2012年総選挙:公明党の公約

12月 5th, 2012 Posted by sa104927 @ 18:53:22
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 公明党の公約の検討

2012年11月17日、公明党は「衆院選重点政策manifesto2012」を発表した。
http://www.komei.or.jp/policy/various_policies/
内容は「公明党がめざす7つの日本再建」として
?復興日本、安心の日本へ。
?新しい、住民本位の「国のカタチ」へ。
?新しいエネルギー社会の創造へ。
?力強く伸びる日本経済へ。
?一人ひとりを大切にする社会へ。
?子どもの幸福を実現する明日へ。
?日本外交の再建へ。
など7つの重点政策のほか、2つの政策を掲げている。
「公明党は軽減税率の実現をめざします」では、以下のように述べている。
・国民会議で、社会保障制度改革を具体化
・デフレからの脱却、確実な経済成長の実現
・軽減税率の導入など低所得者対策の確実な実行
・住宅取得に対する対策
・東日本大震災被災地への特例
・中小企業等への転嫁対策等
・所得税・相続税等の税制改革の着実な推進
「当面する重要政治課題」では、
○当面の経済財政運営と財政健全化
・緊急経済対策
・日本再生戦略
○TPP問題
○竹島・先覚諸島・北方領土問題
について記している。
さらに、「子ども・子育てマニフェスト」を政策からまとめて提示している。
政権与党として、行政に関わってきただけに、詳細な政策化を掲げていることに気付く。問題は、その内容がどのような方向性を向いているかどうかにある。
きめ細かい政策のなかで、問題を感じた箇所、工夫を感じた箇所を記していく。
「問題点」「工夫点」
・「道州基本法」の制定を掲げているが、地域の復興や再生とどう一致するか。道州制そのものが、行政地域の拡大化によって、過疎過密の都市問題を解決する方向へ進むのか。
・18才選挙権やインターネット選挙運動の解禁には納得がいく。
・エネルギー政策には踏みこんで再エネや省エネを掲げている。その一方で、原発の再稼働などできめ細かい制約を考えているが、原子力規制委員会に大幅な顕現をもたせることでは、自民党と同方向である。
・デフレ、円高からの脱却や新たな需要の喚起や創出政策がある。同時にグローバル市場における競争力の優位性をめざすなど、復興をどう考えるかと並列に難があると思える箇所も見られる。
・孤立死ゼロやうつ対策の強化・拡充など福祉においてきめ細かい政策が見られる。高額医療費制度の見直しやワクチン助成の充実なども対応している。
・いじめ対策や不登校対策など教育保育でも有効な対策を模索している。しかし、教育委員会の抜本的見直しは、具体的な現実政治の動きでは、自民党と方向性が同方向にむきやすい。
公明党の弱点は、「7 日本外交の再建へ。」に見られる。
行動する国際平和主義として、核ゼロをめざす核兵器禁止条約や「核不使用宣言地域」設置などのよびかけは、肯定できる要素である。しかし、以下の点はどうか。
・日米安保条約を堅持して、日米関係を深化・発展させる、という方向性は、どうか。
・領土問題に、毅然とした戦略的な外交を進める、という政策は、果たして世界の情勢と合致しうるか。中国や朝鮮半島の情勢を歴史的にとらえると、日本の近代史と現代史におけるさまざまな複雑な問題を見逃しはしないか。

櫻井智志

2012年総選挙:日本未来の党の公約

12月 5th, 2012 Posted by sa104927 @ 17:28:27
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「日本未来の党」公約の検討

日本未来の党政策
http://www.nippon-mirai.jp/#manifesto

政策にさきだって「だれもが希望をもてる未来を。」「びわ湖宣言」が掲載されている。
政党の展望を明確に示して、環境と人間の今日的課題をわかりやすく示している。
政策は6つの柱から成り立っている。
見出しの後に詳細な政策内容が並ぶが、ここでは主に骨子のみ叙述する。
1 研発のない再生可能 エネルギー社会へ
卒 原発
原発稼働ゼロから遅くとも10年以内の完全廃炉・完全卒業の筋を創ります

