非改憲と民主的選挙制度改正を柱とする 「野党統一政策」が政権交代を確実にする

2月 27th, 2009 Posted by MITSU_OHTA @ 15:53:41
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非改憲と民主的選挙制度改正を柱とする
「野党統一政策」が政権交代を確実にする

野党各党御中

 新聞報道によると、次期総選挙後の連立政権を想定し、民主党、社会民主党、国民新党の3党が「大枠の政策合意」を作ることで合意しました。大いに歓迎します。3党だけでなく、日本共産党や新党日本なども政策合意作りに参加されることを希望します。

 社民党幹部は特に、「民主党と基本政策をすり合わせ、格差是正や憲法護持などを求めていきたい」としています(2月21日、産経新聞)。これは重要で、また当然といえます。憲法、特に9条については、これを変えるべきではないとする世論が6割を超えています。有権者と大連立する、民意を反映した野党統一政策を是非ともお願いします。

 現在の格差・貧困をもたらした大きな原因の一つは、派遣労働の原則自由化であると思われます。一部小数政党を除き、全政党がこれに賛成した経緯は、国会における小数政党の意義を照らし出すものです。この教訓を野党統一政策としての選挙制度改正に反映していただきたいと思います。

 小選挙区制が中心の現在の小選挙区比例代表並立制では、野党連合が得票率で与党連合を上回っても、議席獲得率で負けることがあります。このことは、2005郵政選挙の小選挙区で、与党が得票率49%で76%もの議席を獲得した「偽装勝利」でも明らかです。小選挙区制は、野党連合による政権交代(政権交代後にはその維持)にはまったく不向きの選挙制度です。

 小選挙区制はまた、小数政党抹殺政策であり、野党連合の精神と相容れないです。パートナー政党を窮地に陥れるような選挙制度改定を、野党の一部が主張することはありえないはずです。

小選挙区制の下では、勝利の見込みが高い野党候補として、民主党候補に支持者以外からも票が集中する傾向があります。これは、死票を回避する「選挙制度修正的」投票行動として意義がありますが、同時に、比例区では民主党以外の野党に票を集中させることで、各党が政党支持率に見合った議席を獲得できるようにすることが必要です。

 青森県の民主党県連と社民党県連合は、まさにそのような「選挙区すみ分け投票」の選挙協力を行う協定書を交わしました(2月25日、朝日新聞)。これを全国規模、全野党共闘の枠組みに拡大して行うべきだと考えます。これにより、野党議席数が最大化するとともに、憲法などに関する世論を反映した議員構成に近づきます。

 野党統一政策の柱の一つに、比例代表制を基本にした制度など、死票を最小化する選挙制度を盛り込んでいただきたいと思います。それにより、野党共闘は一層強固になり、また有権者レベルでの選挙共同も促進され、政権交代がより確実なものとなるでしょう。

 具体的な選挙制度改正案については、政党と有権者とが協議できる場を設定し、そこで十分に議論することが必要だと考えます。有権者と大連立する姿勢を明瞭に出してください。

 民意を反映して9条改憲をしない、誠実な野党共闘を進める、その担保として、野党共倒れをもたらし政党間格差を拡大する小選挙区制を廃止し、民意を反映する選挙制度改正案で合意する――これが民意を反映する政権交代の近道です。よろしくお願い申し上げます。

2009年2月27日

太田光征
http://otasa.net/
 
 
要望先(FAX番号・メールアドレス)

民主党代表 小沢一郎 3503-0096
民主党代表代行 菅直人 3595-0090
民主党副代表 岡田克也 3502-5047
民主党幹事長 鳩山由紀夫 3502-5295
民主党参議院幹事長 平田健二 5512-2332
民主党政策調査会長 直嶋 正行 3503-2669
日本共産党 info@jcp.or.jp
社会民主党党首 福島瑞穂 3500-4640
社会民主党幹事長 又市征治 5512-2537
国民新党代表 綿貫民輔 3504-2569
国民新党代表代行 亀井静香 info@kamei-shizuka.net
新党日本代表 田中康夫 yassy@yasu-kichi.com

衆院比例区定数の削減方針を撤回されるよう求めます

2月 8th, 2009 Posted by MITSU_OHTA @ 19:48:47
under 選挙制度 [4] Comments 

民主党政治改革推進本部本部長 岡田克也様
参院改革協議会座長・民主党参議院幹事長 平田健二様

衆院比例区定数の削減方針を撤回されるよう求めます

 国会活動、いつもありがとうございます。鳩山由紀夫幹事長が定額給付金を(一部有権者を意識した)選挙買収だと評しましたが、同感です。ここ数年間、衣類といえば、下着類と仕事着しか購入できない経済状況にある私ですが、定額給付金は受け取りを拒否します。あるいは受け取って、日本による間接的な被害者といえるパレスチナ被占領民などのために、寄付したいと思います。貴党には、主権者を愚弄しない政策提案を期待しています。

 さて、貴党政治改革推進本部は6日、次期衆院選の公約で衆院比例区定数を80削減する方針を決定されました。この点につき、要望いたします。

 国会議員の定数削減は、与党と貴党から同時に主張されています。歳出削減という意味での行政改革の一貫のようです。鳩山幹事長も昨年、次期衆院選の公約で衆院議員定数の2割削減を盛り込む方針を明らかにした際、「行政改革をやるために、まずは自分の身を切るところからスタートさせたい」と語られています。

 しかし、身を切られるのは主権者の方ではないでしょうか。小選挙区制ゆえ、主権者の票の多くが死票となり、憲法で規定された全国民の代表たる国会議員を選出できない事態にあります。小選挙区選挙に比べ民意を反映しやすい比例区選挙の定数が削減されてしまえば、主権者の主権は一層侵害されます。そもそも小選挙区制は、コンドルセのパラドックスを発生させるなど、選挙制度とはいえません。

  コンドルセのパラドックス
  http://kaze.fm/wordpress/?p=215

 歳出削減をされたいのであれば、政党助成金を拒否されてはいかがでしょうか。主権者の主権を切崩す必要のない方法です。是非ともまずはこちらをご検討ください。

 比例区定数が80削減された場合のシミュレーションによれば、当然ながら、貴党の議席獲得率は増加します。決して貴党が「身を切る」ことにはなりません。

  比例区定数が100に削減された場合の衆院選比例区シミュレーション
  http://kaze.fm/wordpress/?p=229

 日本の国会議員数は、ヨーロッパ諸国と比べはるかに少ないのが実際です。アメリカ連邦議会の議員数が日本の国会と比べ多いことがしばしば指摘されますが、アメリカ連邦議会は州の権限が強く、政治構造が異なるため、比較になりません。現在でさえ日本の国会議員は、読みこなすことができないほどの法案件数を抱えています。これ以上議員数を削減して主権者の代表が務まるのでしょうか。

 比較大政党すべてが労働者派遣の原則自由化を認めたことで、労働者の生存権が切崩されてきました。現在の貧困は、小選挙区制による強制的な二大政党制潮流の下で、その出現が可能になったのだと私は考えます。アメリカがいい先行例です。

 正規雇用者の立場を安泰にするつもりで非正規雇用者の労働条件を切り下げると、正規雇用者の足元を自ら切崩すことになる。非正規雇用者も、正規雇用者の労働条件切り下げ圧力をかけることで、自ら墓穴を掘ってしまう。一見対立するように見える正規雇用者と非正規雇用者は、労働条件に関し運命をともにしている――このことを最近、労働者は学び始めました。

 本公開要請文をご覧の主権者の皆様。国会議員は主権者にとって生存上の敵ではありません。比例区定数を削減しようという主張に主権者が同調することは、主権者の主権と生存権を自ら一層切崩すことになるでしょう。

 民主党の皆様。比例区定数削減の方針は撤回されるよう、また、選挙制度改革について主権者と政党が協議できる場を設けていただくよう、お願いいたします。

2009年2月8日

太田光征
 
 
FAX番号

民主党政治改革推進本部本部長 岡田克也 03-3502-5047
参院改革協議会座長・民主党参議院幹事長 平田健二 03-5512-2332
 
 
【関連投稿】

小選挙区制の廃止へ向けて
http://kaze.fm/wordpress/?p=215
中選挙区比例代表併用制を提案する
http://kaze.fm/wordpress/?p=164
小選挙区比例代表併用制の問題点
http://kaze.fm/wordpress/?p=220
大選挙区制(中選挙区制)の問題点 〜連記投票制の落とし穴〜
http://kaze.fm/wordpress/?p=232
比例区定数が100に削減された場合の衆院選比例区シミュレーション
http://kaze.fm/wordpress/?p=229

憲法9条を守る共同行動をひろげるために2.21共同討論会

1月 25th, 2009 Posted by MITSU_OHTA @ 11:51:25
under 一般 [26] Comments 

 いよいよ改憲国民投票が可能になる2010年が間近です。今年必ず行われる総選挙では、すでに各党が候補者をほぼ決定していて、小選挙区のみを視野に入れた広範な平和選挙共同は期待できません。

 来年の参院選についても、自民党は候補者公認を前倒しで進めています。各党もそれにつられ、候補者擁立を急ぐ可能性があります。またしても平和共同候補運動の「出遅れ」が心配されます。

