2007参院選――選挙戦情勢

7月 21st, 2007 Posted by MITSU_OHTA @ 1:12:20
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【7月27日追記】

■ 「護憲候補者リスト」(エクソダス2005《脱米救国》国民運動)
http://exodus.exblog.jp/5945521

■ 広島・山口選挙区情勢(広島瀬戸内新聞ブログ版)
http://blogs.yahoo.co.jp/hiroseto2004/49170034.html


【7月25日補足】

愛知選挙区の地元の方から、情勢順位が違うのでは、との指摘を受けました。

民主現職で改憲派の大塚氏がダントツ情勢1位で、2位が自民の鈴木氏、3位に公明の山本氏がつけており、民主新人で護憲派の谷岡氏が猛迫しているとのことです。

23日公表の毎日新聞による情勢調査でも、ほぼそのような情勢順位になっています。

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/senkyo/07saninsen/area/aichi/news/20070722ddlk23010089000c.html
07参院選:主要政党6候補・中盤情勢毎日新聞調査/上 /愛知
◇大塚・鈴木氏、全域で浸透−−谷岡、山本氏は横一線

この情勢判断に基づけば、情勢トップは民主党の大塚氏であり、氏が票を集めすぎることで、他の野党候補の当選確率が小さくなる、といえます。

7月20付け朝日新聞が参院選情勢の調査結果を公表しました。下表はこの結果を候補者名の記載順位に反映させたものですが、改選数より大きい順位については、同調査は公表していないか、より不確実ですので、ご注意ください。

各選挙区の改選数の確認はこちらでできます。

参院選2007 候補者一覧
http://www.saninsen.com/2007/

(1) 1人区(29選挙区)

「接戦」「抜け出す」などの表現で今後の情勢がより不確実な選挙区、また与党が優位とされる選挙区は、20もあります(下表はこの20選挙区)。

ただし残りの9選挙区で野党の優位が今後も確実だとの楽観はできません。1人区で野党が勝つためには、<票の一本化><野党住み分けバーター投票>が必要でしょう。

    


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転載歓迎!お持ち帰り・貼り付け方法
http://homepage3.nifty.com/antiwar/

■ 2007参院選投票指針――有権者選挙共同で9条護憲派「3分の1」突破と与野党逆転が可能
http://kaze.fm/wordpress/?p=133

■ 民主党を1人勝ちさせないために〜大分を「改憲」・「プチ右翼」の砦にしてはならない!!
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/48793132.html

(2) 2人区(12選挙区)

北海道、新潟、京都の各2人区は、民主党候補がそれぞれ「独走」「優勢」「優位」の表現でトップに立ち、次いで自民候補などの順になっています。野党候補の当選者数を最大化させる上で障害となる、民主党候補への票の集中現象が起きているということです。

さとうしゅういちさんの分析によれば、広島選挙区も同様の現象が推測されます。

■ 「命落とすな自民党落とせ!」
http://blogs.yahoo.co.jp/hiroseto2004/49030574.html

民主党トップの票を他野党候補に回せば、野党2議席が可能でしょう。

例えば、自民候補が70万票を取る場合、トップの野党候補は100万票ではなく、90万票を取り、残りの10万票を2位の野党候補に分け与え80万票とし、自民候補に勝つようにするのが理想的なのです。

他の2人区でも、各区で立つ与党系有力候補は1人だけなので、民主党候補以外でも与党と勝負せずに野党1議席は確実です。

自民1位、民主2位という情勢のケースを考慮しても、2人区では、民主党候補に票を集中させないことで、野党候補の当選者数が最大化します。

(3) 3人区(5選挙区)

埼玉、千葉、大阪の各3人区は、民主党候補がそれぞれ「堅調」「安定」「「独走」の表現でトップに立ち、次いで自民候補などの順になっています。ここでも、野党候補の当選者数を最大化させる上で障害となる、民主党候補への票の集中現象が起きています。

民主党トップの票を他野党候補に回せば、野党2議席の確率が高くなるでしょう。

【詳しい情勢】

3人区で民主党候補に票を集中して民主党候補の当選がより確実になるのは、埼玉、千葉、神奈川、愛知選挙区の各1人、計4人しかいまん。大阪選挙区は民主党単独候補が情勢1位なので、民主党候補に票を集中させると野党もう1人の当選が危うくなります。

