パブコメの提出方法:秘密保全法 パブコメ募集開始!!
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/373937613.html
(1) 3ページ「ア適性評価は、(中略)行政機関の長又は警察本部長が行うものとする」および「外国の利益を図る目的で行われ、かつ、我が国及び国民の安全への脅威となる諜報その他の活動」について
[参照]
伊達判決を生かす会
http://datehanketsu.com/katsudou.html
砂川事件裁判で「日米安保条約に基づく米軍の日本駐留は憲法9条に違反する」とした伊達判決(1959年3月30日、東京地裁)を葬り去り、日米安全保障条約を予定通り改定すべく、国は高裁を飛び越して最高裁に跳躍上告した。
後に砂川事件裁判に関する米国の「機密文書」が発見された(一部の文書は「安全保障上の理由」で公開禁止処分にされた)。
これらの文書によれば、当時の藤山外相は駐日マッカーサー米大使から日本政府が迅速に跳躍上告を行うよう提案を受けた。
また、最高裁で上告審を審理した裁判長の田中耕太郎最高裁長官もマッカーサー大使と会い、「守秘義務」を破りながら、裁判情報を同大使に伝えた。
結局、異例のスピード審理で「1審破棄、差戻し」という15人全員一致の最高裁判決が同年12月17日に出る。
マッカーサー大使はこの判決が田中最高裁長官の手腕と政治力に負うところが大きいと評価し、「米軍の日本駐留が日本国憲法の下で合法(注:判決は合法と判断したわけではない)であるとする全員一致の砂川事件最高裁判決は、もちろん極めて有益な進展である。同様に重要なのが、条約の合憲性うんぬんは“政治の問題”であり、司法の判断に従うべきではないとする最高裁の判決である。15人の全員一致による最高裁判決は、安全保障条約改定に反対する分子が憲法を根拠に扇動するための隙間を残さず、少数派としての反対勢力に脚光を浴びせようと連中が試みる機会を絶った」と述べている。
米国に隷属して憲法(判断)を停止させる「統治行為論」を基礎付けた田中最高裁長官の手腕・政治力をマッカーサー大使は評価したのである。
在日米軍基地は日本に対する攻撃を誘うことで日本の安全を損なう可能性がある。砂川裁判は「外国の利益を図る目的で行われ、かつ、我が国及び国民の安全への脅威となる諜報その他の活動」を政府と裁判所が行い得ることを示している。
いくら安全保障が理由だからといって、政府に「特定秘密」を秘匿させれば、国民の利益と安全保障を損ないかねない。最高裁長官たる身分の者が自ら守秘義務を犯して自分の政治的主義を押し通そうとするのだから、行政機関の長などが特定秘密を扱う従事者の適性評価を行うということは笑うに笑えない話になる。
安全保障のためには情報を国民が監視しなければならない。秘密保全法は不要であり、代わりに情報公開の徹底が必要である。
(2) 1ページ「政令で定める」について
政令で定めず、国会議員が法律で定めること。
(3) 3ページ「オ(3)適性評価の実施に当たって取得する個人情報については、国家公務員法上の懲戒の事由等に該当する疑いがある場合を除き、目的外での利用及び提供を禁止する」について
特定秘密の漏えいに罰則を設けておきながら、適正評価で取得した個人情報の目的外利用に罰則を設けないのはおかしい。
(4) 3ページ「2 特定秘密の漏えい等に対する罰則」について
志布志事件や沖縄密約事件などの曝露のように公共性のある情報公開行為を阻害してはならない。公共性に反する情報隠ぺいを罰する法律と、公共性に反する情報隠ぺいを曝露する内部告発を奨励する法律が必要。
(5) 4ページ「本法の適用に当たっては、これを拡張して解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならない旨を定める。」について
5〜6ページなどに示されている特定秘密の範囲がそもそも不明確・無限定であり、従って国民の知る権利を制約し、基本的人権の侵害をもたらさざるを得ないから、この4ページの規定(憲法)と本法案は決定的に矛盾する。
(6) 5〜6ページの第1号から第4号で使用されている「その他」について
「その他」を含めれば特定秘密は無限定になるので使用しないこと。
