第22回参議院選挙に向けてのアピール――民意を尊重する政治を実現し、日本の政治に希望を失わないために

6月 23rd, 2010 Posted by MITSU_OHTA @ 0:29:30
under 一般 [25] Comments 

 

民意を尊重する政治を実現し、日本の政治に希望を失わないために
第22回参議院選挙に向けてのアピール

論点

●沖縄の民意を尊重せず、沖縄を差別し、米国内には適用する基地安全基準を沖縄には適用しない「命のダブルスタンダード」を許す政治

―「沖縄以外には優しい」から自分に関係ない?

●世界的に少ない国会議員の定数削減は、身を切り、税金の無駄を削減するため?

―自民党と民主党だけが議席占有率のアップで得をし
―思いやり予算によるゴルフでボールを小学生の顔に当てる在日米軍には身を切ってもらわず
―民主党は今でも世界トップレベルにある政党交付金の増額検討を法案化
―二大政党制のアメリカは60兆近くと異常な軍事費が固定化されているけど
―自民党と民主党だけで本当に聖域なき無駄削減や事業仕分けができる?

●自分たちに都合がいいように公職選挙法に増改築を重ね国民主権を縛ってきた国会議員が、国民主権の牙城、憲法を変えたいという

―高い供託金はそのままにして庶民を立候補させず
―1票の格差は放置して
―より少ない国会議員で改憲発議できるように改憲したい?
―本当に国民のための改憲をしたい?
 
 
 7月11日が第22回参議院選挙の投票日となりました。今回の参議院選挙は3年に1回実施されるものであり、改選議席数は121議席(選挙区73、比例区48)です。

 昨年8月の総選挙において、私たち国民は自らの力で政権交代を勝ち取りました。そして、9月に発足した民主党を中心とする社民党・国民新党による鳩山連立政権に、今までの自公政権とは違い「国民の平和と生活を守る」という大きな変化を期待しました。

 しかし、鳩山連立政権は発足後8ヶ月で崩壊してしまいます。鳩山元総理は5月28日、米軍普天間基地の移設先を辺野古地区とする日米共同声明に反対を表明した福島瑞穂消費者行政担当大臣(社民党党首)を罷免の上、同声明に基づく政府対処方針を閣議決定したからです。

 沖縄の民意を尊重し日米共同声明に反対した福島消費者行政担当大臣を罷免し、沖縄の民意よりアメリカの立場を優先させた日米共同声明に、沖縄県民が大きな憤りを表したことは当然のことといわなくてはなりません。鳩山内閣は国民の支持を失い、総理辞任という結果にいたりました。

 鳩山総理退陣後の6月8日に、民主党と国民新党による菅連立政権が誕生しました。菅新総理は、就任当初から米軍普天間基地問題については「日米合意を踏まえ」る(民主党代表選立候補表明)考えを表明し、さらに6月14日の衆議院代表質問では「米国との再交渉や閣議決定の見直しを行うつもりはない」と明言しました。またしても沖縄の民意を切り捨てたのです。

 菅新内閣は比較的高い支持率を維持しているようですが、だからといって国民が日米共同声明を支持しているとはいえないと私たちは考えます。参議院選挙で民主党が過半数を獲得することは、この国民意識とのズレを正当化してしまう危険性があります。

 憲法9条の改憲についても、鳩山政権ではその兆しが遠のいたかのようにみえましたが、消費税をはじめ多くの政策で自民党との共通項を模索する菅新内閣では、驚くような展開が待っているかもしれません。(明確に改憲に反対をしているのは、過小代表政党の共産党と社民党しかありません。)私たち国民は改憲発議をさせないように機敏に対応していかなくてはならないでしょう。

 次に国会議員の定数削減の問題です。定数の削減は国民の意思を国会に反映させる途を狭め、また少数政党の締め出し(=少数意見の抹殺)となり二大政党制をもたらします。価値観が多様化する時代に明らかに逆行し、現在の国民の意識にも合致していません。

 では、私たち有権者はどうすればよいのでしょうか? 一番大事なことは、民主党がだめでも自民党には逆戻りさせない体制をどうつくるか、ということではないでしょうか。そのためには、私たちがいろいろな場で交流を深め、その力を中心にして市民の力で「本当に国民の平和と生活を守る」市民のための政権を実現させること、そのための広範な政治的ネットワークの形成を有権者として追求し続けること、といえるのではないでしょうか。

 以上の観点から、今回の参議院選挙では、下記の3条件を備える候補者への投票を呼びかけます。

1 普天間基地の撤去、少なくとも県外、国外への移転を求める。

2 憲法9条堅持の立場を明確にし、改憲の発議をしない。

3 国会議員の衆参両院での定数削減に反対する。
 
 
2010年6月22日 
 
「平和への結集」をめざす市民の風
http://kaze.fm/
join@kaze.fm

普天間基地問題の対米交渉に関する提言

5月 1st, 2010 Posted by MITSU_OHTA @ 11:31:08
under 一般 [30] Comments 

普天間基地問題の対米交渉に関する提言

ファイル

内閣総理大臣 鳩山由紀夫様

2010年4月28日

 普天間基地移設問題が迷走しています。鳩山総理が5月決着という約束が守れなかったら政局かとマスコミが騒いでいますが、国民は普天間基地の移転に反対したり、辺野古への移設を強行せよと求めているわけではありません。ほとんどの国民が「普天間基地の継続」にも「国内他地域への移設」にも反対しています。自信を持ってアメリカと渡り合ってほしいと思います。

 そもそも最初からアメリカとの議論の仕方を間違っていたのではないでしょうか。閣内議論もできていないのに「トラスト・ミー」とオバマ大統領にささやいてはいけませんでした。岡田外務大臣も嘉手納への移設案からアメリカに話をはじめてはいけませんでした。政権のスタートの段階でプロセスの間違いを犯しました。

 アメリカからすれば、まずSACO(沖縄に関する特別行動委員会)合意という政府間の約束があります。まずは「それを守れ」ということでしょう。それに対し新政権がまず言うべきは、「前政権の約束は何でも踏襲するというのでは民主主義は成立しない」ということです。前政権の考えを国民が否定したから新政権ができました。特に普天間問題は新政権の選択で国民が重視した問題の一つです。「約束の継続はできない」と最初に通告するのが当然でした。

 ところが、この「約束の継続はできず、SACO合意の一部見直しをすべきである」ということが、今日に至ってもアメリカ政府に対して明確に表明されていないように見えます。アメリカは、交渉に当たって論理を重んじるという傾向があります。従って、なすべきことは早期に原点に戻り、「日本政府はSACO合意の一部を見直しすべきであると考える。また、普天間代替基地は辺野古に求めるのではなく、国外移設もしくは普天間基地そのものの廃止が相当である」という態度を明確に表明し、アメリカ政府に申し入れることであると思います。

 日本国民の大多数が納得する案が、日米関係にとって最も良い解決策であり、それを尊重することが、民主主義の先進国であるアメリカの取るべき道でもあります。閣議において全閣僚の意思統一を行なった上で、このような方針を政府見解としてアメリカに伝えるべきと考えます。総理の英断を期待します。