 今年、来年と選挙共同が重要な年が続きます。2.21共同討論会で有効な運動手法を探っていきましょう。

太田光征

シンポ案内チラシ
シンポ呼びかけ人

憲法9条を守りぬくために力を合わせよう!
2月21日パネルディスカッションのご案内
(最終案内)

 麻生内閣は、「政局より政策」を主張し、第二次補正予算と09年度予算の成立をもってその人気を回復しようと、政権に居座り続けています。

 アメリカ発の金融恐慌は直ちに日本の企業を直撃し、大企業を中心とする「派遣切り」に示されるように、そのしわ寄せが非正規雇用者をはじめ働く者や国民の最も弱い部分に押し付けられ、10万人以上の解雇者が社会的手当を欠いたまま路頭に放り出されています。

 政府・国会は2008年、給油延長法を衆院3分の2の多数で再議決し、「海上自衛隊インド洋派兵」を引き続き強行、アフガニスタン市民を殺傷している戦争に荷担しています。さらに麻生内閣はソマリア沖海賊対策と称して、海上自衛隊の海外派遣を決定し、更に自衛隊海外派兵恒久法成立を狙っています。これらは明らかに憲法第9条の空洞化です。

 市民は年末から「年越し派遣村」をつくり、多くの共感を呼びましたが、政府は無策でした。また、イスラエルがパレスチナ人150万人が居住するガザ地区に侵攻し、大勢の子どもを含む1300人以上を虐殺、世界各地からの怒りの声が上がりましたが、日 本政府は無策でした。

 私たちは憲法9条を生かし、世界から戦争や貧困・格差をなくしたいと願います。軍隊を持つための9条改定は、私たちの生存権や思想・信条・表現・教育の自由などの 基本的人権すべてを侵害することに直接つながっています。「憲法改正手続法」施行が来年5月に迫っている今、私たちは、改憲を許さないためにそれぞれの力を合わせ ていきたいと思います。

 2月21日(土曜日)に「パネルディスカッション」を開催し、真摯に話し合い、小さな私たちの力を合わせて、大きな力として憲法9条を守り抜く道をつくりたいと考えます。ぜひこの会にご参加下さいますようお待ちしております。

<パネルディスカッション>

開催日時:2009年2月21日(土曜日)13時30分〜16時30分
場 所:文京区民センターB2
     東京都文京区本郷4−15−14
     TEL 03(3814)6731
地図:http://www.cadu-jp.org/notice/bunkyo_city-hall.htm
交通:都営地下鉄三田線・大江戸線 春日駅A2出口 左折すぐ/南北線 後楽園駅6番出口 徒歩3分/JR水道橋駅東口 左折直進徒歩10分

<テーマ及びパネラー>

最近の世界金融恐慌について:伊藤 誠(経済学者)
平和運動の経験から:糸井玲子(キリスト者政治連盟)
ドイツ左翼党の経験から:伊藤成彦(中央大学名誉教授)
派遣切り・非正規雇用者の現実:山口素明(フリーター全般労組)
憲法・自衛隊・田母神論文問題:山内敏弘(龍谷大学教授)
子どもたちと生きる:星野弥生(翻訳家)
イスラエルのガザ侵攻と改憲問題:奈良本英佑(法政大学教授)
司会進行役:布施哲也(東京清瀬市市議会議員)

主催:2.21パネルディスカッション実行委員会
連絡先:3356-9932(改憲阻止の会)、5652-3119(9条ネット)、0423-84-7505(糸井)、0424-93-2982(布施)

2.21 パネルディスカッション呼びかけ人氏名(2月1日現在、あいうえお順)

相川晴彦(しろいし・九条の会世話人)
池辺幸恵(平和のピアニスト)
糸井玲子(キリスト者政治連盟)
上原公子(前国立市長)
江原 栄昭(9条ネット)
大柳武彦(ねりま九条の会)
川田 洋(改憲〈国民投票〉を考える五月企画委員会)
北野弘久(日大名誉教授)
小西 誠(社会批評社)
下山 保(元生協理事長)
土松克典(小川町企画)
奈良本英佑(法政大学教授)
藤山顕一郎(映画監督)
淵上太郎(9条改憲阻止の会)
前田知克(9条ネット共同代表・弁護士)
正清太一(浅沼実行委員会)
柳田 真(たんぽぽ舎)
山内敏弘(龍谷大学教授)
山崎耕一郎(労働者運動資料室長)
米田隆介(「M66」世話人)
天木直人(元レバノン大使)
伊藤成彦(中央大学名誉教授)
伊藤 誠(経済学者)
江田忠雄(9条改憲阻止の会)
太田光征(「平和への結集」をめざす市民の風)
川上 徹(これからの社会を考える懇談会)
神田香織(講談師)
國弘正雄(元参議院議員)
斎藤貴男(ジャーナリスト)
竹村英明(「平和への結集」をめざす市民の風)
長岩 均(日米安保条約無効訴訟原告)
平田 豊(前北部労協事務局長)
布施哲也(東京清瀬市市会議員)
星野弥生(翻訳家)
前田裕悟(全労協副議長)
門間幸枝(ピースシンガー)
山内徳信(参議院議員)
吉原節夫(平和憲法21世紀の会)

呼びかけ

 麻生政権は急速に支持率を下げ、総選挙のめどさえ立たないありさまです。その間、自動車産業での派遣労働者の解雇、ソニーの16000人首切りを始め、金融危機の津波が押し寄せ、深刻な不況が全世界にひろがっています。

 安倍首相の退陣により、憲法改悪の動きはひとまず後退したかのように見える中、インド洋での補給支援法は1年延長されました。 ソマリア沖海賊対策を口実とする新たな派兵も動きもあります。また田母神発言に見られる歴史の改ざんとシビリアンコントロールの空洞化など、憲法9条を無きものにする既成事実化が進んでいます。選挙結果によっては、政局は大流動過程に入り、改憲推進勢力が再びかたちを変えて登場することも予想されます。

 一方、9条改憲に反対する声は、有権者の3分の2以上を占めながら、それぞれの政党や団体ごとに運動が分断され、広範な人々の意思を表せる場がありません。誰もが願っている運動の統一は、未だ達成できてはいません。

 2010年には、改憲のための国民投票法が実施できるようになり、いつでも憲法改正法案が発議できる状況に入ります。同じく2010年には参院選挙が闘われます。国政選挙でも、「改憲反対」派が多数を占めるためには、民主党の改憲反対の議員から共産党、社民党、新社会党、無所属にいたるまで、党派を超えた多様な選挙協力が不可欠です。

 そこで、来る2月21日に、この間憲法9条を守るために活動をし、また共同の必要を痛感してきた団体・個人が一同に会し、以下のよう討議したいと存じます。

 第1に、9条改憲に反対する様々な個人・団体が、今後の運動の見通しや共同と連帯の場を築くために、知恵を出し合いともに考えたいということです。

 第2に、来るべき総選挙と2010年参院選に向かい、改憲反対議員を増やすための知恵を出し合い、選挙協力できる方途をさぐりたいと思います。

 第3に、こうした論議を積み重ねつつ、改憲の先取りとなる補給支援法や横須賀米空母母港化、沖縄新基地建設などに反対する取り組み、さらには総選挙後の新政権の動向に対応できる連帯の輪をひろげる道も探りたいと存じます。

 派遣切りや非正規労働者の解雇、就職内定取り消しに対する闘いも広がっています。世界不況のしわ寄せを労働者・民衆に押しつけることに反対し、25条の生存権を保障する社会をめざす大きな政治的運動が必要とされます。

 9条とあわせて25条を実現する闘いは、派遣や非正規雇用の労働条件改善を求める青年労働者の新たなうねりと連帯できるものと確信しています。

 そのための以下の要項で行う試みに、ご賛同いただき、シンポジウムにご参加くだるようお願い申し上げます。

・名称:憲法9条を守る共同行動をひろげるために2.21共同討論会
・参加費:800円(資料代を含みます)
・日時:2009年2月21日(土)午後1時半〜午後4時半
・会場:文京区民センター2階ホール
・主催団体:憲法9条を守る共同行動をひろげるために-2.21共同討論会 実行委員会
・連絡先
 9条改憲阻止の会
   〒160-0004 東京都新宿区四谷4-23 第1富士川ビ302号気付 03-3356-9932
 9条ネット
   〒103-0061 東京都中央区銀座5?15?18 銀座東新ビル4階 03-5652-3119
 糸井玲子(キリスト者政治連盟) 0423-84-7505
 布施哲也(東京清瀬市議会議員) 0424-93-2982

湯浅誠「反貧困 これは『彼ら』の問題ではない」

12月 6th, 2008 Posted by MITSU_OHTA @ 22:12:33
under 一般 [1603] Comments 

 活憲政治セミナー第2回「湯浅誠さんと考える格差・貧困問題」の報告です。ブログなどで宣伝していただいた方、ありがとうございました。

 正規労働者と非正規労働者の労働条件は分断した関係にはなく、一方の劣悪化が他方の劣悪化を招く。この構図には気付きにくい。貧困が「『彼ら』の問題ではない」というのはそういう意味です。

 宇都宮健児さんのお話を聞く機会が以前にあったのですが、ヨーロッパでは街頭で社会保障の宣伝パンフレットを配っているということです。ところが日本では、自衛隊が電車の中吊り広告で自衛隊員を募集していると湯浅さんから聞いて驚いた。

