民主党の比例区勝ち過ぎを修正することで、政権交代が確実になる

7月 20th, 2009 Posted by MITSU_OHTA @ 16:22:45
under 一般 [64] Comments 

 2007参院選のデータを使って、衆院選比例区で民主党の票を他野党に移譲した場合、野党全体の比例区議席数がどのように変化するかをシミュレーションしました。(2007参院選比例区での民主党の得票率は39.5%で、2009東京都議会議員選挙での民主党の得票率は40.8%。)

 民主党の比例区票を80%他野党に移譲すると、野党全体の比例区議席数は変化せずに、民主党と他野党全体のそれぞれで、比例区得票率と全国議席獲得率が一致するようになります。

 投票パターンがそのようにシフトすることで、民主党以外の支持者が小選挙区で民主党候補に投票するモチベーションが高まり、政権交代がより確実になるでしょう。民主党単独ではない、野党連合政権が誕生することで、政策面で民意を反映できるメリットも、当然あります。

印刷用ファイル

 
 
【目次】

1. 民主党の比例区票を他野党に移譲すると、野党全体の比例区議席が増えることがある
2. 小数野党の比例区票を少々民主党に移譲しても、野党全体の比例区議席は数議席しか増加しない
3. 民主党の比例区票を他野党に移譲しても、野党全体の比例区議席は数議席しか減少しない
4. 2007参院選小選挙区――民主党の17勝6敗だが、民主党の実力は7勝16敗以下だった
5. 完全比例代表制を基準にすると、民主党は約70議席を超過獲得し、他野党は約70議席を獲り損ねる
6. 民主党の比例区票を80%他野党に移譲すると、民主党と他野党全体で比例区得票率と全国議席獲得率が一致する
7. 民主党支持者が比例区で努めて小数野党に投票することで、政権交代が確実になる

【関連投稿】

  • 2009東京都議会議員選挙――結果分析
     http://kaze.fm/wordpress/?p=274
  • 選挙制度改正運動としての選挙区すみ分け投票の勧め
     http://kaze.fm/wordpress/?p=268
  • 比例区定数が100に削減された場合の衆院選比例区シミュレーション
     http://kaze.fm/wordpress/?p=229
  • 2007参院選――結果分析
     http://kaze.fm/wordpress/?p=140
  •  
     

    表1 衆院選比例区シミュレーション:
    各党の獲得議席数
    (2007参院選比例区データ使用)





















    北海道 2 5 1 0 0 0 0 0 0 0 0 8
    東北 5 7 1 1 0 0 0 0 0 0 0 14
    北関東 6 9 3 1 1 0 0 0 0 0 0 20
    南関東 7 10 3 1 1 0 0 0 0 0 0 22
    東京 5 8 2 2 0 0 0 0 0 0 0 17
    北陸信越 4 6 1 0 0 0 0 0 0 0 0 11
    東海 6 11 3 1 0 0 0 0 0 0 0 21
    近畿 7 12 5 3 1 0 1 0 0 0 0 29
    中国 4 5 2 0 0 0 0 0 0 0 0 11
    四国 2 3 1 0 0 0 0 0 0 0 0 6
    九州 7 9 3 1 1 0 0 0 0 0 0 21
    55 85 25 10 4 0 1 0 0 0 0 180
    議席獲得率 30.6 47.2 13.9 5.6 2.2 0 0.6 0 0 0 0 -
    得票率 28.1 39.5 13.2 7.5 4.5 2.2 3.0 0.3 0.5 0.3 1.1 -
    得票率x定数 50.5 71.1 23.7 13.5 8.1 3.9 5.4 0.5 0.8 0.5 2.1 -
    全国一括式 52 73 24 13 8 3 5 0 0 0 2 180

     
     

    表2 衆院選比例区(現行ブロック式)シミュレーション:
    野党間の票移譲による野党議席数の変化
    (2007参院選比例区データ使用)

    No 野党議席の
    増減数
    野党間の票移譲パターン 議席の増減が起こる比例ブロック
    1 9増 民主・共産・社民・国新・日本の票を統合 東北・北関東・南関東・東京・北陸信越・東海・近畿・中国・九州
    2 2増 民主・共産・社民の票を統合 南関東・中国
    3 2増 民主・国新・日本の票を統合 北関東・南関東
    4 1増 民主から共産・社民へ50%ずつ移譲(民主党票ゼロ) 南関東
    5 1増 民主・共産の票を統合 南関東
    6 1増 民主・国新の票を統合 南関東
    7 1増 民主・日本の票を統合 南関東
    8 0増0減 民主・社民の票を統合
    9 1増1減 民主から共産・社民・国新・日本へ20%ずつ移譲(民主党票80%減) 増:南関東;減:北関東
    10 1減 民主から共産・社民へ25%ずつ移譲(民主党票半減) 北関東
    11 1減 民主から共産・社民・国新・日本へ25%ずつ移譲(民主党票ゼロ) 北関東
    12 1増3減 民主から国新・日本へ25%ずつ移譲(民主党票半減) 増:南関東;減:北海道・北関東・中国
    13 1増4減 民主から共産・社民・国新・日本へ12.5%ずつ移譲(民主党票半減) 増:南関東;減:北海道・北関東・四国・九州


     
     
    1. 民主党の比例区票を他野党に移譲すると、野党全体の比例区議席が増えることがある

     比例区では、民主党による票の取り過ぎ現象が発生することがあります。一種の死票です。

     表2を見てください。これは、2007参院選のデータ(表1)を(次期)衆院選に当てはめ、民主党の比例区票を他野党に移譲した場合、野党全体の比例区議席数がどのように変化するかを示したシミュレーションです。

     例えば南関東ブロック。民主党から16万票弱を共産・国民新党・新党日本のいずれかに移譲することで、民主党の議席数を変化させずに、野党は自民から1議席を奪うことができます。No5〜7に対応します。

     
     
