第47回衆議院議員総選挙(2014年衆院選)無効請求訴訟を提起

1月 13th, 2015 Posted by MITSU_OHTA @ 2:36:21
under 選挙制度 , 定数配分の格差(1票の格差) , 裁判 , 2014年衆議院選挙 Comments Off 

本日、無事に受理されました。事件番号は平成27年(行ケ)第5号です。

今回の選挙では、比例区で得票率が同じでもブロック(定数)の違いによって議席を得られたり、得られなかったりと、特徴的な結果が出ています。ここには明白な投票価値の格差が存在します。

特に四国ブロックの方に提訴していただきたいと思います。まだ間に合います。

平和への結集ブログ » 2014衆院選――結果分析
http://kaze.fm/wordpress/?p=537

住民票など、住所を証明するものを要求されると思いますが、少なくとも受理時に必須ではありません。

最低限、下記を変えるだけでどの選挙区でも通用する訴状です。全選挙区を対象にしています。訴状提出の締め切りは13日、本日中です。まだ間に合います。コピーして使っていただいて構いません。印鑑(認印可)を忘れずに。

1ページと6ページ 当事者、宛先高裁名
74ページ 訴状副本の数(裁判所用+被告の数)

下記Excelファイルのシート「小選挙区別登録者」を使用して、第4章第1節の最後に自分の小選挙区の「1票の格差」を明記してもいいでしょう。

比例区の第3章では次あたりに自分の選挙区のデータを追加してもいいでしょう。

第1節
参照Excelワークシート:
(1)比例区ブロックの「選挙当日の有権者数」と「1票の格差」[比例区定数の割り当て]
第7節
参照Excelワークシート:
(3)「政党間1票格差」(小選挙区、比例代表)と「ブロック間死票率格差」(定数自体の格差)と「1議席当たりのブロック間死票格差」[比例区分析]

訴状:
http://otasa.net/documents/2014senkyo/2014_Lower_House_Election_Complaint.pdf
http://otasa.net/documents/2014senkyo/2014_Lower_House_Election_Complaint.doc
http://otasa.net/documents/2014senkyo/2014_Lower_House_Election_Complaint.docx

選挙分析Excelファイル:
http://otasa.net/documents/2014senkyo/2014_gisekihaibun.xlsx

訴状目次

第1 請求の趣旨 6
第2 請求の原因 6
1 当事者 6
2 法令 7
3 憲法違反・法律違反の事実 7

第1章 定義と出典 7
第2章 本件訴訟の争点と対象選挙区 12

 第1節 本件訴訟の争点 12
 第2節 本件訴訟は従来の「定数是正訴訟」と同型であるが、「1票の格差」以外の「投票価値の格差」も争点とする 12
 第3節 「定数配分の格差」「投票価値の格差」をめぐってどの選挙区を違憲無効とすべきか 16
 第4節 本件訴訟の対象選挙区と対象違憲/違法事実 16

第3章 比例区――「1票の格差」の最大が1.18倍でも「定数配分の格差」と「ブロック間死票率格差」(定数自体の格差)が「投票価値の格差」「政党間1票格差」をもたらす 17

 第1節 比例区にも歴然とした「定数配分の格差」がある――ブロック間で移動すべき議席は4議席あり、東京ブロックの「1票の格差」(基準:東北ブロック)は1.18倍にすぎないが、東京ブロックは2議席も足りない 17
 第2節 比例区にも歴然とした「投票価値の格差」「政党間1票格差」がある――共産党は四国ブロック(定数6)の得票率10.12%が東北ブロック(定数21)の得票率9.89%および維新の党の北海道ブロック(定数8)の得票率9.89%より高いが、共産党と維新は東北ブロックと北海道ブロックで議席を獲得できながら、共産党は四国ブロックで議席を獲得できない 18
 第3節 比例区における「政党間1票格差」(全国レベル)の最大は社民党の5.06倍 19
 第4節 比例区ブロック間の「定数配分の格差」は「政党間1票格差」をもたらす――「定数配分の格差」を是正すれば獲得議席数は自民党が1減、次世代の党が1増 20
 第5節 「1票の格差」目安論は「定数配分の格差」論を矮小化し、「投票価値の格差」「政党間1票格差」を没却 21
 第6節 比例区の「定数配分の格差」の是正は区割り変更の必要がないので選挙当日の有権者数で決定できる 21
 第7節 「ブロック間死票率格差」(最大:3.59倍)(定数自体の格差)も「政党間1票格差」をもたらす――共産党が2桁得票率でも議席を獲得できない四国ブロックの定数6などは比例代表制の定数とはいえず、異なる選挙制度と異なる定数をブロック間で適用することは投票価値の格差をもたらすから違憲 22
 第8節 「ブロック間死票率格差」(定数自体の格差)の解消をスイス連邦最高裁判所から求められたチューリヒ州 23
 第9節 「定数配分の格差」は、ブロックごとに内部で「政党間1票格差」をもたらすだけでなく、ブロック全体で「党派支持率の不均衡」が相乗して、特定党派に有利・不利な分布になる――自民党の得票率の高いブロックほど定数が過剰 24
 第10節 まとめ 25