 2006年2月に京都で母親を自らの手で殺めるなどした事件の背景には貧困があった(湯浅誠『反貧困』岩波新書参照)。刑務所が足りないからと民間資本を導入した刑務所の増設や厳罰化で、あるいは「裁判員制度」の導入でこうした事件がなくなるわけではない。社会問題を見つめる共通視点に<反貧困>を据えるべきです。

 憲法25条(国の社会保障義務)の執行と貧困をなくす政治を求め、国と政党を突き上げていきましょう。

 以下は、講演と質疑応答の発言要旨です。(印刷用ファイル
 
 
講師:湯浅 誠さん(NPO法人自立生活サポートセンターもやい事務局長/反貧困ネットワーク事務局長)
主催:「平和への結集」をめざす市民の風
日時:2008年12月1日
会場:東京都港区立港勤労福祉会館
 
 
http://video.google.com/videoplay?docid=-3926011305873517662

 
 
大企業経営者の責任を「自分の子や孫に、人の命を大切にしなさいと言えますか」と痛烈に問うている湯浅さんのNHK「視点・論点『派遣切り』」(2008年12月23日)のビデオを採録しておきます。

http://jp.youtube.com/watch?v=4b2loVd-WMk

 
 

目次

1. 講演 湯浅誠「反貧困 これは『彼ら』の問題ではない」

アメリカ発の世界同時不況で「派遣切り」
年越し電話相談会
正社員を切っていったら、ワーキングプア自身の足元を掘り崩していた
貧困層が示す問題は、今後進む社会の姿を示す
3段構えのセーフティーネットから落ちる貧困層
家族が抱えられない貧困層は「NOといえない労働者」となって帰ってくる
貧困問題はブーメランである
正規と非正規――均等待遇のほかに、支出を減らす取り組みを
きわめて弱い日本の社会保障
労働市場の質を保障する社会保障の役割
ちょうちん型からひょうたん型へ――所得階層型の変化
貧困層の拡大と中間層の縮小はセット
世の中が地盤沈下するほど魅力的になる自衛隊
戦争・憲法9条・貧困
垣根を越えてつながるということ
社会運動の復権

2. 質疑応答
 
 

1. 講演 湯浅誠「反貧困 これは『彼ら』の問題ではない」

湯浅誠セミナー・相談

アメリカ発の世界同時不況で「派遣切り」

 この十数年で正規雇用者が約500万人減り、非正規雇用者が約600万人増えている。まさにこの時のために非正規への切り替えが行われてきた。11月28日に厚生労働省が公表した予測では、来年3月までに3万人超の非正規雇用者が切られる。この数値は、厚生労働省がハローワークを通じて企業に問い合わせた結果で、少なく見積もられていると思われる。つまり、よく分からない。

 派遣ユニオンが29日と30日に「派遣切りホットライン」を開設し、480件の電話を受けた。派遣ユニオンの関根秀一郎氏は、最終的に10万人が切られると予測している。

 派遣労働者の少なくない人は会社の寮に入っているので、職を失うことは文字通り路頭に迷うことになる。神奈川の厚木で日産のドライブシャフト生産の仕事をしていた31歳の男性が11月18日、相談に来た。11月29日で仕事がないので、20日に寮を出て行くように言われたという。帰る家もなく、所持金は10万円で、住む所がない。80人中、切られたのが9割で、残ったのが8人だそうだ。

 1週間前にはキャノンの宇都宮工場で働いていた45歳の女性からメールが来た。噂では自分の部署では年末まで仕事がありそうだが、その先について会社は何も言わず、精神的に追い詰められているという。宇都宮工場は、偽装請負が告発されたところで、告発した労働者はその後直接雇用された。うち一人は雇い止めに遭い、非自発的失業だが、会社が離職票を出してくれないので失業保険をもらえず、苦しい闘いを強いられている。

年越し電話相談会

 12月24日には「年越し電話相談会」を開く。そして25、26日に駆け込みで生活保護の申請を行う。年末年始のように世間がのんびりしている時期は、仕事がないので、不安定労働者にとってはつらい時期だ。冬であるから、初めて野宿する人は大変だ。しかも役所が閉まっているので、駆け込む先がない。不幸なことに、今年は26日が仕事納めで、来年の仕事始めは5日と、年末年始の期間が長い。

 去年も東京で行い、3回線で85件の相談を受けた。今年は全国で5、60回線を引き、1,000件の電話受付を予想している。掛けてくるのは10倍はいるだろうが、つながらず、放置されることになってしまう。

正社員を切っていったら、ワーキングプア自身の足元を掘り崩していた

 不景気の時に非正規労働者を雇用の調整弁に使うのは今に始まったことではない。70年代に鎌田慧さんが『自動車絶望工場』を書く以前からだ。かつて非正規労働者は、地元に帰れば生活基盤がある出稼ぎ労働者であるとか、親と一緒に住んでいるフリーターであるとか、夫に十分な収入のある主婦パートであり、雇用を切られても大丈夫だと言われていた。他方、正規雇用者は、家族を養う必要があり、非正規とは立場が異なり、それなりの仕事もしているということで、非正規切りに目をつぶってきた。

 ところが最近、非正規労働者の中にはワーキングプア、つまり切られれば生活できなくなる人が相当数いることが明らかになってきた。切られえれば食えなくなるのは正規と同じであり、いま、かつてと同じ非正規切りをやるのかということが問題となる。経営サイドはそのために非正規を増やしてきたので、同じことをする。正社員が同じことをするかどうかがポイントだ。

 90年代、フリーターはライフスタイルであり、最近の若者は分からん、本人の問題であると片付けられてきた。野宿者についても同様。しかし今はワーキングプアより正社員が攻撃されている。正社員や公務員が既得権益の上にあぐらをかいているから、ワーキングプア問題が解消しないのではないかと、「規制改革会議」などが強調している。本音は組合つぶしだ。

 派遣切りや食えない実態がこれから炙り出されてくると、正社員は何をやっているのだ、ということになる。春闘の時に何を要求するかが問題になってしまう。食えない側の人からは正社員に対して批判が起こり、そうした主張をする人に支持が集まるようになる。結果、「規制改革会議」などが勢いづく。

 今でも正社員、公務員には非正規が相当数入ってきており、かなり切崩されている。さらに正規の足元を切崩していっても、ワーキングプアは浮かばれない。分配はワーキングプアに回らない。正規の低職化(労働条件低下)が非正規の待遇低下をもたらすという構図が広がってきている。成果主義が導入され、ホワイトカラーエグゼンプションが導入されかかり、正社員の低職化が進んできた。正社員を切っていったら、ワーキングプア自身の足元を掘り崩していた――これがこの10年の一番の反省点だ。

 ただこれが一般に広まっていない。派遣切りがこれだけ広がる中、例えば自動車総連が記者会見を行ったか。見たことがない。派遣切りに反対するために正社員中心の労組がストライキを打ったというニュースも聞かない。そうすると正社員に対する圧力が強まる。これは貧困問題が正しく捉えられていない結果であると思う。

 12月15日にNHKで「セーフティーネットクライシス」が放映される。今アメリカ自動車産業はガタガタだ。番組の説明を聞いたところでは、自動車工場労働者が、80年代のレーガノミックス時代から非正規が増やされるのを黙って見てきた、自分たちに関係がないと思ってきた、だがこういう事態になって深く反省している、とコメントをしているという。非正規が拡大すると正規が浮かんできて、高待遇が批判され、足を引っ張られ、正規が沈んでいく――その時に慌てても遅い、ということになる。

貧困層が示す問題は、今後進む社会の姿を示す

 こうした事態は様々なところで起きている。例えば妊婦たらい回し死亡事件。医療崩壊が言われて久しい。医療費を切り詰め、診療報酬を引き下げ、医療費の公的負担を無くし、患者の自己負担を上げていけば、病院経営が成立しなくなることはずいぶん前から指摘されていた。

 しかしこれが社会全体としては受け止められてこなかった。その結果まず、貧困層が医療を受けられなくなる。ところが妊婦たらい回し死亡事件で、貧困層だけの問題ではなくなった。

 貧困層が示す問題は、今後進む社会の姿を示している。単に貧乏人が増えた、ガッツのないやつが増えた、というのは正しくない捉え方で、対応を取り違え、問題が進行してしまう。

 貧困問題は「あの可哀想な人たちを何とかしてあげましょう」というだけの問題ではない。今度行う電話相談会などは必要だが、そうした取り組みをしなければ貧困問題に取り組んだことにならない、ということではない。

3段構えのセーフティーネットから落ちる貧困層

 日本の代表的なセーフティーネットは、雇用、社会保障、公的扶助という3段構えになっている。3段目の先には誰一人行かせない、と謳っているのが憲法25条(国の社会保障義務)。しかし最後の3段目の下に、600万〜850万人が生きていると言われる。これは複数の学者の推計値だ。公的資料が欲しいが、政府は頑として調査しないので正確な数値は分からない。