2 全員参加型社会へ
活 子ども・女性
子どもや女性の声なき声をきちんと政治に反映させます。

3 安心・安全を実感できる社会へ
守 暮らし
みなさんの生活に対する不安を除きます。

4 家計の復活へ
脱 増税
消費増税法は凍結します。

5 行政・司法の抜本改革の断行へ
制 官僚
国民・地域の立場に立った行政・司法に改めます。

6 主権国家としての権利を堅持へ
誇 外交
食品の安全・医療制度を守り、品格ある外交を展開します。

これらの政策が、現実政治に参加する中で新たな問題や解決すべき矛盾に取り囲まれていくことが予想される。しかし、嘉田由紀子代表には、豊かな見識と落ち着いた姿勢とが感ぜられる。いま、インターネット検索では自民や民主、維新を追い抜いて圧倒的に検索のトップに位置しているという。それだけ市民は、政治に煮え湯を飲まされ続けて、騙されてきたという後悔の念が強い。期待が強いだけに、「日本未来の党」への関心は、未来の党の側が、丁寧で謙虚な政治姿勢と民衆の側に立った政治が望まれる。これからが課題だ。

櫻井智志

2012年総選挙:社民党の公約

12月 5th, 2012 Posted by sa104927 @ 17:27:19
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社民党の公約と検討

社民党Officialweb    http://www5.sdp.or.jp/

社民党は11月29日、「全ての若者に『ホーム』(失敗してもいつでも帰れる拠点、安心できる居場所)を」と提言する「社民党若者アクションプログラム」(PDFファイル)をとりまとめた。
http://www5.sdp.or.jp/policy/policy/data/121129youth.pdf
この構成は、
1.はじめに〜今、必要な新しい「ホーム」〜
2.総論
3.各論
?職場(しごとを「ホーム」に)
?居場所(こころを「ホーム」に)
?住居(住まいを「ホーム」に)
?ゆるやかな家族(家族を「ホーム」に)
?教育・子育て(地域を「ホーム」に)
4.アジアとの共生(アジアを「ホーム」に)
5.あとがき〜若者問題は、もはや”若者”問題じゃない〜
から成り立っている。
雇用不安やさまざまの社会のゆがみに苦悩する若年層にしぼって、政策的課題をまとめたことは
社民党の努力が感じられる。

公約本来に戻ると、社民党は、「社民党の7つの約束」と題して以下の項目をあげている。

1.サヨナラ原発 、 エネルギーシフトで原発ゼロ!
原発稼働は直ちにゼロ、脱原発基本法を制定し、脱原発社会を実現します。

2.まだ間に合う!消費税増税のストップ
「消費税増税法」廃止案を制定し、消費税増税を撤回させます。

3.ストップ TPP参加
農業や暮らしを壊すTPPへの参加を許しません。

4.オスプレイ配備反対、アジア外交の再建
オスプレイ配備に反対し、低空飛行訓練をやめさせます。

5.いまこそ、人間らしい働き方を
雇用を増やし、所得を安定させ、個人消費を活性化し、内需主導経済に転換します。

6.「人間の復興」の実現
被災者一人一人に根ざした「人間の復興」を実現します。

7.平和憲法は変えさせない
平和憲法は変えさせません。

また、「社民党の7つの提案」として
? 農林水産業再生
? 環境・みどり
? 「地域力」アップで創造的地域社会の実現
? いのち セーフティネットを充実
? 住宅セーフテイネットを確立
? 「子ども・若者・女性」人生丸ごと応援
? 地域から始まる「このくにのかたち」

なお、社民党の公約は、全文が60ページを超える詳細なものである。そのエキスをわかりやすく人間的な表現で提示している。このような公約の社民党が、国会で減少に減少を重ねて、一桁ということは何を意味するのか。脱原発でも、原水禁の積極的な取り組みで、政党の中では最も熱心に市民運動を後押しして取り組み続けてきた。護憲や沖縄県のアメリカ軍の横暴にも、明確な意思表示をおこなっている。その社民党が、国会で中心的なイニシアチブをとっていない現実が、いまの社民主義の現状をも反映している。社民党は、維新の会や自民党、民主党と現実政治でどう対抗しどう動くのか。おそらく現実の政界で、国民が支持する政治的言動の一貫性を保つことが必要だろう。維新や自民、民主と地方自治体首長選挙での共闘は、中央政界での政治行動との一貫性を問われる。