    2. 小数野党の比例区票を少々民主党に移譲しても、野党全体の比例区議席は数議席しか増加しない

     共産・社民には常日頃、民主党に票を譲るべきだ、とする圧力がかけられています。比例区で共産・社民の票を民主党に統合したらどうなるでしょうか(No2)。野党の比例区議席は2議席増えるだけに過ぎません。

     国民新党と新党日本に対してはそうした声をほとんど聞きませんが、これら2党の比例区票を民主党に統合した場合も計算してみましょう(No 3)。やはり、野党の比例区議席は2議席増えるだけです。

     野党の比例区議席数を最大にする方法は、明らかに、民主党など1つの政党に票を集中させることです(No1)。さすがにこのような要求をする野党支持者は小数派でしょうが、最大で9議席、野党全体の比例区議席が増加します。

     
     
    3. 民主党の比例区票を他野党に移譲しても、野党全体の比例区議席は数議席しか減少しない

     では、比例区で野党票を民主党に統合する代わりに、民主党の比例区票を他野党に移譲したら、野党全体の比例区議席はどう変化するでしょうか(No9〜13)。民主党の比例区票を他野党に移譲しても、野党全体の比例区議席は、最大でも3議席程度しか減少しません。

     以上から、政策を犠牲にして野党の議席数を稼ぐために、比例区で民主党に票を集中させるメリットはないことが確認できます。

     
     
    4. 2007参院選小選挙区――民主党の17勝6敗だが、民主党の実力は7勝16敗以下だった

     「2007参院選――結果分析」をご覧ください。29ある小選挙区で、自民党と民主党が直接対決した選挙区は23あります。民主党が17勝6敗と、11選挙区で勝ち越しています。ところが、そのうち10選挙区で、民主党の比例区票は自民党の小選挙区票を下回っていました。
     

  • 2007参院選――結果分析
     http://kaze.fm/wordpress/?p=140
  •  
     各党の比例区獲得票は、党の実力を最もよく示すデータなので、基礎票と呼ぶことができます。上記の10小選挙区で、民主党の基礎票は自民党の小選挙区票を下回っていたにもかかわらず、民主党は自民党に勝利することができました。

     このことは、この10小選挙区で、民主党以外の支持者から民主党候補に票が流れたことを示しています。民主党単独の実力で勝負すれば、7勝16敗以下だったのです。

     2007参院選では小選挙区に限らず、「民主党の比例区票が自公(および与党系無所属)の選挙区票を下回っていた」選挙区は、47選挙区中、24もありました。「民主党の比例区票が自公の選挙区票をわずか数万票しか上回っていなかった」8選挙区と合わせると、32選挙区にも上ります。

     
     
    5. 完全比例代表制を基準にすると、民主党は約70議席を超過獲得し、他野党は約70議席を獲り損ねる

    2007参院選の比例区で民主党の得票率は39.5%でした(表1)。2009東京都議会議員選挙での民主党の得票率は40.8%だから、2007年からほとんど変わっていません。次期衆院選でも2007参院選と同じ比例区得票率を仮定しましょう。

     衆院選は、比例区の定数が180、小選挙区の定数(選挙区数)が300で、総定数は480。もしも完全比例代表制ならば、民主党の議席数は、480×39.5%≒190議席となるでしょう。現行ブロック式の比例区では、表1に示すとおり、85議席を獲得できる見込みです。

     では、民主党は次期衆院選の小選挙区でどのくらい議席を獲得できるでしょうか。2007参院選の29ある小選挙区で、民主党は17勝しています。議席獲得率は58.6%です。これを衆院選の小選挙区定数300に掛ければ、約175議席と見積もることができます。

     結局、次期衆院選で民主党は比例区で85議席、小選挙区で175議席、合計で過半数の260議席を獲得できると推測されます。完全比例代表制の場合より、70議席も超過しています。

     同様に、共産・社民・国民新党・新党日本の獲得議席数を推測してみます。これら4党の2007参院選比例区における得票率は、全体で17.0%です。この得票率を仮定すると、完全比例代表制であれば、4党全体で480×17.0%≒82議席を獲得できるはずです。

     4党は、2007参院選の小選挙区でわずか1議席しか獲得できませんでした。次期衆院選の小選挙区でも近似的にゼロと見なせます。現行ブロック式の比例区では、表1に示したように、4党全体でも15議席程度しか獲得できないと推測されます。したがって小数4野党の場合、民主党とは逆に、70議席近くを取り損ねる事態が予想されます。この不公正を“修正”できないでしょうか。

     
     
    6. 民主党の比例区票を80%他野党に移譲すると、民主党と他野党全体で比例区得票率と全国議席獲得率が一致する

     70議席といえば、民主党が比例区で獲得を見込める85議席の約80%に当たります。そこで、民主党の比例区獲得票の80%を共産・社民・国民新党・新党日本の各党に均等に移譲してみましょう(表2 No9)。すると見事に、民主党の比例区獲得議席から70議席を小数4野党に移譲することができます。野党全体の比例区獲得議席数に変化はありません。

     その結果、民主党と小数4野党全体のそれぞれで、比例区得票率と全国議席獲得率がほぼ一致するようになります。つまり、比例代表制に近い結果が実現するのです。

     
     
    7. 民主党支持者が比例区で努めて小数野党に投票することで、政権交代が確実になる

     民主党は、小選挙区で他野党支持者の票に大きく依存することで、得票率を超える議席獲得率を実現しています。

     政権交代の決め手は、野党が共倒れせず、小選挙区を制することです。民主党支持でない有権者が民主党候補に票を投じるのは、そのためです。

     小選挙区制ではこのように、民主党以外の支持者が一方的に、不公正かつ合理的な投票行動を強制されています。したがって民主党支持者には、この事情を考慮して、公正な投票行動が期待されます。比例区では努めて小数野党に投票することが求められるのです。

