昨年末に開かれた東京の市民団体主催のシンポジウム「Close it 石原都政〜今度こそ、みんなで統一候補を!」は、「石原都政NO」を掲げるすべての政党(民主党、革新都政をつくる会(共産党系)、社民党、新社会党、都議会・生活者ネット)が出席したということもあって、都政の刷新を願う東京都民の注目を集めました。
今年になって、「石原都政NO」の声に新たな動きが加わりました。この16日、「都教育委員会による「日の丸・君が代」の強制などに反対する市民団体や関係訴訟原告団の14団体が、石原慎太郎都知事の下で教育破壊が進んだとして、4月の知事選での石原知事3選を阻止する署名活動を始めると発表」(毎日新聞、2007年1月17日)しました。
「日の丸・君が代」訴訟では、昨年の9月21日に東京地裁(難波孝一裁判長)は、卒業式や入学式などで日の丸に向かって起立し、君が代を斉唱するように義務づけた東京都教委の「10.23通達」は、「憲法が認める思想・良心の自由を侵」す憲法違反だと指摘し、都立学校の教職員ら401人に同通達に従う義務がないことを認める原告全面勝訴の判決を言い渡しています。しかし、東京都は控訴し、いまも東京高裁で係争中です。
石原知事3選を阻止する署名活動の呼びかけは、同14団体が都教育委員会に対して、「『9.21東京地裁難波判決』を受けて、『10.23通達』および不当処分の撤回などを求める」という要請文を提出した日の記者会見の席上で発表されました。
都立学校の教職員らを含む同呼びかけ14団体は、「私たち14団体は、(昨年の12月10日の集会で)『これ以上石原都政の継続を許してはなりません。そのためにも都民の幅広い統一戦線を実現し、石原3選を阻止しなければなりません』との『アピール』を採択しました。このアピール実行の第1弾として、“石原知事やめてください”の思いをこめて、「東京の教育を破壊してきた石原知事の三選NO!」の1点での署名を行うこととしました」と話しています。
以下、その「石原知事三選阻止」呼び掛けのアピールとメール署名バージョンです。
この署名運動を大きな契機として、なんとしても家族ぐるみで都政を私物化する「石原知事三選」を阻止しましょう!!
そのために、なんとしても、「反石原」で結集できる「統一候補」の実現を!!
「東京の教育を破壊してきた石原知事の三選NO!」賛同署名のお願い
私たち14団体は、「ストップ 石原都政の教育破壊! 教育基本法改悪 NO!」12.10集会 を開きました。集会では石原教育行政に対して、「私たちはこれ以上石原都政の継続を許してはなりません。そのためにも都民の幅広い統一戦線を実現し、石原三選を阻止しなければなりません」との「アピール」を採択しました。
このアピール実行の第一弾として、“石原知事やめてください”の思いをこめて、「東京の教育を破壊してきた石原知事の三選NO!」の一点での署名を行うこととしました。
この取り組みは、1月17日の「朝日」「毎日」などで取り上げられ等マスコミも注目しています。
■「君が代問題:石原知事3選阻止呼び掛け署名活動 市民団体など開始へ /東京」毎日新聞東京版1月17日付け
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/tokyo/archive/news/
2007/01/17/20070117ddlk13040485000c.html
■□■署名は、以下のように扱います。■□■
*2月10日締め切りで集約します。
*2月中旬に、都庁に提出し、「東京の教育を破壊してきた石原知事はやめてほしい」 という私たちの意志を伝えます。
*また、記者会見などを通じて広く都民に明らかにしていきます。
■□■署名は、以下の専用署名フォームからお願いします。■□■
http://form1.fc2.com/form/?id=166724
—————–
[※]12.10 アピール全文
■□■12.10集会アピール ■□■
