今回の選挙は福島原発事故を経験した日本で初めての総選挙となり、有権者は重大な関心を寄せています。各党・各候補におかれましては、自らの信念を包み隠さず有権者に明らかにして、真剣勝負を挑んでいただかなければなりません。他団体のアンケートに対して回答していない党首の方もおり、考えられないことです。以下の10大項目の質問に是非ともご回答いただきたく思います。(環太平洋とすべきところ、環太平となっていたので、修正:12月1日)
2012年11月28日
「平和への結集」をめざす市民の風
*
アンケート送付先:
政党:アイヌ民族党、日本未来の党、共産党、みんなの党、社民党、新党大地、新党日本、新党改革、日本維新の会、自民党、民主党、公明党、国民新党、幸福実現党
小選挙区候補者(党首・代表が立つ選挙区):栃木3区、千葉4区、兵庫8区(新党日本の候補が出ますが、同党は1人なので、党に対するアンケートで代用)、山口4区
回答(質問文の下にページ内リンクで飛びます):
日本維新の会(回答日:11月30日)
庄本悦子(兵庫8区、共産党)(回答日:12月2日)
民主党(回答日:12月3日)
共産党(回答日:12月3日)当初作成していた回答から事務的ミスにより抜けていたジェンダー部分の回答をいただき、追加
幸福実現党から回答の意思表明あり
斉藤和子(千葉4区、共産党)(回答日:12月3日)
秋山幸子(栃木3区、共産党)(回答日:12月3日)
社民党(回答日:12月3日)
国民新党(回答日:12月12日)
*
他団体によるアンケート:
アンケート結果を見る時の注意:
徹底調査「原発再稼働」を推進するこれが国会議員のリスト
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32750?page=5
「脱原発を口にしているのに、大阪の市民が関電に対して原発反対の署名を集めたら、労働組合の応援が欲しいのか、最後まで理由をつけて署名しない議員もいました。」(社民党の福島瑞穂氏)
「原発事故子ども・被災者支援法」についての候補者アンケート(茨城・埼玉・千葉)
http://ekantornet.jimdo.com/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%88%E7%B5%90%E6%9E%9C/
障害者の地域生活確立の実現を求める全国大行動」実行委員会 2012年政党アンケート
http://www.j-il.jp/bigaction/2012syuin/12qa.html
2012年衆院選挙の各党医療政策
http://hodanren.doc-net.or.jp/news/seitou/1212iryou.html
2012年衆議院選挙、各党への政策アンケート結果
http://hodanren.doc-net.or.jp/news/seitou/1211annke.html
医療・社会保障関連法等に各党がとった態度
http://hodanren.doc-net.or.jp/news/seitou/houanntaido.html
☆7政党からの回答書およびコメント「私たちはジェンダー平等政策を求めます」政策リスト(回答書) - 市民と政治をつなぐ P−WAN
http://p-wan.jp/site/modules/d3blog/details.php?bid=31
衆院選:ジェンダー政策 各党の違い浮き彫り
http://mainichi.jp/select/news/20121201k0000e040170000c.html
「婚外子差別の廃止」と「性的マイノリティーへの差別・社会的排除をなくす」については、自民のみ「反対」「どちらかといえば反対」と答えた。
平和への大結集・千葉
http://www.xn--x41az7v.jp/~daikessyu/
第46回総選挙千葉県選挙区立候補予定者アンケート結果一覧表
http://www.xn--x41az7v.jp/~daikessyu/senkyo2/kouho-yotei.htm
脱原発「あなたの選択」プロジェクト(各党の脱原発の姿勢が一目で分かるフライヤー=公示後も店内などに掲示可能)
http://coalitionagainstnukes.jp/?page_id=1855
総選挙で、グッバイ原発「誰が脱原発なの? 教えて」ナビ(各種団体などによる指標14項目ごとの評価のまとめ)
http://vote4it.info/index.php?candidate
脱原発総選挙(各種団体などによる指標10項目ごとの評価のまとめ)
http://miraisenkyo.wordpress.com/
結果
https://dl.dropbox.com/u/46007898/nonukecandidates.html
原発推進議員リスト
http://miraisenkyo.wordpress.com/2012/11/26/mura/
他団体によるアンケートのリンク集
http://miraisenkyo.wordpress.com/2012/11/15/link/
「脱原発つうしんぼ」(エコ議員つうしんぼ)(20項目の質問をして点数化)
http://www.giintsushinbo.com/
プロジェクト99%国会議員データベース(原発・消費増税・TPPのアンケート)
http://project99.jp/wp/?page_id=133
脱原発総選挙かながわ(「脱原発つうしんぼ」以外にTPP・オスプレイ・候補者の重点政策の3点を質問)
http://611kanagawa.org/
STOP TPP!! 市民アクション: 「TPPに賛成?反対?」議員リストを一挙公開!
http://stoptppaction.blogspot.jp/p/tpp.html
「脱原発」経産省前テントひろば 国会議員意見聴取プロジェクト
http://space.geocities.jp/nicesenkyo/file001.html
脱原発基本法に対する衆議院選挙候補者の賛否(即時ゼロの共産党の候補は、同法「賛成」ではなく「その他」となっている)
http://www.datsugenpatsu.org/2012shugiin/
質問文(要旨):
(1)消費税増税について
消費税5%による税収は法人税減税と高額所得者の所得税減税で消えてしまった。給与所得全体が減少しても億万長者は増えている。消費税は非正規雇用化と格差拡大を促進する不公平な税目であり、不公平税制を是正することで消費税増税は必要ないが、それでも増税か。
(2)自衛隊と9条改憲について
集団的自衛権を認めないというなら、自衛隊を米軍による海外軍事作戦に参加させることを法律で禁じたらどうか。太平洋戦争体験者の「目の黒いうち」に憲法9条の普遍性・不変性を固める意志はあるか。新たに自主規制を敷いても在日米兵による犯罪が絶えないことから、日米地位協定の改定は必然と思われるが。
(3)情報主権について
秘密保全法案など情報主権を制約する法律(案)が数多くある。政治家や官僚らによる不祥事隠しに使われてはならない。国民の基本的権利を侵害しないよう万全の配慮を施した上での個人情報保護法改正に取り組んだらどうか。
(4)地方自治の軽視について
いわゆる「大阪都法」は憲法95条(自治体に対する差別的立法を抑止するため、特定の自治体にのみ適用される「地方自治特別法」を制定しようとする場合、当該自治体で住民投票の実施を義務付け)に違反するのではないか。
(5)TPP(環太平パートナーシップ協定)について
スウェーデンの原子力発電企業ヴァッテンファルは、ドイツ政府によって同社の原発が閉鎖されたため、TPPにも盛り込まれるISD(投資家対国家間の紛争解決)条項に基づいてドイツ政府を提訴する予定。2009年にも、同社の石炭火力発電所に対するドイツ政府の環境規制で損害を被ったとして、賠償を勝ち取っている(http://goo.gl/kA4Q4 )。
日本もTPPに参加すれば、脱原発などの政策や国内法がISDで曲げられるのでは。
(6)国会議員定数の削減について
消費税増税を主張する政党が、国会議員の身を切ると称して消費税増税に反対する中小政党の身を切るから増税法を認めてくれ、という理屈は成り立たない。オスプレイという負担を沖縄へ押し付けるから身を切る、という申し出は聞いたことがない。
比例区定数が削減されれば、福島県民と中心とする原発事故被災者が脱原発中小政党に投じる比例区票の価値は現在よりさらに小さくなる。被災者の基本的な政治権利を切り崩しておいて、被災者救済とはどういうことか。
小選挙区の定数を削減すれば、無所属候補の当選枠を政党候補に比べて狭めることになり、これも格差拡大に他ならない。
(7)民間戦争被害者の援護法について
軍人・軍属に対して50兆円を超える補償がなされてきたのとは対照的に、空襲などによる民間人戦争被害者の戦後補償は未だ手付かず。ここに福島原発事故を引き起こした戦後差別政治の始原を見る思いがする。
(8)ジェンダーについて
「ジェンダー」という用語を追放しようとする動きがあるが、この用語の使用を推進されるか。女性にのみ課されている再婚禁止期間6ヶ月の規定などについて、国連女性差別撤廃委員会から撤廃・改善措置の勧告がなされているが、その意志はあるか。「慰安婦」問題は解決済みであるとの立場か。政党の立候補者をほぼ男女半数ずつに近づけるクオータ制ついての見解は。
(9)経済対策について
個人金融資産1400兆円の日本。不景気の理由は消費に回る所得の分配が偏っていること(低所得者の増大で購買力が著しく減少)にあり、所得の総量の問題ではない。真の経済対策は拡大する格差の解消だと考えるが、経済対策の基本はいかに。
(10)原子力発電所(もんじゅを含む)について
