2011年6月19日北千住・脱原発街頭行動での故久保田千秋さんの訴え

http://youtu.be/ij9kGxQES4w

2011年6月19日、北千住駅前ロータリーで久保田千秋さん、長岩均さん、私の3人で脱原発街頭行動に取り組んだ。私が脱原発街頭行動で久保田さんらとご一緒したのはこの日が初めて。普段は地元の松戸などでだいたい1人で同様の行動をしている。

その久保田さんが3カ月後の9月26日、つまり25日の数寄屋橋行動の翌日に他界された。享年59歳。

私は25日、東日本大震災被災者支援千葉西部ネットワークの取り組みとして、仲間と松戸駅前で南相馬野菜支援カンパのお願いと脱原発の訴えをしていた。

いま思えば私も数寄屋橋行動に参加したかった。長岩さんによれば25日の久保田さんの演説は格調高いものだったという。

このような形でこのビデオを紹介するなど、想像もしていなかった。他界される直前まで、数寄屋橋行動のほかにも9・19明治公園集会・デモや経産省前テント行動などに元気に取り組まれたという。だから突然の死は誰もが信じられない。

久保田さんといえば、3・11以前の何かのデモの時だったと思うが、大きなよく通る声でおそらく沖縄米軍基地、安保を訴えていたのをよく覚えている。

私が久保田さんと街頭行動を共にしたのは数えるほどだが、今後街頭行動をするたびに思い出さないわけにはいかない。マイクを握る時、自分と久保田さんを重ね合わせる感じになるのだと思う。

6月19日は北千住行動の後、実は第2ラウンドとして松戸駅前にも来ていただいた。そこで福島第1原発で子供さんが働いているという親父さんと鉢合わせになったのだが(私の場合は再会)、福島原発事故はチェルノブイリ並みではない、すぐに収束する、などという親父さんの主張にやや色をなして久保田さんは反論されていた。その後、反省の弁を私たちに向けて口にされたが。こんなことも思い出される。

この親父さんは自分の子供が健康リスクを背負いながら事故収束に当たっているのだから、脱原発の訴えは事故収束の後にしなさい、と私が最初に会った時に言われたものだ。

気持ちは分かるが、今現に原発震災で苦しんでいる方々、また今後発生するかもしれない原発震災に苦しむ方々のことが念頭にない。

久保田さんはまさに命をかけて脱原発を訴えていたわけだが、親父さんはこの事実を知ってどう思うか。今度会う機会があれば聞いてみたい。

しかしなぜ久保田さんがこんなにも早く亡くならねばならないのか。福島原発震災の原因を作り、東電を含む電力業界から多額の献金を受けてきた自民党などは、原発被災者に対して何らの責任も取っていない。

ビデオ中でも久保田さんが訴えているが、政党助成金を廃止すれば震災復興資金に回せるのだ。それさえもせず議員定数を削減しようとする。久保田さんは定数を削減する必要はないとはっきり主張している。

久保田さんはこう訴えた。「国会議員が原発事故を反省する気持ちがあるなら、まず予算の組み替えを行ってほしい。原子力予算4550億円を震災復興に、米軍思いやり予算1881億円を東北思いやり予算に。思いやり予算を使えば被災者25万人に月々10万円を支給することができる。320億円の政党助成金を返納してほしい。国会議員は国民一人ひとりの意見を代弁していて、削る必要はない。東北復興のために320億円を返納してもらいたい。震災復興資金80兆円の工面は自民党にしかできない。米国債をアメリカに買い取ってもらい、借金を返してもらう。これはアメリカと大変親密な関係にあった自民党にしかできない仕事。」

脱原発活動家の久保田さんが早死にし、福島原発震災の原因者たる自民党などが無責任にのうのうとしている。

久保田さんは腎臓病を抱えていたとはいえ、いやそうであるからこそ、死期を早めた原因に放射線があるのではないかと私は疑っている。放射線の影響はがんだけではない。

セシウム137の腎臓への影響
http://yocaki.tumblr.com/post/9326267969/137

セシウムの人体への影響 - 5年後10年後子どもたちが健やかに育つ会 越谷
http://sukoyaka-koshigaya.jimdo.com/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/%E3%82%BB%E3%82%B7%E3%82%A6%E3%83%A0%E3%81%AE%E4%BA%BA%E4%BD%93%E3%81%B8%E3%81%AE%E5%BD%B1%E9%9F%BF/
「(チェルノブイリ原発事故後、ベラルーシの)ゴメリ市の突然死の89%が腎臓の破壊を伴い、突然死の99%が心筋不調。 」

1986年4月26日のチェルノブイリ事故後、米国ではエイズ関連疾患の死亡率が激増した。同死亡率は84年5月から85年5月まで十数%減少していたにもかかわらず、85年5月から86年5月にかけて100%近く増加している。(『死にいたる虚構―国家による低線量放射線の隠蔽―』、ジェイ・M・グールド、ベンジャミン・A・ゴルドマン著、肥田舜太郎、斎藤紀訳、2008年、PKO法『雑則』を広める会)

乳幼児死亡率も同様で、米国やドイツでは1986年5月から7月にかけて乳幼児死亡率が前年同月と比べ25〜70%以上も上昇している。(同上)

東電は「万が一、将来ガンになったときに、東電は補償してくれるのか?」という福島市民の問いかけに対して、「因果関係が証明できない場合は、補償しない」と答えている。

<原賠審への公開レター発出>「自主」避難せざるをえなかった人々の声を聞いてください
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/228101765.html

放射線の影響は一部の障害を除いて、疫学調査による統計で調査対象群の中に被害者がいる、という形でしか判明しない。個人の被害者は特定できない。

東電と原発のこの理不尽さ。

脱原発は久保田さんがやり残した課題。私にとってはより身近で重いものになった。

太田光征
http://otasa.net/

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