脱原発選挙の論点

(1)福島原発事故の震源

過疎地であれば原発を建ててもよいとする差別政治――規制組織による過酷事故対策の不在は矮小化(過疎地への立地が事故対策)。沖縄に米軍基地を押し付けてきた差別と通底。自民は旧新憲法草案で95条を削除。95条とは、国会による自治体差別立法を抑止するため、自治体を対象とする法案の成立条件として、当該自治体における住民投票を義務付けたもの。差別政治が政治潮流。

(2)3.11後の現状

差別政治の責任追及は不問(自民は頭を高くして民主を批判)
原発事故 → 脱原発=単なる一政策課題の転換に矮小化

(3)3.11後の視座

脱原発=脱差別・民主主義の政治思潮・目標設定 → 政党間の本質的差異の顕在化

「福島原発事故の被害者が心から脱原発少数政党に投じる1票の価値を現在よりさらに減じてしまう比例区定数の削減」が、3.11後の通常国会で早々に改めて民主党から宣言。主権者の基幹的な権利を切り崩し、2重の差別を押し付けようとしながら、「被災者の救援」。一体、被災者・国民はこうした政治から何を恩恵として得られるか。

「脱原発=脱差別・民主主義」政治潮流をめぐる最大の土俵 → 選挙制度改革(政党も市民運動も不戦敗)

膨大な数の主権者に対して1票の価値をまったく認めない差別制度としての小選挙区制

小選挙区制・定数削減に反対 →「脱原発を包括する脱差別・民主主義」「脱原発派議員の最大化」

(4)脱原発選挙アンケート――脱原発だけの質問でよいか?

個別政策レベル(脱原発)の質問 → 議員は主権者の手をすり抜けてしまうので、脱差別・民主主義の土俵に引きずり込む

現状、原発即廃止などいないから、厳密な「再稼働反対」議員はいない → 種々の質問で脱原発度をグレード分け

・原子力基本法の目的「原子力の推進」「安全保障に資すること」
・山下俊一体制、「学会許可なしの健康影響調査をするな」文科省・厚生労働省通達
・再稼働を縛る方向での規制委員会設置法の改正
・第2期国会事故調で国会議員の責任
・脱原発の足を引っ張るISDS条項付きのTPP

太田光征

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