再稼働反対か。使用済み核燃料の保管スペースがほとんど残ってないのに再稼働か。原発の安全基準に、通常運転による放射性物質の排出を原因とする健康被害を含めるか。東電と原発の存続を前提とした原子力損害賠償支援機構法を改正するか。原子力基本法の目的から「原子力の推進」「安全保障に資すること」を削除するか。原子力規制委員会人事に反対するか。第2期国会事故調で国会議員の責任を追及するか。実効性ある核兵器廃絶の取り組みのためにも、原発の輸出を禁止するか。使用済み核燃料から核兵器材料を生産しないための実効性ある法的措置(プルトニウム抽出禁止の法制化、非核3原則法制化など)についての見解は。
質問文(全文):
(1)消費税増税について
「消費税増税法廃止法」を提案されますか。当団体は消費税や税制について以下のように考えています。ご批評ください。
消費税5パーセントによる税収約10兆円は法人税減税と高額所得者の所得税減税で消えてしまったので、消費税が「社会福祉のための新財源」にはなっていない。消費税導入時にはぜいたく税としての物品税が廃止されている。
社会福祉のためといいながら、そもそも日本の最低賃金(平均との比較)、生活保護支出、住宅政策支出などは先進国で最低レベルである。
この間、GDPが成長して企業内部留保が増加しても、給与所得全体が減少しながら億万長者は増え、株主配当と役員賞与が増加した。消費は減り、貯蓄ばかりが増え、景気低迷期にもかかわらず個人金融資産は増加し続け、現在は1400兆円、国民1人当たり1000万円に上る。
1億円以上の資産に1パーセントの富裕税を課せば税収は20兆円になるとの試算があるが、消費税を10パーセントに上げても税収は10兆円しか増えない。
法人税は大企業支出の1パーセント未満であるから、法人税増税による「海外逃亡論」は成り立たない。日本の遺産相続全体に対する課税率も2パーセントに満たず、引き下げられてきた相続税率の引き上げの余地も大いにある。
戦前、所得税に累進性がないために貧富の格差は現在よりも大きく、財閥関係者が国粋主義者によるテロの標的になるなど、庶民の不満を吸収する形で軍部が台頭したとする武田知弘氏の指摘は重要だ。
(参考文献:武田知弘『税金は金持ちから取れ』、金曜日)
*
実は、シャウプ勧告に従って富裕税が1950年に導入されていた。しかし、間接税に重きを置く財界の要望で早くも52年に廃止されている。消費税は富裕者の税金を減らすという運動によって導入されたと考えられる。
日本商工会議所による2006年のアンケートによれば、消費税をほとんど転嫁できなかった事業者は約3分の1にも上ったという。消費税は赤字でも事業者に課される酷税であって、必ずしも消費者が消費税を負担しているわけではない。
90年の東京地裁判決も、「消費税法等が事業者に徴収義務を、消費者に納税義務を課したものとはいえない」との認識を示している。
企業は派遣子会社の人材を使えば消費税を払ったことになり、その分だけ(仕入れ税額控除)最終的に納める消費税を節税できるため、消費税は非正規雇用化と格差拡大を促進する要因になる。
所得税の累進税率を20年前に戻せば所得税収は倍増するし、「不公平な税制を正す会」の検証によっても、不公平税制を是正することで2009年度の税収は約20兆円の増収になり、消費税10パーセントは必要なくなる。
(参考文献:斎藤貴男『消費税のカラクリ』、講談社現代新書)
*
消費税は消費税増税論者が主張するように「公平な税制」ではない。その真逆である。
民主・自民・公明3党の合意で成立した消費税増税法は増税の必要性、増税が必要だとしてもなぜ消費税増税なのかについての議論をすっとばしたもので、増税分の使い道が社会保障に限定されるという保証もない。
消費税を全額社会保障に使うという公約を掲げる政党もあるが、消費税以外の税目から支出する社会保障費が減額されれば意味がない。
消費税増税の前提として議員定数を削減すればよいとする「身切り論」が主張されるが、消費税増税に反対する少数政党を国会から追い出す、従ってそれらを支持する有権者の身を切るから消費税増税を認めてくれ、という論が成立するはずがない。
(2)自衛隊と9条改憲について
対イラク戦争、対アフガニスタン戦争は米国の自衛戦争として「開始」されました。とすれば、後付けの国連決議がどうであれ、これらの戦争に加担した日本は既に、実質的に集団的自衛権を行使していることになるでしょう。集団的自衛権の行使を認めるのかどうか、自衛隊を米軍(主導の軍隊)による海外軍事作戦に参加させることを禁止する立法を行うかどうかの2点について、お聞きします。
太平洋戦争、原爆投下を直接的に経験された方々のご年齢を思うとき、「目の黒いうち」に憲法9条の普遍性・不変性を固めたい、と当団体は考えますが、9条改憲の是非についてもお聞きします。
新たに自主規制を敷いても在日米兵による犯罪が絶えないことから、日米地位協定の改定は必然と思われますが、この点についてのご見解もお願いします。
(3)情報主権について
情報公開法、秘密保全法案、新型インフルエンザ等対策特別措置法、個人情報保護法、個人識別番号(マイナンバー)法案など、民主主義インフラに欠かせない情報主権を制約する法律(案)が数多くあると考えます。
具体的にお聞きします。政治家や官僚らによる不祥事隠しに使われないように個人情報保護法を改正しますか。捜査当局に加え、「公益上必要」なら政令で定める分野へ個人情報を提供でき、民間企業などの情報利用も検討する個人識別番号(マイナンバー)法案に反対しますか。
(4)地方自治の軽視について
原子力発電所やオスプレイの押し付けは、地方自治がいかに重要かを浮き彫りにしました。日本国憲法には、自治体を尊重し差別的立法を抑止するための95条があります。地方自治を損なう「地方自治特別法」を制定しようとする場合には、同法が適用される当該自治体で住民投票の実施が義務付けられています。憲法95条の改定の是非について、貴党のお考えはいかがですか。先ごろ成立したいわゆる「大阪都法」は、政令指定都市とそれに隣接する市町村にのみ適用されるため、「地方自治特別法」に該当するのにもかかわらず、住民投票が実施されませんでした。これは地方自治を蹂躙する95条違反ではありませんか。「大阪都法」が95条違反であるかどうか、貴党のご見解をお伺いします。
(5)TPP(環太平洋パートナーシップ協定)について
TPP(環太平洋パートナーシップ協定)では、内容が非公開のまま政府が交渉に当たるという点がまず非民主主義的です。交渉に参加した上で国益に沿わなければ反対するという考え方がありますが、公共の利益に沿うかどうかを決めるのは国民です。こうしたTPPへの交渉参加は米軍辺野古新基地やオスプレイを頭越しに沖縄に押し付けるのと同様で、国民にとって許し難い専制政治です。
TPPの相手は実質的に米国であり、TPPに参加しなければアジア太平洋地域の成長を取り込めないとする見解は、日本の貿易額が対米国より対中国の方が大きいにもかかわらず、中国がTPPに参加しないことで、鳴りを潜めた感があります。スウェーデンの国営エネルギー企業ヴァッテンファルは、同社の原子力発電所を閉鎖したドイツ政府を相手に、ISD(投資家対国家間の紛争解決)条項に基づいて提訴する予定です。2009年にも既に、同社の石炭火力発電所に対するドイツ政府の環境規制で損害を被ったとして、賠償を勝ち取っています(http://goo.gl/kA4Q4)。
日本もTPPに参加すれば、脱原発などの政策や国内法がISDで曲げられる可能性があります。TPPで国民皆保険制度が崩壊するとの懸念についても有効な反論がなされていません。貴党はTPP交渉参加に賛成されますか。
(6)国会議員定数の削減について
消費税増税法案に賛成した政党は、同法の前提として国会議員が身を切ることが必要で、国会議員定数を削減しなければならないと主張しています。しかし、身を切られるのは消費税増税法案に反対している中小政党です。他党の身を切ることで同法の成立を、という理屈は明らかに矛盾した論法です。国民にも負担を強いるから国会議員の身を切るというのであれば、オスプレイの沖縄への押し付けはどう考えたらよいのでしょう。
脱原発を掲げる政党は中小政党に集中しています。比例区定数が削減されれば、福島県民と中心とする原発事故被災者が、脱原発を真剣に考えている政党に投じる比例区票の価値は現在よりさらに小さくなります。原発事故被災者の基本的な政治権利を切り崩しておいて、原発事故被災者のための救済策がどのように可能なのか、はなはだ疑問です。
原発は差別そのものです。3.11後も追い打ちをかけるように国会議員の定数削減という形で、主権者の権利の根源において差別を拡大することに、愕然とします。比例区ではなく小選挙区なら定数を削減してもよいか?無所属候補の当選枠を政党候補に比べて狭めることになり、これも結果として不平等な差別を生み出すことにしかなりません。
貴党は国会議員の定数削減に賛成しますか。
(7)民間戦争被害者の援護法について
軍人・軍属に対して50兆円を超える補償がなされてきたのとは対照的に、空襲などによる民間人戦争被害者の戦後補償は未だ手付かずです。ここに福島原発事故を引き起こした戦後差別政治の始原を見る思いがします。各地の高齢の空襲被害者が国と国会の無策を前にし、謝罪と賠償を求めて裁判に立ち上がらなければならない状況に置かれています。被災者の老齢化が進むなかで今こそ民間人戦争被害者の援護法が制定されなければなりません。この援護法に対して貴党は賛成されますか。
(8)ジェンダーについて
残念ながら、社会生活のあらゆる面において女性差別は根強く残っています。この状況をすこしでも変えていくために、貴党は何を政策として実施するおつもりですか? つぎの4点にしぼってお尋ねします。
1.「ジェンダー」という用語に関して:
1.a)この用語を公的性質を持つ文書のなかで使用されますか?