「平和への結集」をめざす市民の風
http://kaze.fm/
join@kaze.fm

2010年参議院選挙へ向けての公開討論会

4月 14th, 2010 Posted by MITSU_OHTA @ 10:27:04
under 一般 No Comments 
チラシ

※ 無料インターネット電話のスカイプ(ただし安いヘッドセットなどで構いませんがマイクとスピーカーが必要)を通じて参加することも可能です。スカイプでの参加を希望される方は事前にスカイプIDなどをお知らせください。

 鳩山内閣の支持率が大きくダウンする中で、今年の7月には参議院選挙が行なわれます。
 
 私達“「平和への結集」をめざす市民の風”は、2007年参議院選挙や2009年総選挙においては、憲法の平和主義を守り活かす“活憲”のために、平和勢力の結集・平和の共同候補の実現を訴えてきましたが、今年の参議院選挙については、平和を愛する市民がどのように取り組むべきか、多くの市民の皆さんとともに討議をしたいと考えて公開討論会を開催することにしました。このような討論会は異例のことと思いますが、平和を愛する市民の共同の知恵をつくりあげていきたいと考えています。
 
 公開討論会では、4つの論点を予定しています。

(1) 鳩山内閣をどう評価するか:鳩山内閣の肯定面と否定面をどうみるか、鳩山内閣に対して市民運動は何をすべきだったのかなど。
(2) 政治の動向と2010年参議院選挙をどう考えるか:新党乱立、政界再編をどうみるか、民主党の過半数獲得戦略をどう考えるかなど。
(3) 参議院選挙を市民はどのように取り組むべきか:市民は何ができるのか、平和政党と市民の共同候補の実現の道筋は何かなど。
(4) 参議院選挙にあたって、各政党に緊急に要望すべきことがあるか:候補者のインターネットを通じた選挙活動の解禁を要望したらどうかなど。

 公開討論会では発言資格に制限はありません。お気軽にご参加ください。

日時:2010年5月14日(金)18:30~21:00(開場:18:00)
場所:としま未来文化財団 勤労福祉会館 第6号室
    東京都豊島区西池袋2-37-4
    ?03-3980-3131
    池袋駅西口徒歩約10分、池袋駅南口徒歩約7分
    http://www.toshima-mirai.jp/center/e_kinrou/
参加費:200円
スピーカー:河内謙策、小林正弥、竹村英明
 
 
主催:「平和への結集」をめざす市民の風
E−mail: join@kaze.fm
URL: http://kaze.fm/

第3回活憲政治セミナー:「日米同盟」の将来と2010参議院選挙

2月 24th, 2010 Posted by MITSU_OHTA @ 22:28:50
under 一般 [105] Comments 

第3回活憲政治セミナーのご案内 チラシ 資料

今回は、半田滋氏(東京新聞編集委員)をお招きして講演していただくことにしました。後半は、フロアも参加したディスカッションを行ないます。皆様の参加をお待ちしています!!

スカイプによる参加もできますから、遠隔地の方でも是非ご参加ください。希望者は事前に下記メールアドレスにご連絡ください。

日 時:4月7日(水)18:30〜20:50(開場18:00)

テーマ:「日米同盟」の将来と2010参議院選挙

論点1  普天間問題と日本政府としての解決策
論点2  「日米同盟」の将来はどうあるべきか
論点3  2010参議院選挙に市民はどう関わるべきか

講 演: 半田 滋氏(東京新聞編集委員)
講演の後はフロアをまじえたディスカッション

会 場:東京都港区 港勤労福祉会館 第1洋室
    (東京都港区芝5丁目18番2号)
    JR田町駅西口右折 徒歩5分
    地下鉄浅草線・三田線三田駅(A7出口) 徒歩1分
http://www.city.minato.tokyo.jp/sisetu/syoko/kinro/index.html
    
参加費:500円

主 催: 「平和への結集」をめざす市民の風   
E-mail: join@kaze.fm    
URL: http://kaze.fm/

社民党に物申す:社民党さん、普天間も「県内移設」一転了承ということはないでしょうね!?

12月 7th, 2009 Posted by higashimototakashi @ 20:13:32
under 一般 [61] Comments 
 社民党はこれまで民主党小沢幹事長の提案する官僚答弁禁止の国会法「改正」案に反対の立場をとってきたはずですが、この3日、一転して賛成の立場に豹変しました。

「社民党は3日夕、政審全体会議を国会内で開き、民主党がまとめた官僚答弁を禁止する国会法改正案原案に関し、基本的に了承した。小沢一郎幹事長から先月30日に改正に非協力的だと批判され、わずか3日間で姿勢を一変させた格好だ」(東京新聞 2009年12月3日)。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009120301000642.html

 上記東京新聞記事にいう民主党小沢幹事長の社民党批判とは次のようなものでした。

「小沢氏は、11月16日に社民党に改正案を打診して以降、同党から返答がないとしたうえで、『非常に残念だ。私は(06年に)代表に就任して以来、参院選、衆院選という二つの大きな選挙を担当したが、非自民で(当時の野党の)みんなの力を合わせて政権交代をと(目指した)。特に社民党には、選挙区の割り当てやらいろんなところで積極的に協力してきたつもりだ』と過去の話まで持ち出して『社民批判』を展開した」(読売新聞 2009年11月30日)。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20091130-OYT1T01162.htm

 社民党はこの時点まで、「小沢氏の目指す国会改革について、『法律を作って役所の答弁を禁止することまでは必要ない』(福島党首)と一貫して否定的」(同上)な立場でした。

報道例:
■国会改革、通常国会以降に=社民難色で調整進まず(時事通信 2009年11月28日)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200911/2009112800184
■国会法改正は全会一致で=福島担当相(時事通信 2009年11月17日)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200911/2009111700343
■法制局長官の答弁必要=社民幹事長(時事通信 2009年11月12日)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200911/2009111200342
■国会法改正、必要ない=福島社民党首(時事通信 2009年10月9日)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200910/2009100900359

 それが上記の小沢氏の恫喝を受けた翌日の1日朝、社民党側から民主党に官僚答弁を禁止する国会法「改正」案の説明を要請します。社民党議員の大勢はこの時点まではまだ「(内閣法制局長官は)憲法の番人だ。今まで通り答弁させるべきだ」などと民主党の国会法改正案に反対の姿勢をみせています(報道例1)。が、同党の「重野幹事長は法改正に反対していたが、説明を受けた後、記者団に、『当初受け止めたものと比べて、距離はかなり縮まった』と述べ、柔軟に対応する考えを示唆」(報道例2)します。

■報道例1:社民党が国会改革で説明会 小沢氏の痛烈批判受け(共同通信 2009年12月1日)
http://www.47news.jp/CN/200912/CN2009120101000998.html
■報道例2:官僚答弁禁止、民主説明に社民幹事長が軟化(読売新聞 2009年12月2日)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20091201-OYT1T01244.htm