 3段目から落ちた人のほとんどは家族が支えている。介護・福祉現場で働く正社員の3割の年収は238万未満であるとの調査結果が、約2週間前に出た。しかも正社員の4割が経済的に自立できないという。2006年のOECD調査で、日本の相対的貧困率がアメリカに次いで高い、と発表されたが、そこで採用された「相対的貧困」の定義が238万円未満である。その倍の476万円が日本の所得の中央値だからだ。

 3段目から落ちた人を家族が支えているから問題がない、というわけではない。40歳になるフリーター第一世代の親は労働市場を引退している。親自身が自分の老後に不安を抱えている。いつまでも子供を抱えていられず、家族内の軋轢が高まってくる。極限に達すると、事件が起こってしまう。事件しか注目されない。なぜ家族の軋轢が高まったのかに目が届かず、貧困問題が置き去りにされる。

 家族が抱えるということは、私的なセーフティーネットが公的なセーフティーネットの肩代わりをしていることだから、無理がある。無理が高じると、老老介護虐待、児童虐待などの事件が起こるが、貧困の問題にまで目が届かない。

家族が抱えられない貧困層は「NOといえない労働者」となって帰ってくる

 労働市場と公的セーフティーネットもだめ、家族も抱えられない「可哀想な人たちを何とかしてあげましょう」では済まない。生きようとすれば労働市場に戻ってこざるを得ない。今日明日の食にも事欠く人はどんな低賃金、労働条件でも働くという人になって戻ってくる。「NOといえない労働者」だ。日給5千円を受け入れる労働者の出現で、なぜ日給1万円を支払う必要があるのか、となってしまう。こうして労働条件が劣悪化していく。

貧困問題はブーメランである

 貧困は労働市場が壊れてきた結果として広がっている一方で、貧困の広がりは労働市場を壊す原因にもなっている。この循環関係を見ないと、自分たちの労働条件がきつくなる。ところが、労働条件の劣悪化は低賃金で働く者がいるからだ、とすり替えられ、正社員と非正規がいがみ合う妙な構図になってしまう。

正規と非正規――均等待遇のほかに、支出を減らす取り組みを

 日本の正規労働者の賃金は年齢とともに増える年功序列型で、非正規の賃金は30歳くらいで頭打ちになるフラット型だ。ヨーロッパでも非正規はフラット型だが、日本の非正規のように、結婚もできないし子供も産めない、というわけではない。

湯浅誠セミナー・収入カーブ

 何が違うのか。日本の支出カーブも年功型だ。子供ができれば支出が増えるから、賃金カーブも40、50で山型を示さなければならない。正社員からすれば、確かに非正規より多く賃金をもらっているが、子供の養育費などがかかり、余ってしょうがない、というわけではないだろう。正社員でも年収400万から800万の範囲で、300万未満が増えている。正社員が既得権益でもらい過ぎだ、というのはどうも怪しい。

 年功型とフラット型賃金カーブの間を取ればいいかというと、支出カーブが今のままでは、どちらも暮らせない。労働市場の中での均等待遇のほかに、支出を減らす取り組みをしないと、バランスがとれないだろう。

 ところが実際は、賃金カーブの山が沈み、支出カーブの山が高くなり、生活が苦しくなっている。給料は下がりながら、医療費の自己負担が上がるなど、家計支出が増えているのだ。国民生活基礎調査によると、生活が苦しいと答えている人が56.2%と過去最高である。

 支出を高支出型から中・低支出型に変えていくことをかませないと、正規の年功型賃金と非正規のフラット型賃金を比較しても埒が明かないだろう。この点では、正規と非正規の利害は一致している。

きわめて弱い日本の社会保障

 ところが労働者の社会保障はきわめて弱い。日本の社会保障費のGDP比は17.7%で、仏独の半分以下、2.5分の1くらいしかない。しかも日本の社会保障費のほとんどは医療と年金で、残りの1.9%に雇用保険や職業訓練などすべての労働保障費が入ってくる。医療・年金以外で比較すると、仏独の8分の1しかない。

労働市場の質を保障する社会保障の役割

 すべて賃金で稼がねばならず、会社から放り出されたら終りになるから、中間層を含め「NOと言えない労働者」になってしまう。

 フランスでは2005年、25歳までの若者を非正規で2年間自由に解雇できる代わりに雇用を促す制度「CP」が導入されかかった。ところが若者と労働組合の大反対で2006年に潰れてしまった。その時の「自分たちの労働力は安売りしない」というスローガンが印象に残っている。

 日本ではフランスのように労働市場の外で暮らしていける余地が極めて少ないから、そんなことを日本で言えば、自分が食えなくなる。
 
 CP反対運動で労組が参加したのは、それを許せば蟻の一穴になり、自分たちの雇用も失われていく、と判断したからだ。日本で若者が「自分たちの労働力は安売りしない」と言えば総袋叩きに遭う。仕事はえり好みしなければいくらでもあるから働け、と言っているうちに、自分たちの墓穴を掘っていくことになる。

 労働者の社会保障は、労働市場の質を保つためにある。それがあれば非人間的な労働条件にNOと言える。しかし例えば雇用保険や失業保険をもらえない場合、提示された労働条件を拒否できず、NOと言えない労働者にならざるを得ない。こうして労働市場が壊れていく。労働市場の中と外を同じ問題として位置づける必要がある。

ちょうちん型からひょうたん型へ――所得階層型の変化

 かつての日本は中間層がぶ厚く、上下の格差が小さいちょうちん型社会だと言われた。しかし現在、「風船」が横から潰された形、縦長楕円型になっている。貧困ライン以下が増加し、中間層が細ってきた。課税所得400万から800万は減少し、300万以下が増えているのが実態。縦長楕円型は同時に、富裕層が増えてくるということ。純金融資産1億円以上の富裕層は150万人いる。生活保護受給者は157万人だから、ちょうど同じくらい。

湯浅誠セミナー・収入階層型の変化

 このまま行くと「風船が破裂する」。その手前は「ひょうたん型」。中間層が薄く、上下極端に2極化されたアメリカ型だ。

貧困層の拡大と中間層の縮小はセット

 ひょうたん型への移行は、貧困層の拡大と中間層の縮小がセットになっているということだ。その結果、職場がきつくなり、学校や病院などいろいろな現場から排除されやすくなる。

 例えば新幹線車両の清掃業務。運転本数は増えているが、料金を上げることはできないので、労働強化になる。てきぱきできない人は、同僚からいじめに遭い、失業保険の出ない自発的失業に追い込まれるのではないか。外では、働けるのに働かない、甘えるんじゃない、などと言われ、はじかれる。こうして貧困が生み出される。NOと言えない労働者となって帰ってくる。

世の中が地盤沈下するほど魅力的になる自衛隊

 自衛隊は優良就職先になっている。電車の中吊り広告で自衛隊が募集をしているのには驚いた。北海道、仙台、東京で見かけた。自衛隊は今が書き入れ時とみて、全国的に宣伝攻勢に出ている。「もやい」に相談に来た食い詰めた若者に自衛隊を宣伝してほしいと、「もやい」にもアプローチがあった。

湯浅誠セミナー・自衛隊中吊り募集広告

 自衛隊には警察と消防というライバルがいる。警察と消防を引き合いに出しながら話が進んだ。警察と消防は高卒でなければならないが、自衛隊は中卒でも大丈夫だ、と話が始まる。試験は簡単で落ちない、自分の名前を書ければよい、と。大事なことは五体満足なことだ。とにかくウェルカムだ。試験と入隊のブランク期間も、自衛隊OBの警備会社が雇うので問題ない、と自衛隊は説明する。

 18歳から25歳までが応募できるのは、陸上自衛隊2年、海上・航空自衛隊3年のコース。陸上自衛隊2年間の賃金は531万円で、退職金が60万円。海上・航空自衛隊3年間の賃金は1,147万円で退職金が90万円。つまり年収300万、400万。食いっぱぐれた中卒者、二十歳そこそこでこれだけの高待遇はない。世の中が地盤沈下するほど自衛隊の魅力が高まるのだ。

戦争・憲法9条・貧困

 野宿者にも自衛隊経験者は多いが、こういう問題は9条との関係で表立っては語られてこなかった。戦争と貧困はアジア、アフリカでは常にセットで語られる。非常に有意義だった今年の9条世界会議でも、戦争と貧困や9条(戦争放棄)と25条(国の社会保障義務)の分科会はなかった。

 日本は堤未香さんがルポしたアメリカ社会に近づきつつあり、9条と25条をセットで考える必要がある。貧困問題は貧困当事者だけの問題ではなく、当事者が望まなくとも、(戦争へ向かう)圧力、操作に使われる。

垣根を越えてつながるということ

 政治家が貧困の解決を建前としては否定できないところに私たちの攻めどころがあるだろう。貧困の実態を突き付けられると、誰もほっとけとは言えなくなる。後期高齢者医療制度に賛成する政治家はいるが、医療費を払えない、と高齢者の家計簿を見せ付けられれば、何とかします、と言わざるを得ない。貧困実態をどれだけ届けられるかが運動側の力量だ。

 貧困問題はいろんな分野に共通する課題だ。多重債務、児童虐待、犯罪の背景に貧困がある。見えないだけだ。様々な問題を形にしてつなげて見せることが大事。だから反貧困ネットワークは様々な分野の人が参加している。

