民主党の比例区勝ち過ぎを修正することで、政権交代が確実になる

7月 20th, 2009 Posted by MITSU_OHTA @ 16:22:45
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 2007参院選のデータを使って、衆院選比例区で民主党の票を他野党に移譲した場合、野党全体の比例区議席数がどのように変化するかをシミュレーションしました。(2007参院選比例区での民主党の得票率は39.5%で、2009東京都議会議員選挙での民主党の得票率は40.8%。)

 民主党の比例区票を80%他野党に移譲すると、野党全体の比例区議席数は変化せずに、民主党と他野党全体のそれぞれで、比例区得票率と全国議席獲得率が一致するようになります。

 投票パターンがそのようにシフトすることで、民主党以外の支持者が小選挙区で民主党候補に投票するモチベーションが高まり、政権交代がより確実になるでしょう。民主党単独ではない、野党連合政権が誕生することで、政策面で民意を反映できるメリットも、当然あります。

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【目次】

1. 民主党の比例区票を他野党に移譲すると、野党全体の比例区議席が増えることがある
2. 小数野党の比例区票を少々民主党に移譲しても、野党全体の比例区議席は数議席しか増加しない
3. 民主党の比例区票を他野党に移譲しても、野党全体の比例区議席は数議席しか減少しない
4. 2007参院選小選挙区――民主党の17勝6敗だが、民主党の実力は7勝16敗以下だった
5. 完全比例代表制を基準にすると、民主党は約70議席を超過獲得し、他野党は約70議席を獲り損ねる
6. 民主党の比例区票を80%他野党に移譲すると、民主党と他野党全体で比例区得票率と全国議席獲得率が一致する
7. 民主党支持者が比例区で努めて小数野党に投票することで、政権交代が確実になる

【関連投稿】

  • 2009東京都議会議員選挙――結果分析
     http://kaze.fm/wordpress/?p=274
  • 選挙制度改正運動としての選挙区すみ分け投票の勧め
     http://kaze.fm/wordpress/?p=268
  • 比例区定数が100に削減された場合の衆院選比例区シミュレーション
     http://kaze.fm/wordpress/?p=229
  • 2007参院選――結果分析
     http://kaze.fm/wordpress/?p=140
  •  
     

    表1 衆院選比例区シミュレーション:
    各党の獲得議席数
    (2007参院選比例区データ使用)





















    北海道 2 5 1 0 0 0 0 0 0 0 0 8
    東北 5 7 1 1 0 0 0 0 0 0 0 14
    北関東 6 9 3 1 1 0 0 0 0 0 0 20
    南関東 7 10 3 1 1 0 0 0 0 0 0 22
    東京 5 8 2 2 0 0 0 0 0 0 0 17
    北陸信越 4 6 1 0 0 0 0 0 0 0 0 11
    東海 6 11 3 1 0 0 0 0 0 0 0 21
    近畿 7 12 5 3 1 0 1 0 0 0 0 29
    中国 4 5 2 0 0 0 0 0 0 0 0 11
    四国 2 3 1 0 0 0 0 0 0 0 0 6
    九州 7 9 3 1 1 0 0 0 0 0 0 21
    55 85 25 10 4 0 1 0 0 0 0 180
    議席獲得率 30.6 47.2 13.9 5.6 2.2 0 0.6 0 0 0 0 -
    得票率 28.1 39.5 13.2 7.5 4.5 2.2 3.0 0.3 0.5 0.3 1.1 -
    得票率x定数 50.5 71.1 23.7 13.5 8.1 3.9 5.4 0.5 0.8 0.5 2.1 -
    全国一括式 52 73 24 13 8 3 5 0 0 0 2 180

     
     

    表2 衆院選比例区(現行ブロック式)シミュレーション:
    野党間の票移譲による野党議席数の変化
    (2007参院選比例区データ使用)