朝日新聞の情勢調査によれば、大阪選挙区を除く4選挙区では、各区で2人立つ民主党候補のうち、1人が情勢3位につけています。それら4氏のうち、千葉選挙区の加賀谷氏が「護憲派」である以外、埼玉の山根氏は「保守・準保守」、しかも日本の核武装に関する毎日新聞のアンケートに対して、「今後の国際情勢によっては検討すべき」と回答しており、神奈川選挙区の水戸氏、愛知選挙区の大塚氏もともに、「保守・準保守」です。分類は下記ブログ記事参照。

■ 私の視点 ―「07年参院選・民主党公認候補者《護憲派》《明白な改憲派》リスト」
(東本高志氏作成)
http://kaze.fm/wordpress/?p=132

同調査によると、埼玉、神奈川、愛知選挙区の各区で2人立つ民主党候補のうち、護憲派候補は保守派候補よりも情勢上位につけています。また、下記の「原発アンケート」に回答している3人区の民主党候補者は、埼玉の行田氏、千葉の加賀谷氏、神奈川の牧山氏、愛知の谷岡氏のみで、いずれも護憲派です。

参院選.com 候補者公開アンケート
http://saninsen.com/




「2007参院選投票指針」は、1選挙区内の当選者数の収支にこだわらず、全国収支を重視し、自分が住む選挙区以外の有権者の投票行動に良い影響を及ぼすことを狙ったもので、また次期衆院選なども見据えた提案です。

この指針は、主として2種類のバーターから成ります。

■ 民主党支持者(民主党寄り無党派)―護憲派有権者間バーター(主に1人区)
■ 共産党支持者―社民党支持者間バーター(主に複数定数区)

29もある1人区での有権者選挙共同は特に重要で、有権者がバーター投票に応じたくなるような指針でなければなりません。3人区でも民主党候補を優先する必要がないとの提案は、次期衆院選なども視野に入れ、1人区に住む護憲派有権者のそうした動機付けを考慮、優先した結果です。

(4) 東京選挙区(改選数5)

「鈴木寛・保坂・山口先行」の表現で、民主党の鈴木寛氏がトップのようです。ここでも、野党候補の当選者数を最大化させる上で障害となる、民主党候補への票の集中現象が起きています。

「競る大河原・田村・丸川・川田」の表現で、4氏が4位と5位を競っている模様です。

民主党トップの票を他野党候補に回せば、自民の丸川氏を抜いて、野党3人当選の確率が高くなるでしょう。

与党系有力候補は保坂(自民)・山口(公明)・丸川(自民)の3氏だけなので、民主党2候補に投票しなくても、野党2議席は確実です。

■ 2007参院選――東京選挙区
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/46770904.html

青 森(改選数 1)
山崎  力
自 民(現)
元総務副大臣
平山 幸司
民 主(新)
党県副代表
高柳 博明
共 産(新)
党県常任委員
渡辺 英彦
社 民(新)
元県議

群 馬(改選数 1)
山本 一太
自 民(現)
元外交防衛委員長
福田 晃治
国民新(新)
福祉団体代表
酒井 宏明
共 産(新)
党県常任委員

富 山(改選数 1)
森田  高
無所属(新)
医師
野上浩太郎
自 民(現)
元財務政務官
泉野 和之
共 産(新)
党県常任委員

石 川(改選数 1)
矢田 富郎
自 民(新)
元県会議長
一川 保夫
民 主(新)
元衆院議員
近松美喜子
共 産(新)
元金沢市議
浜崎  茂
無所属(新)
飲食店経営

福 井(改選数 1)
若泉 征三
民 主(新)
元衆院議員
松村 龍二
自 民(現)
元国土交通副大臣
山田 和雄
共 産(新)
元三国町議

和歌山(改選数 1)
世耕 弘成
自 民(現)
首相補佐官
阪口 直人
民 主(新)
党県副代表
国重 秀明
共 産(新)
党県常任委員

鳥 取(改選数 1)
川上 義博
民 主(新)
元衆院議員
常田 享詳
自 民(現)
元農林水産副大臣
市谷 尚三
共 産(新)
元養護学校教諭

島 根(改選数 1)
景山俊太郎
自 民(現)
党副幹事長
亀井亜紀子
国民新(新)
元衆院議員秘書
後藤 勝彦
共 産(新)
党県書記長

岡 山(改選数 1)
姫井由美子
民 主(新)
元県議
片山虎之助
自 民(現)
元総務相
植本 完治
共 産(新)
党県書記長
林  福治
無所属(新)
護憲団体代表
北川  誠
新 風(新)
新風県広報委員長