 反貧困全国キャラバンが47都道府県を回ってきた。連合系と全労連系が一緒に反貧困ネットワークの地方版といえるものを4つか5つ立ち上げている。準備段階のものは14ぐらいある。今日(2008年12月1日)はちょうど「反貧困ネットワーク埼玉」の立ち上げ式をやっている。

 一朝一夕にはいかないだろうが、そうした取り組みを地道にやっていくことが重要だろう。平和のための野党連合と反貧困運動もクロスさせながらやっていければいいなと思う。

 そういう動きはいろいろ出てきている。自治労が2009年3月に反貧困フェスタをやりたいと言ってきた。反貧困ネットワークが2008年3月に同名で開催している。官製ワーキングプアがテーマだという。公務員は勝ち組、既得権益を得ていると言われるが、公務員もとんでもないことになっている――これを訴えたいが自治労だけでは無理だから、自治労連の人にも全労協系の人にも呼びかけて、社会運動として反貧困フェスタをやるので協力を、という。今その方法を探しているところだ。

社会運動の復権

 一つにまとめる必要はないが、そうしたあちこちで起こっていることをいかに社会的に見せるか。これは「社会運動の復権」といえるだろう。政党系列を越えた広い社会的枠組みを作り、社会全体に呼びかけていくことだ。

 今年一番の成果は、状況の悪化を共に認識できたことだと思う。これまでそういう自覚がなかった。この認識をうまく形にすることができれば、「折り返し地点」を作れるのではないか。

 来年も引き続きその準備段階になるだろう。この同時不況下、大きな折り返し地点が来るとは思えない。しかし政策転換が必要なのだという声をどれだけ挙げていけるかで、本当の折り返し地点を作れるかどうかが問われている。我々も頑張りたいが、皆さんとも連携してやっていきたい。

2. 質疑応答

Q 高齢者福祉施設で働いていた。現場の人は目の前のお年寄りが大事で、制度問題などになかなか目が向かない。現場と社会運動をなんとかつなげることはできないものか。

A 「もやい」などでもそういう問題を抱えている。必ずしも活動趣旨に賛同して来る人が社会的に訴えたいというわけではない。旬報社から首都圏青年ユニオンの河添誠さんと『生きづらさの臨海』を書いた。その中でも指摘しているが、労働運動の活動家は社会的に発信するためにやっている意識が強く、社会保障に関わる人たちは、個別ケアに意識が強い。両方をどう混ぜ込めるかが課題だ。「もやい」に来る学生は、寄り添うセンスがあり、相談者の置かれた状況をすっと分かる。他方で、昔の学生運動の活動家と違い、社会構造の話に入っていないし、大学でもそうした話をする再生産システムがなくなっている。他方、年かさの労働運動をやっている人は社会構造にはバッチリ入っているが、寄り添うセンスはからっきし、という感じの人がいる。

 労働運動と社会保障を一緒にやる学校ができないものか。両方のセンスを持った活動家を育てられないか。「もやい」では役割分担でやっている。自分はあちこちに出かけるが、現場を守る人がいる。乖離しないことだ。両者の活動を尊重する。個別ケアと社会運動の活動家がいがみ合わないようにしなければならない。

Q 憲法発布後の平和運動で落としてきたものがある。あまりにもすばらしいのではしゃいできた結果、一般の法律と、公務員に遵守させる憲法の違いを明確に分けてこなかった。憲法を守りましょう、と曖昧な言葉を使ってきた。憲法99条(公務員の憲法遵守義務)が大事だ。憲法改正を言うなら、議員バッジを外してから。「折り返し地点」は99条に注目させることだ。(意見)

Q 野宿者になったらどこに行けばいいのか。警察に? 「自分たちの労働力は安売りしない」と言ったら、移民に仕事を取られる?日本で教育にお金をかけなくなっているようだが、管理は小数の日本人、生産は中国人に、ということだからか?

A 生活保護は区役所などの中にある各福祉事務所で申請するが、若い人は申請方法を勉強しておくのがいい。『生活保護申請マニュアル』を書いているので参考にしてほしい。

 「自分たちの労働力は安売りしない」と言えば、経営者はそうするだろう。(キャピタル)フライト論という、逃げちゃうよ、という脅しがある。大企業の法人税を上げたり、金持ち増税したりすると日本から逃げていく、と脅す。実際に逃げられる企業は少ないが。中国に逃げ、中国の人件費が上がればバングラディシュに逃げる、というようなグローバリゼーションが進んでいる。逃げていくからしょうがないでしょと(労働条件に関する)脅しを飲み込むのであれば、貧困で死ぬ人が出てもしょうがない、となる。貧困で死ぬ人が出てもしょうがなくないのであれば、脅しを飲み込むこともしょうがない、とはいえない。 最終的には国際的に連携して、そのような企業は追い詰めることだ。簡単ではないが。

 教育費が伸びていない。OECD28ヶ国中、公的支出に占める教育費の割合で日本は最低だ。選別をしたいのだろう。学区制を廃止して裕福で優秀な生徒が集まる学校と貧乏でそうでない生徒が集まる学校にランク化する。そして優秀な生徒はさらに優秀にして日本を引っ張ってもらう、そうでない生徒には「実直な精神だけを養っておいてもらえばいい」(三浦朱門)ということだろう。

Q 地方での貧困は、都市部の貧困とどう違うのか?

A 都会の貧困の背景には地方の貧困がある。最低賃金に貼りついた仕事しかない地方で、派遣企業の宣伝を知って、都会に出て、放り出され、ネットカフェに流れ着く。地方の貧困は深刻で、だから自衛隊に入ってしまう。構造的には都会の貧困問題と同じだろう。

Q 大学で貧困のことを学んでいるが、友人に話してもピンとこない感じだ。国際問題、海外の貧困問題には関心があるが、国内の貧困問題には関心がないようだ。

A 関心の広げ方だが、大学で貧困を勉強していること自体、広がっているということに見える。話のきっかけを工夫してもらいたい。

Q 母子家庭・父子家庭の貧困の現状は。小泉政権で児童扶養手当が削減された。

 児童扶養手当が5年で半額になるということになり、「しんぐるまざーずふぉーらむ」の方などがロビーイングして、年収130万未満であれば減額しないことになった。児童扶養手当は家賃に回していて、児童扶養手当の削減でホームレス化を心配していた。

 母子家庭の母親は低賃金だから元祖ワーキングプアで、児童扶養手当がもらえたとしても、貧困は解消されない。

Q 高齢ホームレスにお弁当をあげたりしている。そういう場合、もやいに相談したほうがいいのか。自宅に泊める覚悟もあるが、どうしたらいいか。国会議員への働きかけでできることは?

A まずは生活保護の説明をして、本人に意思確認をしてほしい。95年から2002年にかけて渋谷で夜回りの活動をしてきたが、何年かけてもコミュニケーションできない方がいる。誤解して嫌だと考えている人もいるので、その理由を聞いてほしい。

 シェルターなどに一晩、二晩泊まってもらうことが本人にとってよいことかどうか。寝泊りや食事の付き合いが固定していると、空けることで他のホームレスに取られてしまうことがある。本人と相談しながら進める必要がある。

 地元選出議員や地方議員にまずは働きかけたらどうか。思ったより反応がよいことがある。

Q 医療に携わっている。岐阜から来た。30年前から人を減らしてきた。麻酔科では派遣が医者を送り込んでいる。麻酔医も自身で会社を作っている。深刻な現場になっている。大学の組合にいたが、話に乗ってこなかった。「労働学校」の展望は?

A 労組にはあまねく呼びかけができてはいない。我々の力量の問題だ。反貧困ネットワークは社会保障分野から発足している。労働問題を前面に出していないので、労組は引いている面があった。ただ徐々に近づきつつあると思う。

 「労働学校」については、はっきりしたビジョンは持っていない。ご協力いただきたい。

Q 政府による労働者派遣法改正案が成立する見込みは?

A 今国会では成立しない可能性が大。次の通常国会までにどういう流れを作り上げられるかだ。派遣ユニオンがホットラインを開設したが、12月初旬には労働弁護団もやり、反貧困ネットワークも24日に電話相談会をするというように波状をかけていく。登録型派遣についても今回の改正案はおざなりなので、突き上げてく。

Q 現行経済はねずみ講だと思う。経済から貧困は解消できず、「反経済」の概念が必要ではないか。見えざる敵は経済のことでは?

A あるものとないものを融通するのが経済だから、経済はなくせないのではないか。(質問者:やり取りと駆け引きの面があり、駆け引きが狂信的になっている。経済を全否定するわけではないが。)新自由主義の傾向を規制して押し留めるという点ではその通りだと思う。

Q 様々な分野の方が反貧困ネットワークに参加しているが、宗教家が入っていないようだが?