 そうして3日夕に同党政審全体会議を開き、これまでの官僚答弁を禁止する国会法「改正」案反対の立場を賛成(了承)の立場に転じます。まさに「小沢一郎幹事長から先月30日に改正に非協力的だと批判され、わずか3日間で姿勢を一変させた」(東京新聞)わけです。

社民党さん。

 あなた方の党はこれまで内閣法制局長官の答弁禁止を含む国会法の「改正」は、「憲法を大事にするわが党からすれば、政府から独立して憲法観を表現する法制局長官(の答弁)は必要だ」(重野幹事長、時事通信 2009年11月12日)、「政治主導で憲法解釈が変更される」(同)恐れがある、「『解釈改憲』に歯止めがかからなくなる」(時事通信 2009年11月28日)、「『官僚答弁の禁止』で喜ぶのは、政治家ではなく官僚の方ではないか。(略)すべての言い訳を政治家にさせ、嘘の答弁を演出して後日判明しても知らんぷりをしていられる」(保坂展人のどこどこ日記 2009年10月3日)などとして明確に反対の立場をとってきたはずです。

 それがどうして民主党小沢幹事長の恫喝があるや否や右から左へと態度を180度豹変させるのでしょう? あなた方の党は自らの政党の理念やその政党に属する議員、構成員ひとりひとりの人間的節操、あるいは政治的節操よりも、権力集団の一員となってなんとかその利権の配分のおこぼれにあずかりたい、という思い、執念の方が一段と勝る政党という名を冠しただけの単なる利権屋集団にすぎないということでしょうか? そうではないでしょう?

 民主党の小沢幹事長が提起した非民主的な国会法「改正」案に反対、というあなた方の党の初心の態度表明は正しいのです。小沢幹事長の提起する同国会法「改正」案のどこが、そして何が非民主的なのか? この点について下記におふたりの憲法研究者の論を紹介し、あなた方の党の初心の態度表明の正しさを第三者的に補完してみます。

 おひとり目。浦部法穂さん(神戸大学名誉教授/弁護士)。浦部さんはまず官僚答弁禁止問題でその問題の焦点になっている内閣法制局自体の問題性を次のように述べます。

「(内閣法制局の)憲法解釈は、これまでの自民党政権の基本政策に沿った形で行われてきた。自衛隊を合憲とする論理も、アフガン戦争やイラク戦争への自衛隊派遣を合憲とする論理も、すべて内閣法制局の示した憲法解釈による。内閣法制局は、いってみれば、憲法をねじ曲げてきた「元凶」でさえある。内閣法制局の憲法解釈は、これまで、お世辞にも正当に行われてきたとはいえない」

 それでも、と浦部さんは言います。

「それでも、内閣法制局の存在意義は、その時々の政権の思惑に合わせてご都合主義的に解釈を変えるのでなく、これまでの解釈との整合性を保って『純粋法理論』的な『装い』を施す(一応法律論らしい論理を示す)ところにあるのであって、そのことが、時々の政権の『突出』に一定の歯止めをかけてきた」。「内閣が『やりたい』と言っても『法理論的にできない』と言える機関の存在とその判断を政府が尊重するという政治慣行によって、権力制限規範としての憲法の規範的意味が、かろうじて、まさに首の皮一枚で、残ってきたともいえるのである」。「小沢幹事長や平野官房長官の発言は、この『首の皮一枚』をも切り落としてしまおうとするものにほかならない。憲法解釈を『政治判断』で行うというのは、『政治』の都合のいいように憲法を解釈するということである。時々の『政治』の都合でどうとでも解釈できるようなものは、もはや『憲法』とはいえない」(憲法解釈も「政治主導」? 「法学館憲法研究所」2009年11月12日)
http://www.jicl.jp/urabe/backnumber/20091112.html

 もうおひと方。上脇博之さん(神戸学院大大学院教授)。上脇さんも浦部さんと同様にまず内閣法制局自体の問題性を次のように指摘します。「私は、これまで内閣法制局の憲法解釈が日本国憲法の立場を正しく捉えて『解釈』してきたとは思っていない」。

 が、それでも、と上脇さんも内閣法制局の答弁の重要性を次のように述べます。

「が、それでも、改憲政治家の憲法『解釈』よりも、まだマシであると思っている。正確に言えば、内閣法制局の憲法『解釈』は危険であったが、改憲政治家の憲法『解釈』はもっと危険である」。「国会審議において官僚答弁を禁止するとして、憲法解釈について内閣法制局の答弁を禁止すれば、改憲政治家である大臣が憲法『解釈』を行うことになるから、これまで内閣法制局が違憲であると解釈してきたもの(自衛隊の集団的自衛権行使や、国連安保理決議がある場合の自衛隊の武力行使など)を『合憲』であると『解釈』してしまう危険性がある。言い換えれば、(内閣法制局の答弁禁止は)官僚(内閣法制局)がつくってきた『歯止め』さえ取っ払ってしまい、立憲主義を骨抜きにしてしまう危険性があるのである」(内閣法制局長官よりも恐ろしい改憲政治家の憲法「解釈」 「ある憲法研究者の情報発信の場」2009年10月10日)
http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51257494.html

社民党さん

 上記に見たように小沢氏の提起する国会法「改正」案に反対、というあなた方の党の初心の態度表明は憲法学の研究者からも支持される正当な態度表明です。それを180度転換させるあなた方の党の今回の態度豹変はどのようにも論理的説明がつかないものです。あなた方の党が政党という名を冠しただけの利権屋集団というのでもない限り。あなた方の党は、保守的な党との与党連立を重視するあまり自らの党のレーゾン・デートル(存立根拠)ともいうべき理念を簡単に放擲する表明をして当時の社会党を解体にまで到らせた社会党村山党首時代のあまりにも苦々しい経験をいまだに昨日のことのように覚えていらっしゃるはずです。あなた方の党は、この苦々しい経験をいま一度繰り返されるおつもりでしょうか? あなた方の党が今回のこの暗愚な態度の豹変の重大性に一日も早く気づかれることを私としては祈るばかりです。

 さて、話の続きはまだあるのです。

 沖縄の普天間基地の撤去問題に関する福島党首の「どっちつかず」(党幹部)の態度に党内の閉塞感が強まり、「党首交代論も浮上」(朝日新聞)してきた、という報道があったのは先月の26日のことです。

報道例:
■普天間問題、苦悩の社民 党首交代論も浮上(朝日新聞 2009年11月26日)
http://www.asahi.com/politics/update/1126/TKY200911260007.html
■社民党党首選 照屋氏擁立か/県連、きょう対応検討(沖縄タイムス 2009年12月2日)
http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-12-02-M_1-001-1_004.html?PSID=3e6938d3c43c2e1d8fd853bfc87cbb4f

 こうしたのっぴきならない「党首交代論も浮上」してきたことから、福島党首は3日、鳩山内閣が普天間基地の辺野古移設を決めた場合は連立離脱も辞さない考えを示唆します(共同通信 2009年12月3日)。「4日告示の党首選をにらみ、普天間問題に関する福島氏の取り組みが不十分との党内の不満を抑える狙いもあるとみられ」(同)ています。
http://www.excite.co.jp/News/politics/20091203/Kyodo_OT_CO2009120301000198.html