櫻井智志

2012年総選挙:日本共産党の公約

12月 5th, 2012 Posted by sa104927 @ 17:25:53
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日本共産党の公約について
日本共産党が、脱原発を掲げながら、脱原発を党是として大同団結した新党「日本未来の党」と、どのように関わっていくか。そのような問題意識をもって、日本共産党の公約に関心をもった。原発にしぼる前に、全体の公約について俯瞰してみよう。もともとの「総選挙政策−日本共産党の政策」
http://www.jcp.or.jp/web_policy/html/2012-senkyo.html
では、40もの項目にわたる詳細な政策の積み重ねがある
ここでは、「総選挙政策 日本共産党の改革ビジョン」について検討したい。

総選挙政策 日本共産党の改革ビジョン 60年続いた「自民党型政治」のゆがみを断ち切り、「国民が主人公」の新しい日本を  「提案し、行動する。日本共産党」の躍進を訴えます - 日本共産党の政策
http://www.jcp.or.jp/web_policy/2012/11/20121126-1.Html   2012年11月26日 日本共産党

《目次》
?総選挙にあたって、国民のみなさんに訴えます
1、デフレ不況からどう抜け出すか――国民の所得を増やし、内需を活発にする
2、社会保障充実と財政危機打開――「消費税増税に頼らない別の道」を提案します
3、「即時原発ゼロ」の実現を――エネルギーと日本経済の未来をひらきます
4、TPPに絶対反対を貫き、主権を尊重する互恵・平等の経済関係を広げます
5、東日本大震災からの復興、国民のいのちと生活を守る災害対策に転換します
6、「いじめ」問題を解決し、競争教育をただし、教育への政治支配に反対します
7、米軍基地の異常をただし、安保条約を廃棄し、対等・平等の日米関係を築きます
8、領土紛争の解決は、歴史的事実と国際的道理に立った冷静な外交交渉で
9、小選挙区制廃止、民意が正しく反映する選挙制度に。政党助成金は廃止します
10、憲法改悪を阻止し、平和・人権・民主主義の原則を国政の全分野に生かします
いまこそ、「政党らしい政党」――日本共産党を大きく躍進させてください

この中で、原発に関わる3について見てみたい。改革ビジョンは、基本政策よりも簡潔にまとめてあるので、全文を掲載した後に、若干の感想を述べることとする。

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3、「即時原発ゼロ」の実現を――エネルギーと日本経済の未来をひらきます

日本共産党は、9月に「即時原発ゼロ」の提言を発表し、「再稼働反対」「原発なくせ」「いますぐなくせ」という、首相官邸前から全国各地に広がった広範な市民の運動と連帯し、行動しています。
政府も「過半の国民は原発に依存しない社会の実現を望んでいる」と認めざるをえなくなりました。ところが、口では「原発ゼロ」とか「脱原発依存」といいながら、大飯原発の再稼働を認め、大間原発の建設を再開し、新しい核燃料を作るための使用済み燃料の再処理をすすめるなど、現実には、原発推進政策を続けています。
国民の安全よりも、財界のもうけを優先させる「自民党型政治」に、国民のいのちを託すことはできません。
すべての原発からただちに撤退する政治決断を求めます
日本共産党は、つぎの諸点をふまえ、「即時原発ゼロ」の実現を提案します。
(1)原発事故の被害はなお拡大を続けており、二度と原発事故を起こしてはなりません。
(2)原発稼働を続ける限り、処理方法のない「核のゴミ」が増え続けます。
(3)原発再稼働の条件も、必要性も存在しません。
(4)国民世論が大きく変化し、「原発ゼロ」は国民多数の願いとなっています。
このように、ただちに原発の危険を除去する必要性、緊急性がいっそう切実になっています。