     こうして不公正が修正されることで、民主党以外の支持者が小選挙区で民主党候補に投票するモチベーションが高まり、政権交代がより確実になるでしょう。選挙区すみ分け投票は、政権交代を重視する民主党支持者にとっても合理的な投票パターンです。

  • 選挙制度改正運動としての選挙区すみ分け投票の勧め
     http://kaze.fm/wordpress/?p=268
  •  
     
    太田光征
    http://otasa.net/

    2009東京都議会議員選挙――結果分析

    7月 14th, 2009 Posted by MITSU_OHTA @ 22:59:40
    under 一般 [10] Comments 

    2009東京都議会議員選挙は民主党の「圧勝」で終わりましたが、中身を分析してみましょう。(印刷用ファイル準備中)

  • 党派別得票数
     http://www.senkyo.janjan.jp/senkyo_flash/0907/0907120890/1.php
  • 選挙区・候補者別得票数
     http://www.senkyo.janjan.jp/election/2009/13/00008783.html
  • 共同声明「国会議員の定数削減に抗議する」賛同募集中
     
     

    【目次】

    1. 民主党の過剰得票で自公候補29人を落選し損ねた
    2. 中選挙区制(大選挙区制)でも非自公勢力は過半数を確保できる
    3. 中選挙区制(大選挙区制)が比例代表制に近いとはいえない

    【関連投稿】

  • 民主党の比例区勝ち過ぎを修正することで、政権交代が確実になる
     http://kaze.fm/wordpress/?p=275

  •  
     
    1. 民主党の過剰得票で自公候補29人を落選し損ねた

    「2007参院選投票指針」では、複数定数区で民主党候補に票を集中し過ぎないよう注意を促しました。民主党候補に票が集まり過ぎることで、当選できるはずの野党候補が当選できなくなるからです。こうした現象は同参院選で実際に起こっています。

  • 2007参院選投票指針
     http://kaze.fm/wordpress/?p=133
  • 2007参院選――結果分析
     http://kaze.fm/wordpress/?p=140
  • そして今回の都議選でも、民主党に票を集中し過ぎることの弊害が極めて顕著に現れました。表1は、票を過剰に取り過ぎた民主党候補から、落選した非自公候補に票を移譲した場合、移譲先候補が当選するケースをリストしたものです。

     
     

    表1 2009東京都議会議員選挙結果分析
    〜民主党当選候補からの票移譲でどのくらい非自公候補を当選できるか〜

    選挙区 定数 票の移譲元
    当選者
    票移譲で
    当選する落選者
    票移譲で
    落選する当選者
    新宿区 4 民主現 無所属新 自民新
    文京区 2 民主現 共産現 自民元
    墨田区 3 民主現 共産新 公明新
    江東区 4 民主現 無所属新 自民新
    品川区 4 民主現または新 共産新 自民現
    目黒区 3 民主現 民主新または共産新 公明新
    大田区 8 民主新2人 民主現2人および共産新のうち2人 自民現2人
    世田谷区 8 民主新、民主現2人のうち1人 諸派(行革110番)現 公明現
    渋谷区 3 民主現 共産新 自民現
    中野区 4 民主新または民主現 共産現 自民現
    杉並区 6 民主現2人 生活者ネット新 公明現
    豊島区 3 民主現 共産新 自民現または公明現
    北区 4 民主現または元職 共産現 公明現
    練馬区 6 民主現および/または新 共産現、生活者ネット新、社民新のうち1名 自民現
    足立区 6 民主現および新 無所属新 公明現
    葛飾区 4 民主現または新 共産新 自民現
    江戸川区 4 民主新 共産現 自民現
    八王子市 4 民主現または新 無所属新 自民現
    三鷹市 2 民主新 無所属現 自民現
    府中市 2 民主新 無所属現 自民現
    町田市 3 民主現 共産新または無所属新 自民現
    小平市 2 民主現 共産新 自民現
    日野市 2 民主新 共産現 自民現
    西東京市 2 民主現 共産新 自民現
    西多摩 2 民主新 共産新 自民現
    北多摩
    第一
    3 民主現 共産新 自民新
    北多摩
    第三
    2 民主現 共産新 自民現
    北多摩
    第四
    2 民主現 共産新 自民現

     
     
    そのような選挙区は28にも上り、計29名の非自公候補が追加当選することができました(表中の票移譲で当選できる無所属候補が明らかに自公系であるかどうかについては、JANJANの資料からは確認できなかった)。その内、共産党候補は最大で20名を占めます。民主党に票が集中し過ぎなければ、自公の獲得議席数は61からほぼ半減していたことになります。民主党に投票した東京都有権者が潜在的にどのくらい共産党候補などに投票し得るのか明らかではありませんが、驚くべき数字です。

    自民党は現有48議席から10議席減らしています。「圧勝」した民主党ですが、民主党の反自公部分での功績は、この10議席のみといえます。民主党が現有34議席から増やした20議席のうち10議席は、共産党や生活者ネットから奪った水太り部分です。これが民主党候補に投票した東京都有権者の民意なのかどうか、非常に疑問です。

    今回の結果から、来る総選挙での民主党の勝ちすぎが懸念されます。比例区では民主党にまったく投票しなくとも政権交代は十分に可能です。


     
     
    2. 中選挙区制(大選挙区制)でも非自公勢力は過半数を確保できる

    3〜8人区で自公は計45議席、民主・共産・ネットは計42議席を得ているが、4〜8人区では自公が計35議席、民主・共産・ネットが計37議席を得ている。中選挙区制(大選挙区制)でも非自公勢力が過半数を獲得できることを実証しています。


     
     
    3. 中選挙区制(大選挙区制)が比例代表制に近いとはいえない

    下の図と表2は、選挙区群ごとに各党の得票率と議席獲得率(%)を比較したものです。比例代表制に近い結果を出すといわれることがある中選挙区制(大選挙区制)ですが、得票率と議席獲得率は明らかに大きく乖離しています。

