「憲法9条を守りぬくために力を合わせよう!2.21パネルディスカッション」報告

「憲法9条を守りぬくために力を合わせよう!2.21パネルディスカッション」の報告です。発言要旨をかいつまんで紹介しておきます。詳しい内容については、直接ビデオをご覧ください。

太田光征
http://otasa.net/
 
 
「憲法9条を守りぬくために力を合わせよう!2.21パネルディスカッション」
主催:2.21パネルディスカッション実行委員会
日時:2009年2月21日
場所:文京区民センター

憲法9条を守りぬくために力を合わせよう!パネルディスカッション 1/7
http://video.google.com/videoplay?docid=-1897314432599953858

 
 

最近の世界金融恐慌について:伊藤 誠(経済学者)

現在の金融恐慌は、新自由主義の結果であり、資本主義の運動内部によるもの。オバマ米大統領も(ニュー)ニューディール政策を取ろうとしている。ニューディールは、完全雇用を実現できないという限界があった。それが実現したのは、第二次大戦があったから。現在の軍事技術は、資本集約的で、雇用効果が少ない。

ドイツ左翼党の経験から:伊藤成彦(中央大学名誉教授)

ドイツでは2007年に、旧西ドイツの社会民主党左派が離脱して結成したWASG(Arbeit & soziale Gerechtigkeit ? Die Wahlalternative)と、旧東ドイツのドイツ社会主義統一党を前身とする左翼党-民主社会党が、統一して左翼党を結成した。政党連合段階の2005年9月の連邦議会選挙では、614議席中、54議席を獲得した。左翼党は、東西格差がある分断国家で統一がうまくいかなかった状況で結成されたもので、日本にこのモデルを当てはめることはできないだろう。

憲法・自衛隊・田母神論文問題:山内敏弘(龍谷大学教授)

昭和初期に似ている現在の状況、右旋回傾向が、田母神問題をクローズアップさせている。田母神氏は表現の自由を主張していたが、下部自衛官と高級幹部では表現の自由の保障度が違う。同じ航空自衛隊に所属していた小西誠氏の言論活動は保障されず、小西氏は懲戒免職処分を受けている。

「テロとの戦い」のデマゴギー:奈良本英佑(法政大学教授)

2001年9月11日、マンハッタンの南、ユニオンスクエアで新聞を読んでいた。ツインタワーが炎上し、崩れ落ちた。その翌日、ハイジャック犯19人の顔写真が新聞に載っていた。捜査当局が動きをマークしていたが、止められなかったか、止めようとしなかったのだろう。刑事事件の捜査経過がはっきりしていない。その後アメリカは、証拠を示さず、ビン・ラディンを引き渡せとアフガニスタンに要求し、アフガニスタン攻撃を開始した。9月12日の新聞で、当時の国防次官が、イラクもやるべきだ、と発言している。「テロとの戦い」はインチキである。

平和運動の経験から:糸井玲子(キリスト者政治連盟)

二度と神を裏切ってはいけないと、日の丸君が代裁判などを闘っているクリスチャンが多い。子供だったから、知らなかったからといっても、戦争に加担した罪を背負っている。残りの人生を、この罪を許してもらうために頑張っていきたい。[「戦中派平和活動家」の思いをよく表現しているスピーチです。若い方は是非ビデオを実際にご覧ください。]

派遣切り・非正規雇用者の現実:山口素明(フリーター全般労組)

東京都が、「安全条例」で、街頭における市民活動を「迷惑パフォーマンス」として規制しようと動いている。外国人・暴力団・市民活動家が排除対象。そもそも、憲法は、権力をいかに規制するかというもので、公共的なものを、権力を取っ払って、皆で担っていくという理念の下にある。今の改憲状況は、その逆を行くものだ。(権力者側による憲法の空洞化だけでなく)本来の憲法理念を守らせる民衆側の努力の「空洞化」が目立つ。

子どもたちと生きる:星野弥生(翻訳家)

世田谷でいじめによる子供の自殺が多発していたため、「子供の命を守るネットワーク」を立ち上げ、「チャイルドライン」を開設するなどした。子供の問題と政治は密接につながっている。「心のノート」や「新しい歴史教科書」などに取り組んだ。世田谷では「新しい歴史教科書」を採択させなかった。「教育問題は、子供、親がいる柔らかいところからひたひたと足もとを掬われ、足跡が近づいてくるという、気分の悪いものだと思う」。人とのつながりが財産だが、教育に格差が持ち込まれ、「名簿」がないなど、親が分断されている。次の世代を生きる人と一緒に社会を作っていきたい。

 
 
憲法9条を守りぬくために力を合わせよう!パネルディスカッション 2/7
北野弘久(日本大学名誉教授):憲法は、全ての税金を平和・福祉のために使うことを約束している。
http://video.google.com/videoplay?docid=-6935998331273938299

 
 
憲法9条を守りぬくために力を合わせよう!パネルディスカッション 3/7
前田裕晤氏(大阪全労協議長):運動の主人公は政党ではなく市民である。労組・市民団体あげて選挙戦を戦ったきた。
http://video.google.com/videoplay?docid=-8819670233986307447

 
 
憲法9条を守りぬくために力を合わせよう!パネルディスカッション 4/7
上原公子氏(前国立市長):自ら息苦しさを作り上げる日本人。自粛し、強いヒーローを待望する。田母神氏は国会議員になるのではないか。
http://video.google.com/videoplay?docid=-4346987268857929691

 
 
憲法9条を守りぬくために力を合わせよう!パネルディスカッション 5/7
平田豊氏(前北部労協事務局長):昨年、東京北部と西部で全労協と全労連が総力を結集して格差反対の集会を行った。今後、全都集会に発展するだろう。
http://video.google.com/videoplay?docid=3149723020899900750

 
 
憲法9条を守りぬくために力を合わせよう!パネルディスカッション 6/7
質疑応答
http://video.google.com/videoplay?docid=-8281054289313023975

 
 
憲法9条を守りぬくために力を合わせよう!パネルディスカッション 7/7
フロアからの意見
http://video.google.com/videoplay?docid=-5759377112069994859

2 Responses to “「憲法9条を守りぬくために力を合わせよう!2.21パネルディスカッション」報告”

  1. 関係性 Says:

    『声』欄から庶民の実態感覚が聞こえる…

     先への見透しが利かない金融不況・失業・倒産は、出口として人手不足の農業や介護に求める風潮がある。
     事実、私自身、そのような体験がないだけにこの風潮に流されてきた。
    (more…)

  2. イソップ通信 Says:

    とやま憲法フェスタ…

    2月11日は建国記念日ってことで、自治労とやま会館では、
    富山県平和運動センターを中心とする12団体の共同主催で、
    「ありがとう9条 とやま憲法フェスタ」が開催され (more…)

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