A 確かにいないが、身近に声をかけられる人がいなかった。紹介していただきたい。反貧困ネットワークには色んな人がない。医師もいないし、教員もいない。選別しているわけではなく、出会いがあっても、入るまでになっていないからだ。反貧困を盛り立てていきたい人はウェルカムだ。

以上

太田光征
http://otasa.net/

「湯浅誠さんと考える格差・貧困問題」(活憲政治セミナー第2回)

11月 7th, 2008 Posted by MITSU_OHTA @ 15:39:17
under 一般 [56] Comments 

[報告記事湯浅誠「反貧困 これは『彼ら』の問題ではない」をアップしました。ビデオもご覧になれます。] 

 民主党は6日、労働者派遣法改定案の単独提出を延期しました。他野党に配慮して単独提出を見直したのは、これが2度目となります。不安定雇用の原因となっている「登録型派遣」について民主党は、業種制限を設けず、「契約期間2カ月以内」のみを規制する考え。これに対して共産党、社民党、国民新党は製造業への派遣を禁止し、専門職に限定する方針です。

 党内に派遣企業から応援を受けている議員を抱える民主党が、2度にわたって不十分な内容の労働者派遣法改定案の単独提出を見送ったことは、野党共闘、野党連合の重要性をよく示してます。参院で民主党が単独過半数を超えていないことの意義は大きい。来る総選挙では、民主党のひとり勝ちにならないよう、比例区は共産・社民などへ、小選挙区は「勝てる候補」へ、という「選挙区すみ分け投票」がカギになるでしょう。

 「風」の活憲政治セミナー第2回として、「湯浅誠さんと考える格差・貧困問題」を開催しますので、どうぞご参加ください。以下、案内です。
 
 
太田光征
居住政策の貧困:反貧困ネットワーク主催「反貧困世直しイッキ大集会」住まい分科会の報告
http://kaze.fm/wordpress/?p=239
 
 

「平和への結集」をめざす市民の風主催
活憲政治セミナー第2回 「湯浅誠さんと考える格差・貧困問題」 ご案内

皆様
 
 今年九月に福田内閣が突然辞任し、麻生内閣が発足するとともに、いよいよ衆議院の解散総選挙が目の前まで迫ってきました。過去に例のない原油価格や食糧価格の上昇により、庶民の生活や中小企業の経営は大きく脅かされており、またアメリカのサブプライムローン問題に発した金融危機により、株価は暴落し、賃金・雇用破壊の波が押し寄せようとしています。世界的な経済危機の影響に加えて、非正規・短期雇用への切り替えや雇用の不安定化、生活保護の各種加算廃止や後期高齢者医療制度導入など社会保障の切り捨ても進んでおり、社会的弱者の生存を脅かしかねない状況が広がっています。ネットカフェ難民の増加に象徴されるような格差・貧困の問題が今後さらに多くの人を呑み込もうとしています。

 格差の拡大に歯止めをかけ、貧困をなくすためには、どうすればいいのでしょうか。政治セミナー第2回にあたる今回は、講師として反貧困運動の先頭に立って活動してきた湯浅誠さんをお招きし、貧困問題克服に向けた展望を語っていただきます。湯浅さんの「もやい」事務局長としてのこれまでの活動経験、日本の貧困の実態と貧困克服に向けた取り組み、そして特に最近の若い世代による運動の発展や衆議院選挙にあたっての指針、反貧困を掲げる様々な政治勢力による共闘の可能性などについて、お話を聞き、参加者との間で活発な討論ができればと考えていますので、ぜひ皆様も奮ってご参加ください。

講師: 湯浅 誠さん(NPO法人自立生活サポートセンターもやい事務局長)
日時:2008年12月1日(月曜日)18:30−20:30
会場:東京都港区立港勤労福祉会館 第一洋室
    〒108-0014 東京都港区芝5-18-2  
交通:JR田町駅三田口下車徒歩5分 第一京浜国道沿い(芝5丁目交差点かど)
    都営地下鉄三田駅下車、A7出口でてすぐ左隣
    (http://www.3710pic.com/mkf/web/map.html参照)
TEL: 03-3455-6381(代)
参加費:700円 
お問い合わせ先:Keiss1979@aol.com
当日緊急連絡先:080-5373-0575(末次)

「平和への結集」をめざす市民の風
URL: http://kaze.fm

続・次期総選挙《護憲派》《改憲派》別民主党公認候補者リスト

11月 5th, 2008 Posted by higashimototakashi @ 19:21:18
under 一般 [14] Comments 
続・《護憲派》《改憲派》別民主党公認候補者リスト
                                                          2008年11月5日
                            改訂1:2008年11月9日
本リストは、先の「私の視点―『次期総選挙 民主党公認候補者《護憲派》《超改憲派》リスト』」を「護憲派」「保守派」「改憲派」別に再分類したものです。「護憲派」「保守派」「改憲論」などの用語の意味については下記をご参照ください。
 
■私の視点―次期総選挙 民主党公認候補者《護憲派》《超改憲派》リスト(2008年11月9日改訂)
http://kaze.fm/wordpress/?p=242
 
本リストの分類によれば、民主党候補者263人(現在)中「護憲派・リベラル(論者)」は60人、「保守派・改憲論(者)」は185人、「超改憲派 」は18人となっています。新人、元職、現職の内訳については下記をご参照ください。
 
 
新人   107人
  護憲派・リベラル  18人
  保守派・改憲論    89人
  

元職    43人             現職   113人
  護憲派・リベラル  15人         護憲派・リベラル  27人
  保守派・改憲論   28人             保守派・改憲論   68人
                                               超改憲派            18人

合計   263人
  護憲派・リベラル  60人
  保守派・改憲論  185人
  超改憲派            18人
 
 
★[ ]は他の政党推薦
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【新人・護憲派/リベラル】(16人)
秋田県第3区     京野 公子     新  護憲派   [社]九条の会湯沢
神奈川県第4区   長島 一由     新  護憲派   元逗子市長
東京都第23区    櫛渕 万里     新  護憲派   NGO前事務局長
長野県第5区     加藤 学       新  護憲派    元NHKディレクター
愛知県第6区     石田 芳弘      新  護憲派?   前犬山市長
兵庫県第4区     高橋 昭一     新  護憲派   [国]元川田悦子陣営
鹿児島県第4区   皆吉 稲生     新  護憲派       [国]元連合県事務長
沖縄県第4区     瑞慶覧 長敏    新  護憲派
福島県第1区    石原 洋三郎   新  リベラル?  新自由クラブ系?
千葉県第9区    奥野 総一郎   新  リベラル    元羽田G議員秘書
千葉県第12区   中後 淳      新  リベラル    元富津市議 
東京都第10区   江端 貴子    新  リベラル?   菅グループ系?
静岡県第7区     斉木 武志    新  リベラル?   元NHKディレクター
静岡県第8区     斉藤 進      新  リベラル?   元菅グループ議員秘書
岡山県第1区     高井 崇志    新  リベラル    菅グループ
愛媛県第3区     白石 洋一    新  リベラル?   [社]元銀行員
長崎県第2区     福田 衣里子    新  リベラル   薬害肝炎訴訟原告
沖縄県第3区     玉城 デニー    新   リベラル    護憲的リベラル

  