 この福島党首の記者会見での「連立離脱も辞さない」表明を受ける形で沖縄県選出の照屋寛徳衆院議員が同3日に記者会見し、不出馬の意向を明らかにし、同4日に福島氏が社民党党首に再選されます(朝日新聞 2009年12月3日、同4日)。
http://www.asahi.com/politics/update/1203/TKY200912030479.html?ref=rss

 社民党の問題は、この党首交代騒ぎと機を一にするように上記の国会法改正案に対する同党としての態度も反対から一転了承へと180度豹変させていることです。そのなにが問題かといえば、同党のレーゾン・デートルともいえる憲法上の問題にも関わってくる国会法改正案への態度の180度の転換さえかくも容易に転換するのであれば、「鳩山内閣が普天間基地の辺野古移設を決めた場合は連立離脱も辞さない」という福島党首の言明も信頼するに足ることにはならないだろう、ということです。事実、対立候補の社民党首選出馬の動きがなければ、福島党首は「連立離脱」を決して口にしなかっただろう、というメディアの指摘もあります。福島党首の「連立離脱」表明は自らの意志の表明というよりも、対立候補封じのための策という側面の方が強かったのではないか、という指摘です。

 また、この点に関して気になるのは、社民党の福島党首が国民新党の亀井代表と「来年夏の参院選までは移設先を決めるべきでない」という点で合意したかのような報道があることです(首相に亀井氏「参院選まで普天間決めるな」 社民と共闘(朝日新聞 2009年11月28日)。
http://www.asahi.com/politics/update/1128/TKY200911270494.html

 この点について「<佐藤優現象>批判」(『インパクション』第160号 2007年11月刊)の筆者の金光翔さんは次のような指摘をしています。

「社民党は、普天間基地移設問題の年内決着に反対している。鳩山首相のグダグタぶりが、落としどころが決まった上でのパフォーマンスでない保証もないのだが、少なくとも以下のことは言えるだろう。決着延期で社民党と共闘する国民新党の亀井静香のように、参議院選まで決めなくてよい、と言うのであれば、民主党は、公約違反の批判を浴びることなく、参議院選を迎えることができることになるし、しかも保守的な支持層に対しては、決着の遅延の責任は社民党に押し付けることができるのだから、民主党にとっては一石二鳥だ」(「社民党がいるからこそ民主党の横暴が抑えられている?」私も話させて 2009年12月5日)
http://watashinim.exblog.jp/10526371/

 上記の金光翔さんの指摘は私は的を射た指摘だと思います(ただし後段の「『安保容認・県外施設』の立場である大多数のリベラル・左派」という金さんの認識は賛成できません。「リベラル」はともかくとして「安保容認」の「左派」が「大多数」だとは私は思いません)。普天間基地撤去問題は、民主党のこの問題についての対応だけでなく、連立与党の一員としての社民党のこの問題に対する対応も注意深く見守る必要があるように思います。同基地撤去を真に実現するためには、その注視は、同基地撤去の実現を願う市民としての義務というべきものでもあるように思います。

東本高志

2009衆議院選挙――結果分析

10月 2nd, 2009 Posted by MITSU_OHTA @ 17:29:26
under 一般 [25454] Comments 

2009総選挙(衆議院選挙)の結果を分析中ですが、膨大なデータを処理しなければならず未だに終わっていません。完了してからまとめて掲載するつもりでしたが、終わった分析から順に報告していくことにします。印刷用ファイルはすべて終了後に用意します。

太田光征
http://otasa.net/

共同声明「国会議員の定数削減に抗議する」賛同募集中
 
 
【目次】

1. 民意は民主党の単独過半数を明確に否定している
2. 改憲派議員の割合――民主党の改憲派議員の割合は07参院選から増加している
3. 民主党が勝った小選挙区のうち、自民・民主の支持層以外に依存しなければ勝てなかった可能性の高い選挙区は51ある。
 
 

1. 民意は民主党の単独過半数を明確に否定している
 
 
表1は、2009衆院選の各党獲得議席数をまとめたもので、2007参院選の結果に基づくシミュレーション値や、全国一区比例代表制だった場合の獲得議席数議席配分計算表)なども示しています。

各党の比例区得票率や、全国一区比例代表制だった場合の獲得議席数を比較すれば明らかなように、民主党は比例区得票数レベルで投票者の過半数から支持を受けているわけではなく、民主党の比例区票に社民・国民・日本・大地の票を合わせてさえも過半数に達せず、共産の票を足してやっと過半数になる。ここに今回の衆院選の民意が表れています。

小選挙区も含めた民主党の獲得議席数308だけを見たのでは、民意を読み誤ることになります。民主党が嫌々社民・国民と連立政権を組んでいることは、上記民意から正当といえ、各党の比例区票を基準にすれば、むしろ社民・国民の閣僚数が極端に少ないといえる。

表1 2009衆院選結果

カッコ内は2007参院選の結果に基づくシミュレーション
(カッコなしは選挙結果と同じ)















北海道 2 4
(5)
1 0 0 0 0 0 1
(0)
0 0 - 8
東北 4
(5)
7 1 1 1
(0)
0 0 0 0 0 0 - 14
北関東 6 10
(9)
2
(3)
1 0
(1)
1 0 0 0 0 0 - 20
南関東 6
(7)
11
(10)
2
(3)
1 1 1 0 0 0 0 0 - 22
東京 5 8 2 1
(2)
0 1 0 0 0 0 0 - 17
北陸信越 4 6 1 0 0 0 0 0 0 0 0 - 11
東海 6 12
(11)
2
(3)
1 0 0 0 0 0 0 0 - 21
近畿 9
(7)
11
(12)
5 3 1 0 0 0
(1)
0 0 0 - 29
中国 4 6
(5)
1
(2)
0 0 0 0 0 0 0 0 - 11
四国 2 3 1 0 0 0 0 0 0 0 0 - 6
九州 7 9 3 1 1 0 0 0 0 0 0 - 21
55 87
(85)
21
(25)
9
(10)
4 3
(-)
0 0
(1)
1
(0)
0 0 - 180
議席獲得率 30.6 48.3 11.6 5.0 2.2 1.6 0 0 0.6 0 0 - -
得票率 26.7
(28.1)
42.4
(39.5)
11.5
(13.2)
7.0
(7.5)
4.3
(4.5)
4.3 1.7
(3.0)
0.8
(0.3)
0.6
(0.5)
0.1 0.7 - -
得票率x定数 48.1 76.3 20.7 12.6 7.7 7.7 3.1 1.4 1.1 0.2 1.3 - -
全国一括式 - - - - - - - - - - - - -








議席数 64 221 0 0 3 2 3 1 - 0 0 6 300
得票率 38.7 47.4 1.1 4.2 2.0 0.9 1.0 0.3 - 0.1 1.5 2.8 -
議席獲得率 21.3 73.6 0 0 1.0 0.6 1.0 0.3 - 0 0 2.0 -






