次期総選挙:小選挙区および比例代表ブロック方針

平和への結集・市民の風が9月14日の総会で来る総選挙での投票方針を決定しましたので、ご紹介しておこうと思います。皆さんのご参考になれば幸いです。第4回総会の報告についてはこちらをご覧ください。

太田光征

 

 「市民の風」は、自民党支配の打破と、憲法改定反対・小選挙区比例代表並立制廃止・自衛隊海外派兵恒久法反対・消費税増税反対・ワーキングプアを生み出す格差社会の是正等を主張する候補の当選をめざし、広範な勢力の共同を呼び掛けていきたい。

小選挙区および比例代表ブロック方針

 解散総選挙は目前で平和共同候補の擁立は困難だが、可能な選挙区では、平和共同候補の擁立もしくは選定を呼びかけたい。

 実際の投票はどうするべきか。現在の野党は、少なくとも法案ごとの野党共闘の枠組みを維持している。民主党が単独で労働者派遣法改正案を提出しようとした際には、社民党の要請で見送られた。国民新党に至っては、郵政民営化の見直しを条件に民主党候補の応援を約束している。このように、野党共闘(連合)の枠組みがあり、野党が国会の多数を占め、さらに民主党だけで過半数に達しない「小数野党キャスティングボード議会」であれば、少数野党、特にいわゆる護憲政党が主張する上記政策の実現は飛躍的に高まる。

 今度の総選挙で、野党の勢力バランスが劇的に変化することはまず考えられない。小選挙区で、上記の政策をすべて公約に掲げ、なおかつ当選可能性のある小数野党の候補者は限られる。比例代表制ブロックであれば、小数野党に投票しても死票をほとんど気にする必要はないが、小選挙区では、小数野党の候補に投じた票は、一部有力候補の場合を除き、死票になる可能性が高い。

 比例代表制ブロックについて補足しておくと、候補者を直接選ぶことはできず、政党名で投票する。死票をあまり気にする必要がなく、政党の政策で判断して投票することができる。

 政策だけで判断し、候補者の当選可能性、したがって最終的に政策の実現可能性を考慮しないなら、特別な投票指針は必要ない。もしも上記政策の実現を優先するなら、現在の野党勢力バランスでは、「小数野党キャスティングボード議会」を実現するしかないと思われる。

 野党支持の有権者が協力して、比例区では小数野党、特にいわゆる護憲政党に投票する代わりに、小選挙区では当選可能性の高い野党候補に投票する手法(選挙区すみ分け投票)を使えば、上記政策を掲げる野党候補者の当選者数を最大化させた上で、「小数野党キャスティングボード議会」が可能となるだろう。このように、現在の小選挙区比例代表並立制では、必ずしも小選挙区で本来支持したい政党に属さない候補者に投票することで、支持政党の議席を伸ばす投票パターンが可能で、現与党連合の支持者が実際に採用している。

 投票に当たっては、死票になっても意志表示になるから死票でも意義があるという考え方もあれば、選挙ではあくまで議席を獲得できなければ意味がないから死票を避けるべきだとする考え方に分かれる。事実上、死票をめぐる有権者の考え方の溝は埋まりそうにない。

 大量の死票を生み出す現在の小選挙区比例代表並立制では、たとえ政策で一致している有権者どうしでも、投票に関する考え方が違うのである。小選挙区比例代表並立制を廃止するために、同法に反対する候補のみに投票することが唯一の方法であるというわけではない。小選挙区では政策だけで判断して死票を投じてよいのかどうか、選挙で実際に何をしたいのか、あるいは何を実現すべきなのかについて、以上を参考に有権者各自が判断していただきたい。

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