【新人・保守派/改憲論】(91人)
青森県第2区    中野渡 詔子   新  保守派     小沢グループに近い
青森県第4区    山内 崇      新  保守派     元青森県自民党県議
岩手県第2区    畑 浩治      新  保守派?   元国交省キャリア
宮城県第2区    斎藤 恭紀    新  保守派?   気象予報士
宮城県第4区    石山 敬貴    新  保守派?   元理研研究員
茨城県第1区    福島 伸享    新  保守派?   元経産省キャリア
茨城県第2区    石津 政雄    新  保守派?   元大洋村長
茨城県第4区    高野 守      新  保守派?   元自民党議員秘書
茨城県第6区    大泉 博子    新  保守派?   元山口県副知事
茨城県第7区    柳田 和己    新  保守派?   ロータリークラブ所属
栃木県第1区    石森 久嗣    新  保守派?   医師
群馬県第3区    柿沼 正明    新  保守派?   元興銀行員
群馬県第4区    中島 政希    新  保守派?   元経企庁長官秘書
埼玉県第13区   森岡 洋一郎   新  保守派?     松下政経塾第20期生
栃木県第5区    富岡 芳忠    新  保守派?   元銀行員
群馬県第1区    宮崎 岳志    新  保守派?   元上毛新聞社記者
埼玉県第8区    小野塚 勝俊   新  保守派?    一新塾10期生
千葉県第2区    黒田 雄      新  保守派     元県議(新進党)
千葉県第10区   谷田川 元    新  保守派?     松下政経塾第7期生
千葉県第11区   金子 健一    新  保守派?   一宮町商工会副会長
神奈川県第2区  三村 和也    新  保守派?   元経産省キャリア
神奈川県第3区  岡本 英子    新  保守派?   元川端G議員秘書
神奈川県第13区  橘 秀徳      新  保守派?   元原口一博担当秘書
神奈川県第15区  勝又 恒一郎   新  保守派?   元松下政経塾第8期生
神奈川県第16区  後藤 祐一    新  保守派?   元経産省キャリア
神奈川県第17区 神山 洋介    新  保守派?   松下政経塾第24期生
山梨県第2区    坂口 岳洋    新  保守派?   元トヨタ関連会社顧問
東京都第4区    藤田 憲彦    新  保守派?   会社代表取締役
東京都第13区   平山 泰朗    新  保守派?   元会社役員
東京都第14区   木村 剛司    新  保守派?   元自民党議員秘書
東京都第16区   初鹿 明博    新  保守派?   元鳩山由紀夫秘書
東京都第17区   早川 久美子   新  保守派?   元葛飾区議会議員
石川県第2区    田中 美絵子   新  保守派?   河村たかし議員秘書
石川県第3区    近藤 和也    新  保守派?   元野村證券課長代理
岐阜県第1区     柴橋 正直    新  保守派     小沢一郎政治塾3期生
静岡県第3区     小山 展弘    新  保守派?   松下政経塾生
愛知県第7区     山尾 志桜里   新  保守派?   元検察官
愛知県第10区   杉本 和巳    新  保守派?   元銀行員
愛知県第13区   大西 健介    新  保守派?   元野田G議員政策秘書
愛知県第15区   森本 和義    新  保守派?   元前原G議員公設秘書
三重県第5区    藤田 大助    新  保守派?   元自民党県議秘書
京都府第1区    平 智之      新  保守派?   会社役員
京都府第5区    小原 舞      新  保守派    松下政経塾第28期生
大阪府第1区    熊田 篤嗣    新  保守派    元会社員
大阪府第2区    萩原 仁      新  保守派?   元会社社長
大阪府第3区    中島 正純    新  保守派?   会社社長  元警察官
大阪府第6区    村上 史好    新  保守派     元新進党市議会議員
大阪府第14区   長尾 敬      新  保守派?   一新塾生  元会社員
大阪府第15区   大谷 啓      新  保守派     小沢一郎政治塾2期生
大阪府第16区   森山 浩行    新  保守派?   元大阪府議会議員
兵庫県第1区    井戸 正枝    新  保守派?   松下政経塾生
兵庫県第2区    向山 好一    新  保守派    [国]県民社協会事務長
兵庫県第7区    石井 登志郎   新  保守派    [国]鈴木寛議員秘書
奈良県第3区    吉川 政重    新  保守派?   元奈良県議
奈良県第4区    大西 孝典    新  保守派?   前羽田G議員秘書
和歌山県第1区  岸本 周平    新  保守派?   元財務省キャリア
和歌山県第2区  阪口 直人    新  保守派    元参議院候補
和歌山県第3区  玉置 公良    新  保守派?   元和歌山県議
鳥取県第1区     奥田 保明    新  保守派    元石破茂議員秘書
鳥取県第2区     湯原 俊二    新  保守派?   元鳥取県議
島根県第1区     小室 寿明     新  保守派?   [国]保守的リベラル?
岡山県第5区     花咲 宏基    新  保守派     元平成維新の会
広島県第1区     菅川 洋      新  保守派?   税理士
広島県第3区     橋本 博明    新  保守派?   元科学技術庁キャリア
広島県第4区     空本 誠喜    新  保守派?   会社役員
山口県第1区    高邑 勉       新  保守派     鈴木寛参議院議員秘書
山口県第3区     三浦 昇      新  保守派?    藤井裕久議員後援会長
徳島県第3区     仁木 博文    新  保守派?   医師
香川県第2区     玉木 雄一郎   新  保守派?     [社]元財務省キャリア
愛媛県第1区     永江 孝子    新  保守派?   元民放アナウンサー
愛媛県第4区     高橋 英行    新  保守派?   [社] 保守系出身
高知県第1区     田村 久美子   新  保守派?     元福祉施設職員
高知県第2区     楠本 清世    新  保守派?    元会社員
高知県第3区     中山 知意    新  保守派?     元会社員
福岡県第2区     稲富 修二    新  保守派     松下政経塾第17期生
福岡県第7区     野田 国義    新  保守派     元福岡県八女市市長
福岡県第8区     山本 剛正    新  保守派?   元鳩山G議員秘書
福岡県第9区     緒方 林太郎   新  保守派?   元川端G議員スタッフ
熊本県第2区     福嶋 健一郎   新  保守派?   [社]元銀行員
熊本県第3区     後藤 英友    新  保守派?   [社]元会社員
宮崎県第1区     川村 秀三郎   新  保守派?   元林野庁長官 
鹿児島県第2区  打越 明司     新  保守派?    [国]松下政経塾2期生
鹿児島県第5区  網屋 信介    新  保守派?    元会社社長
神奈川県第14区  本村 賢太郎   新  改憲論?   元自衛官募集相談員
東京都第9区    木内 孝胤    新  改憲論     元外資系投資銀行家
新潟県第3区    黒岩 宇洋    新  改憲論    リベラル?
岐阜県第2区     橋本 勉      新  改憲論    解釈改憲論  税理士
岐阜県第5区     阿知波 吉信   新  改憲論       元総務省室長
兵庫県第10区   岡田 康裕    新  改憲論         [国]元会社員

【元職・護憲派/リベラル】(13人)
北海道第5区     小林 千代美    元   護憲派    リベラルの会
埼玉県第12区    本多 平直     元   護憲派    リベラルの会等
千葉県第6区     生方 幸夫     元   護憲派    リベラルの会等
神奈川県第7区   首藤 信彦     元   護憲派    元リベラルの会等
東京都第22区    山花 郁夫     元   護憲派    横路グループ
愛知県第12区    中根 康浩     元   護憲派    元リベラルの会
大阪府第5区     稲見 哲男     元   護憲派    元リベラルの会等
大阪府第17区    辻 恵        元   護憲派    リベラルの会
大阪府第18区    中川 治       元   護憲派    元リベラルの会
福岡県第3区     藤田 一枝     元   護憲派    元リベラルの会
北海道第3区     荒井 聡        元   リベラル    護憲的  菅グループ
埼玉県第14区    中野 譲       元    リベラル?  元菅グループ議員秘書
千葉県第8区     松崎 公昭     元   リベラル    羽田グループ
千葉県第13区    若井 康彦     元   リベラル    無派閥
東京都第24区   阿久津 幸彦     元   リベラル    菅グループ

【元職・保守派/改憲論】(30人)
宮城県第3区     橋本 清仁     元   保守派     小沢グループ
山形県第1区     鹿野 道彦     元   保守派    [社]羽田グループ
茨城県第3区     小泉 俊明     元   保守派?   無派閥
埼玉県第2区     石田 勝之     元   保守派    元自民党 元新進党
埼玉県第9区     五十嵐 文彦    元   保守派    鳩山グループ
埼玉県第10区    松崎 哲久     元   保守派     元自民党研究所
千葉県第3区     岡島 一正     元   保守派     小沢グループ
千葉県第5区     村越 祐民     元   保守派    防衛問題プロパー
神奈川県第5区   田中 慶秋     元   保守派    川端グループ
神奈川県第10区  城島 光力      元   保守派?     保守的リベラル?  
神奈川県第12区  中塚 一宏      元  保守派    小沢グループ等
神奈川県第18区  樋高 剛        元  保守派    小沢グループ 
東京都第1区    海江田 万里     元  保守派    鳩山グループ
東京都第2区    中山 義活      元  保守派    鳩山グループ
東京都第5区    手塚 仁雄      元  保守派    野田グループに近い
東京都第15区   東 祥三        元  保守派    小沢グループ 
石川県第1区    奥田 建        元  保守派    羽田グループ
静岡県第1区     牧野 聖修      元  保守派    保守的リベラル?   
静岡県第2区     津川 祥吾      元  保守派    野田グループに近い
大阪府第4区    吉田 治        元  保守派    川端グループ
大阪府第8区    中野 寛成      元  保守派    羽田グループ
大阪府第9区    大谷 信盛      元  保守派    羽田グループ
大阪府第12区   樽床 伸二      元  保守派    鳩山グループ等
福岡県第4区     古賀 敬章      元  保守派    元山口県自民党県議
福岡県第10区   城井 崇           元  保守派    元前原誠司議員秘書
長崎県第4区     宮島 大典      元  保守派    元自民党宏池会
鹿児島県第3区  松下 忠洋      元  保守派     国民新党候補
兵庫県第5区    梶原 康弘      元  改憲論    [国]元自由党

【現職・護憲派/リベラル】(27人)
北海道第1区   横路 孝弘     現  護憲派    横路グループ
北海道第4区   鉢呂 吉雄     現  護憲派    横路グループ
北海道第6区   佐々木 隆博    現  護憲派    横路グループ
北海道第7区   仲野 博子     現  護憲派    小沢グループ等
宮城県第1区   郡 和子       現  護憲派    リベラルの会等 
秋田県第1区   寺田 学       現  護憲派    [社]リベラルの会等
神奈川県第8区 岩國 哲人     現  護憲派    リベラルの会等
山梨県第3区   後藤 斎         現  護憲派    羽田グループ
新潟県第1区   西村 智奈美    現  護憲派    リベラルの会等
新潟県第6区   筒井 信隆      現  護憲派    横路グループ等
長野県第1区   篠原 孝         現  護憲派    元リベラルの会等
愛知県第3区   近藤 昭一        現  護憲派    リベラルの会
愛知県第5区   赤松 広隆        現  護憲派    横路グループ
滋賀県第4区   奥村 展三       現  護憲派    小沢グループ
山口県第2区   平岡 秀夫       現  護憲派     リベラルの会等
香川県第1区   小川 淳也       現  護憲派    [社]前原グループ
福岡県第1区   松本 龍         現  護憲派    横路グループ
大分県第3区   横光 克彦       現  護憲派    横路グループ
鹿児島県第1区 川内 博史       現  護憲派    [国]元リベラルの会
北海道第8区   逢坂 誠二        現  リベラル    保守的リベラル
埼玉県第3区   細川 律夫        現  リベラル     菅グループ
千葉県第1区   田嶋 要          現  リベラル    菅グループ
神奈川県第6区 池田 元久      現  リベラル     菅グループ
東京都第18区  菅 直人        現  リベラル    菅グループ
東京都第19区  末松 義規      現  リベラル    菅グループ
東京都第20区  加藤 公一      現  リベラル    菅グループ
岡山県第4区   柚木 道義      現  リベラル    菅グループ