    No 野党議席の
    増減数
    野党間の票移譲パターン 議席の増減が起こる比例ブロック
    1 9増 民主・共産・社民・国新・日本の票を統合 東北・北関東・南関東・東京・北陸信越・東海・近畿・中国・九州
    2 2増 民主・共産・社民の票を統合 南関東・中国
    3 2増 民主・国新・日本の票を統合 北関東・南関東
    4 1増 民主から共産・社民へ50%ずつ移譲(民主党票ゼロ) 南関東
    5 1増 民主・共産の票を統合 南関東
    6 1増 民主・国新の票を統合 南関東
    7 1増 民主・日本の票を統合 南関東
    8 0増0減 民主・社民の票を統合
    9 1増1減 民主から共産・社民・国新・日本へ20%ずつ移譲(民主党票80%減) 増:南関東;減:北関東
    10 1減 民主から共産・社民へ25%ずつ移譲(民主党票半減) 北関東
    11 1減 民主から共産・社民・国新・日本へ25%ずつ移譲(民主党票ゼロ) 北関東
    12 1増3減 民主から国新・日本へ25%ずつ移譲(民主党票半減) 増:南関東;減:北海道・北関東・中国
    13 1増4減 民主から共産・社民・国新・日本へ12.5%ずつ移譲(民主党票半減) 増:南関東;減:北海道・北関東・四国・九州


     
     
    1. 民主党の比例区票を他野党に移譲すると、野党全体の比例区議席が増えることがある

     比例区では、民主党による票の取り過ぎ現象が発生することがあります。一種の死票です。

     表2を見てください。これは、2007参院選のデータ(表1)を(次期)衆院選に当てはめ、民主党の比例区票を他野党に移譲した場合、野党全体の比例区議席数がどのように変化するかを示したシミュレーションです。

     例えば南関東ブロック。民主党から16万票弱を共産・国民新党・新党日本のいずれかに移譲することで、民主党の議席数を変化させずに、野党は自民から1議席を奪うことができます。No5〜7に対応します。

     
     
    2. 小数野党の比例区票を少々民主党に移譲しても、野党全体の比例区議席は数議席しか増加しない

     共産・社民には常日頃、民主党に票を譲るべきだ、とする圧力がかけられています。比例区で共産・社民の票を民主党に統合したらどうなるでしょうか(No2)。野党の比例区議席は2議席増えるだけに過ぎません。

     国民新党と新党日本に対してはそうした声をほとんど聞きませんが、これら2党の比例区票を民主党に統合した場合も計算してみましょう(No 3)。やはり、野党の比例区議席は2議席増えるだけです。

     野党の比例区議席数を最大にする方法は、明らかに、民主党など1つの政党に票を集中させることです(No1)。さすがにこのような要求をする野党支持者は小数派でしょうが、最大で9議席、野党全体の比例区議席が増加します。

     
     
    3. 民主党の比例区票を他野党に移譲しても、野党全体の比例区議席は数議席しか減少しない

     では、比例区で野党票を民主党に統合する代わりに、民主党の比例区票を他野党に移譲したら、野党全体の比例区議席はどう変化するでしょうか(No9〜13)。民主党の比例区票を他野党に移譲しても、野党全体の比例区議席は、最大でも3議席程度しか減少しません。

     以上から、政策を犠牲にして野党の議席数を稼ぐために、比例区で民主党に票を集中させるメリットはないことが確認できます。

     
     
    4. 2007参院選小選挙区――民主党の17勝6敗だが、民主党の実力は7勝16敗以下だった

     「2007参院選――結果分析」をご覧ください。29ある小選挙区で、自民党と民主党が直接対決した選挙区は23あります。民主党が17勝6敗と、11選挙区で勝ち越しています。ところが、そのうち10選挙区で、民主党の比例区票は自民党の小選挙区票を下回っていました。
     

  • 2007参院選――結果分析
     http://kaze.fm/wordpress/?p=140
  •  
     各党の比例区獲得票は、党の実力を最もよく示すデータなので、基礎票と呼ぶことができます。上記の10小選挙区で、民主党の基礎票は自民党の小選挙区票を下回っていたにもかかわらず、民主党は自民党に勝利することができました。

     このことは、この10小選挙区で、民主党以外の支持者から民主党候補に票が流れたことを示しています。民主党単独の実力で勝負すれば、7勝16敗以下だったのです。

     2007参院選では小選挙区に限らず、「民主党の比例区票が自公(および与党系無所属)の選挙区票を下回っていた」選挙区は、47選挙区中、24もありました。「民主党の比例区票が自公の選挙区票をわずか数万票しか上回っていなかった」8選挙区と合わせると、32選挙区にも上ります。

     
     
    5. 完全比例代表制を基準にすると、民主党は約70議席を超過獲得し、他野党は約70議席を獲り損ねる

    2007参院選の比例区で民主党の得票率は39.5%でした(表1)。2009東京都議会議員選挙での民主党の得票率は40.8%だから、2007年からほとんど変わっていません。次期衆院選でも2007参院選と同じ比例区得票率を仮定しましょう。