国会会期末を間近に控え、教育基本法改悪をめぐる攻防は最大の山場を迎えようとしています。教育の憲法=教育基本法の改悪は、憲法改悪の動きと一体のものであり、「戦争のできる国づくり」への大きなステップに他なりません。「国を愛する態度」など教育の目標を法律で定め、教育を「国民の権利」から「国による統制の具」に変質させ、格差教育を助長・推進する教育基本法改悪は、噴出する教育問題を解決するどころか、一層困難と矛盾を深めることは明らかです。何としても成立を阻止しなければなりません。
この間、東京都教育委員会と東京都は、こうした「教育基本法改悪」の先取りとも言える管理と支配の教育政策を行うと共に、弱者切り捨ての都政や労働者に対する攻撃をより激化してきています。
とりわけ、教育現場への露骨な介入は激しいものがありました。日の丸・君が代」の強制や都立七生養護学校の性教育に対する攻撃、「つくる会」教科書の採択強行、教科「奉仕」の必修化など教育内容への踏み込み、定時制統廃合をはじめとした都立高校リストラと「新しいタイプ」の押し付け、学校間に競争原理を持ち込みヒト・モノ・カネで差別化する「新自由主義的改革」、学校経営支援センターによる教育への監視と支配の恒常化など、反教育的で、管理と支配のための教育「改革」が矢継ぎ早に進められました。
都立大学の首都大学への改変は、アカデミズムに対する管理と支配を企図したものに他ならず枝川の東京朝鮮第二初級学校に対する攻撃は、占有権限という所有権に関わる問題にすりかえての教育現場支配に他なりません。
これら都教委攻撃の典型となったのが、「10.23通達」に始まる「日の丸・君が代」の強制であり、被処分者は既に約350人に至っています。9.21東京地裁判決は、都教委の強権的な教育介入と人権侵害の数々を違憲違法として断罪しました。この判決が「10.23通達」による「日の丸・君が代」の強制のみならず、都教委の教育政策全体に向けられたものであることは明らかであり、都教委は裁判の控訴を取り下げ、「日の丸・君が代」の強制をやめることはもとより、強権的な教育行政を抜本的に改めなければなりません。
石原慎太郎知事の「いじめ」問題での「自分で戦ったらいい。ファイティングスピリットがなければ、一生どこに行ってもいじめられるんじゃないの」や、未履修に関して「先生方が子どもを商品化して、目先の成績を上げるために先生自身が点取り虫になっちゃった」などの発言は、目に余るものがあります。強権的な都政は、教育現場だけではなく、都政全般に及んでいます。障がい者施設に対する攻撃、低所得者への福祉の切り捨てなど弱者に対する攻撃は容赦のないものとなっており、9月1日の防災の日には自衛隊を動員しての軍事訓練さながらの大衆動員訓練を年々エスカレートしています。このように石原都政の本質は、競争原理に基づく弱者切り捨てと、「戦争のできる国」に向けた国家主義体質です。
こうした本質を覆い隠し、オリンピック誘致などの目玉づくりで「三選」を公言してきた石原都政も、「豪華外遊」「身内の重用」など都政の私物化が暴露されるにつれ、馬脚を現しつつあります。私たちはこれ以上石原都政の継続を許してはなりません。そのためにも都民の幅広い統一戦線を実現し、石原三選を阻止しなければなりません。
私たちは、教育基本法改悪反対などに示された、国民と都民の力を信頼し、東京から日本を危険な方向へ変換することを公言する石原都政の継続を阻止し、自由で民主的な都政と教育現場を回復するために、ともに立ち上がることを幅広く都民に呼びかけます。
2006年12月10日
「ストップ 石原都政の教育破壊! 教育基本法改悪 NO!」12.10集会
【 呼びかけ団体】
枝川裁判支援連絡会/学校に自由の風を!ネットワーク/「君が代」不当処分撤回を求める会/教育を壊すな!市民と教職員東京ネットワーク/「つくる会」教科書採択を阻止する東京ネットワーク/東京・教育の自由裁判をすすめる会/都教委包囲首都圏ネットワーク/都立高校のいまを考える全都連絡会/都立の大学を考える都民の会/七生養護「こころとからだの学習」裁判を支援する全国連絡会/「日の丸・君が代」強制反対・嘱託不採用撤回を求める会/「日の丸・君が代」強制反対 予防訴訟をすすめる会/「日の丸・君が代」不当解雇撤回を求める被解雇者の会/「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会