野党共闘で、特定秘密保護法廃止の全駅同時街宣を行い、また都知事選・名護市長選に臨んでいただきたい

1月 7th, 2014 Posted by MITSU_OHTA @ 11:22:35
under 選挙制度 , 秘密保全法 , 2014年都知事選挙 , 2014年名護市長選挙 Comments Off 

民主党御中
民主党東京都総支部連合会御中

 公約違反の辺野古埋め立て承認を行った仲井眞弘多沖縄県知事の決定を歓迎されたことに続き、市民によるデモをテロと同一視した石破茂・自民党幹事長と貴党の前原誠司・元代表が列車模型を手に特定秘密保護法案の強行可決から間もない新年早々に対談する図も驚きですが、舛添要一氏が貴党の中で都知事候補として推されることも驚きです。

 特定秘密保護法案の強行可決に続き、今年は集団的自衛権を認める戦争手続き法の国家安全保障基本法案が提案され、立法壊憲で憲法が停止されかねない瀬戸際です。この時期に貴党から公表されてしかるべき力強い方針が一向に出てきません。

 確かに貴党は特定秘密保護法(与党原案)が民主主義を危機に陥れるという論調を取りましたが、民主主義の土台は知る権利と表現の自由だけではありません。しっかりした参政権(選挙権と立候補権)が揃って初めて議会制民主主義における基本的人権が保障されます。表現の自由にしても既に選挙運動では著しく制限されていますが、公選法改正を声高に主張されないのはなぜでしょうか。

 民意に反する特定秘密保護法の強行可決に道を開いたのは小選挙区制による自民の偽装勝利でした。自民の延命と自公の選挙協力のためのスキームとして機能することに終わった小選挙区比例代表並立制について、貴党からはまったく総括が聞こえてきません。

 このように民主主義の土台としての参政権という基本的人権に対する思い入れの強度が政党にしてもメディアにしても有権者にしても頼りないこの国で、民主主義が実現していない中で、特定秘密保護法が民主主義を破壊するとの主張に迫力がなく、政権与党の企てを跳ね返すことができなかったのは、当然というべきです。

 立法壊憲にどう立ち向かうのか、この国の民主主義をどう確立するのか、ぜひ展望をお示しください。2014年以降の政治に求められているのは、民主主義革命といっていいくらいのものでしょう。

 それくらいの政治目標を掲げ、特定秘密保護法案に反対した他野党と連帯して、国会だけでなく都知事選や名護市長選などで壊憲勢力と対決することが貴党に求められているはずです。秘密保護法案の成立阻止に何らの積極的な活動をしていない舛添氏を都知事候補に担ぐなど論外です。前原氏は石破氏にケンカをしかける新春対談をすべきでした。鉄道談議とは…

 秘密保護法廃止法案を提案するだけではどうにもなりません。例えば千葉県松戸市では特定秘密保護法案成立阻止の全駅同時街宣を行った政党があります。まずは他野党と共同での都内全駅同時街宣を提案します。これを全国に拡大してください。市民も同じ目標に向かって動いています。

 また民主主義改革一括法のような形で、秘密保護法廃止法案と同時に公選法改正案も提案し、政治争点を明瞭に提示すべきでしょう。

 貴党の名にふさわしく民主勢力 vs 不自由非民主勢力という対決構図を全国総力戦で可視化していきましょう。

2014年1月7日

「平和への結集」をめざす市民の風

(同日、ファクスで送付)

2013年12月6日の参院本会議:「特定秘密の保護に関する法律案」の討論終局から採決に至るまでの議長席における会話

12月 21st, 2013 Posted by MITSU_OHTA @ 18:36:55
under 秘密保全法 No Comments 

非常に生々しい会話が聞き取れます。

山崎正昭議長らが投票途中での延会まで検討した上で、最終的に記名投票を決定。野党は「牛歩なんて絶対しない」と見透かされ、民主党は議長判断(延会)を容認、共産党は「救いの手」を出したとか。「もし記名投票といった場合は、脇(雅史自民党参院幹事長)先生は、議長の首を取りに行く」と自民党内での攻防までダダ漏れ。

参議院インターネット審議中継
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
http://www.webtv.sangiin.go.jp/generator/meta_generator_wmv.php?ssp=13916&mode=LIBRARY