●日本共産党は、次の諸点を政府に求めます。
――すべての原発からただちに撤退する政治決断を行い、「即時原発ゼロ」の実現をはかること。
――原発再稼働方針を撤回し、大飯原発を停止させ、すべての原発を停止させたままで、廃炉のプロセスに入ること。
――青森県六ケ所村の「再処理施設」を閉鎖し、プルトニウム循環方式から即時撤退すること。
――原発の輸出政策を中止し、輸出を禁止すること。
「即時原発ゼロ」は可能です
過渡的な緊急避難として、火力での電力確保が必要ですが、その時期は5〜10年程度とし、その間に、再生可能エネルギーと低エネルギー社会への移行をはかります。
原発推進勢力は、原発をなくせば、経済も社会も大混乱するかのように言っています。しかし、国民は、全原発の停止も体験しましたが、推進勢力が言う混乱は何も起きませんでした。
電力不足は起きなかった……「猛暑の夏」を原発なしで乗り切りました。関西電力も、大飯原発を稼働しなくても電力は足りたことを認めました。
原発こそ高コスト……「コストが高くなる」と原発推進勢力は言いますが、再生可能エネルギーは、大規模な普及と技術開発がすすめばコストは大幅に下がります。原発こそ、いったん大事故が起きれば、ばく大な経済的損失が発生し、電力会社の負担も巨額になります。
再生可能エネルギーへの転換で、日本経済と産業の新たな可能性を開きます……再生可能エネルギーの潜在量は、原発の発電能力の約40倍にものぼります。ドイツでは、原発関連の雇用は3万人ですが、再生可能エネルギー関係は38万人です。雇用効果も、地域経済への波及効果も、原発よりはるかに大きな可能性をもっています。
エネルギーの国産化で「資源のない国」からの転換がすすみます。再生可能エネルギーは、これからもさまざまな分野で技術開発、実用化がすすめられる産業であり、技術革新の大きな起爆剤になります。

●電力体制の改革にただちに着手します……発送電の分離など、再生可能エネルギーの大規模普及にふさわしい電力供給体制の改革をすすめます。
福島の被災者支援と復興に、総力をあげて取り組みます
政府が昨年12月に行った福島原発事故「収束宣言」を撤回させます。賠償と除染、生活支援、復興支援で、不当な「線引き」をせずに、すべての被災者・被害者を対象にすることを求めます。生活と生業(なりわい)が再建され、希望する人が故郷に帰り、命と健康を守る医療や介護、子どもたちの教育を保障し続け、「原発事故前の安全・安心の福島県」をとりもどすまで、そのすべての過程で、国の責任で復興を支援します。
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【所感】
日本共産党は、「自民党型政治」との対決を今回の衆院選の基本的姿勢としている。確かに、原発問題で、原発必要を訴える「維新の会」の石原慎太郎代表や自民党の安部晋三総裁は、明確な原発依存派と言えるだろう。また現政権の野田民主党も、あいついで変転している。脱原発を年度を決めて、実施する方針で有識者に脱原発に関するプランをまとめさせながら、ついに中座させ、今も言葉では脱原発の3文字を残しつつ、実態として、福島原発被災者救済の現実的プログラムはあまりに遅々としている。野田民主党政権も、ほぼ「自民党型政治」の亜流と言っても言い過ぎではあるまい。
「日本共産党の政策」のなかで、市民派との共闘について、述べた箇所がある。事実、日本共産党は、脱原発全国連合官邸前再稼働反対行動や脱原発1000万人署名アクション行動大集会などに側面から共闘し、闘い続けた。
これらの集会などの記事は、初期の内から「しんぶん赤旗」日曜版などでも丁寧に報道してきた。
では、これらの抗議行動や大集会のなかで作家の大江健三郎氏や鎌田慧氏などの知識人らをはじめ脱原発基本法制定全国ネットワークが、脱原発基本法を上程し、市民運動と議会運動とを両輪として、脱原発の闘いを構想して取り組んでいることに、日本共産党はどのようなスタンスで対応するのだろうか。このことは、脱原発基本法制定全国ネットワークをほぼ同様の母体として、東京都知事選挙に有力な日弁連の宇都宮健児氏が立候補したことや、嘉田滋賀県知事を代表として、脱原発を実現化しあわせて日本全土の環境保護とを合わせてめざして、新党「日本未来の党」を結成し、民主党、自民党に続く現有国会議員勢力第3党が起動しはじめたこととも関連する。
日本政党史上最長の伝統をもつ日本共産党が、他党に合流したり名称を変えたりすることを要求しているわけではない。「自民党型政治」と闘う際に、もっとほかの脱原発勢力の市民運動や政党との共同闘争路線を提起すべきではないのか。共産党自身の公約の内容自体が、日本共産党一党の政治的実践力で実現するとは到底思えないことがらが公約に記載されている。脱原発ゼロそのものが、実現するためには、脱原発勢力の総力を結集して、「市民党型政治」と闘うのでなければ、実現は無理としか思えない。
もっとも民衆のために闘い続けてきた日本共産党が、今の福島原発による理不尽な不幸を自らの責任とは全く無縁な凶暴な人為的欠陥を機縁とした大災害のために、貴重な人生に多大な不幸を背負った苦悩を詳細に理解して、救済策を提示している。それを「実現するために」広範な脱原発の本物の闘争的主体としての市民運動や政党、政治団体と共闘することを、もっと打ち出してよいのではあるまいか。それは、総選挙後に提起する準備があるとしたら、大いに期待して応援したい。できれば、
総選挙闘争のさなかにでも提案されんことを切望する。そのように強く感じた。

