非改憲と民主的選挙制度改正を柱とする 「野党統一政策」が政権交代を確実にする

2月 27th, 2009 Posted by MITSU_OHTA @ 15:53:41
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非改憲と民主的選挙制度改正を柱とする
「野党統一政策」が政権交代を確実にする

野党各党御中

 新聞報道によると、次期総選挙後の連立政権を想定し、民主党、社会民主党、国民新党の3党が「大枠の政策合意」を作ることで合意しました。大いに歓迎します。3党だけでなく、日本共産党や新党日本なども政策合意作りに参加されることを希望します。

 社民党幹部は特に、「民主党と基本政策をすり合わせ、格差是正や憲法護持などを求めていきたい」としています(2月21日、産経新聞)。これは重要で、また当然といえます。憲法、特に9条については、これを変えるべきではないとする世論が6割を超えています。有権者と大連立する、民意を反映した野党統一政策を是非ともお願いします。

 現在の格差・貧困をもたらした大きな原因の一つは、派遣労働の原則自由化であると思われます。一部小数政党を除き、全政党がこれに賛成した経緯は、国会における小数政党の意義を照らし出すものです。この教訓を野党統一政策としての選挙制度改正に反映していただきたいと思います。

 小選挙区制が中心の現在の小選挙区比例代表並立制では、野党連合が得票率で与党連合を上回っても、議席獲得率で負けることがあります。このことは、2005郵政選挙の小選挙区で、与党が得票率49%で76%もの議席を獲得した「偽装勝利」でも明らかです。小選挙区制は、野党連合による政権交代(政権交代後にはその維持)にはまったく不向きの選挙制度です。

 小選挙区制はまた、小数政党抹殺政策であり、野党連合の精神と相容れないです。パートナー政党を窮地に陥れるような選挙制度改定を、野党の一部が主張することはありえないはずです。

小選挙区制の下では、勝利の見込みが高い野党候補として、民主党候補に支持者以外からも票が集中する傾向があります。これは、死票を回避する「選挙制度修正的」投票行動として意義がありますが、同時に、比例区では民主党以外の野党に票を集中させることで、各党が政党支持率に見合った議席を獲得できるようにすることが必要です。

 青森県の民主党県連と社民党県連合は、まさにそのような「選挙区すみ分け投票」の選挙協力を行う協定書を交わしました(2月25日、朝日新聞)。これを全国規模、全野党共闘の枠組みに拡大して行うべきだと考えます。これにより、野党議席数が最大化するとともに、憲法などに関する世論を反映した議員構成に近づきます。

 野党統一政策の柱の一つに、比例代表制を基本にした制度など、死票を最小化する選挙制度を盛り込んでいただきたいと思います。それにより、野党共闘は一層強固になり、また有権者レベルでの選挙共同も促進され、政権交代がより確実なものとなるでしょう。

 具体的な選挙制度改正案については、政党と有権者とが協議できる場を設定し、そこで十分に議論することが必要だと考えます。有権者と大連立する姿勢を明瞭に出してください。

 民意を反映して9条改憲をしない、誠実な野党共闘を進める、その担保として、野党共倒れをもたらし政党間格差を拡大する小選挙区制を廃止し、民意を反映する選挙制度改正案で合意する――これが民意を反映する政権交代の近道です。よろしくお願い申し上げます。

2009年2月27日

太田光征
http://otasa.net/
 
 
要望先(FAX番号・メールアドレス)

民主党代表 小沢一郎 3503-0096
民主党代表代行 菅直人 3595-0090
民主党副代表 岡田克也 3502-5047
民主党幹事長 鳩山由紀夫 3502-5295
民主党参議院幹事長 平田健二 5512-2332
民主党政策調査会長 直嶋 正行 3503-2669
日本共産党 info@jcp.or.jp
社会民主党党首 福島瑞穂 3500-4640
社会民主党幹事長 又市征治 5512-2537
国民新党代表 綿貫民輔 3504-2569
国民新党代表代行 亀井静香 info@kamei-shizuka.net
新党日本代表 田中康夫 yassy@yasu-kichi.com