1.b)「ジェンダー」あるいは「ジェンダー平等」「ジェンダー・フリー」といった用語が使われている書籍を図書館から追放しようとする動きを推進されますか? 是認されますか? それともこの動きに反対されますか?
2.国連女性差別撤廃委員会から日本国政府が求められている改善勧告に関して:
勧告の趣旨にしたがって現行民法を改正する意志はおありですか?
ちなみに、この勧告によって撤廃ないし改善措置を勧告されているのはつぎの4点です。
1.男女の結婚可能年齢の差に関する規定
2.夫婦同姓の強制
3.嫡出子とそうでない子との相続上の差別
4.女性にのみ課されている再婚禁止期間6ヶ月の規定
3.「慰安婦」問題に関して:
3.a)この問題は解決済みであるとの立場ですか、未解決であるとの認識ですか?
3.b)未解決なら、今後どのように解決すればいいとお考えですか?
関連質問として:日本国政府の公式謝罪が必要であると考えておられますか?
4. 無所属候補ではなく政党の立候補者をほぼ男女半数ずつに近づけるクオータ制を法律で義務付けることについて、ご見解をお聞きします。
(9)経済対策について
経済成長しなければ日本が抱える問題を解決できないという主張を政治家の中から聞きます。世界一の債権国、個人金融資産1400兆円の日本は、どのように経済政策を推進すればよいでしょうか。不景気の理由は消費に回る所得の分配が偏っていることにあり、所得の総量の問題ではありません。低所得者層が所得を手にすれば消費に回すが、富裕層が所得を手に入れても貯蓄に回すだけです。従来型の公共事業かグリーン経済かなどの選択を迫る政治は、問題の本質から目を逸らすものです。真の経済対策は拡大する格差の解消です。貴党は経済対策の基本をどのようにお考えでしょうか。
(10)原子力発電所(もんじゅを含む)について
原子力発電の問題は、日本のみならず国際的な注目を浴びています。以下の問題について貴党の見解をお伺いします。
1. 再稼働・新設(増設・リプレースを含む)・建設再開に反対しますか。再稼働賛成の方に伺います。使用済み核燃料を保管するスペースがほとんど残っていません。使用済み核燃料の保管・処分の計画をどうお考えですか。
2. 原発の安全基準に、通常運転による放射性物質の排出を原因とする健康被害を含めますか。
3. 福島原発事故の賠償資金は電気料金を原資としているので、賠償は東電の代替企業でも可能です。東電と原発の存続を前提とした原子力損害賠償支援機構法を改正する必要があると考えますが、いかがお考えですか。
4. 原子力基本法の目的から「原子力の推進」「安全保障に資すること」を削除しますか。
5. 原子力規制委員会人事を国会に諮り、そこで反対しますか。第2期国会事故調を設置し、そこで国会議員の責任を追及しますか。
6. 原発は核兵器材料を結果として生産してしまいます。原発の拡散・輸出は核兵器廃絶に逆行すると考えます。実効性ある核兵器廃絶の取り組みのためにも、原発の輸出を禁止しますか
7. 使用済み核燃料から核兵器材料を生産しないための実効性ある法的措置(プルトニウム抽出禁止の法制化、非核3原則法制化など)についての見解をお聞かせください。
日本維新の会
(1)消費税増税について
消費税は地方税化にすべき。
(2)自衛隊と9条改憲について
集団的自衛権は認めるべき。日米安保は強化。
(3)情報主権について
社会保障と税の関係でのNo制は導入すべきと考えるが民間企業への情報提供について慎重な運用すべき。
(4)地方自治の軽視について
95条違反ではない。最終的には住民投票で決する。
(5)TPP(環太平パートナーシップ協定)について
賛成但し国益を損なう時は反対。
(6)国会議員定数の削減について
賛成 3割〜5割削減。
(7)民間戦争被害者の援護法について――回答なし
(8)ジェンダーについて
そもそも「強制的な従軍慰安婦」があった事実がないと認識。
少子化において女性の活力は必要。
(9)経済対策について
規制緩和、地元の裁量・権限の拡大、マクロ通貨政策。
(10)原子力発電所(もんじゅを含む)について
科学的・客観的な安全基準、チェック体制、使用済核燃料の処理問題、電力供給責任、賠償責任のルール化、発送電分離、ベストミックスで結果として2030年に原発はフェードアウト。(日本維新の会、以上)
庄本悦子(兵庫8区、共産党)
(1)消費税増税について
民主党を含む歴代政権による、経済の土台である内需を壊す、「逆立ち」政策のもとで、デフレ不況が深刻になり、悪循環に陥っています。こんな不況の時に、13兆5千億円も所得を国民から奪う消費税大増税を強行すれば、デフレ不況の悪循環をひどくし、日本経済の底が抜けてしまいます。
日本共産党は、選挙後の国会に「消費税増税中止法案を提出し、成立させるために、一致できる政党との「一転共闘」をふくめ全力をつくします。
(2)自衛隊と9条改憲について
自民党、みんなの党、維新の会に合流したたちあがれ日本などが、相次いで改憲案を発表し、維新の会自身も改憲を主張しています。自民党は「改憲草案」で「天皇元首化」「国防軍」などを掲げ、選挙公約に「改憲」も明記しました。自衛隊が米軍といっしょに直接的な戦闘行動に参加できるように集団的自衛権の憲法解釈を全面的に変更する解釈改憲も浮上するなど、危険な動きが強まっています。
明文改憲も、解釈改憲も許さず、憲法9条を守る多数派を形成するために全力をあげます。米軍の事件、事故の温床になっている日米地位協定は、抜本的に改定すべきです。
(3)情報主権について
自己情報の取り扱いに本人が関与し選択できる「自己情報コントロール権」を明記するよう要求します。
「マイナンバー」法案の問題では、米国では、民間の保険会社などが「共通番号」を入手して使い、米国、韓国、スウェーデンなどで導入している国でのなりすまし被害が深刻です。問題が多く、必要性もない「マイナンバー」法案には反対です。
(4)地方自治の軽視について
大都市構想法案は、大阪府・市全体の事務権限と財源も大阪府に集中することで、関西大資本がすすめる巨大開発事業のために権限と財源を活用していくことが核心であり、日本共産党は反対しました。住民投票も行うべき問題です。
(5)TPP(環太平パートナーシップ協定)について
TPPは「例外なき関税ゼロ」を大原則にしています。農業と食料自給に壊滅的な打撃となります。「非関税障壁の撤廃」も大原則にしており、食の安全、医療、金融、保険、官公需・公共事業の発注、労働などあらゆる分野で「規制緩和」と「アメリカ型ルール」が押し付けられ、重大な打撃をうけます。参加自体がこれらの原則を認めることであり、反対です。
(6)国会議員定数の削減について
民主党は「身を切る」などといって民意を反映する比例定数の大幅削減をかかげていますが、これは、「身を切る」のでなく、「民意を切る」ことです。「身を切る」というなら、政党助成金こそ、真っ先に撤廃すべきです。国会議員の数全体をみても、日本の議員数は諸外国とくらべても少ないのが実態です。選挙制度を問題にするなら、小選挙区制を廃止し、民意を正しく反映する比例代表中心の制度か、3〜5人区の中選挙区制に改革すべきです。
(7)民間戦争被害者の援護法について
高級軍人には高額は補償がされているのに、空襲など民間人の戦争被害者への補償がされないのは大きな問題です。民間人戦争被害者の援護法を制定すべきです。
(8)ジェンダーについて
1.「ジェンダー」という用語に関して:
1.a)この用語を公的性質を持つ文書のなかで使用されますか?―使用します。
1.b)「ジェンダー」あるいは「ジェンダー平等」「ジェンダー・フリー」といった用語が使われている書籍を図書館から追放しようとする動きを推進されますか? ―動きには反対です。