山 口(改選数 1)
林  芳正
自 民(現)
内閣府副大臣
戸倉多香子
民 主(新)
市民団体代表
吉田 貞好
共 産(新)
党県常任委員

徳 島(改選数 1)
中谷 智司
民 主(新)
党県副代表
北岡 秀二
自 民(現)
元文教科学委員長
花岡  淳
共 産(新)
党県委員

香 川(改選数 1)
植松恵美子
民 主(新)
温浴施設経営
真鍋 賢二
自 民(現)
元環境庁長官
近石美智子
共 産(新)
党県委員

愛 媛(改選数 1)
友近 聡朗
無所属(新)
元サッカー選手
関谷 勝嗣
自 民(現)
元建設相
田中 克彦
共 産(新)
党県常任委員

高 知(改選数 1)
武内 則男
民 主(新)
元高知市議
田村 公平
自 民(現)
元総務委員長
村上 信夫
共 産(新)
党県常任委員

佐 賀(改選数 1)
川崎  稔
民 主(新)
元日本銀行調査役
川上 義幸
自 民(新)
元副知事
中尾 純子
共 産(新)
元みやき町議

長 崎(改選数 1)
小嶺 忠敏
自 民(新)
元国見高校長
大久保潔重
民 主(新)
元県議
渕瀬 栄子
共 産(新)
元大瀬戸町議

熊 本(改選数 1)
三浦 一水
自 民(現)
元農林水産副大臣
松野 信夫
民 主(新)
元衆院議員
橋田 芳昭
共 産(新)
党県委員

大 分(改選数 1)
礒崎 陽輔
自 民(新)
元総務省参事官
松本 文六
無所属(新)
医師
矢野 大和
無所属(新)
元佐伯市観光大使
山下  魁
共 産(新)
党県委員
後藤 博子
国民新(現)
党女性局長

宮 崎(改選数 1)
外山  斎
無所属(新)
元参院議員秘書
小斉平敏文
自 民(現)
元農林水産政務官
長峯  基
無所属(元)
元総理府政務次官
東  治男
無所属(新)
元民放キャスター
馬場 洋光
共 産(新)
党県書記長
井野 元裕
共生新(新)
不動産業

鹿児島(改選数 1)
加治屋義人
自 民(現)
農林水産委員長
皆吉 稲生
民 主(新)
元連合県副会長
山口 陽規
共 産(新)
元日吉町議

北海道(改選数 2)
小川 勝也
民 主(現)
元総務委員長
;伊達 忠一
自 民(現)
経済産業委員長
多原 香里
無所属(新)
アイヌ史研究家
畠山 和也
共 産(新)
党道常任委員
千代 信人
新 風(新)
新風道代表
浅野 隆雄
社 民(新)
党道幹事長
羽柴 秀吉
無所属(新)
観光会社役員
荒川 昌之
無所属(新)
元会社員

新 潟(改選数 2)
黒岩 宇洋
民 主(現)
沖縄北方特委員長
塚田 一郎
自 民(新)
元衆院議員秘書
森  裕子
民 主(現)
拉致問題特委員長
山本亜希子
社 民(新)
元新潟市議
武田 勝利
共 産(新)
党県常任委員
楠原 光政
無所属(新)
石油販売会社社長

京 都(改選数 2)
松井 孝治
民 主(現)
元党政調副会長
西田 昌司
自 民(新)
元府議
成宮真理子
共 産(新)
党府委員
大城戸豊一
新 風(新)
新風府副幹事長

埼 玉(改選数 3)
行田 邦子
民 主(新)
元電通社員
古川 俊治
自 民(新)
医師
山根 隆治
民 主(現)
党県代表代行
高野 博師
公 明(現)
元環境副大臣
綾部 澄子
共 産(新)
党県委員
松沢 悦子
社 民(新)
元さいたま市職員
沢田 哲夫
国民新(新)
元さいたま市議

千 葉(改選数 3)
長浜 博行
民 主(新)
前衆院議員
石井 準一
自 民(新)
元県議
加賀谷 健
民 主(新)
元県議
白須賀貴樹
自 民(新)
歯科医
浅野 史子
共 産(新)
党県常任委員
本間  進
無所属(新)
元県議
青木 和美
社 民(新)
元中学教諭
岩渕美智子
国民新(新)
元宮城県部次長

神奈川(改選数 3)
小林  温
自 民(現)
元経済産業政務官
牧山 弘恵
民 主(新)
米国弁護士
水戸 将史
民 主(新)
元県議
松 あきら
公 明(現)
元経済産業副大臣
畑野 君枝
共 産(元)
党中央委員
和田  茂
社 民(新)
党県副代表
斉藤 幸子
国民新(新)
元志木市議
溝口 敏盛
新 風(新)
新風県副代表