櫻井智志

2012年総選挙:自民党の公約

12月 5th, 2012 Posted by sa104927 @ 17:24:18
under 2012年衆議院選挙マニフェスト , 2012年衆議院選挙 No Comments 

        2012年総選挙自民党公約の検討

  http://jimin.ncss.nifty.com/pdf/seisaku_ichiban24.pdf

自民党の公約は、Action1から4までの簡潔なアピールと詳細な「自民党政策BANK」から成り立っている。

まず、復興。ふるさとを、取り戻す。
アクション1 経済再生 経済を取り戻す。危機的状況に陥ったわが国の「経済」を立て直す。
アクション2 教育再生 教育を、取り戻す。危機的状況に陥ったわが国の「教育」を立て直す。
アクション3 外交再生 外交を、取り戻す。危機的状況に陥ったわが国の「外交」を立て直す。
アクション4 暮らしの再生 安心を、取り戻す。一つひとつ暮らしの不安を払拭し、「安心社会」をつくります。

 しかし、四つのアクションと自民党政策バンクとは、中頃から対応していない。
以上のテーマに留意しつつ、「自民党政策BANK」で、検討すべきと考える問題を次に列挙していきたい。主に問題点を記したので、政策のすべてを否定的にとらないよう留意されたい。列挙した問題以外にそれぞれのテーマに即した具体的な対応策も記述されている。

○まず、復興。
震災からの復旧・復興の加速
・大震災など非常事態に対応した「国家緊急事態体制」を整備します。
事前防災を重視した国土強靱化
・北海道・東北、北陸信越、中国、九州交流圏など、太平洋側の経済的機能などをバックアップする日本海国土軸の形成を促進します。

○経済再生
日本経済の新しい姿
・5年間の集中改革で、「世界一企業が活動しやすい国」「個人の可能性が最大限発揮され、雇用と所得が拡大する国」を目指すと同時に、海外投資収益の国内還元を日本の成長に結びつける新たな国際戦略(「産業投資立国」)を進めます。
デフレ・円高対策
・財務省と日銀、さらに民間が参加する「官民協調外債ファンド」を創設し、基金が外債を購入するなど様々な方策を検討します。
大胆な規制緩和
・戦略分野ごとに企業の活動のしやすさを世界最先端にするための「国際先端テスト」を導入します。ニッポン産業再興プラン
・日本の立地闘争力の復活に向け、円高・デフレ対策とをあわせてイノベーション基盤の強化や法人税の大胆な引き下げを行います。