2.国連女性差別撤廃委員会から日本国政府が求められている改善勧告に関して―勧告の趣旨にそって改正すべきです。
3.「慰安婦」問題に関して―a)未解決の重大問題です。b)日本国政府の公式謝罪が必要です。
4.クオータ制に関して―日本共産党は、方向性は賛成なので、国政でも、地方政治でも、候補者選定などで努力しています。ただ、「現時点で法律で義務付ける」ことは慎重に扱うべきだと考えます。
(9)経済対策について
適切な経済成長は必要です。どんな国でも、経済を発展させるには、内需を活発にすることが基本です。内需の大部分は家計消費で、GDPの6割をしめています。ところが、歴代政府は、それを応援するどころか、逆に破壊する「逆立ち」政策をとってきました。ここに、いまのデフレ不況の根本原因があります。デフレ不況をさらに深刻にする消費税大増税を中止し、大企業がため込んでいる260兆円の内部留保を雇用や中小企業に還元して、所得を増やし、内需を活発にし、デフレ不況の悪循環を断ち切って、、好循環へと転換させていく政策を行うべきです。
(10)原子力発電所(もんじゅを含む)について
1. 再稼働、新増設・建設再開に反対です。使用済み核燃料の処分については、安全な処分方法が開発されていません。現時点では、処分方法を知恵を集めて開発する努力を尽くす以外にありません。
2. 「即時原発ゼロ」を実現し、廃炉にすすむべきで、「安全基準」を問題にする接近はおこないません。
3. 賠償は、東電はもちろん、原発で利益をむさぼってきた関連大企業・「原発利益共同体」を中心に行うべきです。「支援機構」は東電と関連大企業の責任を免罪することあり、改正すべきです。
4. 原子力基本法の目的から「原子力の推進」「安全保障に資すること」を削除しますか。―削除すべきです。
5. 規制委員会の人事は、原発を推進し、「原発マネー」をもらってきた委員が中心であり、「推進委員会」といってよいのが実態であり、反対です。国会事調の報告は重要で、国会が重く受けとめ、指摘を踏まえて、政府により踏み込んだ対策の実施を迫る役割を果たすべきです。
6. 危険な原発を、日本が輸出するなどとんでもないこと、禁止すべきです。
7. 使用済み核燃料から核兵器材料を生産しないための実効性ある法的措置について―法的措置は必要と考えます。(庄本悦子(兵庫8区、共産党)、以上)
民主党
(1)消費税増税について
消費税増税は、社会保障の充実・安定化と財政健全化の同時達成の為、必要不可欠と考えます。増収分は、全て社会保障の財源に充て、子育て、医療・介護、年金を充実させる。引き上げに合わせて低所得者への給付措置を実施します。
(2)自衛隊と9条改憲について
集団的自衛権の行使について、これまでの個別的・集団的といった概念上の議論にのみ拘泥するのではなく、自衛隊のできることとできないことをきちんと整理し、法律で明確に基準を示すべきです。従来の政府内閣の解釈の基本線は維持しつつ、日本国憲法の理念に立脚し、わが国として日本だけでなく世界の平和を確保するために積極的な役割を果たすべきだと考えます。9条に係る解釈改憲には反対です。
自衛隊の範囲を超えた武力行使や、国連決議によらない海外での武力行使を結果的に認めるような改憲には反対です。一方で、事実上の解釈改憲が進んでいくことにも反対です。むしろ、政府が行う自衛権行使や国際協力について、国民が憲法の明文できちんと歯止めを設ける必要性があると考えます。自衛隊の「できること」「できないこと」を明確にするという観点から検討すべきと考えます。
日米地位協定については、引き続き運用改善をさらにすすめる努力を行う。
(3)情報主権について
ご指摘の点を踏まえて上で、歳入庁設置に向けた準備を行うための新たな組織を2015年度に設置し、マイナンバー(社会保障・税番号制度)の利用を2016年度に開始する。
(4)地方自治の軽視について
違憲とは考えていない。
(5)TPP(環太平パートナーシップ協定)について
アジア太平洋自由貿易圏を目指し、TPP、日中韓FTA、RCEPを同時並行的にすすめ、政府が判断する。その際、国益の確保を大前提とするとともに、日本の農業、食の安全、国民皆保険などは必ず守る。
(6)国会議員定数の削減について
次の通常国会で衆議院の議員定数を75議席削減し、参議院の議員定数は40議席程度削減する。
(7)民間戦争被害者の援護法について
昭和五十九年に民間の有識者による戦後処理問題懇談会は、戦後処理問題について、もはやこれ以上国おいて措置すべきものはないとの意見を取りまとめ、内閣官房長官に報告しているところであり、政府としては、従来から一般戦災疾病者であることを理由とする特別の措置は講じておらず、一般戦災疾病者に対しては、関係各行政機関がそれぞれの任務に応じて必要な対策を講じているところとの政府見解による。
(8)ジェンダーについて
1.「ジェンダー」という用語に関して:
1.a)この用語を公的性質を持つ文書のなかで使用されますか?―今回のマニフェストでは使用していない。
1.b)「ジェンダー」あるいは「ジェンダー平等」「ジェンダー・フリー」といった用語が使われている書籍を図書館から追放しようとする動きを推進されますか? ―動向の詳細を承知していない。
2.国連女性差別撤廃委員会から日本国政府が求められている改善勧告に関して―法務省にて民法改正法案を準備中。
3.「慰安婦」問題に関して―1994年の河野官房長官談話による。
4.クオータ制に関して―検討していく。
(9)経済対策について
子育て、医療、年金、介護についてすべての世代が支え合い、将来に対する安心を確保する「共生社会」を目指す中で、新産業の育成と雇用の創造を経済政策の柱と考える。
(10)原子力発電所(もんじゅを含む)について
以下マニフェストから抜粋
福島の再生なくして日本の再生なし
○原子力政策を推進してきた国の社会的責任を認め、政府一丸となって、原子力災害からの福島の復興及び再生を強力に推進する。
○事故原発の安全確保に万全を期すとともに、除染の徹底、速やかな賠償などを通じて、住宅の確保など被害者の生活の再建・安定化を可能な限り迅速にすすめる。
○中間貯蔵施設は、地元の意見を十分に尊重しながら、国の責任で設置する。
○福島の産業の復興及び再生にあたっては、再生可能エネルギー産業、医療関連産業の拠点の創出・形成や情報通信技術に関わる研究開発の支援など、2012年7月に定めた「福島復興再生基本方針」にもとづいてすすめる。
○子ども・被災者支援法にもとづき、健康調査の強化、母子避難者への支援、帰還支援などをすすめる。
○指定廃棄物は、地域住民の意見を十分に聞き、関連自治体と十分に協議を重ねた上で、国が責任を持って処理する。
3つの原則で「原発ゼロ社会」を実現する
○「原発ゼロ社会」をめざすために、
−40年運転制限制を厳格に適用する
−原子力規制委員会の安全確認を得たもののみ、再稼働とする
−原発の新設・増設は行わない
ことを原則とする。
○3つの原則を厳格に適用する中で、2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する。
○事故を起こした原発の安全な廃炉、再稼働した原発の徹底的な安全管理など「原発ゼロ社会」を安全に着実に実現するため、原子力に関する技術の継承・開発、人材の確保・育成について国の責任で取り組み、そのための計画を2012年度中に作成する。
○使用済核燃料の減容化、減量化、無害化の研究開発を国際的にすすめる。
○当面は化石エネルギーの重要性が高まることから、燃料の安定かつ安価な調達、高効率の石炭・石油・天然ガスプラントの新増設・リプレースに関わる規制の改革などをすすめる。