議席数 119 308 21 9 7 5 3 1 1 0 0 6 480
完全比例制 129 206 55 34 20 20 8 3 2 0 3 0 480
比例区得票率 26.7
(28.1)
42.4
(39.5)
11.5
(13.2)
7.0
(7.5)
4.3
(4.5)
4.3 1.7
(3.0)
0.8
(0.3)
0.6
(0.5)
0.1 0.7 - -
議席獲得率 24.8 64.2 4.4 2.0 1.5 1.0 0.6 0.2 0.2 0 0 1.0 -

 
 

表2 各党得票数

カッコ内は得票率(%)

比例区 小選挙区
自民 18,810,217(26.73) 27,301,982(38.68)
民主 29,844,799(42.41) 33,475,334(47.43)
公明 8,054,007(11.45) 782,984(1.11)
共産 4,943,886(7.03) 2,978,354(4.22)
社民 3,006,160(4.27) 1,376,739(1.95)
みんな 3,005,199(4.27) 615,244(0.87)
国民 1,219,767(1.73) 730,570(1.04)
日本 528,171(0.75) 220,223(0.31)
大地 433,122(0.62) -
改革 58,141(0.08) 36,650(0.05)
幸福 459,387(0.65) 1,077,543(1.53)
本質 7,399(0.01) -
無所属 - 1,986,055(2.81)
70,370,255 70,581,679

 
 

2. 改憲派議員の割合――民主党の改憲派議員の割合は07参院選から増加している
 
 
「どちらとも言えない」という態度保留派と、無回答の29人を考慮すると、改憲派議員は新議員全体の59%以上、87%未満といえる。朝日の見出しのように、分母を回答者だけにして、「改憲派、3分の2切る」とはいい切れない。3分の2を超える可能性は十分にある。

民主党に限って見れば、憲法改正に「賛成」「どちらかと言えば賛成」を合わせた割合は、61%(04年)、39(07年)、46(09年)と07年参院選から増加に転じ、「どちらかと言えば反対」「反対」を合わせた割合はそれに呼応して、27%(04年)、34(07年)、22(09年)と07年参院選から減少している。

また民主党については、憲法改正について「どちらとも言えない」が11%(04年)、22(07年)、31(09年)と増加し、態度が曖昧化しているのが特徴。

[参考]
参院新勢力に関する朝日新聞東大共同調査(2007年8月7日)
http://kaze.fm/wordpress/?p=140

 
 

表3 改憲派議員の割合

朝日東大共同調査(立候補予定者アンケート)=9月1日付朝日新聞
新議員480人のうち回答者451人(無回答29人)

09年 05年
当選者 自民 民主 当選者
賛成 31% 75 16 72
どちらかと言えば賛成 28% 21 30 15
どちらとも言えない 22% 3 31 5
どちらかと言えば反対 9% 2 13 3
反対 10% 0 9 5

 
 

3. 民主党が勝った小選挙区のうち、自民・民主の支持層以外に依存しなければ勝てなかった可能性の高い選挙区は51ある
 
 
民主党は比例区で29,844,799票(得票率42.41%)、小選挙区で33,475,334票(得票率47.43%)を獲得した(表2)。小選挙区は比例区より3,630,535票だけ多い。この分は、小選挙区制の特性で、民主の実力を表すものではなく、民主支持層以外から流れた票と考えられます。

今回、自民支持層は比例区で29.4%、小選挙区で30.9%が民主に投票した(表5)。ほとんど同じ割合なので、自民支持者で民主に投票した人の大部分は、比例区・小選挙区とも民主に投票したものと思われます。したがって上記の差分363万票余りは、自民・民主の支持層以外からのものと見なせます。

下記の小選挙区は、いずれも民主候補が当選した小選挙区ですが、当該小選挙区から民主が獲得した比例区票が、小選挙区の対立候補(ほとんど自民)が獲得した小選挙区票よりも少ない選挙区のリストです。合計51あります。

民主候補が当選した小選挙区のうち、その小選挙区票と、次点で落選した対立候補が獲得した小選挙区票の差が約4万票未満の選挙区について調べた結果なので、そうした選挙区をほぼ網羅しているはずです。

上記の推測を前提にすると、民主候補が当選したこれら51の小選挙区は、自民・民主の支持層以外からも票をもらわなければ勝てなかった小選挙区、言い換えると、両党支持層以外に依存しなければ勝てなかった選挙区の可能性が非常に高い。

 
 

民主党が勝った小選挙区のうち、自民・民主の支持層以外に依存しなければ勝てなかった可能性の高い51選挙区

凡例:小選挙区名(民主候補の対立候補=小選挙区獲得票、民主候補=民主が当該小選挙区から獲得した比例区票)

北海道5区(町村信孝=151,448、小林千代美=144,026)、北海道11区(故・中川昭一=89,818、石川知裕=64,992)、北海道12区(武部勤=112,690、松木謙公=78,527)、山形1区(遠藤利明=104,911、鹿野道彦=98,797)、福島1区(亀岡偉民=136,526、石原洋三郎=135,943)、茨城1区(赤城徳彦=111,674、福島伸享=105,771)、栃木1区(船田元=111,455、石森久嗣=106,734)、群馬1区(尾身幸次=109,846、宮崎岳志=99,786)、群馬3区(谷津義男=89,436、柿沼正明=86,073)、東京1区(与謝野馨=130,030、海江田万里=119,809)、東京3区(石原宏高=121,699、松原仁=121,485)、東京9区(菅原一秀=126,026、木内孝胤=124,495)、東京10区(小池百合子=96,739、江端貴子=91,440)、東京12区(公明・太田昭宏=108,679、青木愛=99,826)、東京13区(鴨下一郎=111,590、平山泰朗=100,444)、東京14区(松島みどり=93,675、木村剛司=89,914)、東京16区(島村宜伸=113,634、初鹿明博=109,704)、千葉10区(林幹雄=107,745、谷田川元=94,358)、神奈川13区(甘利明=136,164、たちばな秀徳=132,559)、山梨2区(平沼グループ・長崎幸太郎=57,213、坂口たけひろ=40,402)、石川1区(馳浩=117,168、奥田建=115,136)、石川3区(北村茂男=98,599、近藤和也=81,163)、富山1区(長勢甚遠=82,040、村井宗明=66,405)、岐阜5区(古屋圭司=100,931、阿知波吉信=96,927)、三重1区(川崎二郎=98,380、中井洽=98,367)、三重4区(田村憲久=84,583、森本哲生=79,660)、静岡4区(望月義夫=100,352、田村謙治=95,724)、静岡8区(塩谷立=114,677、斎藤進=113,105)、大阪3区(公明・田端正広=97,121、中島正純=96,101)、大阪6区(公明・福島豊=107,336、102,115)、大阪15区(竹本直一=107,896、大谷啓=102,015)、奈良2区(高市早苗=94,879、滝実=93,033)、和歌山2区(石田真敏=71,343、阪口直人=70,081)、香川1区(平井卓也=91,403、小川淳也=86,164)、広島4区(中川秀直=97,296、空本誠喜=90,277)、広島5区(寺田稔=93,594、三谷光男=79,290)、広島7区(宮沢洋一=111,321、和田隆志=105,971)、山口2区(山本繁太郎=105,940、平岡秀夫=89,551)、福岡4区(渡辺具能=106,124、古賀敬章=91,482)、福岡5区(原田義昭=125,767、楠田大蔵=110,214)、福岡9区(三原朝彦=109,807、緒方林太郎=96,138)、福岡10区(西川京子=106,365、城井崇=91,717)、佐賀1区(福岡資麿=75,475、原口一博=59,194)、佐賀2区(今村雅弘=79,243、大串博志=70,717)、長崎2区(久間章生=106,206、福田衣里子=98,398)、長崎3区(谷川弥一=77,316、山田正彦=62,714)、長崎4区(北村誠吾=93,428、宮島大典=73,625)、熊本2区(林田彪=99,933、福嶋健一郎=86,796)、大分3区(岩屋毅=112,602、横光克彦=78,696)、鹿児島1区(保岡興治=94,226、川内博史=93,950)、沖縄4区(西銘恒三郎=71,653、瑞慶覧長敏=62,766)