    自公はどの選挙区群でも議席獲得率が得票率を上回り、票割り――政党が最適な数の候補者を立て(各地域で投票すべき候補者を支持者・有権者に指示することで)、最小の票数で最大の候補者の当選を図ること――のうまさを示しています。

    特に公明は際立っていて、定数8群では自民より得票率が約7ポイント低いものの、議席獲得率では自民と肩を並べています。逆に民主は定数8群で、議席獲得率が得票率より約10ポイントも低くなっています。

    このように得票率と議席獲得率が大きく乖離しているということは、投票先の政党が違うことで、有権者の1票の価値が大きく異なること、したがって主権格差の存在を意味します。小選挙区制はこの主権格差が0か1かの露骨な制度です。中選挙区制(大選挙区制)での票割りは候補者側や有権者にしてみれば当然で、平等な主権を保障する選挙制度に修正する行為といえます。もっとも、すべての政党・候補者・有権者がする必要がありますが。

    2009東京都議会議員選挙――選挙区群別得票率・議席獲得率

    表2 2009都議選――選挙区群別得票率・議席獲得率(%)

    自由民主党 民主党 公明党 日本共産党 東京・生活者ネットワーク その他の党派 無所属
    1〜8人区 得票率 25.88 40.79 13.19 12.56 1.96 1.17 4.45
    議席獲得率 29.92 42.52 18.11 6.30 1.57 0.00 1.57
    2〜8人区 得票率 25.05 40.72 13.95 12.94 2.07 1.22 4.04
    議席獲得率 30.83 40.83 19.17 6.67 1.67 0.00 0.83
    3〜8人区 得票率 22.92 39.06 18.19 12.24 1.74 1.61 4.24
    議席獲得率 26.14 37.50 25.00 9.09 1.14 0.00 1.14
    4〜8人区 得票率 23.25 38.74 17.59 11.96 2.10 1.89 4.48
    議席獲得率 24.66 38.36 23.29 10.96 1.37 0.00 1.37
    5〜8人区 得票率 22.92 38.81 17.55 10.94 3.00 2.60 4.18
    議席獲得率 24.49 36.73 22.45 12.24 2.04 0.00 2.04
    6〜8人区 得票率 22.71 37.83 16.81 10.04 4.48 3.65 4.48
    議席獲得率 23.53 35.29 23.53 11.76 2.94 0.00 2.94
    8人区 得票率 23.05 40.50 16.38 9.91 4.14 4.91 1.10
    議席獲得率 25.00 31.25 25.00 12.50 6.25 0.00 0.00

     
     

    下の図と表3は、選挙区定数別に各党の得票率と議席獲得率の違いを見たものです。選挙区定数群別より折れ線が込み入って見にくいですが、やはり得票率と議席獲得率の乖離が確認できます。

    特に公明は、定数2以上の選挙区すべてで議席獲得率が得票率を上回っています。(2010年5月20日追加)

    定数3の選挙区では、自公の得票率がほぼ同じ21%、民主の得票率が40%と自公のほぼ2倍ですが、議席獲得率では3党ともまったく同じ33%です。定数3が自公民の指定席制度であることをよく示しています。

    それ以外の定数では、定数5と6で得票率と議席獲得率の乖離が比較的少ないものの、定数4と8では最大10ポイント近く差が開いています。

    今回の結果では比較的民意を反映している定数5ですが、(100 - x) ÷ 5 > x を解けば分かるように、x = 15%の得票率でも議席を獲得できない場合があります。中選挙区比例代表併用制なら、この死票をある程度生かすことができます。

    1人区と2人区では、得票率と議席獲得率の乖離は論外です。

     
     
    2009東京都議会議員選挙――選挙区定数別得票率・議席獲得率

     
     

    表3 2009都議選――選挙区定数別得票率・議席獲得率(%)

    自民 民主 公明 共産 ネット その他 無所属
    1人区 得票率 40.31 42.10 0.00 5.83 0.00 0.13 11.64
    議席獲得率 14.29 71.43 0.00 0.00 0.00 0.00 14.29
    2人区 得票率 31.16 45.46 1.81 14.97 3.02 0.10 3.48
    議席獲得率 43.75 50.00 3.13 0.00 3.13 0.00 0.00
    3人区 得票率 21.28 40.67 21.14 13.61 0.00 0.25 3.05
    議席獲得率 33.33 33.33 33.33 0.00 0.00 0.00 0.00
    4人区 得票率 24.01 38.58 17.68 14.31 0.00 0.24 5.17
    議席獲得率 25.00 41.67 25.00 8.33 0.00 0.00 0.00
    5人区 得票率 23.35 40.78 19.05 12.78 0.00 0.45 3.59
    議席獲得率 26.67 40.00 20.00 13.33 0.00 0.00 0.00
    6人区 得票率 22.44 35.66 17.16 10.14 4.75 2.63 7.23
    議席獲得率 22.22 38.89 22.22 11.11 0.00 0.00 5.56
    8人区 得票率 23.05 40.50 16.38 9.91 4.14 4.91 1.10
    議席獲得率 25.00 31.25 25.00 12.50 6.25 0.00 0.00

    太田光征
    http://otasa.net/

    「国会議員の定数削減について」(国民新党代表代行・亀井静香氏宛て)

    7月 6th, 2009 Posted by MITSU_OHTA @ 14:48:47
    under 一般 [4054] Comments 

    平和への結集・市民の風として、国民新党代表代行の亀井静香衆議院議員に、国会議員の定数削減に関する下記の要望書を送りました。(印刷用ファイル

    国会議員の定数削減について
    2009年6月26日

    拝啓

    国民新党代表代行・衆議院議員 亀井静香様

     国会活動いつもありがとうございます。歯に衣着せぬ発言で野党連合をリードする貴職の活躍に期待しております。

     先日、衆議院で憲法審査会規程が与党による強行採決で成立しました。まさに数の暴挙による強行採決です。

     現在の自民党および公明党の衆議院議員は、まったく民意を反映しない2005郵政選挙により選出されました。小選挙区で見ると、両党は得票率が49%しかないにもかかわらず、76%もの議席を獲得しています。