○化石燃料の安定確保のための資源外交をすすめ、またメタンハイドレードなど日本近海の海洋資源の調査・開発をすすめる。
核燃料サイクル事業のあり方を見直す
○青森県を放射性廃棄物の最終処分地にはしない。
○核燃料サイクル事業に対する国の責任を明らかにし、本質的な必要性、技術成立性、社会的受容性などの観点から、あり方を見直す。
○使用済核燃料の総量管理についての考え方を整理する。
○政府は2013年度から使用済核燃料の直接処分の研究を始める。処分のあり方について、逃げずに検討し、責任をもって方向性を示す。
原発立地地域の経済、雇用に十分に配慮する
○国の新たな要請によって影響を受けることになる原発立地地域には十分配慮して、経済、雇用が安定的に維持できるような措置を講じる。
○立地自治体の構造転換を支援するため、グリーンエネルギーの導入支援を含めた各種施策を優先的・重点的に行う。
○防災対策の重点区域などの見直しに伴い周辺地域における原子力防災対策を強化する。
あらゆる政策資源を投入し、再エネ・省エネを飛躍的に拡大する
○再エネ・省エネの類型別に以下のような強力な開発・普及支援を行う。
・太陽光ーー技術開発、需要創出などによるコスト低減、農地などの規制改革
・風力−建築基準の適正化、環境アセス法の適切な運用、系統対策
・バイオマスーーバイオマス資源の利用拡大、バイオ燃料の開発、実用化支援
・地熱−環境と調和のとれた開発の推進、技術開発促進
・水力ーー水利権への柔軟な対応、ポテンシャル調査補助事業などの検討
・海洋ーー技術開発及び実用化・事業化の促進、海洋利用ルールの法制度の整備
・スマート化ーースマートコミュニティの実現、スマートメーターの普及促進
・燃料電池ーー研究開発・コスト低減支援、燃料電池自動車の普及促進
・蓄電池ーー新設病院などへの設置、規格の国際標準化への取組
○グリーン(環境・エネルギー分野)を我が国の主要な産業へと育成し、海外の巨大市場の需要を取り込む。これによって再エネ・省エネ産業における雇用を拡大する。(再掲)
○住宅の省エネ化をすすめるため、新築住宅の省エネ化・省エネリフォームの推進、木材住宅の普及などを図る。(再掲)
○生命をはぐくむ水循環・水資源を守り、次世代に引き継ぐために、すべての水を統合的に管理するための基本法を制定する。また、生活排水対策を効率的に推進するための制度改正をめざす。
「原発ゼロ社会」を実現するための仕組みを整備する
○地産地消の分散型エネルギー社会への転換を確実にするため、発電、送電、小売のあり方を抜本的に見直す。
○すべての国民に「電力選択」の自由を保障するため、電力の小売市場を全面的に自由化する。また、電力卸売に関する規制の撤廃、卸電力取引市場の活性化などにより、コストダウンや顧客サービスの充実をめざす。
○太陽光発電、風力発電などの普及を加速するため、電力の発電部門と送電部門を、機能的又は法的に分離することを検討する。その際、電力の安定供給を確保する。
○再生可能エネルギーの不安定性を緩和し、広域的に供給力を有効活用するため、電力系統を強化し、また地域をまたいで系統を運用する中立的な機関を創設する。(以上、民主党)
共産党
(1)消費税増税につて
この問題にかんするご指摘は重要だと考えます。市場が冷え込んでいるときに、13兆5千億円もの所得を国民から奪うなら、デフレ不況の悪循環をひどくし、日本経済のそこが抜けてしまうと考えます。次の国会で、消費税税法案廃止を提案し、成立のために全力を挙げます。
(2)自衛隊と9条改憲について
集団的自衛権の行使は憲法違反であり、認めるべきではありません。明文であれ、解釈であれ、改憲には反対です。自衛隊を米軍の海外軍事作戦に参加させることを禁止する立法については、立法措置を含めて、さまざまな形態で参加を許さない取り組みを強化する必要があると考えます。日米地位協定の改定はご指摘のように「必然」だと考えます。何よりも、こうした矛盾を起こさせないためにも、日米安保条約の廃棄通告をおこない、対等な日米関係をつくることが必要です。
(3)情報主権について
個人情報保護法案については、憲法で保障されている「表現・報道の自由」を脅かす危険性を持ち、法制度としてもきわめて不十分であり撤回を主張しています。個人識別番号法案により、番号悪用の危険が生まれ、個人情報漏えいリスクが高まるなど不利益しかありません。このような制度は必要ありません。
(4)地方自治の軽視について
日本共産党は、憲法の前文を含む全条項を守ることを主張していますが、憲法第95条についても、当該自治体だけに適用される法律を国会が定めることは、その自治体と住民の自治権にかかわってくることから、住民投票によって当該住民の同意をえることは、重要な民主的手続きであり、これを堅持し、改定すべきではない、と考えます。
「大都市地域における特別区の設置に関する法律」は、民主党、自民党、公明党、みんなの党の共同提出による議員立法により、8月29日成立したもので、民主党、自民党、公明党、国民の生活が第一、みんなの党、国民新党の賛成、共産党などの反対で成立しました。これは、かつて、大阪維新の会の橋下代表が、この法律の成立と国政進出を関係づけたために、これをおそれた各党が、いわば橋下氏に屈する形で成立させたもので、事実上、大阪府市を対象にすることを念頭においたものです。しかし、憲法95条に該当する「地方自治特別法」とすると住民投票が必要になり、成立が遅れるため、全国の総人口200万人以上となる政令市・隣接地域を対象にしたものです。
わが党は、どのような立法形態であれ、大阪市の解体に道をひらく、今回のような法律に反対ですが、今回の法制定の要望は、大阪府市以外からはだされていなかったものであり、憲法95条の適用を免れる立法措置をとったことは問題と考えます。
(5)TPP交渉参加には断固反対です。TPPは「例外なき関税ゼロ」を大原則にしており、参加すれば、農産物の輸入は完全に自由化され、食料の自給率は13%まで低下します。また、食の安全、医療、保険、官公需・公共事業、労働など、国民生活のあらゆる分野で「規制緩和」と「アメリカ型ルールが押しつけられます。「守るべきものは守る」交渉などあり得ません。
(6)国会議員の定数削減について
ここで指摘されている問題意識に賛成です。「身切り論」との関連で、これまで5500億円以上のカネが政党にばらまかれた「政党助成金」について、見直して廃止すべきだという意見が出ているのは当然のことだと考えます。
(7)民間人戦争被害者の援護法制定の動きについて
基本的に賛成です。
(8)ジェンダーについて
1.「ジェンダー」という用語に関して
a)この用語を公的性質を持つ文書のなかで使用されますか。
(回答)使っています。
b)「ジェンダー」あるいは「ジェンダー平等」「ジェンダー・フリー」といった用語が使われている書籍を図書館から追放しようとする動きを推進されますか?是認されますか?それともこの動きに反対されますか?
(回答)反対です。
2.国連女性差別撤廃委員会から日本政府委員会が求められている改善勧告に関して
(回答)女性への差別は人間の平等と尊重の原則に反し、人類の発展に貢献すべき女性の能力の発揮を妨げるもの。国際的な基準にたったヨーロッパ並みの「ルールある経済社会」を実現し、男女が、ともに能力を発揮して働き、子育てもできる社会、女性が経済的にも自立できる社会にします。憲法を守り男女平等を社会に徹底します。そうした観点から、国連女性差別撤廃委員会から出されている改善勧告を受け入れるべきだと考えます。
3.「慰安婦」問題について
(a)この問題は解決済みであるとの立場ですか、未解決であるとの認識ですか?
(回答)未解決です。
(b)未解決なら、今後どのように解決すればいいとお考えですか?