 
 
自民、民主の各支持層、無党派層が自民と民主に比例区で投票した割合の合計は、ともに前回(05年)から今回(09年)にかけてほとんど変化していない。投票先が自民から民主に変わっただけで、少数政党にシフトすることはなかったと思われる。若干減少した分は、みんなの党に流れたのだろう。

支持層別ではなく、投票層全体でみれば、自民と民主の比例区得票率の合計は、69.2(05衆院選)、67.6(07参院選)、69.1(09衆院選)と推移し、減少幅はさらに小さくなる。みんなの党に流れて減少した分は、公明党支持層から補填されたのではないか。

民主が社民候補を推薦した小選挙区では、民主支持層の約6割が社民候補に投票した。選挙協力は比較的成功したといえる。
 
 

表4 各党支持層の比例区投票先
朝日新聞出口調査=8月31日・9月1日付朝日新聞
(項目「自+民」を追加)
数値(%):2009衆院選/2005年衆院選

自民 民主 自+民 社民
自民支持層(37%/41) 比例区 54/73 30/13 84/86 -
民主支持層(25%/20) 比例区 2/9 84/81 86/90 -
社民候補を推薦した小選挙区 17 - - 66
無党派層(20%/21) 比例区 15/33 53/37 68/70 -
その他(18%/18) 比例区 - - - -

 
 
自民から民主に投票先が変るだけで、少数政党にシフトすることがなかった傾向は、小選挙区で一層はっきっりしている。無党派層、公明各支持層が自民と民主に小選挙区で投票した割合の合計は、ともに前回(05年)から今回(09年)にかけてほとんど変化していない。

共産支持層は、公認候補がいない小選挙区で、約7割が民主に投票し、公認候補がいる小選挙区でも、約2割が民主に投票している。
 
 

表5 各党支持層の投票先
共同通信社出口調査=8月31日付日経新聞
(項目「自+民」を追加)


+








今回 15.6% 51.6 67.2 4.9 8.9 6.1 7.5 2.0 1.4 0.1 1.6
前回 32.6% 38.2 70.8 7.2 8.5 7.5 - 1.4 3.7 - 0.7



今回 23.4% 59.4 82.8 - - - - - - - -
前回 37.4% 45.5 82.9 - - - - - - - -






今回 53.7% 29.4 83.1 6.1 2.1 1.5 4.5 1.2 0.4 0.1 0.9



今回 59.8% 30.9 90.7 - - - - - - - -







今回 67.7% 16.6 84.3 7.1 1.8 0.6 0.6 0.3 0.2 0.1 1.8
前回 72.3% 11.5 83.8 - - - - - - - -







公認あり - 22.1% - - - - - - - - -
公認なし 15.2% 69.3 84.5 - - - - - - - -

共同声明「国会議員の定数削減に抗議する」

8月 4th, 2009 Posted by MITSU_OHTA @ 15:38:11
under 一般 [1275] Comments 

※ 賛同募集中です。下記アドレスまでお知らせください。印刷用ファイルに賛同署名欄をつけましたので、ご活用ください。

※ 2010年9月4日 民主党の斎藤勁衆院議員に共同声明を自治労会館であった講演会で手交。

※ 2010年7月3日 渡辺治氏(一橋大名誉教授、九条の会事務局)に共同声明「国会議員の定数削減に抗議する」を同氏講演会で手交し、九条の会として定数削減反対運動にも取り組んでいただくように要望。

※ 2010年7月1日 民主党の枝野幸男幹事長に千葉県JR松戸駅前で共同声明「国会議員の定数削減に抗議する」を手交。

※ 2010年6月22日 民主党の樽床伸二国対委員長に千葉県JR松戸駅前で共同声明「国会議員の定数削減に抗議する」を手交。

※ 14日から15日にかけて、政党幹部・衆院選候補者41名、新聞社・テレビ局13社27部門に声明文と賛同者・団体リストを郵送しました。

※ 13日に野党記者クラブで記者会見を行いました。新聞社・テレビ局の皆さん、是非報道してください!

