ「安定性を向上する」について

「向上」は自動詞なので、「向上させる」としてください。

53ページ「石油、天然ガス、石炭、鉱物などの資源国、高効率火力発電、原子力、再エネ・省エネ技術、スマートコミュニティ等の潜在的な市場となる国との二国間関係を強化していく」について

福島原発事故を踏まえ、世界に向けて、ドイツのような脱原発の選択肢を推奨していく活動を進めていくべきです。

54ページ「原子力利用を支える体制については、商業分野においても日本と米国の原子炉メーカーは一体的にビジネスを展開する体制を既に確立しており」について

このような日米べったりの原子力推進体制を当然視しないでください。日米原子力協定を破棄するくらいの方向転換が必要です。

54ページ「我が国とインドの間では、2007年以来7回開催してきた日印エネルギー対話の下、包括的なエネルギー協力を推進してきている」について

核兵器廃絶の観点から、核兵器所有国のインドに原子力技術を提供するための協議はしないでください。

55ページ「特に、我が国を取り巻く中国、東南アジア、インドを始めとする新興国においては、エネルギー需要の著しい増大により、原子力発電の導入拡大は不可避なものとなっている」について

日本と同じく民意を無視したプロセスで原発の導入を推進しているこれらの国々における施策を当然視しないでください。

55ページ「加えて、中東地域は、急速な経済発展に伴いエネルギー消費が大幅に増加することが見込まれている。このため、化石燃料の消費量を抑制し、輸出原油を確保する取組を始めており、こうした観点から、省エネルギーの推進に向けた取組の支援や原子力、再生可能エネルギー分野における協力が重要である」について

中東地域は、イスラエルの核武装解除をはじめとして、非核地帯化を真っ先に進める地域です。原子力協力はその方向で進めてください。中東地域は安定的に太陽光エネルギーを活用できる地域であるので、安価な水の光分解による水素生産などを振興してもらうための支援を強化すべきです。

55ページ「仏国と、原子力分野で、核燃料サイクルや高速炉開発に加え、東京電力福島第一原子力発電所事故への対応や共同開発原子炉の国際展開などの協力が進展しており、引き続き、「原子力エネルギーに関する日仏委員会」等を通じて、協力を一層強化していく」について

仏国を含め、海外とは原子力推進の協力を行わないでください。

55ページ「2.地球温暖化の本質的解決に向けた我が国のエネルギー関連先端技術導入支援を中心とした国際貢献」について

地球温暖化の理解については科学的コンセンサスが得られていません。地球の気温と太陽活動や銀河系の活動について相関関係が見いだされており、宇宙気象学的観点から地球の気候を理解すべきことが明らかになりつつあります。

日本としては地球気候についての研究を飛躍的に前進させるためのイニシアチブを取るべきです。

57ページ「こうした困難な課題を根本的に解決するためには、革命的なエネルギー技術とそのような技術を社会全体で導入していくことが不可欠となる」について

これでは技術者ばかりに努力を求めているようなものです。日本の弱さは政治・社会的責任を取らず、政治・社会的潜在力が十分に発揮できないことにあります。まずは福島原発事故を起こした者を罰することです。官僚・国会議員だけでなく、市民も無責任な意志薄弱から抜けきることが、日本社会に最も必要です。

58ページ「そうした様々な技術開発プロジェクトを全体として整合的に進めていくための戦略をロードマップとして、来年夏までに策定する」について

国民的大議論で策定しましょう。

58ページ「準国産エネルギーに位置付けられる原子力」について

このような詭弁はやめましょう。100%輸入エネルギーです。

58ページ「水素エネルギーの実装」について

実装という言葉が随所で使用されていますが、この言葉は主に製品にある機能を組み込むことを指すのであり、社会にある機能を組み込む場合には「導入」などを使うべきです。

58ページ「太陽光を用いて水から水素を製造する光触媒技術・人工光合成を始めとする将来の革新的なエネルギーに関する中長期的な技術開発」について

水の光分解のための技術は何か遠い将来にしか実現しないような認識ぶりですが、既存技術をもっと調査していただきたい。

59ページ「二酸化炭素などを回収して封じ込めるCCSなどに関する技術開発も並行して進めていく」について

地球気候についての理解を確立することがまず先であり、宇宙気象学の研究などに全力を挙げるべきです。

59ページ「国民が自らの関心に基づいて最も適切に整理された情報を選択できるよう、科学的知見やデータ等に基づいた客観的で多様な情報提供の体制を確立する」について

「最も適切に整理された情報」という形で、官僚が恣意的に選択する情報を国民に提供しないでください。「科学的知見やデータ等に基づいた客観的で多様な情報提供の体制を確立」については、その通りを実現してください。

59ページ「また、国民自身の省エネルギーの取組の徹底や、再生可能エネルギーの供給者としてエネルギー供給構造への参加、放射性廃棄物処分の立地選定への関心などを高めることが、国民の役割や責任としても重要である」について

原子力を拒否するために冷暖房機器を拒否するなど、電気をなるべく使用しないできた私のような消費者と、野放図に電気を使用してきた消費者の責任が同じであるはずがない。前者は原発による発電分を使用していないと考えられるのであり、そのような者が放射性廃棄物を引き受ける義務などない。放射性廃棄物を発生させた事業者と、原子力政策を進めてきた官僚と政治家が真っ先に責任を取らねばならない。

59ページ「エネルギー事情に対する理解を深める機会を充実させていく上で大きな障害となるのが、「安全神話」の存在である」について

放射線障害や地球気候についても神話が存在しているようです。科学的知見を恣意的に選択して提示しないでください。

60ページ「客観性を高め、「国民目線」で個々の事情に対応したより適切な情報提供を行えるよう、第三者による助言を得ながら取組を進めていくために、民間有識者から構成されるアドバイザリーボードを更に活用していく」について

総合資源エネルギー調査会基本政策分科会委員が原発推進に偏っているように、官僚が恣意的に選ぶ有識者をいくら揃えたところで、客観的な判断を促進することにはなりません。

60ページ「エネルギー教育の推進」について

官僚が恣意的に選ぶ教育者を採用する限り、偏った洗脳になる恐れがあるので、エネルギー教育の推進は不要です。それより本パブコメの広報をしてください。首相が一言しゃべればいいのです。

60〜61ページ「エネルギーをめぐる状況の全体像について理解を深めてもらうための最大限の努力を行う一方で、エネルギー政策の立案プロセスの透明性を高め、政策に対する信頼を得ていくため、国民各層との対話を進めていくためのコミュニケーションを強化していく」について

それなら本パブコメの広報を新聞、テレビ、ラジオで行ってください。

61ページ「地域の実情に応じ、科学的に検証した情報を発信するとともに、原子力が持つリスクやその影響、リスクに対してどう向き合い対策を講じていくのか等について、丁寧な対話を行うことが重要である」について

山下俊一氏のように笑っていれば放射線の影響を受けないと語る類の情報は困りものです。発言権者の偏りをなくすことで、この種の弊害を排除しなければなりません。放射線による健康被害の評価に携わる者の人選などを恣意的に進めないことです。原発のリスクを押し付けることを前提にした対話は必要ありません。

太田光征

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