(回答)国による謝罪・賠償をおこない、教科書への記載などの措置を取ります。国会の責任として、これを促す「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律」の成立のために力をつくします。
“強制連行の証拠はない”などとして、河野談話の見直しなどを迫る勢力の時代錯誤の異常な動きは許しません。
当然ですが、日本政府の公式謝罪は必要だと考えています。
4.クオータ制について
(回答)政党のとりくみとしては、政党自身が女性の力を正当に評価し積極的に女性候補を擁立する自主的努力が問われていると考える。日本共産党は、比例代表予定候補35人中14人、4割が女性。
(9)経済対策の基本についてどう考えているか
デフレ不況から抜け出すためには、国民所得を増やし、内需拡大をはかることがカギだと考えています。消費税の大増税は中止すべきであり、大企業の260兆円の内部留保を、雇用や賃上げなど労働条件の改善、中小企業に向けて還元することが求められていると考えます。
(10)原子力発電所(もんじゅを含む)について
1.再稼働・新設・建設再開
(回答)反対します。
2.通常運転による放射性物資の排出を原因とする健康被害を含めるか
(回答)含めます。
3.フクシマの事故の賠償について、原子力損害賠償支援機構法を改正する必要があるか
(回答)改正する必要があります。
4.原子力基本法から「原子力の推進」、「安全保障に資すること」を削除するか
(回答)削除すべきです。
5.原子力規制委員会人事を国会にはかり、そこでは反対するか、第2期国会事故調を設置し、国会議員の責任を追及するか
(回答)反対します。追及します。
6.実効性のある核兵器廃絶のためにも原発の輸出を禁止するか
(回答)輸出は禁止すべきです。
7.使用済み核燃料から核兵器材料を生産しないために、実効性のある法的措置(プルトニウム抽出禁止の法制化、非核3原則法制化など)についての見解は。
(回答)実効性のある法的措置は必要だと考えます。(共産党、以上)
斉藤和子(千葉4区、共産党)
(1)消費税増税について
消費税増税中止法案の提出を考えています。
所得が落ち込んでいる時に、消費税の増税は、ご指摘の通り、経済を悪化させ、財政再建にとっても逆効果です。
徹底して、無駄を削るなど、使い方を改め、
税金は、富裕層や大企業など、能力、所得に応じて収める応能負担を徹底すれば財源は作れます。
(2)自衛隊と9条改憲について
集団的自衛権の行使を認めるのかどうか → 認めない。
自衛隊を米軍(主導の軍隊)による海外軍事作戦に参加させることを禁止する立法を行うかどうか
憲法9条からいけば、海外での軍事作戦に参加するなどありえません。
世界からも注目をされている、憲法9条の立場を貫くことこそが必要です。
9条の改憲、国防軍などは、外交問題は、軍事力ではなく、平和外交で解決すべきという世界の流れからも孤立すると考えます。
(3)情報主権について
政治家や官僚らによる不祥事隠しは、政治的道義に反する問題で、個人情報保護法の改正と単純に結び付けるのはどうかと思います。
個人識別番号法案は反対です。
(4)地方自治の軽視について
憲法の全条項を完全実施することこそ必要で、95条は改正すべきでないと考えます。
どのような形態であれ、このような法律には、反対です。また、憲法95条の適用しない措置をとったことは、問題だと考えます。
(5)TPPについて
TPP参加は反対です。
関税をなくし、農業は大打撃を受け、食糧自給率は13%まで落ち込むと言われています。食糧の問題だけでなく、農業が果たしている多面的な役割から言っても、国土の荒廃にもつながります。
また、医療面でも、保険証1枚で全国どこでも医療が受けられる国民皆保険制度など、日本独自に設けている制度は、のきなみつぶされることになります。
ISD条項に象徴されるように、明らかに多国籍企業がより儲けやすくするためのものであり、日本の全体の国益にも反するものだと考えます。
(6)国会議員定数削減について
国会議員の定数削減には反対です。
特に、今回問題になっている比例定数の削減は、一番民意を反映する部分で、これを削るといることは、まさに国民の声を切り捨てることにつながります。
国会議員が身を切るというなら、320億円にのぼる政党助成金こそ削るべきです。
まったく、筋が通らない議論です。
(7)民間戦争被害者の援護法について
現在手がつけられていない「民間人戦争被害者援護法」を制定し、謝罪と賠償の中身などを明らかにする必要があると考えます。
(8)ジェンダーについて
1a 使っています。
1b 反対
2、民法の改正は、条約批准国の義務であり、責任を果たす点でも、改正は必要と考えます。
3a 未解決
3b 被害者が高齢化しているもとで、1993年の河野談話で、事実を認め、謝罪している立場で対応すべきであり、国による賠償を行う必要があると考えます。
4、クオータ制は、性別の差別なく、機会を作ることは必要だと考えますが、機械的にすべてにあてはめることが、必ずしも良いとは考えません。
(9)経済対策について
経済活性化の一番の力は、内需を拡大することと考えます。
労働者派遣法の自由化により、非正規雇用が増え、正社員も含め、全体として賃金が落ち、所得が落ち込んでいます。
正規雇用を増やし、最低賃金の値上げ、下請け単価の切り下げを規制するなどを行い、大企業にため込まれている内部留保260兆円を市場へ流し、活性化させます。
(10)原子力発電所について
1、反対
2、含める
3、問題を明らかにし、国民的な議論をふまえ改正。
4、原子力基本法そのものに反対です。
5、原子力規制委員会人事は、原発推進者であり反対です。
国会で、福島原発事故の全容解明とする必要があると考えます。
6、原発の輸出は禁止すべきです。
7、法制化は必要ないと考えます。(斉藤和子(千葉4区、共産党)、以上)
秋山幸子(栃木3区、共産党)
(1)消費税増税について
消費税増税には反対です。増税中止法案を提出し、増税を阻止するためにがんばります。消費税は生活弱者ほど重くのしかかり、中小業者は価格に転嫁できず身銭を切って納税しています。大企業はすべて価格に上乗せでき、逆進性を持つ不公平な税制です。消費税を社会保障の財源にすれば「社会保障を良くしたければ増税」「増税がいやなら社会保障を削減」ということになり、社会保障も暮らしも貧しくなります。デフレ不況のさなか消費と需要を冷え込ませる消費税の増税は、経済も、財政もダメにしてしまい、絶対にやってはならないことです。
(2)自衛隊と9条改憲について
集団的自衛権行使に反対します。自衛隊を海外での軍事行動に参加させることは憲法違反です。そのための法律を作ることを含めて阻止するためにがんばります。憲法9条は世界に誇る宝であり、その他の条項を含め全条項を守り、国づくりに生かすべきです。また日米地位協定を改定するとともに、おおもとの日米安保条約を廃棄するためにとり組んでいきます。
(3)情報主権について
個人情報保護法について日本共産党は反対し、撤回させるべきとの態度を表明してきました。表現や報道の自由など、憲法が保障している権利を脅かします。個人識別番号法案についても、個人情報の漏えいや悪用される恐れがあり、反対しています。
(4)地方自治の軽視について
憲法95条を含め憲法改正の必要はありません。大阪都をつくることを念頭にした「大都市地域における特別区の設置に関する法律」は、大阪維新の会・橋下氏の主張に追随した自民、民主、公明、みんな、国民の生活が第一などによって成立させられましたが、日本共産党は反対しました。その自治体と住民の自治権にかかわる問題については住民投票を行うことは当然の手続きであるにもかかわらず、それを避けるために95条に該当する「地方自治特別法」としなかったのは問題です。大阪市を解体し、地方自治を形骸化するこのような法制化は真の地方自治とは無縁のものだと思います。
(5)TPP(環太平パートナーシップ協定)について
TPP交渉参加は絶対に反対です。例外なき関税撤廃で、農業と農村が破壊され、食料自給率は13%まで低下します。非関税障壁の撤廃で、食の安全、公的医療、保険・金融、労働、公共事業の発注など、あらゆる分野に規制緩和とアメリカ型のルールが押しつけられ、地域経済は大打撃を受けます。TPP交渉の原則から見ても、交渉によっては日本に有利な状況をつくれるなどという言うことはあり得ません。断固阻止するためにがんばります。
(6)国会議員定数の削減について
国会議員定数は現行のままでよいと考えます。一番大切なのは、民意を平等に公平に反映できる国会をつくることです。比例定数の削減は、もっとも民意を反映する制度を切り捨てるもので、ますます民意と国会がかけ離れてしまいます。
(7)民間戦争被害者の援護法について
民間人の戦争被害者の援護法の必要性に賛同します。
(8)ジェンダーについて
1.a)使用しています。
1.b)反対します。
2. 男女平等の立場から勧告に従って改正すべきです。
3.a)未解決です。
3.b)国として公式謝罪すべきです。国会として「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律」を成立させるために尽力します。
4. 女性が進出しやすくするには小選挙区を止め比例代表による選挙制度への改革を重視します。日本共産党は義務づけがなくても、比例代表候補者の4割が女性です。政党として女性を積極的に擁立する努力を進めるべきです。
(9)経済対策について
経済対策の基本として、デフレ不況から脱出するために、国民の所得を増やし、個人消費と内需を拡大することが重要だと考えます。消費税増税をやめ、大企業の内部留保を活用して労働者の賃上げ、雇用拡大、中小企業支援などのために還元するよう提案しています。また家計を温める社会保障の充実も重要です。