(7) 5ページ「イ自衛隊の運用又はこれに関する見積り若しくは計画若しくは研究」および「イ安全保障に関する外国の政府又は国際機関との交渉又は協力の方針又は内容」について
これらの規定では抽象的で特定秘密を限定することはできないから、特定秘密を限定できる規定にすること。特定秘密の範囲は国民の知る権利を制約しないものとすること。
前回の(7)までに続き、(8)を提出する。
(8) 2ページ(2) 「特定秘密の提供」のエ(「刑事訴訟」「民事訴訟」「刑事事件の捜査(刑事訴訟法第316条の27第1項の規定により提示する場合のほか、捜査機関以外の者に当該特定秘密を提供することがないと認められるものに限る。」))について――裁判を受ける権利を侵害
裁判官にも秘匿されている特定秘密をめぐる事件の裁判をどのように進めるのか。裁判官が特定秘密の内容を知らなければ、令状の妥当性を判断することはできない。捜査当局が恣意的に市民運動を弾圧することが一層容易になってしまう。憲法違反の非公開裁判に道を開くだろう。
民主党時代の秘密保全法案には「公共の安全および秩序の維持」が目的としてあった。「公の秩序の維持」は自民党の改憲草案にある国防軍の任務でもある。国防軍に伴って非公開裁判を行う軍事裁判所が創設される。
このように既に非公開裁判が狙われている。秘密保全法と自民党流の改憲が実現すれば、秘密保全法と秘密軍事裁判所が一体運用されるはずで、この点からも秘密保全法は危険すぎる。
本法案概要では確かに「公共の安全および秩序の維持」は削除されているが、民事訴訟法によって既に「公共の安全と秩序の維持」に支障を及ぼすおそれがあると裁判所が認めれば、裁判所は文書の提出を命じることができず、刑事訴訟では被告に特定秘密は開示されない。
従って、国民は裁判で特定秘密の提供を受けることができない。これは実質的に裁判を受ける権利、知る権利を剥奪するものであり、許されない。
刑事訴訟法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S23/S23HO131.html
第三目 証拠開示に関する裁定
第三百十六条の二十七 裁判所は、第三百十六条の二十五第一項又は前条第一項の請求について決定をするに当たり、必要があると認めるときは、検察官、被告人又は弁護人に対し、当該請求に係る証拠の提示を命ずることができる。この場合においては、裁判所は、何人にも、当該証拠の閲覧又は謄写をさせることができない。
民事訴訟法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H08/H08HO109.html
(文書提出義務)
第二百二十条 次に掲げる場合には、文書の所持者は、その提出を拒むことができない。
四 前三号に掲げる場合のほか、文書が次に掲げるもののいずれにも該当しないとき。
ロ 公務員の職務上の秘密に関する文書でその提出により公共の利益を害し、又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるもの
(文書提出命令等)
第二百二十三条
4 前項の場合において、当該監督官庁が当該文書の提出により次に掲げるおそれがあることを理由として当該文書が第二百二十条第四号ロに掲げる文書に該当する旨の意見を述べたときは、裁判所は、その意見について相当の理由があると認めるに足りない場合に限り、文書の所持者に対し、その提出を命ずることができる。
一 国の安全が害されるおそれ、他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれ
二 犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれ
情報公開・個人情報保護審査会設置法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H15/H15HO060.html
(審査会の調査権限)
第九条 審査会は、必要があると認めるときは、諮問庁に対し、行政文書等又は保有個人情報の提示を求めることができる。この場合においては、何人も、審査会に対し、その提示された行政文書等又は保有個人情報の開示を求めることができない。
太田光征