第4章 小選挙区――「1票の格差」2倍超が解消しても「定数配分の格差」が「投票価値の格差」「政党間1票格差」をもたらす 25

 第1節 都道府県間で移動すべき議席数は最低でも13議席 25
 第2節 小選挙区における「政党間1票格差」(全国レベル)の最大は共産党の82.78倍 27
 第3節 「定数配分の格差」は、小選挙区より広い地域で「党派支持率の不均衡」が相乗して、特定党派に有利・不利な分布になり、「政党間1票格差」を拡大する可能性がある――自民党の得票率の低い都道府県ほど定数が過少 27
 第4節 定数を増減せずとも各都道府県内の選挙区間で選挙人数をならせば、「1票の格差」2倍超の選挙区はなくなるが、特定党派に有利な(小選挙区より広い地域での)「定数配分の格差」による「政党間1票格差」を没却 28
 第5節 まとめ 30

第5章 「投票価値の格差」「政党間1票格差」は小選挙区、比例区、全国で一体的に集積されるから、一体として評価すべきである 30

第6章 比例区の定数枠から無所属候補を締め出す小選挙区比例代表並立制は制限選挙規定であり違憲である 31

第7章 小選挙区制は優先的憲法要請と数科学的知見に違背し、違憲である 33

 第1節 小選挙区制は優先的憲法要請から導かれる定量的な選挙制度条件に適合せず違憲 33
 第2節 小選挙区制は憲法より普遍的といえる数科学的知見に違背して違憲 33

第8章 野宿者など住所非保有者の実質的な選挙権剥奪は制限選挙であり違憲である――住所非保有者も適正に生活保護を受給できるように、住所非保有者の選挙人名簿を調製して選挙の公正を確保できる 34

 第1節 公正な選挙に必要なのは本人確認であり、住所ではない 34
 第2節 行政は居所・仮住所を住所と見なさず、民法、住民基本台帳事務処理要領、過去の住民登録事例に違背する 35
 第3節 行政は住所非保有者に住所を確保すべき住民基本台帳法の義務を怠っている 36
 第4節 在外選挙人を優遇して国内住所非保有選挙人を差別するのは不当 38
 第5節 まとめ 38

第9章 比例区選挙の立候補者数規定は制限選挙規定であり違憲である 39

 第1節 無党派層が最大の政治勢力であり、政党よりも支持される政治団体が存在する今日、「政党本位」の立候補要件に合理的理由はなく、「政党本位」といいつつ既成政党のみを優遇して何らの民主主義的意義もな 39
 第2節 国会裁量権の合理性検討に値しない国会審議――強行採決で立候補要件を決定し、政党本位と矛盾しない「名簿届け出政党等の要件緩和」など合理的な代案を無視 40
 第3節 まとめ 42

第10章 高額選挙供託金規定は制限選挙規定であり違憲である 43

 第1節 選挙供託金制度を争点とする過去判決は失当 43
 第2節 選挙供託金制度の立法目的・手段・効果に合理性はない――過去の選挙供託金争点裁判(大阪高裁判決)を振り返る 44

  ア)大阪高裁判決は公営選挙費用の一部負担を立法目的の1つとしてきた選挙供託金制度の正当性を否定し、大阪高裁判決を上告審も是認 45
  イ)大阪高裁判決は選挙不正行為の防止という架空の立法目的の効果、不正目的保持者=低得票者=供託金没収対象者(立法目的を達成せずとも低得票者だけに経済制裁)を実証しておらず、大阪高裁判決を上告審も是認 46
  ウ)大阪高裁判決は泡沫候補の排除という実際の立法目的を無視し、それを継承した上告審が選挙供託金制度は違憲でないことが明らかと国会裁量権の合理性検討を怠る 48
  エ)大阪高裁判決は無産者・無産政党に対する政治弾圧という実態的な立法目的を無視し、それを継承した上告審が選挙供託金制度は違憲でないことが明らかと国会裁量権の合理性検討を怠る 49