(10)原子力発電所(もんじゅを含む)について
1.反対
2.含める
3.改正する
4.削除する
5.反対
6.禁止すべき
7.法的措置は必要(秋山幸子(栃木3区、共産党)、以上)
社会民主党
Q1 消費税増税について
貴ブログのご批評に賛同申し上げます。賃金が低下し、家計所得が著しく減少し続ける中、年少扶養控除や成年扶養控除の廃止・縮小、健康保険や厚生年金保険料の値上げなどが相次いで実施されます。こうした時に、消費税率の5%引上げ(総額13.5兆円)を強行すれば、復旧・復興が遅れる被災地、原発事故に苦しむ被災者を始め、働く人や中小企業の家計、経営を直撃することは明白です。国民の生活が疲弊する中での大増税は、消費を冷え込ませ、デフレ不況をさらに深刻化させるだけです。いま必要なことは、所得の引上げ・雇用の安定に向けた政策を総動員し、家計所得を増やして消費を拡大し、デフレを脱却することです。したがって、「消費税増税法」(14年4月から8%に、15年10月から10%に引き上げ)の実施をストップさせるため、「消費税増税法廃止法案」を国会に提出し、成立に全力を上げます。
また、所得税に関しては基幹税として位置付け、大きな経済力を持つ人にはより多く社会的に負担してもらうという垂直的公平の観点から、累進性を強化し、再分配機能や財源調達機能を回復します。さらに、高額所得者層の最高税率を当面50%に引き上げ、ブラケット(税率適用範囲)を細分化します。
健康で文化的な最低限度の生活には税を課さない(最低生活費非課税)という理念のもと、基礎控除に関しては最低生活費を大きく下回る現在の38万円分を倍増するとともに、税額控除化を検討します。
相続税は、富の社会への還元と格差是正をはかる観点から、基礎控除の縮減や最高税率の引き上げなどで課税を強化し、税収調達機能を回復すべきと考えます。また、膨大な金融資産に対する富裕税の導入、高級品などへの割増税率の導入や、大企業に寡占されている商品に課税する新たな物品税の導入も検討します。
Q2 自衛隊と9条改憲について
集団的自衛権の行使ができることになれば、日本の平和や安全に関わりのない戦争に参加することが可能になります。すでに対イラク戦争や対アフガニスタン戦争など危険な戦争に協力している実態がありますが、よりおおぴらに米国の戦争に協力し直接的な戦闘に参加をしていくことになるでしょう。これまで政府ですら行使できないとしてきたものを、時々の政権による「憲法解釈の変更」で集団的自衛権の行使を可能にすることは二重三重の意味で許されることではなく、社民党は強く反対しています。
自衛隊を米軍の海外軍事作戦に参加させることを禁止する立法には反対ではありませんが、その効果については疑問です。その第1は、そもそも憲法に違反していることが明らかかなことを法律で重ねて禁止することに意味があるのかという問題です。むしろ憲法自身の規範力で対抗することが有利ではないかと考えます。第2は、そのような法律をつくっても、一般の法律であれば簡単に変えられてしまうということです。憲法9条の普遍性・不変性を固めたいというお気持ちは十分共有しますが、硬性憲法のゆらぎを多数決で簡単に変えることの出来る法律によって固めることは難しいのではないかと考えます。そのような法律が提案された場合はもちろん賛成しますが、「ヤブヘビ」にならないよう慎重な議論を望みます。
日米地位協定の改定は賛成です。運用改善で対応することは不可能であり、地位協定自身の抜本改定が必要と考えております。
Q3 情報主権について
社民党は、政治家や官僚による不祥事隠しの根絶に全力を尽くします。ただし、そのために個人情報保護法を改正するとなると、一般の方にも拡大解釈される余地もあり検証が必要と考えます。
政府が実施しようとしている共通番号制度(マイナンバー制度)は、医療、介護、福祉などの情報連携、官と官、官と民間との情報連携を目的とする内容です。プライバシー保護の観点から非常に問題があり、実効性、経済性の面からも大きな疑問があります。また、個人単位で社会保障の負担と給付に関する情報を名寄せ・突合して計算できる「社会保障個人会計」につながる危険が伴うため、共通番号制度には反対します。
Q4 地方自治の軽視について
先の通常国会で、7党会派が共同提案した「大都市地域における特別区の設置に関する法律案」が可決・成立しました。橋下大阪市長が提唱している「大阪都」構想を進めるための法案であり、以下のような問題点があることから、社民党は反対しました。
第一に、「大阪都」構想では、大阪市の基礎的な仕事が住民に近くなる分権的な面ばかり強調されていますが、政令指定都市である大阪市が廃止され、産業政策や大規模なインフラ整備などの権限と財源を府が召し上げるという、市の自治権を府が奪う集権化の面を見落としてはなりません。「大阪都」構想は、成長戦略を進め、都市間競争に勝ち抜く街に育てるという、効率化・競争力強化のための再編であり、住民の暮らしや自治を豊かにするためのものであるかは疑問です。
第二に、本案は、現在「憲法上の地方公共団体」である市を廃止し、権限及び財源の制限された「憲法上の地方公共団体でない」特別地方公共団体たる「特別区」に分割するものです。しかし現行憲法下で市町村自体を廃止したことはなく、憲法によって保障された自治体の自治権を、その実体を無視して奪うことは、憲法92条の保障する「地方自治の本旨」に反するものと言わざるを得ません。
第三に、行政区を公選の区長・議会を有する組織体に変えることについては評価できますが、特別区の権限・財源は限られており、住民の自治権としては後退することになります。また、東京市と東京府が統合され東京都が誕生した経緯や、東京23区が都の内部団体からの脱却と基礎自治体化を求めてきた歩みを考えれば、今回の制度改正は、分権・自治の流れに逆行するものです。
第四に、具体的な事務配分、特別区の区割り、行政組織や議会のあり方、移行手続等、多くの課題が山積しており、「ムード」先行ではなく、デメリットについても丁寧で真剣な論議が求められます。そのうえで「大阪都」構想を実現したいのであれば、憲法95条に基づく特別の住民投票として、府全域での住民投票をすべきです。
第五に、「府市あわせ(不幸せ)」な関係と言われていますが、大阪市はアジアで住みやすい都市1位にも選ばれています。府と市が協力すれば、二重行政はある程度解消できるし、大学や図書館等を府と市がやることは、「二重行政」ではなく、住民のニーズに応えた多様性にほかなりません。橋下市長はじめ特定の勢力におもねるような法制定は問題があります。
そのうえで、大阪都法が憲法95条違反ではないか、とのおたずねですが、この法案が大阪にだけ適用される「大阪都法案」ではなく、「大都市地域における特別区の設置に関する法律案」となって、都を設置するのではなく、一定の要件に該当すればどこでも市を廃止して特別区を設置できるスキームになっていることから、直接95条違反とはいえないと思います。しかし、たとえば大阪の場合は、本案では大阪市(堺市が希望すれば堺市も)の住民投票になりますが、大阪府全域で是非を問う投票を実施すべきと考えます。あわせて、「憲法上の地方公共団体」である市を廃止し、権限及び財源の制限された「憲法上の地方公共団体でない」特別地方公共団体たる「特別区」に分割するものであり、憲法によって保障された自治体の自治権を、その実体を無視して奪うことは、憲法92条違反と考えています。
また、住民投票は、重要な問題について主権者である住民が判断しようというものであり、主権者たる住民の直接参加という住民自治の原理にかない、地域民主主義の両輪として代議制をより充実させ、民主政治の活性化に資するものです。?国の特別法による自治権の侵害の防止、?地方公共団体の個性の尊重、?地方公共団体の平等権の尊重、?地方行政における民意の尊重という、95条の存在意義は、なお失われていないと考えます。地方自治特別法の住民投票規定を変える必要はなく、積極的な活用を図っていくべきと考えています。
Q5 TPP交渉参加について
社民党は交渉参加に明確に反対です。例外なき関税撤廃と米国企業優位のルールが強制されるTPPは農林水産業に甚大な打撃を与えるほか、国民皆保険制度が壊れ富裕層しか満足な医療を受けることができなくなる恐れもあるなど、21分野の市場開放によって国のかたちが大きく変わり、国民生活に多大な影響を及ぼす事態が危惧されます。さらにISD条項によってグローバル企業が国民主権や民主主義を侵害する危険性もあり、国の基本を投げ出す戦略なきTPP参加は断じて認められません。日本政府は参加を断念し、関係国との事前協議も打ち切るべきと考えます。
その上で農林水産業や地域経済の再生、公的医療制度の維持・強化、食の安全や社会的規制の強化、農林水産業・福祉・環境・労働分野への投資拡大をはかるとともに、各国の食料主権や多様な農業基盤を守る真に公正で柔軟、相互互恵的な経済連携を東アジア地域などで進めるべきです。
Q6 国会議員定数の削減について
消費税率引き上げの前提として「自ら身を切る」とか、「国会議員も痛みを」と称して、定数削減の議論が急速に進んでいます。民主党は80削減を公約にしていますし、維新の会も半減を主張しています。しかし、国民の代表である国会議員の定数問題については、効率性、増税とのバーターなどと一緒に取り扱うべきではありません。民主主義の理念・方法と全く相容れないパフォーマンスにほかならず、民主主義の破壊につながりかねないと考えます。