衆院比例区定数の削減方針を撤回されるよう求めます

2月 8th, 2009 Posted by MITSU_OHTA @ 19:48:47
under 選挙制度 [4] Comments 

民主党政治改革推進本部本部長 岡田克也様
参院改革協議会座長・民主党参議院幹事長 平田健二様

衆院比例区定数の削減方針を撤回されるよう求めます

 国会活動、いつもありがとうございます。鳩山由紀夫幹事長が定額給付金を(一部有権者を意識した)選挙買収だと評しましたが、同感です。ここ数年間、衣類といえば、下着類と仕事着しか購入できない経済状況にある私ですが、定額給付金は受け取りを拒否します。あるいは受け取って、日本による間接的な被害者といえるパレスチナ被占領民などのために、寄付したいと思います。貴党には、主権者を愚弄しない政策提案を期待しています。

 さて、貴党政治改革推進本部は6日、次期衆院選の公約で衆院比例区定数を80削減する方針を決定されました。この点につき、要望いたします。

 国会議員の定数削減は、与党と貴党から同時に主張されています。歳出削減という意味での行政改革の一貫のようです。鳩山幹事長も昨年、次期衆院選の公約で衆院議員定数の2割削減を盛り込む方針を明らかにした際、「行政改革をやるために、まずは自分の身を切るところからスタートさせたい」と語られています。

 しかし、身を切られるのは主権者の方ではないでしょうか。小選挙区制ゆえ、主権者の票の多くが死票となり、憲法で規定された全国民の代表たる国会議員を選出できない事態にあります。小選挙区選挙に比べ民意を反映しやすい比例区選挙の定数が削減されてしまえば、主権者の主権は一層侵害されます。そもそも小選挙区制は、コンドルセのパラドックスを発生させるなど、選挙制度とはいえません。

  コンドルセのパラドックス
  http://kaze.fm/wordpress/?p=215

 歳出削減をされたいのであれば、政党助成金を拒否されてはいかがでしょうか。主権者の主権を切崩す必要のない方法です。是非ともまずはこちらをご検討ください。

 比例区定数が80削減された場合のシミュレーションによれば、当然ながら、貴党の議席獲得率は増加します。決して貴党が「身を切る」ことにはなりません。

  比例区定数が100に削減された場合の衆院選比例区シミュレーション
  http://kaze.fm/wordpress/?p=229

 日本の国会議員数は、ヨーロッパ諸国と比べはるかに少ないのが実際です。アメリカ連邦議会の議員数が日本の国会と比べ多いことがしばしば指摘されますが、アメリカ連邦議会は州の権限が強く、政治構造が異なるため、比較になりません。現在でさえ日本の国会議員は、読みこなすことができないほどの法案件数を抱えています。これ以上議員数を削減して主権者の代表が務まるのでしょうか。

 比較大政党すべてが労働者派遣の原則自由化を認めたことで、労働者の生存権が切崩されてきました。現在の貧困は、小選挙区制による強制的な二大政党制潮流の下で、その出現が可能になったのだと私は考えます。アメリカがいい先行例です。

 正規雇用者の立場を安泰にするつもりで非正規雇用者の労働条件を切り下げると、正規雇用者の足元を自ら切崩すことになる。非正規雇用者も、正規雇用者の労働条件切り下げ圧力をかけることで、自ら墓穴を掘ってしまう。一見対立するように見える正規雇用者と非正規雇用者は、労働条件に関し運命をともにしている――このことを最近、労働者は学び始めました。

 本公開要請文をご覧の主権者の皆様。国会議員は主権者にとって生存上の敵ではありません。比例区定数を削減しようという主張に主権者が同調することは、主権者の主権と生存権を自ら一層切崩すことになるでしょう。

 民主党の皆様。比例区定数削減の方針は撤回されるよう、また、選挙制度改革について主権者と政党が協議できる場を設けていただくよう、お願いいたします。

2009年2月8日

太田光征
 
 
FAX番号

民主党政治改革推進本部本部長 岡田克也 03-3502-5047
参院改革協議会座長・民主党参議院幹事長 平田健二 03-5512-2332
 
 
【関連投稿】

小選挙区制の廃止へ向けて
http://kaze.fm/wordpress/?p=215
中選挙区比例代表併用制を提案する
http://kaze.fm/wordpress/?p=164
小選挙区比例代表併用制の問題点
http://kaze.fm/wordpress/?p=220
大選挙区制(中選挙区制)の問題点 〜連記投票制の落とし穴〜
http://kaze.fm/wordpress/?p=232
比例区定数が100に削減された場合の衆院選比例区シミュレーション
http://kaze.fm/wordpress/?p=229