特定秘密保護法案――虚構の安全保障ではなく国民主権の保障を

11月 16th, 2013 Posted by MITSU_OHTA @ 13:16:10
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【要望書】 特定秘密保護法案――虚構の安全保障ではなく国民主権の保障を(11月18日に全国会議員の事務所に届けました)

2013年11月16日

国会議員の皆さま

 原発政策を国と東京電力という無責任な主体に任せてきた結果として、福島原発事故などを通じて、国民の安全を危険にさらしてきました。今、国会が、安全保障のためと称する特定秘密保護法案を通過させようとしていることは、およそ考えられません。政府が国民の安全を保障できないことはあまりにも明らかであり、秘密保護という責任逃れの格好の手段を政府にくれてやることは国民を裏切るものです。

 国会は、原子力基本法を廃止すべきなのに、泥縄でその目的に「安全保障」を追加しました。特定秘密保護法案が成立すれば、原子力分野も同法の対象にできるお膳立てをしたことになります。
 
 政府による福島原発事故の対応を考えれば、情報公開を拡大させこそすれ、国会議員が自らの国政調査権を縮減する形で政府による秘密保護を強化することは、あり得ません。

 国会議員の国政調査権を縮減するとは、国民主権を縮減することです。それは国会議員の定数を削減することで国民主権を縮減することと共通しています。およそ(消費税)増税と引き換えで国会の機能を弱め、国民主権をないがしろにする国会を戴く国家というものは、日本以外に存在しないでしょう。

 このように国民主権の要を成す選挙権・立候補権は、世界一高い政党助成金および世界一高い選挙供託金という政治団体・無所属候補差別、世界一表現の自由を制限した選挙運動規制、世界でも少数派の小選挙区制(コンドルセのパラドックスによって、最も好まれた候補者の選定さえできず、多数決さえ保障しない)と相まって、世界の中で極めて異常な様を呈しています。

 加えて、国民主権のもう一つの要である情報アクセス権を特定秘密保護法でさらに切り崩そうというわけです。

 3.11福島原発事故以降の政治を振り返ってみると、国民主権を発展させる要素は何一つ見当たりません。小選挙区制の下で国民主権の格差を拡大させながら立憲主義を破壊する96条改憲も画策されてきました(参照:民意を生かす政治・公正な報道を求める要望書
http://kaze.fm/wordpress/?p=469 )。

 特定秘密保護法案を否決され、憲法政治を実践されるよう求めます。

「平和への結集」をめざす市民の風
http://kaze.fm/

第23回参議院選挙無効請求訴訟の準備書面(2013年11月6日付)――戦後直後から最近までの国会審議を振り返る

11月 14th, 2013 Posted by MITSU_OHTA @ 2:24:02
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第23回参議院選挙無効請求訴訟( http://kaze.fm/wordpress/?p=478 )で被告が答弁書を提出しました。それに対する反論の形で準備書面(45ページ)を作成し、東京高裁に11月6日付で提出しました。

準備書面PDF版
http://otasa.net/documents/brief_20131106.pdf

準備書面Word版
http://otasa.net/documents/brief_20131106.doc

【目次】

第1 本準備書面について … 3
第2 本件訴訟の適法性と原告適格性 … 3
 1 被告中央選挙管理会の答弁書5ページ以降の「第2 本案前の答弁の理由」について反論する … 3
 2 被告千葉県選挙管理委員会の答弁書6ページ以降の「第2 本案前の答弁の理由」について反論する … 3
第3 被告の答弁書「第3請求の原因に対する認否」について反論する … 3
 1 被告中央選挙管理会の答弁書7ページ以降の「第3請求の原因に対する認否」について反論する … 3
 2 被告千葉県選挙管理委員会の答弁書8ページ以降の「第3請求の原因に対する認否」について反論する … 5
第4 比例区の定数枠から無所属候補を締め出す現行選挙制度は制限選挙を禁止する憲法に違反 … 8
第5 選挙区によって異なる選挙制度を適用することは投票価値の格差をもたらす/千葉県選挙区の選挙の違憲性とその他の選挙区の選挙の違憲性 … 10
第6 公職選挙法の供託金・立候補者数規定は「正当な選挙」どころか「不当な選挙」を規定するもので、憲法第14条に違反する … 12
 1 比例区選挙の立候補要件 … 12
 2 供託金 … 16
 (1) 被告答弁書の理由不備 … 16
 (2) 平成8年(行コ)第35号供託金返還請求控訴事件(大阪高裁判決)と過去の国会審議 … 17
第7 野宿者の方などの選挙権が剥奪されている … 41

特に選挙供託金・立候補者数規定の争点については、戦後直後から最近までの国会審議を振り返り、被告の最大の理屈「国会の広い裁量」に合理性のないことを実証しています。

1925年(大正14年)に「男子普通選挙」と抱き合わせで高額の選挙供託金制度が導入され、普選の精神に反して選挙権と立候補権を制限する制限選挙の思想を今日まで受け継ぎ、一世紀近くにわたって日本の民主主義を停滞させてきました。選挙制度本体も選挙制度の体を成していない小選挙区制が主体。民主主義の真摯な希求という政治潮流が乏しい国です。

そのような真空状態に引き寄せられて起こったのが福島原発事故であり、今では特定秘密保護法案が引き寄せられています。

第2回口頭弁論が11月21日午後3時30分から東京高裁511号法廷(5階)であります。傍聴・取材をよろしくお願いします。

所在地(東京高等裁判所)
http://www.courts.go.jp/tokyo-h/about/syozai/tokyomain/

太田光征