     衆院選は、比例区の定数が180、小選挙区の定数(選挙区数)が300で、総定数は480。もしも完全比例代表制ならば、民主党の議席数は、480×39.5%≒190議席となるでしょう。現行ブロック式の比例区では、表1に示すとおり、85議席を獲得できる見込みです。

     では、民主党は次期衆院選の小選挙区でどのくらい議席を獲得できるでしょうか。2007参院選の29ある小選挙区で、民主党は17勝しています。議席獲得率は58.6%です。これを衆院選の小選挙区定数300に掛ければ、約175議席と見積もることができます。

     結局、次期衆院選で民主党は比例区で85議席、小選挙区で175議席、合計で過半数の260議席を獲得できると推測されます。完全比例代表制の場合より、70議席も超過しています。

     同様に、共産・社民・国民新党・新党日本の獲得議席数を推測してみます。これら4党の2007参院選比例区における得票率は、全体で17.0%です。この得票率を仮定すると、完全比例代表制であれば、4党全体で480×17.0%≒82議席を獲得できるはずです。

     4党は、2007参院選の小選挙区でわずか1議席しか獲得できませんでした。次期衆院選の小選挙区でも近似的にゼロと見なせます。現行ブロック式の比例区では、表1に示したように、4党全体でも15議席程度しか獲得できないと推測されます。したがって小数4野党の場合、民主党とは逆に、70議席近くを取り損ねる事態が予想されます。この不公正を“修正”できないでしょうか。

     
     
    6. 民主党の比例区票を80%他野党に移譲すると、民主党と他野党全体で比例区得票率と全国議席獲得率が一致する

     70議席といえば、民主党が比例区で獲得を見込める85議席の約80%に当たります。そこで、民主党の比例区獲得票の80%を共産・社民・国民新党・新党日本の各党に均等に移譲してみましょう(表2 No9)。すると見事に、民主党の比例区獲得議席から70議席を小数4野党に移譲することができます。野党全体の比例区獲得議席数に変化はありません。

     その結果、民主党と小数4野党全体のそれぞれで、比例区得票率と全国議席獲得率がほぼ一致するようになります。つまり、比例代表制に近い結果が実現するのです。

     
     
    7. 民主党支持者が比例区で努めて小数野党に投票することで、政権交代が確実になる

     民主党は、小選挙区で他野党支持者の票に大きく依存することで、得票率を超える議席獲得率を実現しています。

     政権交代の決め手は、野党が共倒れせず、小選挙区を制することです。民主党支持でない有権者が民主党候補に票を投じるのは、そのためです。

     小選挙区制ではこのように、民主党以外の支持者が一方的に、不公正かつ合理的な投票行動を強制されています。したがって民主党支持者には、この事情を考慮して、公正な投票行動が期待されます。比例区では努めて小数野党に投票することが求められるのです。

     こうして不公正が修正されることで、民主党以外の支持者が小選挙区で民主党候補に投票するモチベーションが高まり、政権交代がより確実になるでしょう。選挙区すみ分け投票は、政権交代を重視する民主党支持者にとっても合理的な投票パターンです。

  • 選挙制度改正運動としての選挙区すみ分け投票の勧め
     http://kaze.fm/wordpress/?p=268
  •  
     
    太田光征
    http://otasa.net/

    2009東京都議会議員選挙――結果分析

    7月 14th, 2009 Posted by MITSU_OHTA @ 22:59:40
    under 一般 [8] Comments 

    2009東京都議会議員選挙は民主党の「圧勝」で終わりましたが、中身を分析してみましょう。(印刷用ファイル準備中)

  • 党派別得票数
     http://www.senkyo.janjan.jp/senkyo_flash/0907/0907120890/1.php
  • 選挙区・候補者別得票数
     http://www.senkyo.janjan.jp/election/2009/13/00008783.html
  • 共同声明「国会議員の定数削減に抗議する」賛同募集中
     
     

    【目次】

    1. 民主党の過剰得票で自公候補29人を落選し損ねた
    2. 中選挙区制(大選挙区制)でも非自公勢力は過半数を確保できる
    3. 中選挙区制(大選挙区制)が比例代表制に近いとはいえない

    【関連投稿】

  • 民主党の比例区勝ち過ぎを修正することで、政権交代が確実になる
     http://kaze.fm/wordpress/?p=275

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    1. 民主党の過剰得票で自公候補29人を落選し損ねた