【現職・保守派・改憲論】(189人)
北海道第2区   三井 辨雄     現  保守派      川端グループ等   
北海道第9区   鳩山 由紀夫     現   保守派     鳩山グループ
北海道第10区  小平 忠正      現  保守派     川端グループ等
北海道第11区  石川 知裕      現  保守派     小沢グループ
青森県第1区   横山 北斗      現  保守派     小沢グループ
青森県第3区   田名部 匡代     現  保守派     小沢グループ等
岩手県第1区   階 猛              現  保守派     小沢グループ
岩手県第3区   黄川田 徹      現  保守派     小沢グループ
岩手県第4区   小沢 一郎      現  保守派     小沢グループ
宮城県第5区   安住 淳        現  保守派     前原グループ
福島県第3区   玄葉 光一郎     現  保守派     野田グループ
福島県第4区   渡部 恒三      現  保守派     羽田グループ
茨城県第5区   大畠 章宏      現  保守派    鳩山グループ
栃木県第2区   福田 昭夫      現  保守派    鳩山グループ
栃木県第4区   山岡 賢次     現  保守派    小沢グループ
埼玉県第1区   武正 公一     現  保守派     野田グループ等
埼玉県第5区   枝野 幸男     現  保守派    リベラル 菅グループ等
埼玉県第6区   大島 敦       現  保守派     鳩山グループ
埼玉県第15区  高山 智司      現  保守派    川端グループ等
千葉県第4区   野田 佳彦     現  保守派    野田グループ
千葉県第7区   内山 晃       現  保守派    小沢グループ
新潟県第4区   菊田 真紀子     現   保守派    川端グループ等
富山県第1区   村井 宗明      現  保守派    小沢グループ
福井県第1区   笹木 竜三      現  保守派    [国]鳩山グループ
長野県第2区   下条 みつ      現  保守派     羽田グループ
長野県第3区   羽田 孜        現  保守派    羽田グループ
岐阜県第3区   園田 康博      現  保守派     羽田グループ
愛知県第2区   古川 元久      現  保守派    前原グループ
愛知県第9区   岡本 充功      現  保守派    鳩山グループ
三重県第3区   岡田 克也      現  保守派    羽田グループ
滋賀県第2区   田島 一成     現  保守派    前原グループ
滋賀県第3区   三日月 大造    現  保守派    川端グループ等
京都府第6区   山井 和則      現  保守派    前原グループ
大阪府第11区  平野 博文      現  保守派    [社]鳩山グループ
兵庫県第11区  松本 剛明      現  保守派    [国]野田グループ
兵庫県第12区  山口 壯        現  保守派    [国]羽田グループ
奈良県第2区   滝 実         現  保守派    [新]元自民党衆院議員
島根県第2区   亀井 久興      現  保守派    国民新党候補
岡山県第2区   津村 啓介      現  保守派    前原グループ
広島県第2区   松本 大輔      現  保守派    前原グループ
広島県第7区   和田 隆志      現  保守派?   保守的リベラル? 
徳島県第1区   仙谷 由人      現  保守派    前原グループ
福岡県第5区   楠田 大蔵      現  保守派     羽田グループ
福岡県第6区   古賀 一成      現  保守派     鳩山グループ等
長崎県第1区   高木 義明      現  保守派     川端グループ等
長崎県第3区   山田 正彦      現  保守派    小沢グループ
熊本県第1区   松野 頼久      現  保守派      [社]鳩山グループ
北海道第12区  松木 謙公      現  改憲論     小沢グループ
山形県第2区   近藤 洋介      現  改憲論    [社]野田グループ
福島県第2区   太田 和美      現  改憲論      無派閥
山梨県第1区   小沢 鋭仁      現  改憲論     鳩山グループ
東京都第6区   小宮山 洋子     現  改憲論     [社]リベラル
東京都第7区   長妻 昭        現  改憲論     無派閥
静岡県第5区   細野 豪志      現  改憲論    前原グループ
愛知県第8区   伴野 豊        現  改憲論    川端グループ等
愛知県第11区  古本 伸一郎     現  改憲論    川端グループ等
三重県第1区   中井 洽        現  改憲論    川端グループ
三重県第2区   中川 正春      現  改憲論    羽田グループ
三重県第4区   森本 哲生      現  改憲論    川端グループ等
滋賀県第1区   川端 達夫      現  改憲論    川端グループ等
京都府第3区   泉 健太        現  改憲論    前原グループ
大阪府第7区   藤村 修        現  改憲論    [社]野田グループ
大阪府第19区  長安 豊        現  改憲論    [社]前原グループ
兵庫県第3区   土肥 隆一      現  改憲論    [国]横路グループ等
奈良県第1区   馬淵 澄夫      現  改憲論    野田グループ
徳島県第2区   高井 美穂      現  改憲論    野田グループ等
佐賀県第1区   原口 一博      現  改憲論     [社]野田グループ等
佐賀県第2区   大串 博志      現  改憲論     [社]野田グループ

【現職・超改憲派】(18人)
福島県第5区   吉田 泉       現  超改憲派   真実を検証する会
群馬県第2区   石関 貴史     現  超改憲派   真実を検証する会
埼玉県第4区   神風 英男     現  超改憲派   真実を検証する会
埼玉県第7区   小宮山 泰子    現  超改憲派     真実を検証する会
神奈川県第9区 笠 浩史        現  超改憲派   真実を検証する会
東京都第3区   松原 仁       現  超改憲派   日本会議所属議員
東京都第21区  長島 昭久       現   超改憲派  真実を検証する会
新潟県第2区   鷲尾 英一郎    現  超改憲派   真実を検証する会
静岡県第4区   田村 謙治     現  超改憲派   真実を検証する会
静岡県第6区   渡辺 周       現  超改憲派   真実を検証する会
愛知県第1区   河村 たかし     現  超改憲派   真実を検証する会
愛知県第4区    牧 義夫       現  超改憲派   真実を検証する会
愛知県第14区  鈴木 克昌     現  超改憲派   真実を検証する会
京都府第2区   前原 誠司     現  超改憲派   日本会議所属議員
京都府第4区   北神 圭朗     現  超改憲派   真実を検証する会
兵庫県第6区   市村 浩一郎    現  超改憲派   [国]真実を検証する会
広島県第5区   三谷 光男     現  超改憲派   真実を検証する会
大分県第1区   吉良 州司     現  超改憲派   [社]小沢グループ
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by 東本高志

裁判ではなく選挙制度審議会に強制参加させてほしいものだ(付:11.12斎藤貴男さん講演会「裁判員制度・・・それ・・・大丈夫なの?」案内)

11月 1st, 2008 Posted by MITSU_OHTA @ 20:02:07
under 一般 No Comments 

 運動関係者の中にも、裁判員制度に賛成する人がいます。しかし、死刑制度を前提にするので思想・信条の自由を侵害する、強制労働である、などの理由で、反対する人のほうが多いようです。私も裁判員制度には反対する立場にあります。

 法曹関係者の方には耳障りの悪い表現ですが、裁判は社会的不祥事の後始末、尻拭いの作業です。社会情勢、政治の出来次第でいくらでも社会的不祥事は発生します。

 私は、悪いですが、原発経済の後始末であるとか、新自由主義経済運営の後始末であるとか、カジノ経済の後始末であるとか、格差社会を原因とする犯罪の後始末などを強制的にさせられるのは、ゴメンです。私は、社会的不祥事を防ぐための社会運営、社会的意思の決定に、主権者として関わりたい。

 裁判員制度というのは、主権者の主権を具体的に保障するための制度であるべき選挙制度を主権者に触れさせない国会議員の統治的発想の賜物でしょう。国(総務省)が選挙制度審議会を主催するのも本末転倒ですが、裁判ではなく、選挙制度審議会など、選挙制度に関する社会的意思を決定する場にこそ参加させてほしい。それが先です。

 民主党・共産党・社民党は最近、裁判員制度の見直しに言及し始めました。野党統一政策として、同制度の廃止を決定していただきたいと思います。

 友人から裁判員制度に関する講演会の案内が来ているので、紹介しておきます。どうぞご参加ください。裁判員制度の前に、死刑執行人制度――法務大臣ほか市民が死刑執行実務を担う――が必要かな?
 
 

講演題目:「裁判員制度・・・それ・・・大丈夫なの?」
講   師:斎藤貴男さん
日   時:2008年11月12日(水)18:00〜
会   場:松戸市民劇場
       〒271-0091 千葉県松戸市本町11番地の6
       T E L 047(368)0070
       JR松戸駅西口より徒歩5分
地   図:
http://www.morinohall21.com/gekijo/g_chizu.html

主   催:裁判員制度を考える会・松戸
連 絡 先:東葛総合法律事務所 047−367-1313
       市民自治をめざす1000人の会 047−360-6064

 
 
太田光征
http://otasa.net/