○教育
教育・人材育成
・道徳教育の充実、高校で新科目「公共」設置、「土曜授業」の実現や、悉皆(しっかい)の「全国一斉学力テスト」の継続
・現在の単線型でなく多様な選択肢(複線型)を可能とするため、6.3.3.4制の見直しにより、「平成の学制大改革」を行います。
・いまだに自虐史観や偏向した記述の教科書が多くあります。教科書検定基準を抜本的に改善し、あわせて近隣諸国条項も見直します。
・いじめ問題でも明らかになった、現行の無責任な教育行政システムを是正するため、首長が議会の同意を得て任命する「常勤」の「教育長」を教育委員会の責任者とするなど教育委員会制度を抜本的に改革します。
・教員の政治的中立を徹底するなど、適正な教育内容を確保し、教職員組合の適正化を図ります。
科学技術・文化政策・スポーツ立国
・2020東京オリンピック・パラリンピックの被災地での競技開催、キャンプ地の全国展開を実現します。

○外交・安全保障
外交。安全保障
・憲法改正により自衛隊を国防軍として位置づけます。
・統合運用を進め、自衛官と文官の混合組織への改編、部隊運用組織の統合など防衛省改革を推進します。
・米国の新国防戦略と連動し、抑止力を高めるため、日米防衛協力ガイドライン等を見直します。
・尖閣諸島の実効支配を強化し、島と海を断固守ります。

○社会保障
国民のニーズに応えられる財政の確立
・消費税(当面10%)を含む行財政抜本改革の一層の推進により、財政の配分整備を回復します。
政権交代後、急激に肥大化した生活保護の見直し、公務員総人件費の抑制
社会保障に関する基本的な考え方
・人生100年時代を見据え、高齢者の雇用機会の場をつくり、生涯現役社会を実現します。
医療
・患者意志(リビングウィル)の尊重と看取りの充実を図ります。
雇用
・経済のグローバル化や活力ある社会に対応した労働環境の整備を進めます。
生活保護の見直し
・不正受給者には厳格に対処します。
・自治体における現金給付と現物給付の選択的実施など抜本的な見直しを行います。
○エネルギー
・原子力の安全性に関しては、独立した規制委員会による専門的判断をいかなる事情よりも優先します。原発の再稼働の可否については、順次判断し、全ての原発について3年以内の結論を目指します。安全性についは、原子力規制委員会の専門的判断に委ねます。
・遅くとも10年以内に将来にわたって持続可能な「電源構成のベストミックス」を確立します。
○地方の重視・地域の再生
・「道州制基本法」の早期制定後、5年以内の道州制導入を目指します。
・消費税の転嫁円滑化のための取り締まり強化を推進します。
・郵政三事業のヤニバーサルサービスの確保を図ります。
○農林水産業
・競争力のある「攻めの農林水産業」を展開します。
○TPP
・「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、TPP交渉参加に反対します。
○政治・行政・公務員改革
・衆議院議員の定数削減については、三党合意に基づき、次期通常国会終了までに結論を得た上で必要な法改正を行います。
・地方公務員にも、国家公務員と同様に罰則を附し、一定の政治活動を規制する地方公務員法の改正を行います。
○インターネット選挙の解禁
・「インターネット利用選挙解禁法案」を制定します。

○憲法改正
「憲法改正」
・自衛権の発動を妨げないこと、国防軍を保持することを明記
・憲法改正の発議要件を衆参それぞれの過半数に緩和

【所感】
脱原発やTPP、消費増税については自民党ならではの保守性が顕著である。自民党の政策を読み、最大の特徴は「憲法改正」である。軍国主義大国に向けての明確な舵取りの「憲法改悪」の表明であり、総選挙において、憲法についての争点化がなされないと、似たようなカモフラージュされた原発や消費税、TPPだけでは、本音の正体を問う大問題としての「日本国憲法改悪」問題が、選挙後に亡霊のように国民を震撼させる危機的事態が現実に起きてくることを懸念する。

櫻井智志