第3節 選挙供託金制度の立法目的・手段・効果に合理性はない――過去の国会審議を振り返る 50

  ア)柚正夫公述人の見解 50
  イ)泡沫候補の立候補抑止、候補者乱立の抑止、選挙公営費の一部負担の立法事実・効果はない 52
  ウ)例外中の例外と認める立法事実 54
  エ)選挙不正行為の防止という架空の立法目的 55
  オ)実態的な立法目的は選挙管理員会の都合、新たな政治勢力の台頭抑止、二大政党優遇 56
  カ)実態的な立法目的(前例踏襲)のもう1つは無産政党の弾圧 59
  キ)弊害・違憲性について真摯で合理的な国会裁量権を行使していない 62
  ク)(確実に泡沫候補の立候補を抑止できる)代案・違憲性について真摯で合理的な国会裁量権を行使していない 67

 第4節 まとめ 72

第3 結論 74

太田光征

2014衆院選――結果分析

1月 9th, 2015 Posted by MITSU_OHTA @ 1:03:23
under 選挙制度 , 定数配分の格差(1票の格差) , 裁判 , 2014年衆議院選挙 Comments Off 

2014年衆院選:自民に有利の「定数配分の格差」(小選挙区は最低13議席、比例区は4議席を移動すべき)を是正せずとも各都道府県内で選挙人数をならせば「1票の格差」2倍超を解消できる「目安」論は「政党間1票格差」を没却

全文は下記ファイルをご覧ください。

http://otasa.net/documents/2014senkyo/2014senkyo_bunseki_20150109.docx

http://otasa.net/documents/2014senkyo/2014senkyo_bunseki_20150109.pdf

http://otasa.net/documents/2014senkyo/2014_gisekihaibun.xlsx

2014年衆院選の無効請求訴訟に必要と思われる範囲で、最小限の分析結果をお知らせしたいと思います。皆さんも各地で訴訟を起こされるよう、お願いします。訴状の提出は1月13日が締め切りです。その後で詳細な準備書面を提出することができます。

下記が選挙結果データなども含むエクセルファイルで、これを使って分析プロセスを検証できます。

http://otasa.net/documents/2014senkyo/2014_gisekihaibun.xlsx

2013年参院選の無効請求訴訟をご参考にしてください。自由にコピーして使っていただいてかまいません。

2013年参議院選挙の無効請求訴訟

(1)訴状:投票価値論を展開。訴状ファイルには目次がありません。目次は下記ブログ記事本文で確認してください。
第23回参議院選挙無効請求訴訟を提起
http://kaze.fm/wordpress/?p=478 
(2)準備書面:供託金制度についての国会論議を詳しく振り返っている。
第23回参議院選挙無効請求訴訟の準備書面(2013年11月6日付)――戦後直後から最近までの国会審議を振り返る
http://kaze.fm/wordpress/?p=512
(3)上告理由書:準備書面とかなり重複しているが、投票価値論について新たな説明を加えている。供託金制度についての主張は、上告理由書のまとめで手っ取り早く理解できる。
2013年参院選無効請求訴訟で上告――定数配分の格差の是正で投票価値の格差(死票率の格差)はさらに拡大する
http://kaze.fm/wordpress/?p=527

【目次】

第0章 「投票価値の格差」は「1票の格差」「定数配分の格差」だけではない

第1章 比例区――「1票の格差」の最大が1.18倍でも「定数配分の格差」と「ブロック間死票率格差」(定数自体の格差)が「投票価値の格差」「政党間1票格差」をもたらす

 第1節 比例区にも歴然とした「定数配分の格差」がある――ブロック間で移動すべき議席は4議席あり、東京ブロックの「1票の格差」(基準:東北ブロック)は1.18倍にすぎないが、東京ブロックは2議席も足りない

 第2節 比例区にも歴然とした「投票価値の格差」「政党間1票格差」がある――共産党は四国ブロック(定数6)の得票率10.12%が東北ブロック(定数21)の得票率9.89%および維新の党の北海道ブロック(定数8)の得票率9.89%より高いが、共産党と維新は東北ブロックと北海道ブロックで議席を獲得できながら、共産党は四国ブロックで議席を獲得できない

