伊東光晴氏「安倍・黒田氏は何もしていない」(「世界」8月号)のご紹介

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京都大学名誉教授の伊東光晴氏がタイムリーな論文を書かれました。ごく簡単な要約でご紹介します(黒田氏は黒田東彦日銀総裁、第一の矢は金融緩和)。

<安倍・黒田氏は何もしていない>ーー第一の矢を折るーー

メディアは、安倍政権による「大幅な金融緩和や財政出動は株価上昇と円安につながった」と指摘するが、株価上昇や円安という変化は安倍政権による政策以前から起こったもの。動かした力は、株式市場での海外投資家たちのプレーであり、複雑な為替介入であり、通貨政策とは直接関係ない。民主党政権の下でも株価上昇と円安への動きは同時進行した。

日銀が貨幣供給量を増やしたといっても、その大部分が日銀にある各銀行の当座預金の増加であり、設備投資など実体経済の活況化をもたらすものにはほとんどなっていない。

トヨタ自動車の業績にしても、営業利益1兆3288億円のうち、円高の是正の影響は全利益の11%に過ぎず、利益の大部分は自己努力で、政策と何の関係もない。しかも販売増は海外市場におけるもの(豊田社長「日本の国内市場は縮小している」)。

太田光征(「平和への結集」をめざす市民の風)

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