※ 11日に民主党の岡田克也幹事長に千葉県松戸市で声明・署名文書を手交しました。読んでくれそうにない様子でしたが…

2010年10月17日現在の賛同者・団体

「平和への結集」をめざす市民の風、川崎けい子(映像ディレクター)、櫻井智志(社会思想研究者)、古屋泰(日本語教師)、鶴田満彦(中央大学名誉教授)、紅林進(政治の変革をめざす市民連帯・世話人)、田島隆(ひとミュージアム上野誠版画館 館長)、平山基生(沖縄・日本から米軍基地をなくす草の根運動運営委員長)、石垣敏夫(埼玉県平和資料館を考える会 世話人)、彦坂諦(作家)、原田伊三郎、さとうしゅういち(女性と政治キャンペーン広島事務局長、民主党員)、田中純子(自営業)、浅田明(Freelance Mathematician)、浜野研三(関西学院大学教授)、林田力(『東急不動産だまし売り裁判』著者)、成見暁子(弁護士)、大津留公彦(ブロガー)、谷口信弘、酒井 信(日本図書館協会監事)、斎田直実、宮島康子(会社員)、永野 勇(市原市民)、荒井理美(自営業・祝島自然の権利訴訟原告)、佐々木耕作、佐伯昭夫(自営業)、宮坂貫司、田口ひろこ、東本高志(市民)、大脇友弘(障害者施設所長)、わしお由紀太(日野−人権・環境・平和の会)、石原将彦、長尾 昭、阿久津孝志、阿久津綾子、太田光征(松戸市民)、末次圭介(大学院生)、とみ新蔵(劇画家)、鈴木雅子、林伸子(アルバイト)、ひきこもり九条の会、田中学(自営業)、松田一樹、安田晶子、寺尾光身(元理系教員)、河 合知 義(広島市民)、紺野茂樹(哲学者)、青崎百合雄(カトリック町田教会)、へいわとふくしを見つめる会、杉山百合子、藤野龍一、井上裕子(みどりの未来会員)、中村和雄(弁護士)、片山貴夫(マスカットユニオン)、林真由美(弁護士)、本田幸子、加藤和博(市民)、鞍田 東(福島県いわき市市民)、日下部信雄(作ろう! 平和を 流山市民の会)、神谷扶左子(ピースキャンドル@鎌倉)、児玉昌己(久留米大学教授 政治学者)、タムラシゲアキ(つとめ人)、島村輝(フェリス女学院大学教員・日本社会文学会代表理事)、永戸千草(三重県鈴鹿市民)、吉岡章子、大富亮(チェチェンニュース)、上田正雄(会社員・NPO法人代表)、安藤洋(「永世中立宣言」運動センター(準備室))、千葉高教組東葛支部「ひょうたん島研究会」、平野慶次(京都市民)、石井明美、きくちゆみ(著作・翻訳家/環境・平和活動家 )、野村修身(工学博士)、上野恵子、しまざき英治(三鷹市議会議員)、かしもと けいじ(憲法を生かす会・八尾)、田辺欽也(山梨平和を語る会)、丹羽雅代、鷲尾峻一、柴田弘武(郷土教育全国協議会会員)、布施哲也(清瀬市議会議員)、柴山健太郎(労働運動研究所常任理事)、福本卓道(尺八演奏家)、遠藤富美夫(自営業)、遠藤真知子(主婦)、遠藤数馬(学生)、遠藤小夜(学生)、西岡なつゑ(無職)、高柳美知子(“人間と性”教育研究所長)、カネダ(ブロガー)、青 英権(作曲家)、松宮光興、村田由彦(ジュマ協力基金共同代表)、田口則芳(百姓)、ベースケ(ブロガー、自称アーティスト、ヘタレ左翼活動家、団体職員)、矢野芳宏(元都立高校教員)、くまがいマキ(劇作家)、奈良本英佑(教員)、義村玉朱(日本共産党尼崎市議会議員)、萩尾健太(弁護士)、豊島耕一(佐賀大学教授)、谷島光治(アンポをつぶせ!ちょうちんデモの会)、佐々木有美(ビデオプレス)、根津公子、西中誠一郎(ジャーナリスト)、石嶺和宏(市民)、荒木健次(年金&アルバイト)、石野恒雄、高野ゆう子、阿部基治(9条の会おおがきスタッフ)、八重樫好(年金&アルバイト)、村岡到(政治の変革をめざす市民連帯事務局長)、手塚弥太郎、かないたかこ、毛利子来(小児科医) 、野上慶一、岩崎信彦(神戸大学名誉教授)、辻 新一(全石油昭和シェル労組 本社支部執行委員)、林克明(ジャーナリスト)、高橋祐吉(専修大学教員)、古谷友朗、小浜健児(中学教員)、KITAJIMA(KITAJIMAのお絵かき研究所)、非国民通信(ブロガー)、平野 毅、島本保徳(西日本NTT関連労働組合副執行委員長)、古川博資(憲法サークル代表)、こたろー(独立行政法人職員)、Kenji Matabe、藤原正樹(校正者)、比企秀一(元教員)、金子康子(無職)、平野智子、吉野一彦(クリニカルラボ御影 整体院院長 )、木村幸雄、木村厚子(岐阜県)、pepita(契約社員)、山本友子、山本進、小泉章夫(札幌市民)、松本紀子(無職)、渡瀬慎一郎(会社員)、小笠原俊文(日本の市民)、樋渡由江、永瀬ユキ、豊田義信(辺野古裁判、安保無効訴訟、祝島裁判原告)、戸田清(長崎大学教授)、中田妙佳(僧侶)、ブログ春夏秋冬、宮腰直子(弁護士)、柴垣和夫(東京大学・武蔵大学名誉教授)、西崎敏男、西崎敦子、大谷康夫(自由業、省エネ支援技術者)、今村光纓、島田 広(弁護士)、山崎秀俊(北海道合同法律事務所・事務職員)、田中直子(大阪府豊中市民)、磯辺文雄(シャキット富山35・政治参画プロジェクトリーダー)、パンドラ(護憲+リアル賛同人)、田悟恒雄(リベルタ出版代表)、荻原義雅(自営業)、毛利勇二(アルバイト)、増田都子(東京都学校ユニオン委員長)、北野弘久(日本大学名誉教授)、石田玲子(主婦)、近藤ゆり子、二見孝一(みどりの未来会員)、岩崎美枝子(市川市民)、南條恵津子(大学院生)、佐藤真理(弁護士)、塩島麗子(東京都民)、久保田潤(みどりの未来会員)、山下けいき(大阪府茨木市議会議員)、鳰川 静(市原市民)、山崎弥生実(フリーランス)、向井雪子(志木市民)、プレカリアート(アフガン・イラク・北朝鮮と日本)、崎山比早子(医師)、校條均(獣医師)、辻 信一(明治学院大学教員)、松田博(大学教員)、島村正博(今村君の友人)、永井直子(日本語教師)、松澤敏彦(教員)、稲垣 豊(ATTAC Japan(首都圏))、松尾憙澄(非戦GameProducer・アースデイ・BE-IN)、LOVELINK(S.B.C)、龍眼、阿部久美子(会社員)、渡邉りよ、千葉卯京(平和への大結集・千葉 幹事)、えんぴつネットワーク、田口房雄、井黒 豊(教員)、井黒 史(保育士)、安藤純義(教員)、綿引孝夫(千葉県市原市民)、練金術師(週刊金曜日練馬読者会)、手塚弥太郎(前栃木市議会議員)、長尾 昭、鈴木孝雄、ぴーこ(憲法9条をまもる 平和共同かながわ 事務局)、山本純生(純アヒムサ会 主宰)、奥山たえこ(杉並区議会議員)、吉良歳月(活かせ9条松戸ネット会員、常盤平9条の会会員)、澤功、渡辺華子、日本国憲法第99条の会@mixi、岸野美奈子、安田晶子、田崎 透(相模原市生活と健康を守る会副会長)、大山美智子(弁護士)、野本ゆかり、箱山富美子(藤女子大学教員)、田場暁生(弁護士)、野口清人(信州の教育と自治研究所所長・ひとミュージアム)、乾 英俊(信州の教育と自治研究所)、藤井 醇(フリーカメラマン・ひとミュージアム)、鹿山邦夫(美術教師・ひとミュージアム)、轟 博子(信州の教育と自治研究所)、馬場 修(川中島九条の会)、山田定安(川中島九条の会)、板倉弘実(川中島九条の会)、橋本 博(元大学教員)、前田惠子(憲法を活かす市民の会 やまぐち)、竹村英明、吉岡滋子、吉川ひろし(千葉県議会議員)、KY生(一人PACEの会)、谷野隆(アジェンダ・プロジェクト)、古賀健二(元DJの現在ハロワ通い)、池邊幸恵(平和のピアニスト)、木村公一(日本バプテスト連盟福岡国際キリスト教会牧師)、田川英信(東京自治労連役員)、浮田久子(平和の白いリボン行動・藤沢代表)、篠原茂弥 (憲法を生かす会・松戸)、佐藤真喜子、渡辺美穂子(役者、「在日の慰安婦裁判を支える会」、「日本熊森協会」会員)、原 秀介、結柴誠一(杉並区議会議員)、新城せつこ(前杉並区議会議員)、栗原君子(新社会党委員長)、林多恵子(茅ヶ崎市民)、本多三郎(大阪経済大学教授)、伊東律子(「賞味期限切れのかぼちゃ」)、野村民夫、久野秀明(自衛隊イラク派兵差止訴訟原告)、松村紀之、勝連夕子、汐待和子(画家)、杉山三枝(柏市民)、木村 朗(鹿児島大学教員)、筒井雪江(主婦)、憲法を生かす会・松戸、平岡あきお、石井宏和(教員OB)、吉田暁(武蔵大学名誉教授)、島あけみ(鍼灸師・シャンソンシンガー)、佐藤昭夫(早稲田大学名誉教授)、田辺伸、日隅一雄(弁護士)、笠松健一(弁護士)、内田ひろき(柏市)、酒井徹(名古屋ふれあいユニオン運営委員長)、鈴木和子(主婦)、金井多賀子、みち子(千葉市民)、田中昭(社長公選制導入を進める組合費無料の新型労組 平等 世話人)、松田敏、西田照見(立正大学名誉教授)、樽美政恵(ふぇみん婦人民主クラブ東淀川支部代表委員)、曽根原鈴美(パート社員)、堀 考信(三島市会議員)、Jun(年金生活者)、福田秀志(子どもと教科書兵庫県ネット21事務局長)、高田 健(許すな!憲法改悪・市民連絡会)、金子サトシ(市民ビデオジャーナリスト)、中井智大(大学生)、龍川美紗子(日本語教師)、小岩陵右子(無職)、豊川節子(無職)、小山田英子(主婦・ヘルパー)、小山田江(事務員)、匿名の方26名 (順不同、計311)