【抜粋】

「いま靴上から投げた傍聴人がいます。…いまもう捕まえて上にしょっぴきました。」

「他の会派、いま仁比先生だけが討論終えて上に上がって来ていますが、他の理事はぜんぜん上がって来ません。というか水野さんいませんよ。」

「ちょっとお待ちください。いま共産党が救いの手を出しました。」

「最初からあの延会をやるという心積もりでしたから。」

「えーやってもやってもいいですよ。押しボタンで。」

「民主党は議長判断で延会でよろしいと。」

「規則上は5分の1以上の要求があれば記名投票にしなければならないと。」

「やっぱり規則は規則ですから、議長は破るわけにはいきませんっ。」

「押しボタンは結果出ます。記名も出ます。ただあの時間がね、牛歩でもされたらアウトですよ。」

「牛歩なんて絶対しないと思います。」

「もし記名投票といった場合は、脇先生は、議長の首を取りに行くぞと、まで言っておりますけど。」

【全体】

(仁比聡平議員の討論)

11:28 これにて、討論は終局いたしました。しばらくお待ちください。

12:06 いま靴上から投げた傍聴人がいます。

いまもう捕まえて上にしょっぴきました。

これもうもたないですよ。

12:48 場内協議関係で…

13:00 議長の判断ですけど、どうされますか。もう押しボタンでいきますか。

他の会派、いま仁比先生だけが討論終えて上に上がって来ていますが、他の理事はぜんぜん上がって来ません。というか水野さんいませんよ。

13:30 ちょっとお待ちください。いま共産党が救いの手を出しました。

とにかく討論終局まではもう済んでます。

こうやっているうちに記名投票した方が早いですね。

共産党の、共産党の結論を聞いて。

はいはい分かりました。

共産党の意見を聞いて。

はい、はい。

これはね放棄したんですよ。…

そうですよ、そうです。

なぁ。

いまちょっとまた議運の委員長のところに行ってですね、延会手続きでどうですかともう一度言ってきます。そうすれば理事会協議にもできますので。このまま時間過ごすと日を越えてしまいます。

はい、はい。

17:15 最初からあの延会をやるという心積もりでしたから。

…これね結果を出してだね。

18:23 えーやってもやってもいいですよ。押しボタンで。

はい、押しボタンでいいですか。

やってもいいですよ、もうこれ、ちょっとまって。…

19:10 議長、それではこのまま押しボタンで行くということでよろしいですか。

ちょっとお待ちください。

20:00 採決に加われるんだろ、押しボタンで。

そうです、加われます。

加われるんならいいじゃん。

事実上の記名投票ですから。ただそのトウキに基づいて出してきたことをどうするか。でももう議長も認めない、議運長も認めない。

んだからどうにもならんでしょ。

民主党は議長判断で延会でよろしいと。…

そうなると押しボタンだな。

21:14 規則を盾にとって押しボタンではダメなん。

…なければならないと。

だから、議長の判断で延会にしろと。

こんなところで押しボタン押したら。

22:35 採決に加われるんだろ。

採決には加われます。

…議運…出してきても。

22:48 規則上は5分の1以上の要求があれば記名投票にしなければならないと。

でもあれでしょ。

記名やるか記名、記名。

23:20 記名はもうだめじゃないですかね、まぁやれんことないです、20分…

やぁやぁこれ延会…

延会にするという決め手の論理…

23:58 採決に加われるんだろ。

24:26 やっぱり規則は規則ですから、議長は破るわけにはいきませんっ。

んー

24:32 だったらあれにするわ、延会にするわ。

延会ですか。

そうしないと時間間に合わない。

記名投票したら結果でるの。

押しボタンは結果出ます。記名も出ます。ただあの時間がね、牛歩でもされたらアウトですよ。

だから延会すればいいんでしょ。

そうです。ただ、投票の途中で延会するしかないですね、そうなると。投票の途中で延会するしかないですね。

そうそうそう、それは了承するから。

はい。

…ないですよそんなこと。…牛歩なんてしない…

25:40 牛歩なんて絶対しないと思います。

投票の途中だな。

はい、途中でもできます。

了承がなければだめだろ。

いえ、それはだいじょぶです。時間が来たらもう議長の権限でやれますから。ちょっとお待ちください、その確認だけしますから。イドウがだめでも。

26:28 (議場:議運で…何なんだよ)