    「2007参院選投票指針」では、複数定数区で民主党候補に票を集中し過ぎないよう注意を促しました。民主党候補に票が集まり過ぎることで、当選できるはずの野党候補が当選できなくなるからです。こうした現象は同参院選で実際に起こっています。

  • 2007参院選投票指針
     http://kaze.fm/wordpress/?p=133
  • 2007参院選――結果分析
     http://kaze.fm/wordpress/?p=140
  • そして今回の都議選でも、民主党に票を集中し過ぎることの弊害が極めて顕著に現れました。表1は、票を過剰に取り過ぎた民主党候補から、落選した非自公候補に票を移譲した場合、移譲先候補が当選するケースをリストしたものです。

     
     

    表1 2009東京都議会議員選挙結果分析
    〜民主党当選候補からの票移譲でどのくらい非自公候補を当選できるか〜

    選挙区 定数 票の移譲元
    当選者
    票移譲で
    当選する落選者
    票移譲で
    落選する当選者
    新宿区 4 民主現 無所属新 自民新
    文京区 2 民主現 共産現 自民元
    墨田区 3 民主現 共産新 公明新
    江東区 4 民主現 無所属新 自民新
    品川区 4 民主現または新 共産新 自民現
    目黒区 3 民主現 民主新または共産新 公明新
    大田区 8 民主新2人 民主現2人および共産新のうち2人 自民現2人
    世田谷区 8 民主新、民主現2人のうち1人 諸派(行革110番)現 公明現
    渋谷区 3 民主現 共産新 自民現
    中野区 4 民主新または民主現 共産現 自民現
    杉並区 6 民主現2人 生活者ネット新 公明現
    豊島区 3 民主現 共産新 自民現または公明現
    北区 4 民主現または元職 共産現 公明現
    練馬区 6 民主現および/または新 共産現、生活者ネット新、社民新のうち1名 自民現
    足立区 6 民主現および新 無所属新 公明現
    葛飾区 4 民主現または新 共産新 自民現
    江戸川区 4 民主新 共産現 自民現
    八王子市 4 民主現または新 無所属新 自民現
    三鷹市 2 民主新 無所属現 自民現
    府中市 2 民主新 無所属現 自民現
    町田市 3 民主現 共産新または無所属新 自民現
    小平市 2 民主現 共産新 自民現
    日野市 2 民主新 共産現 自民現
    西東京市 2 民主現 共産新 自民現
    西多摩 2 民主新 共産新 自民現
    北多摩
    第一
    3 民主現 共産新 自民新
    北多摩
    第三
    2 民主現 共産新 自民現
    北多摩
    第四
    2 民主現 共産新 自民現

     
     
    そのような選挙区は28にも上り、計29名の非自公候補が追加当選することができました(表中の票移譲で当選できる無所属候補が明らかに自公系であるかどうかについては、JANJANの資料からは確認できなかった)。その内、共産党候補は最大で20名を占めます。民主党に票が集中し過ぎなければ、自公の獲得議席数は61からほぼ半減していたことになります。民主党に投票した東京都有権者が潜在的にどのくらい共産党候補などに投票し得るのか明らかではありませんが、驚くべき数字です。

    自民党は現有48議席から10議席減らしています。「圧勝」した民主党ですが、民主党の反自公部分での功績は、この10議席のみといえます。民主党が現有34議席から増やした20議席のうち10議席は、共産党や生活者ネットから奪った水太り部分です。これが民主党候補に投票した東京都有権者の民意なのかどうか、非常に疑問です。

    今回の結果から、来る総選挙での民主党の勝ちすぎが懸念されます。比例区では民主党にまったく投票しなくとも政権交代は十分に可能です。


     
     
    2. 中選挙区制(大選挙区制)でも非自公勢力は過半数を確保できる

    3〜8人区で自公は計45議席、民主・共産・ネットは計42議席を得ているが、4〜8人区では自公が計35議席、民主・共産・ネットが計37議席を得ている。中選挙区制(大選挙区制)でも非自公勢力が過半数を獲得できることを実証しています。


     
     
    3. 中選挙区制(大選挙区制)が比例代表制に近いとはいえない

    下の図と表2は、選挙区群ごとに各党の得票率と議席獲得率(%)を比較したものです。比例代表制に近い結果を出すといわれることがある中選挙区制(大選挙区制)ですが、得票率と議席獲得率は明らかに大きく乖離しています。