     国民投票法や憲法審査会規定の強行採決で見られる数の暴挙は、民意を反映しない小選挙区制が背景となっています。

     衆議院憲法審査会の委員定数は、同規程によれば、わずか50名です。このような定数が意味することは重大です。貴党を含む小数政党の委員がどれほど同審査会に選出されるのでしょうか。失礼ながら、皆無という可能性も排除できません。

     このことは、小数政党に投票した膨大な数の主権者が、最も重要な主権の行使機会である改憲案の討議・作成の場にすら、自らが選好する議員を国会に代表として送り込むことができないことを意味します。

     小選挙区制で選出された議員から成る国会には、憲法が規定する正当に選挙された全国民の代表たる議員(主権者の代理人)が不在なのです。一部国民の代表しか存在しません。憲法が真っ先に謳う主権の侵害に他ならないと考えます。

     残念なことに、貴党のパートナーである民主党は、衆議院の比例区定数を80削減する方針を出しました。これは小選挙区制の強化を意味します。さらに致命的な数の暴挙を可能にし、国民主権を一層切崩すものです。

     民主党は定数削減の根拠に、「行政改革」の一環として自らの身を削るということを挙げています。しかし、身を削られるのは、貴党を含む小数政党です。

     国民が求めてもいない膨大な税金を浪費する改憲国民投票が実施されるならば、定数削減の理由とされる「行政改革」にも反します。2つの政党だけで民意を反映した「行政改革」ができるとは考えられません。

     もっと分かりやすい例はアメリカでしょう。アメリカは、二大政党制の下、格差・貧困そっちのけで膨大な軍事予算を維持し続けています。二大政党制では、政策の固定化により、財政支出の無駄も固定化されてしまいかねません。小数政党と民意を意図的に排除する政党に、格差・貧困問題を解決できるのでしょうか。

     議員定数の削減で税金を浮かすことのメリットよりも、民意を削ることで無駄な政策領域が温存されるデメリットの方が甚大でしょう。民意を反映した議会がなければ、真の行政改革はできません。

     民主党の鳩山代表は先日、「連立解消」に言及しました。岡田幹事長が謝罪しましたが、民主党の姿勢をうかがわせるものです。貴党の活躍の場を民主的に保証するためにも、民主党に対して比例区定数の削減方針を見直すよう、連立協議の中で働きかけるべきと考えますが、貴職のお考えはいかがでしょうか。できれば貴党の公約案を含む国会議員定数の削減について、懇談の機会を設けていただければ幸いです。

    敬具

    「平和への結集」をめざす市民の風
    選挙制度問題担当 太田光征

    全野党・議員に向けての2009「平和への結集」アピール

    6月 28th, 2009 Posted by MITSU_OHTA @ 21:57:55
    under 一般 [126] Comments 

    平和への結集・市民の風は、野党連合による政権交代を求めた「2008アピール」を発展させて、野党連合政権の樹立を求める「2009アピール」を公表します。(印刷用ファイル
     
     

    全野党・議員に向けての2009「平和への結集」アピール
    平和・環境・福祉・地方分権・選挙制度改革を柱に
    野党連合政権の樹立を

     私たちは、来たる総選挙で、野党連合による政権交代と野党連合政権の樹立を強く望みます。

     自民党・公明党政権の政治は、日本社会に大きなダメージを与えてきました。「痛みのともなう改革」の下、非正規雇用などの不安定雇用が増加し続ける一方で、医療、介護、福祉などは抑制され、格差、貧困、医療難民など深刻な問題が発生し、多くの人びとを苦しめ悲しませています。日本社会の活力は回復するどころか、社会の基盤が掘り崩されています。

     「改憲」をめざした安倍内閣は、国民投票法制定、教育基本法改悪などを強行して支持を失い、福田内閣は環境問題と外交に活路を求めたものの支持率低迷で投げ出し、麻生政権は選挙目当てのバラマキ予算に終始しても、さらに史上最低の支持率となりました。ここに来て、参議院での野党優勢の中で法案審議もろくに行わずに、衆議院の大量議席による再議決連発という乱暴な国会運営を行なっています。未曾有の世界的経済危機や人びとの不安に対し、自民党・公明党政権が打ち出す政策は場当たり的な対策ばかりで迷走を続け、未来への展望は少しも開けません。 

     オバマ米国大統領がプラハで核廃絶に向けた演説をしましたが、イラクやアフガニスタンでの戦乱は続き、東アジア情勢も不安定で、今後の世界情勢は未だ予断を許さない状況です。米国に追従し、日本国憲法を無視して海外派兵を行い、偏狭な歴史認識に固執してきた自民党・公明党政権には、近隣アジア諸国との友好関係は築けず、まして、環境や軍縮・和平の取り組みで世界をリードすることも期待できません。

     私たちは、このような自民党・公明党政権に終止符を打ち、国の政治の抜本的転換をはかるため、全野党間の選挙協力が強化されることを強く望みます。来たる総選挙で、野党第一党に投票を集中させるべきだという考えだけでは、市民間の多様な意見を政策に反映させることができず、場合によっては市民間の対立が拡大し、政権交代が困難になることも予測されます。また、少数意見が切り捨てられるという、アメリカ合衆国のような二大政党制の罠に落ちることが危惧されます。大連立の画策について報道されたこともありますが、そうした悪しき談合政治と訣別するためにも、部分的な選挙協力を超えた、幅広い野党間の連合を考えるべきではないかと思います。

     私たちは、全野党が市民とともに対話・協議を積み重ね、野党共通の政策を練り上げ、更には新しい日本の政治システムの創造をめざして活動する「野党連合」により総選挙に臨むことが必要だと考えます。それは、単なる選挙協力にとどまらず、憲法に示された平和や人権など共通の価値を基盤にして、憲法を守り、憲法の理念を活かすという点で共同できる勢力の連合となるべきだと思います。深刻な課題に直面している今日、大切なのは、お互いの意見の違いを強調することではなく、お互いの意見の共通点に着目して歩み寄ることではないでしょうか。かりに総選挙前にそのような野党連合が結成できないとしても、総選挙後の野党連合政権の樹立を見据えた野党間・野党と市民間の対話・協議が開始されることを望みます。