28:28 もう一度、議長は、あの規則違反をすることはできないと、すぐ記名投票をやろうと、言ってますということを議運委員長に伝えてよろしいですか。

はい、…あの、行って、記名投票で早く決めろと。

時間…時間ないと時間。

29:50 録音中断

31:12 録音再開

138条です。

2通りの選択肢を見ました上で我々は押しボタン方式しかないと思っているが、議長判断であれば仕方がないと。

それじゃやりましょう。これより採決にかけます。

もし記名投票といった場合は、脇先生は、議長の首を取りに行くぞと、まで言っておりますけど。

あっ、いい、いいです、どうぞ、はい。やってください。やりましょう。

これより採決をいたします。足立信也君ほか57名により評決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。現在の出席議員の5分の1以上に達しているものと認めます。よって評決は記名投票をもって行います。本案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、ご登壇の上ご投票を願います。

(以下、略)

太田光征

特定秘密保護法案――戦前体制からの脱却と違憲身分の解消を真っ先に

12月 3rd, 2013 Posted by MITSU_OHTA @ 0:26:32
under 秘密保全法 No Comments 

特定秘密保護法案――戦前体制からの脱却と違憲身分の解消を真っ先に

国会議員の皆さま

 自民党の町村信孝衆議院議員は、特定秘密保護法案が戦前の軍機保護法に類似しているとの指摘を極端な話として突き放していますが、共同通信が曝露したように、陸上自衛隊が首相にも防衛相にも知られずに秘密情報部隊を組織して、海外でスパイ活動を行ってきたこと、また同党の石破茂幹事長が同法に反対する街頭行動について「絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらない」と考えていることなどから示されるように、現在は戦前の体制・思想・体質から決別し切れていません。

特定秘密保護法案:戦前に類似「極端な話」 町村氏、報道を批判
http://mainichi.jp/select/news/20131130mog00m010013000c.html
陸自、独断で海外情報活動/首相や防衛相に知らせず/文民統制を逸脱/民主国家の根幹脅かす
http://www.47news.jp/47topics/e/247996.php
沖縄など: 石破茂(いしばしげる)ブログ
http://ishiba-shigeru.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-18a0.html

 福島原発事故は生命・人権軽視、「想定外」を最初から抱えた希望的/無謀的計画、教訓無視、無反省、無責任、無制御の官僚主義という戦前の遺産の産物といえるでしょう。第一次安倍内閣は、原発電源対策の不備を野党から指摘されながら、それを無視しました。

 東京電力による放射性物質のばら撒きは特定秘密保護法案でいう「特定有害活動」に他なりませんが、放射性物質を取り締まる法律もろくに整備せず、日本の安全保障のためといっても、まったく説得力がありません。定数是正訴訟の判決を取り消してほしいと国会議員が言っている場合ではなく、真っ先に「無主物判決」を取り消してほしいと主張するべきです。

【参院選無効判決】「取り消してほしい」と自民・脇参院幹事長 「本質的協議ない」との指摘に立腹
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131129/plc13112921500020-n1.htm

 その定数是正訴訟ですが、11月20日の最高裁判決に続き、11月28日の広島高裁岡山支部の判決で、現国会議員が違憲の身分にあることが表明されました。違憲議員が国民主権を切り縮める特定秘密保護法を成立させる資格はありません。国会議員は平等な国民主権を保障すべく、選挙権関連の平等を何よりも優先して実現しなければなりません。物事の優先順位をあべこべにしないようお願いします。

【要望書】選挙権関連の格差は「定数配分の格差」だけではありません〜「0増5減」は無所属候補に対する差別を拡大する〜
http://kaze.fm/wordpress/?p=468

 特定秘密保護法案の中身についていえば、ISD(投資家対国家の紛争解決)条項によって企業主権を「国家主権」の上部に置くのがTPP(環太平洋経済連携協定)なら、やはり企業主権を国民主権の上部に置くことになってしまうのが特定秘密保護法案でしょう。「適合事業者」(国籍規定なし)が「特定秘密」を保有でき(5条4項、8条)、さらには特定秘密を条件付きながら第三者に提供できるからです(10条3項)。

