特定秘密保護法案――戦前体制からの脱却と違憲身分の解消を真っ先に

特定秘密保護法案――戦前体制からの脱却と違憲身分の解消を真っ先に

国会議員の皆さま

 自民党の町村信孝衆議院議員は、特定秘密保護法案が戦前の軍機保護法に類似しているとの指摘を極端な話として突き放していますが、共同通信が曝露したように、陸上自衛隊が首相にも防衛相にも知られずに秘密情報部隊を組織して、海外でスパイ活動を行ってきたこと、また同党の石破茂幹事長が同法に反対する街頭行動について「絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらない」と考えていることなどから示されるように、現在は戦前の体制・思想・体質から決別し切れていません。

特定秘密保護法案:戦前に類似「極端な話」 町村氏、報道を批判
http://mainichi.jp/select/news/20131130mog00m010013000c.html
陸自、独断で海外情報活動/首相や防衛相に知らせず/文民統制を逸脱/民主国家の根幹脅かす
http://www.47news.jp/47topics/e/247996.php
沖縄など: 石破茂(いしばしげる)ブログ
http://ishiba-shigeru.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-18a0.html

 福島原発事故は生命・人権軽視、「想定外」を最初から抱えた希望的/無謀的計画、教訓無視、無反省、無責任、無制御の官僚主義という戦前の遺産の産物といえるでしょう。第一次安倍内閣は、原発電源対策の不備を野党から指摘されながら、それを無視しました。

 東京電力による放射性物質のばら撒きは特定秘密保護法案でいう「特定有害活動」に他なりませんが、放射性物質を取り締まる法律もろくに整備せず、日本の安全保障のためといっても、まったく説得力がありません。定数是正訴訟の判決を取り消してほしいと国会議員が言っている場合ではなく、真っ先に「無主物判決」を取り消してほしいと主張するべきです。

【参院選無効判決】「取り消してほしい」と自民・脇参院幹事長 「本質的協議ない」との指摘に立腹
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131129/plc13112921500020-n1.htm

 その定数是正訴訟ですが、11月20日の最高裁判決に続き、11月28日の広島高裁岡山支部の判決で、現国会議員が違憲の身分にあることが表明されました。違憲議員が国民主権を切り縮める特定秘密保護法を成立させる資格はありません。国会議員は平等な国民主権を保障すべく、選挙権関連の平等を何よりも優先して実現しなければなりません。物事の優先順位をあべこべにしないようお願いします。

【要望書】選挙権関連の格差は「定数配分の格差」だけではありません〜「0増5減」は無所属候補に対する差別を拡大する〜
http://kaze.fm/wordpress/?p=468

 特定秘密保護法案の中身についていえば、ISD(投資家対国家の紛争解決)条項によって企業主権を「国家主権」の上部に置くのがTPP(環太平洋経済連携協定)なら、やはり企業主権を国民主権の上部に置くことになってしまうのが特定秘密保護法案でしょう。「適合事業者」(国籍規定なし)が「特定秘密」を保有でき(5条4項、8条)、さらには特定秘密を条件付きながら第三者に提供できるからです(10条3項)。

 石破幹事長は上記発言の一部を撤回しましたが、依然として「一般の方に大音量という有形の圧力を加えるという点で、(街頭デモは)民主主義と相いれない部分があり、(テロと)相通ずるものがある」(12月2日付朝日新聞)と語っています。テロ=「主張に基づき、他人や国家に強要する活動」と読める条文もそのままです。

 11月18日にお届けした要望書の通り、特定秘密保護法案を否決されるよう、お願いします。

【要望書】特定秘密保護法案――虚構の安全保障ではなく国民主権の保障を
http://kaze.fm/wordpress/?p=513

2013年12月3日

「平和への結集」をめざす市民の風
http://kaze.fm/

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