    自公はどの選挙区群でも議席獲得率が得票率を上回り、票割り――政党が最適な数の候補者を立て(各地域で投票すべき候補者を支持者・有権者に指示することで)、最小の票数で最大の候補者の当選を図ること――のうまさを示しています。

    特に公明は際立っていて、定数8群では自民より得票率が約7ポイント低いものの、議席獲得率では自民と肩を並べています。逆に民主は定数8群で、議席獲得率が得票率より約10ポイントも低くなっています。

    このように得票率と議席獲得率が大きく乖離しているということは、投票先の政党が違うことで、有権者の1票の価値が大きく異なること、したがって主権格差の存在を意味します。小選挙区制はこの主権格差が0か1かの露骨な制度です。中選挙区制(大選挙区制)での票割りは候補者側や有権者にしてみれば当然で、平等な主権を保障する選挙制度に修正する行為といえます。もっとも、すべての政党・候補者・有権者がする必要がありますが。

    2009東京都議会議員選挙――選挙区群別得票率・議席獲得率

    表2 2009都議選――選挙区群別得票率・議席獲得率(%)

    自由民主党 民主党 公明党 日本共産党 東京・生活者ネットワーク その他の党派 無所属
    1〜8人区 得票率 25.88 40.79 13.19 12.56 1.96 1.17 4.45
    議席獲得率 29.92 42.52 18.11 6.30 1.57 0.00 1.57
    2〜8人区 得票率 25.05 40.72 13.95 12.94 2.07 1.22 4.04
    議席獲得率 30.83 40.83 19.17 6.67 1.67 0.00 0.83
    3〜8人区 得票率 22.92 39.06 18.19 12.24 1.74 1.61 4.24
    議席獲得率 26.14 37.50 25.00 9.09 1.14 0.00 1.14
    4〜8人区 得票率 23.25 38.74 17.59 11.96 2.10 1.89 4.48
    議席獲得率 24.66 38.36 23.29 10.96 1.37 0.00 1.37
    5〜8人区 得票率 22.92 38.81 17.55 10.94 3.00 2.60 4.18
    議席獲得率 24.49 36.73 22.45 12.24 2.04 0.00 2.04
    6〜8人区 得票率 22.71 37.83 16.81 10.04 4.48 3.65 4.48
    議席獲得率 23.53 35.29 23.53 11.76 2.94 0.00 2.94
    8人区 得票率 23.05 40.50 16.38 9.91 4.14 4.91 1.10
    議席獲得率 25.00 31.25 25.00 12.50 6.25 0.00 0.00

     
     

    下の図と表3は、選挙区定数別に各党の得票率と議席獲得率の違いを見たものです。選挙区定数群別より折れ線が込み入って見にくいですが、やはり得票率と議席獲得率の乖離が確認できます。

    特に公明は、定数2以上の選挙区すべてで議席獲得率が得票率を上回っています。(2010年5月20日追加)

    定数3の選挙区では、自公の得票率がほぼ同じ21%、民主の得票率が40%と自公のほぼ2倍ですが、議席獲得率では3党ともまったく同じ33%です。定数3が自公民の指定席制度であることをよく示しています。

    それ以外の定数では、定数5と6で得票率と議席獲得率の乖離が比較的少ないものの、定数4と8では最大10ポイント近く差が開いています。

    今回の結果では比較的民意を反映している定数5ですが、(100 - x) ÷ 5 > x を解けば分かるように、x = 15%の得票率でも議席を獲得できない場合があります。中選挙区比例代表併用制なら、この死票をある程度生かすことができます。

    1人区と2人区では、得票率と議席獲得率の乖離は論外です。

     
     
    2009東京都議会議員選挙――選挙区定数別得票率・議席獲得率

     
     

    表3 2009都議選――選挙区定数別得票率・議席獲得率(%)