 石破幹事長は上記発言の一部を撤回しましたが、依然として「一般の方に大音量という有形の圧力を加えるという点で、(街頭デモは)民主主義と相いれない部分があり、(テロと)相通ずるものがある」(12月2日付朝日新聞)と語っています。テロ=「主張に基づき、他人や国家に強要する活動」と読める条文もそのままです。

 11月18日にお届けした要望書の通り、特定秘密保護法案を否決されるよう、お願いします。

【要望書】特定秘密保護法案――虚構の安全保障ではなく国民主権の保障を
http://kaze.fm/wordpress/?p=513

2013年12月3日

「平和への結集」をめざす市民の風
http://kaze.fm/

秘密保全法についてのパブリックコメント

9月 17th, 2013 Posted by MITSU_OHTA @ 4:28:28
under パブリックコメント , 秘密保全法 1 Comment 

パブコメの提出方法:秘密保全法 パブコメ募集開始!!
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/373937613.html

(1) 3ページ「ア適性評価は、(中略)行政機関の長又は警察本部長が行うものとする」および「外国の利益を図る目的で行われ、かつ、我が国及び国民の安全への脅威となる諜報その他の活動」について

[参照]
伊達判決を生かす会
http://datehanketsu.com/katsudou.html

砂川事件裁判で「日米安保条約に基づく米軍の日本駐留は憲法9条に違反する」とした伊達判決(1959年3月30日、東京地裁)を葬り去り、日米安全保障条約を予定通り改定すべく、国は高裁を飛び越して最高裁に跳躍上告した。

後に砂川事件裁判に関する米国の「機密文書」が発見された(一部の文書は「安全保障上の理由」で公開禁止処分にされた)。

これらの文書によれば、当時の藤山外相は駐日マッカーサー米大使から日本政府が迅速に跳躍上告を行うよう提案を受けた。

また、最高裁で上告審を審理した裁判長の田中耕太郎最高裁長官もマッカーサー大使と会い、「守秘義務」を破りながら、裁判情報を同大使に伝えた。

結局、異例のスピード審理で「1審破棄、差戻し」という15人全員一致の最高裁判決が同年12月17日に出る。

マッカーサー大使はこの判決が田中最高裁長官の手腕と政治力に負うところが大きいと評価し、「米軍の日本駐留が日本国憲法の下で合法(注:判決は合法と判断したわけではない)であるとする全員一致の砂川事件最高裁判決は、もちろん極めて有益な進展である。同様に重要なのが、条約の合憲性うんぬんは“政治の問題”であり、司法の判断に従うべきではないとする最高裁の判決である。15人の全員一致による最高裁判決は、安全保障条約改定に反対する分子が憲法を根拠に扇動するための隙間を残さず、少数派としての反対勢力に脚光を浴びせようと連中が試みる機会を絶った」と述べている。

米国に隷属して憲法(判断)を停止させる「統治行為論」を基礎付けた田中最高裁長官の手腕・政治力をマッカーサー大使は評価したのである。

在日米軍基地は日本に対する攻撃を誘うことで日本の安全を損なう可能性がある。砂川裁判は「外国の利益を図る目的で行われ、かつ、我が国及び国民の安全への脅威となる諜報その他の活動」を政府と裁判所が行い得ることを示している。

いくら安全保障が理由だからといって、政府に「特定秘密」を秘匿させれば、国民の利益と安全保障を損ないかねない。最高裁長官たる身分の者が自ら守秘義務を犯して自分の政治的主義を押し通そうとするのだから、行政機関の長などが特定秘密を扱う従事者の適性評価を行うということは笑うに笑えない話になる。

安全保障のためには情報を国民が監視しなければならない。秘密保全法は不要であり、代わりに情報公開の徹底が必要である。

(2) 1ページ「政令で定める」について

政令で定めず、国会議員が法律で定めること。

(3) 3ページ「オ(3)適性評価の実施に当たって取得する個人情報については、国家公務員法上の懲戒の事由等に該当する疑いがある場合を除き、目的外での利用及び提供を禁止する」について

特定秘密の漏えいに罰則を設けておきながら、適正評価で取得した個人情報の目的外利用に罰則を設けないのはおかしい。

(4) 3ページ「2 特定秘密の漏えい等に対する罰則」について

志布志事件や沖縄密約事件などの曝露のように公共性のある情報公開行為を阻害してはならない。公共性に反する情報隠ぺいを罰する法律と、公共性に反する情報隠ぺいを曝露する内部告発を奨励する法律が必要。