     私たちは、平和(憲法9条を活かして、世界の平和と軍縮をリードする積極的外交。)、環境(環境税や自然エネルギー導入等による地球温暖化防止と雇用の拡大。)、福祉(憲法25条にもとづく、格差・貧困問題、年金問題、医療崩壊などの解決。市民参加型の新たな福祉社会。)、地方分権(国と地方の間で、権限も税源も大胆に入れ替える根源的改革。)、選挙制度改革(死票が多く少数意見を切り捨て、野党の共倒れを招く小選挙区比例代表並立制を廃止し、民意を反映する新たな選挙制度の実現。国会議員定数を削減しない。)の5つが野党連合政権の政策の柱になると考えます。

     私たちは、「何かが変わる」ことを待つのでなく、私たちが「何を変える」かを考え、行動したいと思います。日本と世界の政治が大きな分岐点にある現在、市民と野党の協力こそが平和の危機や社会的混乱から日本社会を救う道であることを確信しています。

    2009年6月21日

     
    「平和への結集」をめざす市民の風
    http://kaze.fm/

    横須賀市長選 呉東正彦 応援レポート

    6月 17th, 2009 Posted by MITSU_OHTA @ 19:19:09
    under 一般 [9] Comments 

    横須賀市長選挙はいよいよ6月28日が投票日です!

    kawaruyokosukaさんの呉東さんビデオをご紹介します。

    ごとうさん決意表明6月11日文化会館(前半)
    http://www.youtube.com/watch?v=Ky6h5Uj4GJI
    ごとうさん決意表明6月11日文化会館(後半)
    http://www.youtube.com/watch?v=4PR4y1vPccw
    ごとうさん駅頭アピールリレー6月7日
    http://www.youtube.com/watch?v=XvqvIEna4tM
    宇都宮健児氏対談3の1−新人時代のエピソード6月11日横須賀文化会館
    http://www.youtube.com/watch?v=u5BbwJP9By0&feature=related
    宇都宮健児氏対談3の2(反貧困ネットワーク)6月11日横須賀文化会館
    http://www.youtube.com/watch?v=b1XYKLMNrw0&feature=related
    宇都宮健児氏対談3の3(首長のすべきことは)6月11日横須賀文化会館
    http://www.youtube.com/watch?v=Cf_YfcPoNac&feature=related

    応援レポート、続々追加しています…

    横須賀市長選 呉東さん応援のお願い 女性ファン必見♪
    横須賀市長選 候補者ごとうさん 人物レポート
    横須賀市長選 ごとう正彦さん応援レポート<告示日>

    【6月20日追記】

    演説:呉東正彦(ごとうまさひこ)弁護士
    日時:2009年6月19日
    場所:京急久里浜駅前
    撮影:太田光征(http://otasa.net/

    横須賀市長選 呉東正彦が訴える 1/4
    http://www.youtube.com/watch?v=0dLwi7VwE9o
    横須賀市長選 呉東正彦が訴える 2/4
    http://www.youtube.com/watch?v=ve2I_BqjIBY
    横須賀市長選 呉東正彦が訴える 3/4
    http://www.youtube.com/watch?v=hwi6UG8kk64
    横須賀市長選 呉東正彦が訴える 4/4
    http://www.youtube.com/watch?v=CBiVYSLIqEA

    6月11日に行なわれた、
    「市民の力で、変わる横須賀・大集会」に参加してきました。

    この集会は、「市民みんなの力で市政をつくる会」のが、
    6月28日投票の横須賀市長選挙候補者として擁立した、
    市民の弁護士・呉東正彦(ごとう まさひこ)さんの決起集会です。

    集会は大成功でした!

    同じ会場で行なった他の立候補予定者
    吉田氏の集会は入場者500、蒲谷氏は800と聞いていますが、
    呉東さんの集会にはおよそ1000人の人が集まりました!
    が、問題は中身。でもこれがとても良くて・・・
    配布してもらうために用意したマニフェストも
    机に用意したものがあっという間になくなり、
    在庫を求めて走り回るほどでした。

    さて、問題の中身。
    感動のエピソードを中心にご紹介します。
    ====================
    「市民の力で、変わる横須賀」大集会
    6月11日(木)18:30〜20:10
    横須賀市文化会館 大ホール

    プログラムは、
    八丈太鼓 まごめ会の太鼓演奏ではじまり、
    マニフェスト(09.06.11版)発表、
    ごとう正彦を応援する議員紹介、
    呉東さん応援歌「横須賀 あなたのいる町」(よろずピースバンド)演奏、
    グループ別活動報告、
    行動提案、と進み、
    対談 ごとう正彦・宇都宮健児、
    ごとう正彦の決意表明へ。

    呉東さんと宇都宮健児さんの対談、最高でした。

    宇都宮さんは、「反貧困ネットワーク」代表、
    「年越し派遣村」名誉村長としても有名な
    多重債務問題のエキスパート、あの宇都宮健児さんです。

    その宇都宮さんが始められた、
    “貧困弁護士事務所(多重債務者相手の仕事で経営難)”に
    始めて入った弁護士が呉東さん。
    だから呉東さんは宇都宮さんにとっても「一番弟子」なんだそうです。

    宇都宮さん曰く、
    呉東さんは「裏表のない熱血漢」
    「その人柄にはお墨付きを与えます!」。
    それを裏付けるエピソードとして、次のような話をしてくれました。

    80年代、旅行好きの呉東さんは、
    旅先の、当時はまだソ連・中央アジアのどこかの国で暴漢に遭い、
    顎にヒビが入る大怪我をしたのだそうです。
    けれど呉東さん、それに気づかず東欧に入り、
    「東欧のパンは硬いな〜」と思っていたとか・・・。
    意外と豪傑?、それとも??
    いえ、すごいのはその先の話です。

    日本に戻って数日後、怪我が判明。顎を固定し、流動食生活に。
    しかーし、なんと呉東さん、
    満足にしゃべることもできない、その体で相談者と面談し、
    1日も休まず働き続けたんだそうです。
    流石、筋金入りの「市民の弁護士」!