選ぶ側からは、議員の数は多ければ多い方が国民の意見が国会に反映しやすくなり、議員一人当たりの人口が少ない方が、よりきめ細かな意見の反映ができます。国民の「代表」として国政に携わる国会議員の数が減れば、確実にそれだけ有権者の意思が反映しにくくなります。特に現行の小選挙区比例代表並立制は、小選挙区では大政党に有利で中小政党の得票は死票となり、この弊害を是正するために比例代表が取り入れられていますが、それでも大政党が4割の得票で7割の議席を占める弊害が現に生じています。にもかかわらずさらに比例代表定数を削減すれば、国会に反映される少数意見の切り捨てと中小政党の弱体化をもたらすことになります。
定数削減によって、巨大な行政府に対する国会の批判・監視機能は低下することになります。議員の数(とりわけ国民の側に立って働く議員の数)を減らすことは、肥大化し複雑化する行政に対して強力な指導力が期待される議会の側の力を弱めることになり、官僚主導の行政を改革していく方向にも反するものです。加えて定数を削減しすぎると、議員1人当たりの負担が増え、きめ細かな審議が不可能になり、国民一人一人の要求や声に誠実に向き合えなくなるということにもつながります。
国民の権利という視点から求められているのは、定数削減ありきの姿勢ではなく、国民の要求の多様化・複雑化にともない、できるだけ広範な意見を国会に反映することであり、国会の活性化、機能強化、国民代表の力を強め、日本の議会制民主主義をしっかりしたものにすることであると考えます。
ちなみに、日本は衆参両院合計722人で、英国(1863人)、ドイツ(724人)、フランス(898人)より少ないのが現状です。人口10万人当たりの国会議員数でも、日本0.57人に対して英国2.2人、ドイツ0.81人、フランス1.49人であり、日本の国会議員数は他の先進国と比べて多いとはいえません。
議員定数や歳費の水準は、国民の思いや要求が反映される国会にいかにするかという基本的な問題から検討すべき課題です。したがって、定数問題は、民意をよりよく反映する方向での選挙制度の改革とあわせて論議すべきものと考えます。特に、現行の小選挙区比例代表並立制の下での定数削減は民意を政治に反映する回路の削減と言わざるを得ません。
Q7 民間戦争被害者の救護法について
民間戦争被害者の援護の法律の制定には賛成です。すでに、「空襲被害者等援護法」制定に向けた取り組みにも協力しきたところです。
Q8 ジェンダーについて
1.a)使用する
1.b)反対する
2.)改正する意思はある
3.a) 未解決である
3.b)公式謝罪と補償が必要である
Q9 経済対策について
現在、デフレであると言われます。しかしそれは、実体経済におけるデフレであり、金融市場においてはマネーが“ジャブジャブ”の状態、つまりインフレ状況です。実体をともなわず浮遊するマネーを供給すること、それが今の金融緩和です。日銀の金融緩和は、(1)日銀→市中(民間)銀行 (2)市中(民間)銀行→民間への貸出しという2段階であり、現在は(1)の段階でマネーがストップしている状況です。
民間における需要を喚起し、市中銀行からの貸出しを増やさなくてはなりません。しかし大企業はこの間、ためこんできた利益剰余金(いわゆる内部留保)があり、市中銀行からおカネを借りてまで投資しようという意欲がありません。一方、中小零細企業に対しては、市中銀行による“貸し渋り”や“貸しはがし”が蔓延してきました。マネーはすでに、ジャブジャブになるほど供給されています。今、必要なことは、所得と雇用の安定で、GDPの6割を占める個人消費を活性化し、内需を喚起することです。
したがって社民党は、家計に対する支援を最重点と位置づけ、国民の可処分所得を増やし、消費の拡大につなげる政策に全力で取り組みます。家計にダメージを与える消費税率アップの撤回と、「安心、安全、環境」重視の緊急経済対策の実現を求めます。「いのち」(介護、医療、子育て、福祉、教育)と「みどり」(農林漁業、環境・自然エネルギー)への積極的な投資、格差是正のための家計・中小企業への支援の拡充、最低賃金の時給1000円以上への引き上げ、労働の均等待遇の確立と雇用者への分配の拡大、若者雇用対策、日中・日韓関係の改善による訪日観光客の増加などを強化します。
Q10 原子力発電所について
1)再稼働、新設、建設再開に反対しています。
2)原発は、再稼働すべきでは無く、原発の運転再開を前提とした安全基準は不要と考えますが、原発は停止中にも放射能汚染の可能性があり、放射性物質の排出に関する規制自身は必要と考えます。大気汚染防止法、水質汚濁防止法、海洋汚染防止法、環境影響評価法等から放射性物質による汚染を除外した規定をあらためるなどの対応も必要と考えます。
3)賠償費用は電気料金の原価には含めないことが原則となっております。ただし、実際には、原発の減価償却や維持費、賠償業務費用や福島第一原発の対策費用など含まれており、事故の負担が利用者に転嫁されています。電気料金が値上げされるのは賠償費用費用よりは、原発維持費と代替発電の燃料費が二重に計上されているためです。なお、賠償自身は必ずしも東電が行なう必要はなく、原子力損害賠償支援機構法を改正することには賛成します。社民党は同機構の成立に反対しました。東電を法的破綻処理を行ない、株主や金融機関などステークホルダーの負担の分担を求めた上で、政府の責任で賠償を行なうべきと考えております。
4)削除を求めております。選挙公約(いわゆるマニフェスト)にも明記しております。
5)否定するために国会同意を求めることを要求するのではなく、私どもが了解できるような、原子力ムラの影響を排除した人選で選び直したうえで国会同意を得るよう求めております。なお、現在の人選のまま国会に諮られた場合は反対します。第2期国会事故調ではなく、国会事故調が提言した原子力問題に関する常設の委員会の設置(国会事故調提言1)と、国会事故調の後継組織として原子力事故調査委員会(仮称)(国会事故調提言7)を国会に設置することを求めております。
6)原発の輸出計画は中止し、NPT非加盟国への原子力協力は禁止されるべきと考えます。
7)脱原発を決めた場合は当然再処理も行なわれなくなるものと考えます。プルトニウム抽出禁止の法制化は反対ではありませんが、それより脱原発をより明確に決めることが効果的と考えます。非核三原則の法制化は以前から求めております。(社民党、以上)
国民新党
(1)消費税増税について
世界最速で長寿社会を迎える日本にとって、医療・介護・年金・子育てに特化した社会保障と税の一体改革は将来の安心社会をつくる上で重要な選択であり、日本型福祉国家を実現するために、消費増税やむなしという観点から賛成します。ただし、次の条件を満たすことを前提とします。
1.増税の際は、名目3%、実質2%の経済成長を達成していること。
2.増税分の使途は医療・介護・年金・子育て等の社会保障、年金制度の充実、国民皆保険の維持に限定すること。
3.世代間格差の是正、特に若年層の負担軽減を考慮すること。
(2)自衛隊と9条改憲について
日本人の手による日本人のための自主憲法の制定は多くの国民が希求するものであると考えていますが、憲法第9条第1項については永遠に受け継がれ、尊重すべき条文であります。
自衛隊については、世界に自然災害が頻発するなか、危険への的確な対応と国民の生命、財産を守る上でも、その役割を評価し、憲法上に自衛隊の役割及び自衛権を明記すべきと考えます。
(3)情報主権について
情報の「保護」と「公開」はコインの表裏の関係にあり、法の運用上の問題でもあります。個々の法律の適用に際し、現実問題として、矛盾点が多く改正すべきという事象が発生している場合には躊躇なく改正すべきものと考えます。
(4)地方自治の軽視について
地方自治権は尊重されて当然であります。
第95条についての有権解釈は有権者に委ねますが、いずれ「中央から地方へ」の時代が到来します。地方自治体も中央依存体質を払拭し、自治権を強化・確立すべきであると考えます。権利の上に眠るものは権利を失います。
(5)TPP(環太平パートナーシップ協定)について
関税の完全撤廃とISD条項がある現状のTPPには反対であります。ただし、関係国の特質・例外条項が認められる協定締結の余地があるならば、交渉の窓口につくことはやぶさかでないと考えます。
(6)国会議員定数の削減について
長く続く20年デフレから脱却するための内需拡大に向け、財政・税制の総合的政策を実現しなければなりませんし、国家財政としては歳入歳出のバランスを図らなければなりません。歳出削減策の一つとして、国会改革が必要であります。国会議員の「量」を減らしながらも、集中的な審議時間の確保とスピード感あふれる議会運営によって、「質」の高い政治を実現し、最終的には議員定数の半減を目指します。
なお、少数意見・政策、少数政党の声が反映される国会とするために、単なる議員の定数削減だけでなく、選挙制度の見直しを行う必要があると考えます。
(7)民間戦争被害者の援護法について
賛成します。
(8)ジェンダーについて
女性差別は根絶されなければなりません。基本は「男女平等」です。
この項で、幾つか個別の質問がありますが、何れの事項も「男女平等の大原則」に沿って対応したいと考えます。
(9)経済対策について
わが党は、所得格差が教育格差にならないよう意欲があれば誰でも大学、専門学校等へ就業が可能となる奨学金制度を創設することにしています。
また、低所得者(年収400万円以下)向けの住宅ローンの創設も考えています。
なお、格差問題の根源は、雇用制度、税制、社会保障制度等にありますので、社会保障と税の一体改革など総合的対策が必要であります。
(10)原子力発電所(もんじゅを含む)について
原発は「エネルギー政策」抜きでは語れません。エネルギー政策を大胆に見直ししなければなりません。国民生活の維持、社会全体の安心安全の観点からの議論も当然必要です。
再生エネルギーの研究開発、海洋資源の有効活用など大胆な対策を講じると同時に原発の運用と依存度の引き下げに関して実現可能な段階的な目標を綿密な検証のもとに設定し、実践することであります。(国民新党、以上)