(5) 4ページ「本法の適用に当たっては、これを拡張して解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならない旨を定める。」について

5〜6ページなどに示されている特定秘密の範囲がそもそも不明確・無限定であり、従って国民の知る権利を制約し、基本的人権の侵害をもたらさざるを得ないから、この4ページの規定(憲法)と本法案は決定的に矛盾する。

(6) 5〜6ページの第1号から第4号で使用されている「その他」について

「その他」を含めれば特定秘密は無限定になるので使用しないこと。

(7) 5ページ「イ自衛隊の運用又はこれに関する見積り若しくは計画若しくは研究」および「イ安全保障に関する外国の政府又は国際機関との交渉又は協力の方針又は内容」について

これらの規定では抽象的で特定秘密を限定することはできないから、特定秘密を限定できる規定にすること。特定秘密の範囲は国民の知る権利を制約しないものとすること。

前回の(7)までに続き、(8)を提出する。

(8) 2ページ(2) 「特定秘密の提供」のエ(「刑事訴訟」「民事訴訟」「刑事事件の捜査(刑事訴訟法第316条の27第1項の規定により提示する場合のほか、捜査機関以外の者に当該特定秘密を提供することがないと認められるものに限る。」))について――裁判を受ける権利を侵害

裁判官にも秘匿されている特定秘密をめぐる事件の裁判をどのように進めるのか。裁判官が特定秘密の内容を知らなければ、令状の妥当性を判断することはできない。捜査当局が恣意的に市民運動を弾圧することが一層容易になってしまう。憲法違反の非公開裁判に道を開くだろう。

民主党時代の秘密保全法案には「公共の安全および秩序の維持」が目的としてあった。「公の秩序の維持」は自民党の改憲草案にある国防軍の任務でもある。国防軍に伴って非公開裁判を行う軍事裁判所が創設される。

このように既に非公開裁判が狙われている。秘密保全法と自民党流の改憲が実現すれば、秘密保全法と秘密軍事裁判所が一体運用されるはずで、この点からも秘密保全法は危険すぎる。

本法案概要では確かに「公共の安全および秩序の維持」は削除されているが、民事訴訟法によって既に「公共の安全と秩序の維持」に支障を及ぼすおそれがあると裁判所が認めれば、裁判所は文書の提出を命じることができず、刑事訴訟では被告に特定秘密は開示されない。

従って、国民は裁判で特定秘密の提供を受けることができない。これは実質的に裁判を受ける権利、知る権利を剥奪するものであり、許されない。

刑事訴訟法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S23/S23HO131.html

第三目 証拠開示に関する裁定
第三百十六条の二十七  裁判所は、第三百十六条の二十五第一項又は前条第一項の請求について決定をするに当たり、必要があると認めるときは、検察官、被告人又は弁護人に対し、当該請求に係る証拠の提示を命ずることができる。この場合においては、裁判所は、何人にも、当該証拠の閲覧又は謄写をさせることができない。

民事訴訟法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H08/H08HO109.html

(文書提出義務)
第二百二十条  次に掲げる場合には、文書の所持者は、その提出を拒むことができない。
四  前三号に掲げる場合のほか、文書が次に掲げるもののいずれにも該当しないとき。
ロ 公務員の職務上の秘密に関する文書でその提出により公共の利益を害し、又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるもの

(文書提出命令等)
第二百二十三条
4  前項の場合において、当該監督官庁が当該文書の提出により次に掲げるおそれがあることを理由として当該文書が第二百二十条第四号ロに掲げる文書に該当する旨の意見を述べたときは、裁判所は、その意見について相当の理由があると認めるに足りない場合に限り、文書の所持者に対し、その提出を命ずることができる。
一 国の安全が害されるおそれ、他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれ
二 犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれ

情報公開・個人情報保護審査会設置法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H15/H15HO060.html

(審査会の調査権限)
第九条  審査会は、必要があると認めるときは、諮問庁に対し、行政文書等又は保有個人情報の提示を求めることができる。この場合においては、何人も、審査会に対し、その提示された行政文書等又は保有個人情報の開示を求めることができない。

太田光征