    でも、呉東さんはどうして、そんなにも頑張る人なんだろう?
    このあとの決意表明を聞いて、その謎が解けました。

    呉東さんは、横須賀生まれの横須賀育ち。
    高校は栄光学園、大学は東大法学部。
    実はこれだけ見ると、現職の蒲谷氏と全く同じなんです。
    もちろん、
    経歴と人柄が相関関係にあるのかどうかはわかりませんが、
    経験が人を育てていくのは事実です。

    呉東さんには大学生のとき、人生を変える経験がありました。
    病を患い、7ヶ月間もの入院生活を余儀なくされたのです。
    そのとき呉東さんは、
    「立ってる世界(健常者)と、寝ている世界(病人・弱者)は、
     こんなにも違うのか」と思ったそうです。
    「寝ている世界は苦しい、不自由。」
    しかも、
    「そのことを“立ってる世界の人”には伝えられない もどかしさ」。

    また、生死をかけた闘病の中、横須賀の空を見ながら
    「横須賀はいい町だ」と思ったのだそうです。
    「この町で一生を過ごしたい。」
    「この町の人の助けになりたい。」

    病を克服してから、猛勉強の末、弁護士資格を取得。
    宇都宮弁護士の事務所で8年間修行を積んだのち、
    呉東さんは横須賀の町に帰ってきました。

    横須賀での15年の活動で、
    借金に苦しむ相談者と話し、マンション問題に悩む人と共に闘い、
    わかったこと、
    それは、
    「市は市民の問題から逃げている」。
    だから呉東さんは
    「市民の傘となるため、立候補を決意した」のだそうです。

    呉東さんはこうも言っていました。
    「困っているのは、もうひとりの私です」
    「ほんとうに苦しんでいる人の力になりたい」と。

    おっと、
    長くなってしまいました。

    集会は、その後
    御礼の挨拶で終了・・・したはずです。
    (私は一足早くロビーに出なければなりませんでした)

    以上
    ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

    呉東さんに興味をもたれた方へ・・・

    呉東さんのブログ
       http://goto-masahiko.seesaa.net/

    ☆後援会に入る(市外の方も入れます。会費の定めはありません)
     ⇒ http://kawaruyokosuka.web.fc2.com/koenkai.html
    ☆横須賀在住の知り合いを紹介する
     ⇒ http://kawaruyokosuka.web.fc2.com/koenkai.html
    ☆呉東さんへの応援メッセージを送る
     ⇒ http://kawaruyokosuka.web.fc2.com/ikenyoubou.html
    ☆カンパを送る
     ⇒郵便振込口座  00260−7−48721
                 市民みんなの力で市政をつくる会

    みなさんのブログやHPでも応援を呼びかけてください

                                       hal

    世襲制限の立法化は壊憲クーデター

    5月 26th, 2009 Posted by MITSU_OHTA @ 0:20:31
    under 一般 [5] Comments 

    1. 政治改革詐欺としての世襲制限論議
    2. 世襲制限論議から選挙制度改悪第二幕へ
    3. 世襲制限の立法化は壊憲クーデター
    4. 政治論議で主権を切り崩す罠にはまらないために――「政治改革」ではなく、「主権保障」を

    政治改革詐欺としての世襲制限論議

     国政選挙での世襲を制限する議論が盛んですが、世襲制限については早くも抜け穴が考えられています。世襲候補を無所属で立候補させ、党県連が応援し、当選後に追加公認するという手です。実際、小泉純一郎氏の世襲選挙区でその可能性が指摘されています。

     「別の候補を立てなければ票は割れない。選挙に多少不利でも無所属で出馬し、当選後に追加公認される可能性が十分にある。しかも次男は自民党神奈川11区の支部長にとどまり、政党支部で企業・団体献金は受けられる。党執行部は刺客を送る考えはなく、県連が事実上支援することも黙認する方針だ。」(5月22日付け朝日新聞)

     千葉県知事選で森田健作氏が完全無所属を装い、自民県議多数の応援で当選し、当選後に自民党べったりであることを公然と認めたのとソックリです。

     世襲の制限といっても、その中身は、新人の世襲候補について、「同一選挙区から連続して立候補する場合は公認しない」(自民)「同一選挙区から連続して立候補するのを認めない」(民主)というもの。隣の選挙区からの立候補や、麻生首相のように間を空けた選挙での立候補を制限するものではないのです。メディア時代の今日、それで世襲制限というのは無理でしょう。

     
    世襲制限論議から選挙制度改悪第二幕へ

     民主党の世襲議員は全体の約1割とのこと。それほど多いとはいえないでしょう。世襲制限というのは、要するに、非世襲の自民党議員を選びたい、という要望に応えるものです。またぞろ自民党改革のための政治改革論議が持ち上がっているのです。

     いわゆる政治改革論議が小選挙区比例代表並立制の導入にすり替えられた90年代初頭を思い出します。金権腐敗をなくすなどと理屈をつけて、主権者の主権を侵害する小選挙区比例代表並立制が導入されてしまいました。

     選挙制度は、政治改革なかんずく自民党改革の道具ではありません。小選挙区制は、西松建設や熊谷組などが設立した偽装政治団体による企業献金を防げませんでしたが、自民の延命には見事に成功しました。主権者の主権を具体的に保障するための選挙制度が、政治改革詐欺の犠牲になってしまったのです。