 
 
「平和への結集」をめざす市民の風では、共同声明「国会議員の定数削減に抗議する」を作成し、広く個人と団体に賛同を呼びかけることにしました。

期間が短くて済みませんが、賛同署名を8月11日まで1次集約し、総選挙の公示前に各党・メディアに届けたいと思いますので、よろしくお願いします。賛同署名はその後も9月30日(第2次集約)まで受け付けます。署名期間を当面延長しますので、引き続きよろしくお願いします。

賛同いただける場合は、下記事項をjoin@kaze.fmまでお知らせください。FAXの場合は、020−4666−8281まで。

共同声明「国会議員の定数削減に抗議する」に賛同します。

個人名(ハンドル名OK)または団体名:
肩書き:
お名前公表:可・不可

  • これまでの賛同者・団体
  • 印刷用ファイル
     http://kaze.fm/documents/teisusakugen_seimei.pdf
  • [転送・転載歓迎]

    共同声明「国会議員の定数削減に抗議する」

                                        

    2009年8月4日

     民主党は、7月27日に発表した衆選マニフェスト(政権公約)のなかで、「ムダづかい」削減のために衆議院比例区議員の定数80削減を提案した。
     自民党でも、定数削減を政権公約にしている。

     しかし、国会議員の定数削減は、議会制民主主義のもとにおける有権者の多様な意思の表明を困難にし、民主主義の精神を踏みにじるものであり、我々はこの提案に強く抗議する。

    1. 議会制民主主義のもとでは、広範な市民の多様な意思をできるだけ的確に議会に反映させること、従ってまたこのための仕組みが極めて重要である。

    2. このためには、然るべき人数の議員が必要である。
     現在の衆議院の定数、480人は決して多すぎるものではない。
     現在の選挙制度が発足した時には500人であったが、その後削減されている。

    3. ヨーロッパの主要国(独、英、仏、伊)では、人口は日本の2分の1から3分の2であるが、下院議員の定数は600人前後である。
     人口10万人当たりの定数は、独で0.74人、その他では1.0人前後である。
     これに対し、日本では0.38人と極めて少ない。

    4. 米国の連邦下院議員定数は、435人と少ないが、独特の大統領制である、州の権限が強い連邦国家であるなど、政治制度が日本と著しく異なっており、比較の対象にするのは適切ではない。
     それでも、米国の議会予算は日本より大幅に多い。

    5. 定数削減の目的は、これまで、民間のリストラ、国の行政改革に対応して、国会も人員、予算の節約を図る必要があるため、といわれてきたが、今回「ムダづかい」削減による財源確保が目的、とされている。
     しかし、国権の最高機関である国会の議員の在り方を、民間や一般公務員と同じように論ずることは基本的に間違っており、特に議員定数の一部を「ムダ」とみなしてその削減を財源確保の手段としていることは、到底容認できない。
     定数削減の結果、国会がまともに機能しなくなったら、民主主義が衰退してしまうことを無視している。

    6. このような危険を冒してまで議員定数を削減しても、それによる予算節約はそれほど大きいものではない。
     国会の予算は、国会図書館を除くと約1,100億円である。(この他、政党助成費が321億円ある。)
     これは、一般会計予算の0.12%であり、この一部を削減しても予算の1万分の1から2程度である。       
     因みに、米軍へのいわゆる「思いやり予算」は2千数百億円に上る。また、F−15戦闘機は一機100億円、F−2は120億円である。
     もちろん予算節約の努力は必要であるが、他方、国会の基本的な任務遂行に必要な予算は、民主主義のコストとして負担すべきである。

    7. 定数削減は、比例区の定数削減として提案されているが、この提案には、民意をより正確に反映する比例区の定数を削減し、最終的にはこれを無くして、完全な小選挙区制に変えてしまおうという意図が窺われる。マニフェストには「政権交代が実現しやすい選挙制度とする」と記されているからである。
     ただし、専門家によると、小選挙区制では政権交代が起きる可能性が高い、ということは明瞭とはいえない。

    8.小選挙区制には問題があることは広く知られているにも拘わらず、選挙制度の在り方について公に議論しないまま、定数削減によって完全な小選挙区制へと実体を変えようということは、極めて不公正、不当な政策であるといわざるをえない。

    9. 小選挙区、2大政党制は、統治する立場からは好都合といわれているが、市民の立場からは、多様な民意を的確に反映させることにはならず、不公正である。
     有権者の意思を的確に反映させるためには、少数政党への投票をも尊重する比例代表制を基礎とした制度が絶対に必要である。

    10. このように大きな問題があるにも拘わらず、定数削減という方針が尤もらしく聞こえ、一定の支持を得ているのは、ろくに仕事をしない議員が多すぎる、世襲議員が余りにも多い、などのためであろう。
     この状況を改めるのは、定数削減ではなく、望ましくない議員を落選させ、真っ当な人物を選ぶことである。

    11. 参議院議員の定数については、今回は触れない。参議院の在り方を議論する過程で慎重に検討すべきである。
     衆参合わせて何割削減などという粗雑な議論は、問題外である。

     以上の理由により、我々は国会議員の定数削減という政策の撤回を強く求める。

    「平和への結集」をめざす市民の風
    http://kaze.fm/
    join@kaze.fm