愛 知(改選数 3) 補足
鈴木 政二
自 民(現)
官房副長官
谷岡 郁子
民 主(新)
中京女子大学長
大塚 耕平
民 主(現)
元党政調副会長
山本  保
公 明(現)
元総務政務官
八田 広子
共 産(元)
党中央委員
平山 良平
社 民(新)
党県副代表
柘植 雅二
新 風(新)
新風県代表
荒川厚太郎
共生新(新)
元会社経営
兵藤 高志
無所属(新)
元東浦町議

大 阪(改選数 3)
梅村  聡
民 主(新)
内科医
白浜 一良
公 明(現)
党幹事長代理
谷川 秀善
自 民(現)
元外務副大臣
宮本 岳志
共 産(元)
党府常任委員
白石 純子
国民新(新)
元全日空社員
服部 良一
社 民(新)
元機械製造会社員
上田 剛史
無所属(新)
元会社社長
林 省之介
無所属(新)
元衆院議員
大谷 義夫
無所属(新)
元飲食店経営

東 京(改選数 5)
鈴木  寛
民 主(現)
元党政調副会長
保坂 三蔵
自 民(現)
元経済産業副大臣
山口那津男
公 明(現)
党政調会長代理
大河原雅子
民 主(新)
元都議
田村 智子
共 産(新)
党都副委員長
丸川 珠代
自 民(新)
元テレビ朝日アナ
川田 龍平
無所属(新)
HIV訴訟元原告
杉浦ひとみ
社 民(新)
弁護士
中村慶一郎
国民新(新)
政治評論家
ドクター・中松
無所属(新)
発明家
沢田 哲夫
無所属(新)
会社社長
神田 敏晶
無所属(新)
映像記者
東条由布子
無所属(新)
NPO法人理事長
黒川 紀章
共生新(新)
共生新党党首
和合 秀典
諸 派(新)
政治団体代表
須田喜久夫
諸 派(新)
政治団体代表
又吉 光雄
諸 派(新)
政治団体代表
鈴木 信行
新 風(新)
新風都代表
マック赤坂
諸 派(新)
団体会長
新井 徹夫
無所属(新)
団体代表

太田光征

(7月24日改訂)

感情投票から熟議投票へ

7月 15th, 2007 Posted by take @ 10:55:44
under 一般 [6] Comments 

皆さんこんにちは。事務局の竹村です。

いよいよ参議院選挙本番です。9条護憲のため、この選挙での「平和共同候補」擁立をめざした「平和への結集をめざす市民の風」ですが、現実はご存知の通り、平和共同候補の擁立がかなわないばかりか、既存の共産党や社民党に対し比例区では9条護憲の確認団体「9条ネット」が出現するなど、護憲候補者は乱立、足の引っ張り合い・・という様相を呈しています。

このような状況を招かぬための「風」の運動だったのですが、力及ばず遺憾の極みではあります。

しかし何人(なんぴと)も公民権を有し、選挙に立候補することも、どんな人も応援することも自由です。私たちは、そのことに制限が加えられる世界こそ恐ろしいものであると考えざるを得ません。

しかし、自由な個人の自由な選択が「合成の誤謬」を生み出すことも、歴史が証明してきた事実です。小泉前総理の誕生やブッシュ大統領の誕生は、まさにその最たるものであろうと思います。

私たちはもはやこの教訓に学ばなければならないと思います。とりわけ日本の選挙制度は、衆議院では小選挙区、参議院では1人区が存在し、たくさんの死票を生み出す選挙制度になっています。比例部分もありますが、相対的に軽視されていて当選者枠は少ないため、こちらでもたくさんの死票が生まれます。

もっとも国民の意思が正しく反映する選挙制度は完全比例制なのですが、その制度から遠い日本の場合、民意を正しく反映しようとするならば、ただ思いのままに投票していてはダメなのです。

太田さんの新しい投票提案はこの問題に一石を投じる斬新なものだと思います。もちろん、今回の選挙で、これが見事に実現し・・というわけには行かないでしょう。しかし、この閉塞的な日本の選挙制度の中で「手も足も出ない」ではなく、手と足をバタバタ動かしてみることも重要では。

私自身も住んでいる神奈川の選挙区で、どういう投票がベストかを太田さんの提案を元に考えてみました。

http://blog.goo.ne.jp/h-take888/e/00b80036c4334f69d6d7c7299668b094

次には、東京選挙区、難しい千葉選挙区などを考えてみたいと思います。大阪選挙区や愛知選挙区も思案のしどころですね。

皆さんのご意見や、参議院選各地情報などもぜひお知らせください。