     世襲制限が、議員定数(比例区定数)の削減とセットで語られていることに注意しなければなりません。国会議員はけしからんという世論が世襲制限論議で高じることで、比例区定数の削減をスムーズに進めやすくなります。

     自民と民主による見せ掛けの政治改革競争が、自民のさらなる延命に貢献する比例区定数の削減に収斂する。主権者の主権を侵害する選挙制度改悪の第二幕です。

     民主党は「行革」の一環として、議員自ら身を削るということで、マニフェストに衆院比例区定数の削減を盛り込もうとしています。自民党の菅義偉選対副委員長も「自民党が体質を変える覚悟として、自らの身を削ることを国民に約束することが必要だ」(5月24日 時事通信)として、議員定数の削減を主張しています。

     しかし比例区定数の削減は、決して自民と民主の身を削ることになりません。小数政党の身をさらに削ることで――主権者の主権を切り崩して――自民と民主の立場を安泰にする仕掛けなのです。

    [参考]
    比例区定数が100に削減された場合の衆院選比例区シミュレーション
    http://kaze.fm/wordpress/?p=229

     自民と民主が自分の身を削りたいなら、小選挙区制を廃止して、民意を反映する選挙制度に改正すればよいのです。

     
    世襲制限の立法化は壊憲クーデター

     世襲制限は、政党の内規で規制するだけなら私も歓迎しますが、これを立法でということになると、困ったものです。憲法で保障された職業選択の自由を明らかに侵しますから。

     民主党新代表の鳩山由紀夫氏も、必ずしも世襲制限の立法化を否定していません。「公平公正というもの、こういう観点から私どもは例えば法案を作るべきではないか、ということでございまして、従って国民のみなさんに望ましい政治風土を作っていくために公平公正な立場に立てるような、そんな選挙のプロセスを作り上げていきたい。という思いで世襲議論をしているところであります」(5月16日付け産経新聞)

     もしかしたら、ここで言う「法案」が、政治資金管理団体の相続を禁止する法案のみを指すのかもしれません。それでも、世襲制限に当たって立法化を排除するとの明確な方針は、自民・民主のいずれからも出されていません。

     例えば旧教育基本法の改悪という壊憲はけしからんが、世襲制限の立法化という壊憲は容認できる、というようなダブルスタンダードはいけません。世襲制限の立法化は、自公民による一連の立法壊憲と何ら変わらないではないですか。

     主権者が自ら憲法機能の空洞化に加担することは自殺行為です。これは、労働条件に関して、正規雇用者と非正規雇用者が、いわゆる「下向きの平準化」「底辺に向かう競争」を競い合う様に似ています。相手方の労働条件の切り下げが自分にも跳ね返ってくるという構造は、気付きにくいものです。世襲議員を駆逐したつもりが、主権の拠り所である憲法をズタズタにしていた、では笑うに笑えません。

     
    政治論議で主権を切り崩す罠にはまらないために――「政治改革」ではなく、「主権保障」を

     主権者と護憲政党である共産・社民などは、壊憲クーデターである世襲制限の立法化に反対し、あくまでも政党内規で対応するべきだ、という論に組みするべきです。

     さらに、世襲制限論議を選挙制度改悪ではなく、選挙制度改正の足がかりにする。小選挙区制では、同一政党から1人の候補者が立つのが普通なので、支持政党の候補者を重視する主権者は、世襲候補が立てば選ばざるを得ません。同一選挙区で同一政党から複数の候補者を立てられるようにすればよいのです。そうした選挙制度の1つとして、中選挙区比例代表併用制を提唱しています。

    [参考]
    中選挙区比例代表併用制を提案する
    http://kaze.fm/wordpress/?p=164

     世襲候補を排除する決め手は、世襲候補を擁立しない第三極を確保することです。自民党改革はウンザリ。その点でも、自民と民主に不当に有利な小選挙区制を廃止する必要があります。

     政治家を懲らしめようとするから、世襲制限という発想になり、壊憲と選挙制度改悪の形で、主権者が自ら墓穴を掘ってしまいかねない。そうではなく、目を自らに向ける。選挙制度改正により、主権者の主権を正当に保障することで、主権者が主体的に世襲候補を排除できるようにすればよいのです。

    2009年5月25日

    太田光征
    http://otasa.net/

    印刷用ファイル

    憲法9条を守り抜く4.24討論会〜2.21集会の提起と議論を深めるために〜

    4月 10th, 2009 Posted by MITSU_OHTA @ 11:35:39
    under 一般 [36] Comments 

     2月21日に「憲法9条を守りぬくために力を合わせよう! 2月21日パネルディスカッション」が開催されました。9条を守るために何をなすべきか、選挙共同を含めて議論をしようというのが本来の狙い。ところが実際は、十分な議論ができませんでした。

     そこで、24日に丸々討論を行う集会を「憲法9条を守りぬくために力を合わせよう! 2月21日パネルディスカッション」実行委員会が企画しました。私も実行委員です。討論への参加を呼びかけます。

    太田光征
    http://otasa.net/
     

    ◆ 名称 憲法9条を守り抜く4.24討論会〜2.21集会の提起と議論を深めるために〜
    ◆ 日時 2009年4月24日(金) 午後6時半〜9時
    ◆ 場所 文京シビックセンター(講道館となり)4階 シルバーセンター会議室B

     地図 http://www.cadu-jp.org/notice/bunkyo_city-hall.htm
     交通 丸の内線 後楽園駅4b出口すぐ/南北線 後楽園駅6番出口すぐ/JR水道橋駅東口 左折直進徒歩10分

    ◆ 参加費 500円
    ◆ 主催 「憲法9条を守りぬくために力を合わせよう! 2月21日パネルディスカッション」実行委員会

     連絡先
     9条改憲阻止の会
       〒160-0004 東京都新宿区四谷4-23 第1富士川ビ302号気付
       電話 03-3356-9932
     9条ネット
       〒103-0061 東京都中央区銀座5?15?18 銀座東新ビル4階
       電話 03-5652-3119