    自民 民主 公明 共産 ネット その他 無所属
    1人区 得票率 40.31 42.10 0.00 5.83 0.00 0.13 11.64
    議席獲得率 14.29 71.43 0.00 0.00 0.00 0.00 14.29
    2人区 得票率 31.16 45.46 1.81 14.97 3.02 0.10 3.48
    議席獲得率 43.75 50.00 3.13 0.00 3.13 0.00 0.00
    3人区 得票率 21.28 40.67 21.14 13.61 0.00 0.25 3.05
    議席獲得率 33.33 33.33 33.33 0.00 0.00 0.00 0.00
    4人区 得票率 24.01 38.58 17.68 14.31 0.00 0.24 5.17
    議席獲得率 25.00 41.67 25.00 8.33 0.00 0.00 0.00
    5人区 得票率 23.35 40.78 19.05 12.78 0.00 0.45 3.59
    議席獲得率 26.67 40.00 20.00 13.33 0.00 0.00 0.00
    6人区 得票率 22.44 35.66 17.16 10.14 4.75 2.63 7.23
    議席獲得率 22.22 38.89 22.22 11.11 0.00 0.00 5.56
    8人区 得票率 23.05 40.50 16.38 9.91 4.14 4.91 1.10
    議席獲得率 25.00 31.25 25.00 12.50 6.25 0.00 0.00

    太田光征
    http://otasa.net/

    「国会議員の定数削減について」(国民新党代表代行・亀井静香氏宛て)

    7月 6th, 2009 Posted by MITSU_OHTA @ 14:48:47
    under 一般 [2829] Comments 

    平和への結集・市民の風として、国民新党代表代行の亀井静香衆議院議員に、国会議員の定数削減に関する下記の要望書を送りました。(印刷用ファイル

    国会議員の定数削減について
    2009年6月26日

    拝啓

    国民新党代表代行・衆議院議員 亀井静香様

     国会活動いつもありがとうございます。歯に衣着せぬ発言で野党連合をリードする貴職の活躍に期待しております。

     先日、衆議院で憲法審査会規程が与党による強行採決で成立しました。まさに数の暴挙による強行採決です。

     現在の自民党および公明党の衆議院議員は、まったく民意を反映しない2005郵政選挙により選出されました。小選挙区で見ると、両党は得票率が49%しかないにもかかわらず、76%もの議席を獲得しています。

     国民投票法や憲法審査会規定の強行採決で見られる数の暴挙は、民意を反映しない小選挙区制が背景となっています。

     衆議院憲法審査会の委員定数は、同規程によれば、わずか50名です。このような定数が意味することは重大です。貴党を含む小数政党の委員がどれほど同審査会に選出されるのでしょうか。失礼ながら、皆無という可能性も排除できません。

     このことは、小数政党に投票した膨大な数の主権者が、最も重要な主権の行使機会である改憲案の討議・作成の場にすら、自らが選好する議員を国会に代表として送り込むことができないことを意味します。

     小選挙区制で選出された議員から成る国会には、憲法が規定する正当に選挙された全国民の代表たる議員(主権者の代理人)が不在なのです。一部国民の代表しか存在しません。憲法が真っ先に謳う主権の侵害に他ならないと考えます。

     残念なことに、貴党のパートナーである民主党は、衆議院の比例区定数を80削減する方針を出しました。これは小選挙区制の強化を意味します。さらに致命的な数の暴挙を可能にし、国民主権を一層切崩すものです。

     民主党は定数削減の根拠に、「行政改革」の一環として自らの身を削るということを挙げています。しかし、身を削られるのは、貴党を含む小数政党です。

     国民が求めてもいない膨大な税金を浪費する改憲国民投票が実施されるならば、定数削減の理由とされる「行政改革」にも反します。2つの政党だけで民意を反映した「行政改革」ができるとは考えられません。

     もっと分かりやすい例はアメリカでしょう。アメリカは、二大政党制の下、格差・貧困そっちのけで膨大な軍事予算を維持し続けています。二大政党制では、政策の固定化により、財政支出の無駄も固定化されてしまいかねません。小数政党と民意を意図的に排除する政党に、格差・貧困問題を解決できるのでしょうか。

     議員定数の削減で税金を浮かすことのメリットよりも、民意を削ることで無駄な政策領域が温存されるデメリットの方が甚大でしょう。民意を反映した議会がなければ、真の行政改革はできません。

     民主党の鳩山代表は先日、「連立解消」に言及しました。岡田幹事長が謝罪しましたが、民主党の姿勢をうかがわせるものです。貴党の活躍の場を民主的に保証するためにも、民主党に対して比例区定数の削減方針を見直すよう、連立協議の中で働きかけるべきと考えますが、貴職のお考えはいかがでしょうか。できれば貴党の公約案を含む国会議員定数の削減について、懇談の機会を設けていただければ幸いです。

    敬具

    「平和への結集」をめざす市民の風
    選挙制度問題担当 太田光征