 第3節 比例区における「政党間1票格差」(全国レベル)の最大は社民党の5.06倍

 第4節 比例区ブロック間の「定数配分の格差」は「政党間1票格差」をもたらす――「定数配分の格差」を是正すれば獲得議席数は自民党が1減、次世代の党が1増

 第5節 「1票の格差」目安論は「定数配分の格差」論を矮小化し、「投票価値の格差」「政党間1票格差」を没却

 第6節 比例区の「定数配分の格差」の是正は区割り変更の必要がないので選挙当日の有権者数で決定できる

 第7節 「ブロック間死票率格差」(最大:3.59倍)(定数自体の格差)も「政党間1票格差」をもたらす――共産党が2桁得票率でも議席を獲得できない四国ブロックの定数6などは比例代表制の定数とはいえず、異なる選挙制度と異なる定数をブロック間で適用することは違憲

 第8節 「ブロック間死票率格差」(定数自体の格差)の解消をスイス連邦最高裁判所から求められたチューリヒ州

 第9節 「定数配分の格差」は、ブロックごとに内部で「政党間1票格差」をもたらすだけでなく、ブロック全体で「党派支持率の不均衡」が相乗して、特定党派に有利・不利な分布になる――自民党の得票率の高いブロックほど定数が過剰

第2章 小選挙区――「1票の格差」2倍超が解消しても「定数配分の格差」が「投票価値の格差」「政党間1票格差」をもたらす

 第1節 都道府県間で移動すべき議席は最低でも13議席

 第2節 小選挙区における「政党間1票格差」(全国レベル)の最大は共産党の82.78倍

 第3節 「定数配分の格差」は、小選挙区より広い地域で「党派支持率の不均衡」が相乗して、特定党派に有利・不利な分布になり、「政党間1票格差」を拡大する可能性がある――自民党の得票率の低い都道府県ほど定数が過少

 第4節 定数を増減せずとも各都道府県内の選挙区間で選挙人数をならせば、「1票の格差」2倍超の選挙区はなくなるが、特定党派に有利な(小選挙区より広い地域での)「定数配分の格差」による「政党間1票格差」を没却

第3章 改めて「定数配分の格差」と「投票価値の格差」の理解について

太田光征

2014年衆院選の無効請求訴訟を:比例区にも歴然とした「投票価値の格差」「政党間1票格差」がある――共産党は四国ブロックの得票率が東北ブロックより高いが、東北ブロックで議席を獲得できて四国ブロックではできない

1月 7th, 2015 Posted by MITSU_OHTA @ 15:18:07
under 選挙制度 , 定数配分の格差(1票の格差) , 裁判 , 2014年衆議院選挙 Comments Off 

衆院選無効請求訴訟の提起の締め切りは13日です。詳しい訴えは準備書面に譲り、まずは訴状だけを出しても構いません。私もそうします。

こちらの記事に昨年の参院選の無効請求訴訟の説明などを載せています。訴状のひな形などとしてご参考にしてください。文面をコピーしていただいても構いません。

2014年衆院選比例区の東京ブロックは定数が2議席も足りない――衆院選の無効請求訴訟を
http://kaze.fm/wordpress/?p=535

選挙の分析結果は明日くらいに公表したいと思いますが、取り急ぎ、一部をご紹介します。各地で衆院選無効請求訴訟を起こしましょう。

太田光征

比例区における投票価値とは、政党の議席配分に与える影響力のことであり、このような価値が有権者の間で同じでなければならない。

ところが、例えば、共産党は四国ブロックの得票率10.12%が東北ブロックの得票率9.89%より高いが、東北ブロックで議席を獲得できて四国ブロックでは議席を獲得できていない。共産党を支持する両ブロックの有権者グループの間で、また同党を支持する有権者グループと他党を支持する有権者グループの間で、投票価値の格差が存在するのである。

投票価値の格差はブロック間のみで比べるべきものではない。「投票価値の格差」を「1票の格差」と区別するため、「投票価値の格差」を「諸政党を支持する有権者間の投票価値の格差(政党間1票格差)」と呼ぶことにする。共産党の例は、後述するように、「ブロック間死票率格差」(定数自体の格差)による「政党間1票格差」の例である。

2桁得票率でも議席を獲得できない四国ブロックの定数6などは比例代表制の定数とはいえず、異なる選挙制度と異なる定数をブロック間で適用することは違憲となる。

格差は対で発生する現象であり、有利・不利いずれも不当であるから、全ブロックの選挙結果を違憲無効とし、衆議院解散前の議会に戻さなければならない。